火のないところ:18 | KIMURAKEMURI
唄っているうちに自分が佐野某のモノマネをしているのか、松山チハルのモノマネをしているのかわからなくなって、独りでふふん、と気持ち悪く鼻先で笑った。つまらんなー。
・あんまり寒いので冬物を出したりしていて、ふと、なんかこう、クビもとにふわっふわなファーがあしらわれた外套を昨冬、つい前のシーズンに誂えたような、しかしたいそう朧げな記憶が頭をもたげ、ううん、あれ、持ってたような、ああいう、ふわっふわがついてる…、と"ふわっふわ"というキーワードだけを反芻して、全体像はさっぱり思い浮かばず、それがはたして綿だったのか毛だったのかカーキだったのかネイヴィーだったのか、その先を辿れぬ、痴呆者のメモリーひとり行脚はロング&ワインディング且つNO WAY OUT、それでもここは年の功、若い頃に比べ自分に対してあまり期待していないというか、自分の能力への諦めの早さときた
・何か大切なことを伝えたかったら、それをチョコレートで包みなさい、とは故ビリー・ワイルダーのコトバですが、いやいやあしかし寒いですね毎日毎日こんばんは靴です。
・あんまり寒いので、駅からの帰り道、おそらく高校か大学のときに実家にあった父親の安いフォークギターで突貫作詞作曲した”佐野モトハルの新曲(仮)”という曲を、佐野モトハルのものまねで唄いながら歩いた。
おんなじ顔の双子
おんなじ声の双子
片方だけが逆子 Yeah
イヌのふん イヌのふん
イヌのふん 踏んで 踏んでBlue
Blue Woo Woo Woo
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火のないところ:18
火のないところ:18
ら流石30代(ガラスの)、ふわっふわという語感の良さも手伝って、昨冬自分と行動をともにした友人知人に「あのさあ、去年さあ、あのクビもとがふわっふわのさあ」と手当り次第に尋ねまわる。
・あんまり寒いので(惰性)銀座線に外苑前から乗り込んできたおっさんがぎくっとするほど見たことがあって、誰だ誰だ誰だと思い出そうと試したが無理でした(また諦めた)。仕事関係じゃないんだよなあ、あのおっさん。しっかしまだまだわたくし若輩者で御座いますが、30年生きてるとこういう、思いがけず、かつ思い出せない束の間の出会いって増えませんかね。
・あんまり寒いので(慣性)名前を付けるのが好きだ。できる限り名付けていきたい。名前を付けることができたことはないのだけれど。名付け親になりたくて30余年、西に東に奔走し子を授かった若夫婦
やイヌを囲った若貴婦人を探し尋ね歩いては、勝手につんのめり気味に命名してきたのだが、残念無念、わたしの渾身を秘めた名が実際に名付けられたことは、いまだない。のだが、この間、ある友人がイヌを飼うというので、その犬種、本人の趣味、本人とそのイヌの今後の関係などを総合的に鑑みて2つにしぼって遅ればせながら命名メールを送信したところ、そのうちのひとつリリーがすでに命名されていたとの報告。先方もこちとらも相当びっくりしたが、けれどこれは結局、命名できなかったことには変わりはないので、なんだかなああ。
・あんまり(略)中学三年くらいまでは、シコシコと毎年毎年律儀にオリジナル年賀状をこさえていた私ですが、しかも年々そのあまのじゃくぶり(絵が干支にちなんでいない、"おもちをたべすぎないようにね!"とか書かない等)がエスカレートした挙げ句、べったべたな誘拐犯よろしく、新聞や折り込み
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広告のチラシ等から「あ」「け」「ま」「し」「て」「お」「め」「で」「と」「う」という文字を切り抜き切り抜いてペタペタアラビックヤマト(懐かしいなあ)糊で貼ってまるで現代アート作品をでっちあげ年賀のお祝いに代えさせていただいたところ、年明け、3学期事始めには「キムラの気持ち悪い年賀状、みた?」と地味にアングラにサブカルに話題をかっさらっていたぼくですが、それっきり年賀状制度(とバレンタイン制度。負け犬?そうですけど?)を個人的に廃止していた、ここ十余年、ことしはちょっと余裕ぶって、会社の年賀状をえいや、と100枚発注し、でも手書きはつらいな、なんかCDROM付きかなんかで、簡単に住所録を作成してラベル出力までできてしまう便利な商品があるに違いない、と確信しながら積極的に探しに出てゆかないまま、もう年の瀬。あまのじゃくはナリをひそめて。あわわわ。
・あん(略)ランチにとっても切なく残念なラーメンを食して、午後いっぱいぐったりテンションが下がり、もう無理Mow無理と帰路につく、銀座線のホームのキオスクでM&M'Sの黄色いパッケージのピーナッツ入りを買ってホームでぽりぽりとその虚しくせつなくいとおしく残念な空腹を満たしていたら、「オクチデトケテ、テニトケナイ!」というキャッチフレーズをおもむろにおもいだしたのだけれど、果たして今20代前半くらいだと、「お口で溶けて〜」は論を待たず、「デカケルトキハ、ワスレーズニ!(Amex)」「ニバーイ、ニバーイ!(羽毛布団)」「オーキークナーレヨー!(丸大ハンバーグ)」とかなんとか、広告業界黄金期のコピーを知らない世代に今ひょっとしたら囲まれている!と思いながらキャンディコーテッドチョコボールズをぽりぽり一気食い。でもガイジンにニホンゴでもの言わすのって、やっぱり印象残しますよね。ちなみにキャッチフレーズとかタイトルとか商品名も付けた
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火のないところ:18
分だけだ、覚えてないのん。
・あんまり寒いので(しつこい?しつこいよ)代官山と恵比寿の中間くらいに位置するお気に入りのお店で気になるツイードのコートがあって、うーん、うーん、と一週間後に再訪問して、またうーん、うーん、とやっていると店員に『先週もいらっしゃってましたよね、それみてましたよね』と図星ジャストミートで心の中で赤面、しかも元来もともと生地布帛の商社から社会人をスタートした自分、ブティークではハウスマヌカンたちの面前でついつい生地の触感を何度も執拗に確かめたり、成分表示や裏側の縫製、まつり縫い部分などを凝視してしまうクセがあり、そのおかげで『いやあ、服作ってるヒトかと思いました』と暴露され二度赤面(インマイマインド)、されど平静をかろうじて装い、コート装う。買う。買った。買った!
がりです。付けさせて!キャッチ!
・渋谷の某村で2日連続きくちナルヨシ大教授のライブ。UAのMCはおもろ。タイムトラベルはたのし(オーヌキタエコ)。特に初日のPepe Tormento Azucarar が芳醇で豊潤。ファンを半端に気取りながらDATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDENが活動休止したのしらなかったわよ。えー。
・馬車道で前の前の会社のKさんIさんMさん(K.I.M.と命名)と焼き肉。3人(全て女性)は先に集まってネイルサロン帰り。仲間に入れてくんさい。実は爪が変に美しいわたくし(つめ自慢)。あの去年ぼくふわっふわの、ふわっふわの、ファー付きのコート着てませんでした、ふわっふわの?と尋ねてみたら、その買い物帰りに彼女たちと昨年逢っていて、全員覚えていてびっくりした。ふわー、自
火のないところ:18
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- 著者:木村煙 KIMURA, Kemuri
発 行:木村煙 KIMURA, Kemuri
BSBN 1-01-00025836
ブックフォーマット:#464


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