Staccato  |  Kaoree

食と職

なりたい肉食 なれない草食
毎日せっせと通う求職 毎日やむなく貰う給食

やっとつかんだ安定定職 仕事に打ち込み忘れる寝食
たまのランチはせいぜい定食

多忙の日々が精神侵食 デパート出かけてせっせと試食
いつのまにやら筋金吝嗇

近頃めっきり減った装飾 買わなくなった口紅新色
食べる喜びだけが増殖 暇さえあれば暴飲暴食
あきらかに肥え歪んだ面色

重い体が仕事に抵触 窓際上司が示す難色
とうとう免職これで無職
それも意外と好感触

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photo | nakimusi

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度胸と無謀は違うもの

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度胸と無謀は違うもの。
若いもんの無謀をうらやましがることはわちきはこの先ないじゃろうが、クソ度胸を手前のモノにするにもまだまだ修行が足りんようじゃ。

むかーしむかしのことじゃった。
まだ車の免許はおろかチャリにすら満足に乗れない高校大学くらいのころ、わちきはヒトの車やバイクに乗るのが好きじゃった。

高速でかっとばれてもケツ流されてもいきなりサイド引いてぐるぐる回っても全然怖くなかったのじゃ。
だがのう、今ではヒトのチャリのうしろに乗るのさえこわいんじゃよ。

それってのは別にビビりになったとかではなくての、単純に自分が車なりチャリなりを運転するようになったからなんじゃろうな。
昔こわくなかったってのは無知ゆえにこわくなかったというか、まさに若さによる無謀ってやつでの。

そのこわさを乗り越えるとやっと度胸と呼べるものになるんじゃろうな。齢30を越えてようやくそんなことにわちきは気づいたのじゃ。これは乗り物に限ったことではないのう。なんでもそうじゃ。
知らないゆえの大胆さは無謀で、それゆえリスクも高いが、熟知したうえでの度胸はヒトとしての幅を広げるものなのじゃ。

読んでるマガジン 特集は偉人
特に憧れた人の名は魯迅

立派な知人隣人友人
いつになっても拝してる後塵

それでもめげない精神強靭
そろそろ作動させなきゃエンジン
失くすな個人 やる気が肝心
敷いてやる気の完全な布陣

だけどいつでも木端微塵
現代社会に俺は通じん
行けども無人 見渡せる砂塵
空回り奮迅 いつだって暇人

誰が呼んだか奇人変人

photo | Ka13

text | Kaoree

Jinx

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ぶっきらぼう

知人にたいへん素敵なご夫婦がいる。
ひとまわり年上で子供もいないが、もうホントに雑誌や漫画から抜け出してきたかのようなふたりだ。ルックスじゃなくて、性格やら生き様が超カッコイイ。かなり気ままに生きてるつもりのわたしでもため息ついてちょっぴり憧れちゃうくらい。

特にご主人は、マジで素敵。惚れる。
見た目とうてい年相応には見えない。ファッションセンスも独特なお洒落人で個性的過ぎるくらい、それがまたよく似合う。スーパーカスタムカーやらバイクやらのオーナーでもあり、その世界では結構有名だそうだ。自宅にガレージがあるのだが、いるだけで幸せな気持ちになる。

ご主人、基本的におしゃべりだけどぶっきらぼう。ものすごくシャイというか、照れ屋さんだ。
怒るときにはものすごく怒る。怖い。でも普段は気遣いの人で、彼の笑顔を見るとなんだか嬉しい。男女問わず、ヒトとしての魅力値がとても高い人。

大勢で酒を飲んでいたとき、車が使えずひとりでわたしがこっそり歩いて買出しに行ったとき、気づいて車で追いかけてきてくれたことがある。数分間のドライブは彼の軽口と確かな運転技術でたいそう快いものだった。押し付けがましくもせず、適度な距離感でしかも気遣いを忘れない絶妙な対人姿勢は見習うべきところが山ほどあった。

はるか昔にわたしの先輩で彼に似たような印象の殿方がいた。ご主人とは似ても似つかないルックスや趣味だったけど、内面に流れてるものが一緒っていうか。でもやはり車好きだったな。

共通して受けた印象、ぶっきらぼうからにじむ優しさ。
そういうのに触れると、なんか胸がじいんと来るんだよね。

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text | Kaoree

家に帰れば手洗いうがい 病的なほどに潔癖きちがい
だけどそのわり案外意外 関心興味が低い公害
平気で住んでる都会の市街 一瞥するだけカラスの死骸

判断基準は常に利害 何より怖い自分への危害
一丁前の企業戦士まがい いつ頃からか家庭では疎外
かえりみなかった仕事以外 気づかなかった妻の願い

子供を連れて妻海外 なりえなかった子はかすがい
突きつけられた慰謝料法外
そんな申し出まるで心外 ダメージ甚大精神被害

すれ違いばかり互い違い
裁判結果を待つ日々は長い ひとりで飲む酒ほろ苦い

思っていたよりふがいない そんな自分にただ憤慨
気づいたときには手遅れ たいがい

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GUY

photo | HEI !

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たとえばスポーツ選手は体が資本。体を壊すと仕事ができなくなり収入がなくなり飯が食えなくなる。そういうのを知ると人は不思議なことに同情を催す。なんとか救済してやれるような制度がないもんかと思う。

たとえば音楽家は耳が資本。耳がダメになるとお仕事に支障が出て悩んで苦しむことになる。そういうのを知ると人は不思議なことに憐れみを覚える。なんとかそれでも続けさせてあげる方法はないもんかと思う。

わかる、わかるよ。たとえばわたしは格闘技大好きだが、格闘家たちは超一流を除けば食っていくもの正直大変だと思う。トレーニングに精を出さないといかんのに食うもままならず肉体労働に追われるような人だって少なくないだろう。そういうのを見るとなんとかならないかなと思う。その昔猪木が構想として持っていたように、団体が選手の人生を保証してやれればいいと思う。

だけど、冷静に考えてみればそれらの感覚ってやっぱちょっとヘンだ。

苦難の道を選んでいる人たちは好きで選んでいるのだ。無難な仕事について無難に生きていくことを選択することだってできたはずだが、どうしても好きで諦めきれずその世界に身を投ず。大成功できる人間なんてほんのひと握りだと知っていながらあえて茨の道を選ぶ。そうして行き詰って苦しむのも当然また享受せねばならないことなんだろうと思うのだ。

身体的に障害を持ってしまった人に関してはちょっと話が別なのでここでは触れないが、普通に企業に勤めている人だって似たようなことは起こる。いつだって誰だって突然に職業を失い職場を失い食うに困る局面に遭う危険性を常に孕んでいるのが現代の資本主義社会だ。

勤めていた会社がつぶれて再就職の目処も立たない。前の会社はつぶれたわけだから保証も次の職場への斡旋も期待できないし、当然国からはわずかながらの失業保険を短い期間受けられるだけだ。だけどそんな人を見たって「がんばって再就職先探せよ」としか思わないだろうし、それで何年もブラブラしてると「何で仕事しないんだよ、その気になりゃなんだって仕事なんかあるだろ」とクズ扱い。そんなもんだ。

text | Kaoree

職業選択の自由、アハハン

大人はすべてが自己責任。会社も仕事も自分で選ぶ。不幸にも乗った舟が座礁したときには自力で船を大海原に出さなきゃならん。曳航してくれる奴なんていない。燃料わけてくれるやつなんていないよ。当たり前だ、みんな手前の船で海を進むのに精一杯なんだからさ。そんな中たまたま人目に触れる仕事だからってだけで過剰に同情を寄せたりする感覚はやっぱりどこかヘンだと言わざるをえない。

ありがたいことに女子は殿方の船に乗り込む権利を許されている。わたしはキャプテン旦那の船で、船内雑務を担当しながら海の景色を楽しんでおる、というわけです。

叩き落されないようにがんばらないとね。

text | Kaoree

職業選択の自由、アハハン

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財布はキティ 煙草はJT
携帯電話はNTT
好きな映画は断然ET

お勤め先はいわゆるIT
ビルのそびえるトーキョーシティ
意外に少ないギャランティ

癒しを求めてコミュニティ
それなり満足メンタリティ

午後には甘いミルクティ
でもなぜか心はエンプティ

おしえておくれよ、ハンプティダンプティ

ハンプティ・ダンプティ

text | Kaoree

photo | kanegen

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