たぬきコーチのコミュニケーション通信。略してコミ通は、コミュニケーションに役立つさまざまな情報をいろんな角度からエッセイ風にお届けします。本文は月二回発行している「たぬきコーチのコミュニケーション通信」および「コミュニケーションジャーナル」から抜粋しています。
コミュニケーションはキャッチボール
人間って便利な道具を持っていますよね。
え、それは何かって? そう、「言葉」という道具なんです。そして、その言葉を誰かとやりとりしてする。これが「コミュニケーション」といわれるものですね。
コミュニケーションは言葉の他にも文字や絵、その他いろいろな手段を用いて行うことができます。どの方法を使ってもコミュニケーションで共通するものがあるんです。
それは「お互いの意志を分かり合う」ということ。つまり、「双方向の意思疎通」が成り立って、始めてコミュニケーションと言えるんですよ。
これ、キャッチボールに例えられます。ボールの代わりに言葉を投げて、それを受けたらまた投げ返す。ボールを受けるためのグローブが「聞く」という行為なんですね。
ですから、一方的な指示や命令はコミュニケーションと言わないんです。これ、十分注意して下さいね。
コミュニケーションがキャッチボールだといわれる理由、わかりました?
キャッチボールというけれど
「そんなことわかってるよ。相手からの言葉をしっかりキャッチして、また相手に投げ返す。この繰り返しがコミュニケーションでしょ」
はい、その通りですね。それではちょっと質問。相手からの言葉、どうやって「キャッチ」していますか?
「言葉をキャッチって…相手の言葉を聞いていればキャッチしていることになるんじゃないの?」
うん、確かに「聞く」というのは一見キャッチしているように見えますね。でもこのときに、相手が投げたボールを横目に自分が用意した別のボールを投げようとしていませんか? ちょっと思い出して。
友だちが何かを相談しようとあなたに話しかけています。一生懸命話しているんだけど、あなたは友だちにアドバイスしようと考え事。
それを見て友だちが一言
「ねぇ、聞いているの?」
ね、そんな経験あるでしょ。そしてその逆の経験も。このとき、確かに耳から言葉は入っているんですが、頭は聞いていないんですね。そして頭の中では別のボールを用意している。これはキャッチボールじゃないですよね。聞くというのは「耳」ではなく「頭」で行うもの。そして投げられた球はそのまま投げ返す。これ、当たり前だけどできていないんです。
もう一つ、なぜか話しがかみ合わない
ってことないですか。
「日曜日の天気ってどうかな?」
「日曜は忙しいからどこも行けないよ」
あれ、天気の話しをしているのに、答えは予定の話し。これ、天気の話しを受けた方は「天気が良ければどこか連れて行けと言うに違いない」って勝手に思って答えを投げ返してますね。
これ、聞いているからコミュニケーションが取れているように見えますが、こちらから投げたボールは大暴投! これでは相手はボールを受け取ることができずに次のボールが投げられませんよね。
キャッチボールは、相手が受け止めやすいところに投げてこそ、続けられるもの。自分がどのような言葉(ボール)を投げているか、一度しっかりと観察して下さいね。
正しいキャッチボールからあなたの真のコミュニケーションが始まりますよ。
スタートはあいさつで
みなさんは朝起きたときにどんなあいさつをしていますか? これはほとんどの方がおなじですよね。そう、「おはようございます」。朝起きたときだけじゃなくて、知っている人に会ったり、会社で同僚や上司に会ったときもこのあいさつをしますよね。でもちょっと思い出して下さい。あいさつのときあなたはどんな感じで「おはようございます」って言っています?
相手をちらっとみて「うぃ〜っす」とか「ちぃ〜っす」なんて言っていませんか?
「そんな、面と向かっておはようなんて今さら・・・」って思っているあなた、同じ事を他の人から、特に自分の上司や立場が上の人から言われたら・・・ちょっとムッときませんか? 朝のあいさつ、ちょっとここで考えてみましょう。
あいさつは距離を縮める
「おはよう」ってあいさつの意味、ちょっと考えてみましょうか。あいさつって相手がいて始めて成り立つものですよね。言葉をかけることで、「あなたはそこにいるんですね」って相手の存在を認めることになるんです。と同時に、「わたしもここにいるんですよ」って自分の存在をアピールする効果もあるんですよ。おぉ、一言で二度おいしい。
でもね、これはあくまでも「言葉に気持ちを乗せたとき」の話し。言葉をかけたらただ言葉が返ってくるって、ロボットを相手にしているのと同じですよね。
気持ちを乗せたあいさつ、これで相手との距離はぐっと縮まりますよ。
プラスアルファでもっと近づく
朝のあいさつで、もっと相手との距離を近づけると、一日がもっといい感じでスタートできると思いませんか?
今回はそのための「プラスアルファ」をこっそりご紹介しちゃいましょう。
気持ちをのせたあいさつをするって言うのはもうおわかりですよね。そのあとにこんな風に言われたら、あなたはどう答えますか?
「おはよう! 今日も元気そうだね」
そしたらきっとこう答えるでしょう。
「おはよう。なんだか気分が良くてね」
そこから新たな会話が生まれると思いませんか? 何も「元気」の話しじゃなくてもいいんです。例えば
「おはよう! お、今日の服は赤だね」
「おはよう! あ、髪型変えた?」
といった感じ。コツはあなたから見た相手の姿をフィードバックすること。特に変化しているところとか、いい感じに見えているところなんかを、そのまま相手に返してあげるといいですよ。
ここで注意した方がいいのは、それについての主観的な批評や感想は避けた方がいいかも。先ほどの服の色の例だと
「おはよう! お、今日の赤の服はなかなか似合っているじゃない」
これ、本人が気に入っていればいいんだけれど、そうじゃない時もありますよね。だから、あなたが見たままを記述的に伝えるのがコツ。赤の服が気に入っていても気に入っていなくても、自分のことを見てくれているんだっていうことをさりげなくわかってくれるんですよ。
「おはよう」のあいさつの後に、一言相手へのフィードバックを添えてみる。そうすることで、「ちゃんと見てもらっているんだ」っていう気持ちが強くなり、あなたへの安心感が高まります。
まずは目の前にいる相手の存在を認める。そこからコミュニケーションは始まるんです。是非ためしてみてね。これで気持ちの距離がぐっと近付くこと間違いなし!
こんなメールをもらいました
コミ通読者からこんな相談メールをいただきました。
「好きなこと、やりたいことは黙っていてもするのですが、やりたくなくてもしなければいけないことが日常、多々あります。したくないということでしなかったり、なかなか取り掛からなかったりです。そのことで毎回口うるさく言うのも親も子も疲れるので、『もう言うのよそう』と思うのですが、言わないとほんとにしません。あまり口うるさく言わない方がいいと聞きますが、言わないとそれに子どもが甘えてよけいやらなくなってしまいそうな気がします。このほかにも勉強や歯磨き、約束ごとなど、すべきことを自分からやれるようにするにはどうもっていけばよいでしょうか。どういう会話のし方、コミュニケーションのとり方が
よいのでしょうか。『〜せんと〜になるよ』という言い方をよくしています」
うわっ、これはどこの家庭でも悩んでいる問題ですね。それにこれは親子だけの問題じゃないですよ。職場でも同じこと。どうやったらやりたくなくてもしなければいけないことを自分から進んで動いてくれるようになるのか。
実はちょっとした工夫と手順で、コミュニケーションをとる相手が、自分から動いてくれるようになっちゃうんですよ。
今回はその秘密を大公開!
こつは「自分で決めさせる」こと
みなさんも子どもの頃、上のような経験があったでしょう。そのときにどう思っていました? きっと「そんなに言わなくてもわかっているよ。好きにさせてよ」って感じじゃなかったですか?
そう、ポイントは「好きにさせてよ」なんです。つまり、選択権が自分になく、言われたことを「押しつけられた」ということが、意欲をそがれる原因。
ってことは、逆に「自分が選んだもの」という意識があれば、自然と動いてくれるもの。それではどうやって「自分で選んでもらう」か。
その第一段階として、まずは子どもをしっかりと認めること。子どもの言いたいことを普段からしっかりと聞くことで、親子の信頼関係の下地をつくっておくことが必要です。
第二段階、ここからがポイントです。まず最初にやってもらいたいことの必要性を説明する。説明といっても時間をかける必要はありません。というより、ここに時間をかけちゃうと大失敗。たとえば歯磨きだと「歯を磨くと虫歯になって、おいしいものが食べられなくなっちゃうんだよ」といった具合。ほんと、ワンポイントで伝えてくださいね。
そしていよいよ第三段階。「提案」というかたちで、自分の意志を伝えること。「歯を磨いてみようか」という感じで伝えるんです。これなら子どもがその後の行動を選択できるので、必要性を理解できていれば、自然と行動にうつしちゃいます。これを「だから歯を磨きなさい」とすると命令になっちゃいますよね。そうなると「いや!」と反抗される羽目になるんです。
またここでのポイントは「イエス」も「ノー」も受け入れるということ。こちらは「イエス」といわせたくても「ノー」の場合がありますよね。そこで一生懸命、必要性を説いても無駄です。「ノー」と言われたら「そうなんだ。歯磨きしないんだ」と言ったことそのまま子どもに返してみて。実は心の中で「イエス」だと思っている場合、そういわれると子どもは不安になります。そうすると「いや、やっぱり歯磨きするよ」って答えが返ってきますよ
命令ではなく提案。これ是非試してみて。
言いたくてもねぇ・・・
うわぁ〜、この人の言っていること、違うんだよねぇ〜。でもここで「あなた、それは違うよ!」って言っちゃうと角が立つし、後々のことを考えるとこのままの方がいいんだよねぇ…。
なんて経験、結構あるんじゃないですか? 特に相手が目上の人だったり、権力を持っている人だったりするとなおさらですね。だったら泣き寝入りするのがいいのか?
今回は、こんなときのコミュニケーションを考えてみましょう。
ところで、あなたの場合は?
まずこの場合、「あなたの考えは間違っていますよ」ということを伝えなければどうなってし
まうかを考えてみましょう。
間違いを放っておくと、ひょっとしたらそのまま突き進んでしまい、その人自身に損害を与えてしまうかも。その人だけの問題ならまだしも、周りにまで影響して、損害を与えちゃうかも。
これが会社や組織の場合だと、とんでもないことに成りかねませんよね。
でも、どうしてそれが言えないのか。だって、言っちゃうと後から何されるかわからないし、人間関係も壊したくない。今の状態が崩れるのが怖いんですよね。
まずは気づいてもらいましょう
今の状態が壊れることなく、相手の間違いを指摘するには…。これはね、相手に「気づいてもらう」ことが一番いい方法なんです。
でも、そんなに簡単に間違いに気づいてもらうことが出来るんでしょうか?
どんなパターンでも使えるというモノではないのですが、結構有効な方法があるんです。それは、「あなたが鏡になる」って方法。鏡に映った姿を改めてみることで、客観的な見解ができるものなんですよね。
じゃあ、どうやって鏡になればいいのか? 一番簡単な方法は、相手の発言や仕草をそのまままねて、相手の前で演じてみること。課長が言ったことと同じ事を、課長の前で後輩や部長に言ってみる。
そのことで「こいつはなんてことを言っているんだ!」なんて思うでしょう。そ
なふうに課長から言われたら「だって、これは先ほど課長が言われたことと同じ事を伝えているんですよ」って言ってみて下さい。おそらく、ぐうの音もでないでしょうね。
これ、自分の子どもが自分と同じような仕草やいい方をしていると、ハラがたつことがあるでしょ。それは、自分が他人にハラを立てさせるようないい方をしているって証拠なんですよ。
もう一つ、わりと即効性のあるのが「オウム返しで質問」。「○○が正しいんだよ!」なんてことを言われたら「○○が正しいと言うことでよろしいんですね?」と念押ししてみる。言われることで、発言を振り返ってもらうということができちゃうんですよ。
一番いいのが「ビデオに撮る」。これはちょっと難しいかも知れませんが、自分の姿を客観的に見るのには最適! 特に怒っている姿を見せてあげると「これは怒りすぎだよな」と感じること間違いなしです。スポーツ指導者を振り返らせるときには、練習風景を記録するということで、ビデオを使って指導者自身を振り返らせるのもいいかも。
いずれにせよ、「間違っているよ!」と言えないときには、相手に気づいてもらうことが肝心です。気づいてくれさえすれば、あとは自ずと反省し、改善してくれますよ。いろいろと「鏡」を工夫してみてね。
子育ての現場から
たぬきコーチの地元日向市で開催された「子ども・子育て支援メッセ」というのに参加してきました。参加したのは「子どもの権利条約を通して」ということで、特に不登校の思春期の子どもの現状を聞いてきたんです。
いろんな事例を聞きました。生の声も聞きました。そして、不登校の子どもが何をのぞんでいるのか、何があれば気持ちが落ち着くのか、これが何となく見えてきたのですよ。
そしてこれは、何も不登校の子どもだけでなく、大人の世界でも全く同じ事が起きていることに気がつきました。
そう、すべての鍵は「コミュニケーション」。その中でも「認める」というところにあったのです。
今回はこの事例発表や、私が直接お世話したクライアントの声から感じた「心の居場所」につて、お送りします。
何を欲しているのか
たくさんの事例から出た言葉、それは「周りは自分を見ていてくれない」「自分のことを認めて欲しい」。
彼らはいつもこんな言葉をかけられていたようです。
「そんな事じゃだめだ!」「いつまでぐずぐずしているんだ!」
え、こんなに一生懸命やっているのに、だれも認めてくれないの? そんな気になりますよね。
じゃあ、優しい言葉をかければいいの? 「大丈夫だよ」とか「気にしないで」なんて言葉。これを聞くと、自分の方が劣っている、相手の方が優位。それは見え透いたウソ。ウソからきた優しさ…。そんな考えが渦巻いてしまうんです。
体に受けた痛みはいつか消えるけれど、言葉から受けた心の痛みは、消しゴムなんかじゃ消せるものじゃないんです。欲しいのは認めてくれる言葉であり、ここにいていいという安心感なんです。
まずは認める言葉を
では、どのようなものが「認める言葉」なのでしょうね? ここでよく聞くのが「あいつにはほめるところが何ひとつないんですよ」って言葉。あ、それって「結果」にしか目が向いていませんね。
本当に認めてもらいたいのは、行動を起こしてから得た「結果」じゃなくて、行動そのもの、つまり「過程」なんです。「よくがんばったね」よりも「よくがんばっているね」です。
コーチングでは「今の姿、それは完全なものです。そして今起こしている行動、今考えていることは、今よりももう一歩ステップアップしようとしているんだね」っていう考えでコミュニケーションをとるんですよ。そう考えると、あなたが対面している人を見る目が変わってきませんか?
この「相手を認める」ということを「承認」といいます。ここで注意して欲しいのは「ほめる」と「承認」は違うということ。「ほめる」だと伝える側が「これはいいぞ!」と思うものしか言わないですよね。つまりあなたが気に入らなければほめることはできないのです。「承認」は相手そのものの存在を認めること。「おはよう」っていうあいさつも承認なんです。
まずは相手の「当たり前の行動」に目を向けて承認してあげて下さい。
そして欲しいのは居場所
「承認」はこの紙面だけでは伝えきれないほど奥が深いんです。でも、承認には大きな効果があります。それは「あなたの居場所はここでいいんですよ」って安心感を与えること。存在意義に気づいてもらうことができるんです。
このように書くと「承認ってなんかわざとらしくていやだな」って人もいます。でも、そんなあなたも人からは認められたいですよね。その気持ちをそのまま相手に返してあげて下さい。人は一人では生きてはいけません。自分の居場所は他の人がそばにいることで見つけることができるのです。
安心した居場所を作ってあげるには、どのような言葉をかけるのがいいか。まずは相手の存在を認めることからはじめましょう。
次回も「承認」についてお伝えしますね。
まずは宣言しましょう
一年の計は元旦にあり。みなさんも毎年、年の初めは何か一つくらいは「今年はやるぞ!」という決意を持っているのではないでしょうか。また、初詣で一つくらいお祈りをしたのでは?
そんなあなたの年の初めの目標、そろそろ本気で取り組んでみませんか。
本気になったらまずやってもらいたいことがあるんです。自分の立てた目標を「○月×日までに」という期日入りで書き出してみましょう。期日を決定することで「夢」は「目標」に変わり、自分の意識が変化しますからね。
次にやってもらいたいこと。あなたの目標をなるべく多くの人に「宣言」してみましょう。まずは家族、そして親しい友人。インターネットを使っている人は、多くの人に宣言してもいいでしょうね。
「え、そんな目標を宣言するなんてはずかしいよ」って思う人も多いでしょう。実はこの「宣言」が大きなポイント。これをするかしないかで、あなたに協力する人がでてくるかどうかが決まってくるのです。多くの成功者は、その偉業を決して一人では達成してはいないんですよ。まず何を目標としているのか、これがわからないと誰もお手伝いなんてしてはくれないですからね。これがスタートです。思い切って宣言してみましょう。
そして認め合いましょう
さて、今回のテーマ「目標達成」がなぜコミュニケーションに関係するの? そう思っている人もいるのではないでしょうか。これが実は大きなキーポイントになっているんです。
まずあなたが目標を宣言して、それを人に認めてもらう。それと同時にあなたも相手の目標を聞き出して、それを認めてあげる。そう、お互いがそれぞれの目標を認め合うことで、その意欲がさらに深まっていくとともに「相手の役に立ちたい!」という意識が高まってきます。
そうなると、あなたはどんな行動に出ますか?
相手の目標を達成するお手伝いをしたいと思ったあなた、さすがです。その意識が芽生えれば、あなたの目標達成もあと一歩なんですよ。
例えば相手が「これを達成するにはもうちょっとお客さんを増やさないと」なんてことを言ったとしましょう。きっとあなたは「よし、知り合いを紹介してあげよう」って思うでしょうね。そしてそれを行動に起こす。
さて、それがあなたにとってどのように影響するのか? 賢いあなたならもうおわかりですよね。「情けは人のためならず」回り回ってあなたに戻ってきますよ。
ではどんな言葉をかけようか
まず自分の目標を宣言して、それを人に認めてもらい、さらに相手の目標を認め合う。そのためにどんな言葉をかけましょうか。
こんなとき、つい「アドバイス」をしたくなるもの。でもここではそれをちょっとだけ辛抱して下さい。まず「相手の話をじっくりと聞く」。これが大事です。
そもそも目標を語っている時って、とても楽しいと思いませんか。この時は他人の意見なんてあまり聞きたくないですよね。欲しいのは自分の目標を受け入れてくれる言葉。
「なるほど、それはいい考えだね」「へぇ〜、もっと詳しく聞かせてよ」「それからそれから、どうなるの?」
このように、さらに目標を明確にしてくれるような質問を投げかけるといいでしょう。是非お試しを。そして、たくさんの人と目標を達成し合いましょうね。
いよいよ受験シーズンです
一月半ば、大学や高校ではそろそろ受験のシーズンですね。この時期になるといままでためていた実力をどのように発揮するのか、その最終調整に入っている受験生も多いことでしょう。
また受験だけじゃなく、野球の試合やピアノのコンクールなども同じ。練習の成果をどのようにして打ち出すかが、結果につながっていくんですよね。
でも昔っからいますよね、こんなタイプ。試験前の予備テストや練習の時などでは実力が大いに発揮できる。しかしいざ本番になると、どうしてもそれが発揮できなくなっちゃう…。いざ解答用紙を目の前にすると、頭の中が真っ白になっちゃう。対戦相手と向かい合うと、体が思うように動かなくなる。審査員の前に立つと、急にがちがちになってしまう。不思議ですよね。
これはその人が持っている性格や特徴だと思われがち。しか〜し、その奥には今まで誰も語らなかった「コミュニケーション」のしわざが隠されていたんですよ。そう、裏を返すと試験を受けようとか試合に臨もうという相手とのコミュニケーション次第で、目の前真っ白、体がちがちという緊張状態は予防できちゃうんですよ。あらびっくり!
一体どんな秘密が隠されているんでしょうね…。
こんな言葉をかけているでしょう
いざというときに緊張するタイプ。普段はどんな言葉をかけられているんでしょうか。ここでちょっとおもしろい話しをご紹介しましょう。
ある少年野球チーム。今まで監督は試合前の選手にこう伝えていました。
「おまえは高めの球が苦手だから、これには手を出すなよ。わかったな!」
で、選手はどうするか。高めの球が来るとなぜか手を出してしまうんです。「高めの球が苦手」と言われれば、頭の中で連想するのは自分がバッターボックスに立って高めの球を受けている場
面。人は頭で考えたことしか行動できません。本番前にそんな連想をさせてしまい、いざ高めの球が来てしまうと頭ですでに考えているので手を出すのは当たり前の話しです。
ほかにも子どもに対して「そこのどぶに落ちるから気をつけて!」と声をかけると、案の定どぶに落ちてしまいます。これ、こちらとしてはその行動を回避させようとして「否定語」を使ってその場面を打ち消そうとしています。が、その場面を否定するためにはその場面を一度連想しちゃうんです。連想すると、その通りにしか体は動きません。人間ってそのようにできているモノなんですよ。
おそらく、答案用紙を目の前にして頭が真っ白になる学生は、こんな言葉をかけられているんでしょうね。
「試験前に緊張しないように、リラックスしていけよ」ってね。
だったらこんな言葉を
じゃあ、いざという場面で実力を発揮させるには、どのような言葉かけを?
これ、普段から肯定語を使うコミュニケーションをとることです。つまり「できる」ということを常に連想してもらうんですよ。
「君の実力だったら、試験終了前には解答用紙がびっしりうまっているよ」「バッターボックスに立ったら、ガンガン打っていこうぜ!」「音楽を楽しんで、のびのびと弾こうか」
ね、それぞれの姿が想像できちゃうでしょ。ここでのコツは「結果」が想像できるように言葉をかけること。目の前の小さな事をたくさん言っても頭の中に入りませんからね。
野球の場合だと「バッターボックスに立ったら足を肩幅に開いて、ピッチャーの投げる球をしっかり見て、コースを見極めて…」なんて言っても、その結果がすぐには想像できないでしょ。
緊張を解いてあげたい相手にかける言葉は、否定語を使わず肯定語で、結果が容易に想像できる一言を「かけつづける」ことです。
普段のコミュニケーションから気をつかってみて。きっといい結果が出ますよ。
なかなか覚えてもらえなくて…
パーティーや会合、合コンにミーティング、飛び込みのセールスなどなど。いろんな場面で「自分を覚えてもらおう」という機会がありますよね。ビジネスの世界だと名刺を渡して自己紹介。プライベートシーンでも初対面の人に自己PRを。
ところが、どうしてなのか自分のことをなかなか覚えてもらえない。そんな人いるでしょ。この悩みを持っている人はたくさんいるはず。特にセールスマンだとこれは大きな問題ですね。その反面、たった一度しか会っていなくても相手の頭の中にメモリーされちゃう。そんな人もいます。
この違いってどこから生まれてくるんでしょうね? 実はちょっとしたコミュニケーションのコツがあったんですよ。さて、一体どんなコツがあるんでしょうか?
まずはワンポイントPRを
コツをご紹介する前に、人間の心理を一つご紹介。人って一度に何かを言われると、その内容を100%聞くことができるのはわずか20秒ほど。そこから1秒増えるごとに集中力が欠けていき上の空になっていくんです。
つまり、初対面の人に自分をPRしようと思ったら20秒以内に終わらせなきゃいけないってことなんですよ。20秒っていったら、自分の名前以外では一つのことしか言えないですよね。
そこで「ワンポイントPR」の登場です。これは自分の強みや印象づけるための内容を「ワンポイント」で伝えるというモノ。伝えるのはあくまでも「自分のこと」です。
ビジネスマンであればつい会社のことなんかを言いたくなるモノ。そうすると20秒のうちに伝えられるのは会社のことだけになり、その後に自分の事を伝えても頭から抜けちゃうんです。ではどんな風に伝えればいいのか?
例として私の自己PRをご紹介しましょう。
「はじめまして。コーチの古賀弘規です。コーチングでみなさんのお役に立てるように、日々こうやって走り続けているんですよ。自転車であちこちまわってますので見かけたら声をかけて下さいね。すぐに飛んでいきますよ!」
名刺の交換も含めてこれで20秒程度でしょう。この時点で「あ、この人はあちこち飛び回っている人なんだ」って印象づけられたでしょ。コーチングの話しはその後にするんです。
まずは「人」に興味をもってもらう。ここがポイントですよ。しかしこれだけじゃぁ物足りない。次の秘技は…?
相手に興味を持つ
今のは自分のPRだけ。これじゃぁ自分の押し売りですね。次は相手のことも聞いてみましょうよ。例えば「○○さんって、何かスポーツとかやられていますか?」
やっていれば具体的な答えが出てくるし、やっていなければ「じゃあ、健康に気をつかっていることとか何かやっていますか?」ってつなげる。これにどのような意味があるのか?
一つは話題をふくらませるということ。内容はなんでもいいんです。趣味的なものだと気を引きやすいでしょうし、時事問題なんかもいいかと。ネタがなければ天気でもいいんですよ。
そして二つ目は、相手に興味を持つこと。こちらが興味を持てば相手も興味をもってくれますよ。そうすることで、「お、こいつはオレに興味を持っているんだな。おもしろいヤツだ」と思ってくれます。
ここまでくればほとんどの場合頭の中に覚えてもらえますよ。さらに覚えてもらおうと思えば、数日後に手紙を出すとか電話をかけるとか。後のフォローの回数が多ければ多いほど、どんどん相
手の頭の中にインプットされますからね。
自分は目立たないタイプだから…というのは言い訳です。ちょっとしたコツさえつかめれば相手に覚えてもらえますよ。
あ、肝心なこと。「笑顔」は忘れずにね!
2012年2月16日 発行 初版
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たぬきコーチの古賀弘規です。コーチング、ファシリテーション、自己啓発、人材育成、その他もろもろ、人生にお役に立つ小説や物語、ノウハウをお届けします。