spine
jacket

my cannes

WatanabeAni

WatanabeAni出版

「shikasha」という平林勇監督の短編映画で本編のエンドロールに使われる写真を撮った。
平林監督はヨーロッパでの評価が高い監督だ。
二月のベルリンに続いてカンヌ国際映画祭の監督週間にセレクトされたので関係者ヅラして同行してみた。単純にカンヌ映画祭というのがどんなもんか、この目で見たかっただけである。ヨーロッパの特徴として、内部に入り込まないと「何も見せてくれない」というのがある。街中の建物は誰にも開かれているように見えるが、鍵のかかった扉の奥に中庭が広がっていて、部外者は外観しか見ることができないし、ブランドのブティックも顧客用のフロアに通じる入り口があって、観光客がその存在を知ることはない。徹底的に外からの人と中の人を区別するスタイルは、排他的でもあり、平和を維持する知恵でもある。
カンヌは映画祭事務局から支給されたパスがないと、どこにも入ることができない。チケットを買えばなんでも観られる市民のためのベルリン映画祭とはそこが違っている。マルシェと呼ばれる場所には、世界中の映画会社のブースが軒を連ね、バイヤーやジャーナリストが走り回っていた。隔離された場所で行われている映画祭だが、その雰囲気は街にこぼれ出す。アラブの大富豪がシャレでフェラーリを10台くらい並べてカフェの前を走ったり、ハーバーにはヴィンテージヨットや数十億円のクルーザーがこれでもかというくらい並んでいる。同時期にモナコでF1があるので、みんな船で移動するらしい。セレブ的なモノは見るだけならいいけど、写真にしたいとはあまり思えず、結局いつも撮ってるような味のある人やトンマな風景ばかり撮ってきた。カンヌについて最初に次のページの船長風のおじさんを撮ったときに方向性は決定。カンヌじゃなくてもいい。

屈託のない観光客が大好きだ。
見えているのに入れない。 ある種の意地悪である。
ここがマルシェの中。
shikashaのポスターは目立つ。 奥に貼られているのが北野監督の「OUTRAGE」。 -
個人的な性癖ですんませんが、 肩幅が水平で広い女性にグッと来る。 -
何かに興奮して突然鼻血を出す青年。 「映画オタク」というオーディションなら 確実に選ばれそうだ。 -
このおばちゃんは「OUTRAGE」を観たいとチケットを探していた。俺にも「ないか」と聞いてきたので 「キタノが好きなのか?」と聞いたら 「知らん」と言っていた。 -
ヨーロッパの女性は仕草が美しい。 絵になるっつーか。
みんな何気なくトップレスである。 きわめて写真が撮りにくい。 うら若き女性もおばちゃんも丸出しである。
日本から来たのか。そうか。 カンヌはうるせえだろ。 日本もうるせえか。そうか。
カンヌのベストモミアゲ。 ワーストとも言えるが。
シー・シェパードが見張っている。
北野監督。かっこいい。
日本から来た監督か。 それはすごいな。 一緒に写真を撮ろう。 などとカフェのおじさんに言われた。 -
個性的という概念は軽く超越していた。
エクタクロームを3年後に現像したみたいな 観光ヘボ写真の色。 この写真を見たときに全体をこの色にしようと思った。
船に乗って近くの島へ。
メタボリックな サービスカット
ジャーナリスト。
マジェスティックのパーティに来たセレブ。 パパラッチに取り囲まれていた。
キティちゃんはヨーロッパで 人気があって、どこでも売っている。
この人はずっとふざけて 白目をしていた。 -
ニースの空港レストラン。 意外とまともな味の ポルチーニとパンチェッタのリゾット。 日本で言うと4人前くらいの量。 -
まったくカンヌに行く意味のない写真であった。

my cannes

2010年5月26日 発行 converted from former BCCKS

著  者:WatanabeAni
発  行:WatanabeAni出版

bb_B_00033344
bcck: http://bccks.jp/bcck/00033344/info
user: http://bccks.jp/user/10825
format:#001

発行者 BCCKS
〒 141-0021
東京都品川区上大崎 1-5-5 201
contact@bccks.jp
http://bccks.jp/

jacket