絵はがき風呂 | kaerusan

絵はがき風呂
(別府温泉名勝)砂場の実況
温泉や浜辺の絵はがきには、なんともトボケたものが多い。
水辺に来ると、人は自分でも気づかないうちに、いろいろ漏らしてしまうらしい。
そういえば、みうらじゅん氏の好著「カスハガの世界」にも温泉や水辺の絵はがきが数多く登場する。
こうした絵はがきを見ると反射的に手が止まり、ひょいと抜いてしまう。
多くの場合は、もう露骨に風俗やポーズがおかしい。だから、見た瞬間に、どこがどうおかしいのかわかるのである。

text | 細馬 宏通
2008年3月5日
24
photo | kaerusan
text | 細馬 宏通
ほら。
photo | kaerusan
(東尋坊名所)波のリズムに踊る海女

2008年3月5日
23
22
海軍兵学校遊泳教員能島流師範多田氏(伝馬形)
ほら。
photo | kaerusan

text | 細馬 宏通
2008年3月6日
露骨におかしいわけでもないのに、なんとなく引き当ててしまう一枚、というのがある。
はたと手が止まる。止まるが、なんとなく、一気に引くまでの決定力がない。にもかかわらず、ついでに、くらいのつもりで買ってしまう。
何が自分をつかまえたのか、そのときはわからない。
家に帰ってしげしげとその絵はがきを眺めながら、ゆっくりと頭を「解凍」してやる。
すると、だんだん絵はがきの上を目が泳ぐようになる。一枚の絵はがきなのに、次第に目が忙しく動き出し、その動きにリズムがついてくる。気持ちが浮き立ってきて、一枚を眺めているだけでどんどん時間が経つ。
しかし。
2008年3月5日
text | 細馬 宏通
21


20
(湯崎名勝)遊浴自在の大浴場、稲荷湯
2008年3月5日
text | 細馬 宏通
たとえば、こんな絵はがきで。
photo | kaerusan
いま、あらためて見直すならば、明らかにおかしいところが、あるにはある。
photo | kaerusan

text | 細馬 宏通
2008年3月5日
19
photo | kaerusan
子ども。
2008年3月5日
text | 細馬 宏通

18
2008年3月5日
次郎は、いかにも子どもらしい。
顔立ちのせいだろうか。いや、顔だけじゃない。
腕だ。腕が幼いのだ。
次郎の右腕は、湯船のへりをつかまえようとしている。ところが、左腕はちょこんとへりに置いただけ。
風呂というよりプールなのだ、この腕の形は。ひと泳ぎして疲れた水泳選手のあの感じ、「あ、5位か・・・」と、呆けたように電光掲示板を見ている感じ。寄る辺ないのである。風呂に体を預けきっていないのである。この大浴場を受け止めかねているのである。
photo | kaerusan
17

text | 細馬 宏通














