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ビジネスはコーチングで生き残れ!

古賀弘規

ユーアンドミー書房

レッスン1 なぜ時代はコーチングなのか

さぁ~て、いよいよ始まりました。
 この「ビジネスはコーチングで生き残れ!」では、ビジネスで活用できる「コーチングスキル」を惜しげもなく紹介しちゃいます。ワクワクしてきましたね。

 しかし、いきなりコーチングスキルを皆さんに紹介したところで
「なんでこんなのが今からの時代に役立つの?」
 なんて思う人もいるでしょうね。
 そんな風に考えているようじゃ、この本の意味がないわな。

 ということで、まずは
「なぜ、今の時代のビジネスに『コーチングスキル』が必要なのか?」
ということを皆さんの頭に入れてもらいましょう。

 そもそも「コーチング」ってなんでしょうね。
 一言で言うと
「自発的行動を促すコミュニケーションの技術」
 ???何、よくわからない?
 それじゃぁ、もっとわかりやすく言ってみましょう。
「会話を通じて、相手のやる気を引き出し、行動に移す技術」
 これならどうだ!ね、わかりやすいでしょ。

 それでは、この「コーチング」がどのような効果を生み出すか。
 先ほどの定義から考えると、コーチングとは自分からやる気を出して、自分で考えて行動することになりますよね。
 このときに自分で考えて行動するので、命令された行動とは違い結果が出しやすくなるってわけ。
 
 このように「自分で考えて行動する人」の事をなんて言うかご存じですか?
「人財」
 というんです。
 この不景気の中、雇用問題が深刻ですが、どこの企業ものどから手が出るほど欲しいのは、この「人財」なんですね。
 
 ニュースや企業の声をよく聞いて下さい。
「人手が余って・・・」
「ウチは人手は足りてるよ」
「これ以上人手を雇う余裕がないよ」
 そう、不景気で雇用問題となっている対象はすべて「人手」、つまり人の頭数のことなんですね。
 
 ところが企業の本音は
「優秀な人財が欲しい!」
「もっと動いてくれる人がいればなぁ」
「ウチは人財となる人がいなくてねぇ」
 ほら、「人財」はどこの会社ものどから手が出るほど欲しがっているんですよ。
 あなたが経営者だったら、同じ給料を出しても普通の人より2倍、3倍の結果を出してくれる人を採用しますよね。
 
 それではあなたは「人手?」それとも「人財?」。
 どちらの人間になりたいですか?
 そして「人手」と「人財」、どちらの人間を周りにつけておきたいですか?
 
 ここで登場するのが「コーチング」なんです。
 思い出して下さい。
 コーチングは「自発的行動を促す」ってありましたよね。
 つまり自分で考えて行動する=「人財」を作り出す技術ってわけです。
 これからのビジネスを生き抜くためには、自分が人財になり、自分の周りを人財で囲んでいく必要があるんです。
 
 どうですか?
「コーチング」がなぜ今の時代のビジネスに必要なスキルだと言うことがわかって頂けましたか?
 それではなぜ「人手」でなく「人財」の時代になったのか・・・?
 これは次のレッスン2でお伝えしましょう。
 それでは!

レッスン2 人手の時代から人財の時代へ

 レッスン1では「コーチングが必要な理由」についてお伝えしました。
 これからを担う「人財」を作るにはコーチングが非常に有効だということでしたよね。
 
 それでは、なぜ「人財の時代」なんでしょうね。
 これは、バブル経済の前と後での時代の移り変わりに大きく関係するんですよ。
 
 バブル期以前は「メーカーが作れば売れる」時代でしたよね。古くは冷蔵庫、洗濯機、テレビといった三種の神器。その後エアコンがあり、ファミコンがあり、ビデオデッキがあり・・・何かを出せば売れる、そんな時代でした。

 ですからこの時代、メーカーは「働く人」が欲しかったんですよね。
 工場では「作る人」、営業では「売る人」。これらの人のほとんどは「上から言われた通りに動く」ことが必修スキルでした。
 これは「人手」ですね。
 命令されたことを、命令通りにやっておけば、十分に生活できるだけのお給料はもらえていたんですね。
 人間って楽な方、楽な方に動こうとしますから、雇われている側の「人手」としては、これ以上環境のいい職場はないんですよ。
 あの時代は「人手不足」という言葉が当たり前に使われていたのを覚えていますか?
 
 ところが、バブルがはじけてからはどうなったのか。
 ちまたには売れるものはすべて行き渡っていますよね。
 冷蔵庫も、洗濯機も、テレビも、ファミコンも、ビデオも・・・以前の革新的な製品は、どこの家庭も持っている状態です。
 このような状態で、以前のようにバカ売れする商品はごくわずか。
 メーカーの生産量は当然減っちゃいますね。
 
 そうなると、以前は必要であった「人手」が会社にとっては「重荷」になりだしちゃったんですね。
 そうすると何が始まったのか・・・もうおわかりですね。「リストラ」です。
 
 ところが、会社は「人手」というのはいらなくなっても、会社が維持するためにはモノを考え出し、作り出し、そして売ってくれる優秀な人物は必要ですね。
 しかも、以前の「人手」であった人よりも何倍も動き、そして何倍もの結果を出してくれる「人財」は貴重な存在。

 だからこそ、今の時代に必要なのは「自分で考え、自分で動き、そして結果を出す」人財なんですよ。
 この「人財」が必要な時代は、これからも間違いなく続くでしょう。

 ところで、アメリカでは「勝ち組」と「負け組」というのが2分化してきているのをご存知ですか。
「勝ち組」とは、この厳しい時代を乗り越えて、自分が思った通りの仕事をやり、思ったとおりの生活をしている人のこと。
 これは先程述べた「人財」のみが勝ち取ることができる権利なのです。
 
「負け組」とは、この厳しい時代に流されて、不満を抱えながらの仕事をやり、不満を抱えながらの生活をしている人のこと。
 どんな人がこれにあたるのか、周りを見渡せばもうおわかりですよね。
 
 この傾向、近い将来日本でも同じようになっていくのは目に見えています。
 あなたの会社が、そしてあなた自身が「勝ち組」に残るためには・・・。
 
 ここで登場するのが「コーチング」なのです。

「え、コーチングってそんなことに効くの?」
 はい、効きますよ。
 ただし条件が付きますけどね。

 その条件とは・・・・次のレッスンにまわしちゃおっかなぁ~

 なぁんてね。
 ここでもったいぶっても意味ないので、ずばっと言っちゃいましょう!
 
「コーチング」で「勝ち組」に残るための条件とは、
 『上を見つづけることのできる意志』
なのです。

 いくらコーチングがすばらしくても、勝ち組に残る意志のない人には機能しませんからね。
 ということで、この先のレッスンは、あなたが「上を見つづけることの出来る意志がある」という方のみお読み下さい。きびしくいきますよ!

 それではレッスン2のポイントです
 ・バブル期を境に、世の中が必要としているのは「人手」から「人財」へ変化した
 ・勝ち組に残るためには、自らが人財となる必要がある
 ・コーチングで勝ち組に残るためには「上を見続けることができる意志」が必要

 さぁ、人財の時代といわれる理由がわかりましたか?
 ここでこのレッスンからみなさんに宿題があります。ぜひチャレンジして下さいね。
 それでは今回の宿題!
 ・あなたの「上を見続けることができる意志」を自分の言葉で書き出して下さい
 将来の目標でもよし、なりたい自分でもよし、現在に対して何を変化させようとしているかでもよし。まずは書き出すことから始めてみましょう。

 さて、次のレッスンからは「勝ち組」に残るための必修スキルである「コーチング」の核心に触れていきますよ。
 お楽しみに!

レッスン3 まずは耳を傾けろ!

 レッスン2では「人財の時代」についてお伝えしました。
 ポイントは
 ・バブル期を境に、世の中が必要としているのは「人手」から「人財」へ変化した
 ・勝ち組に残るためには、自らが人財となる必要がある
 ・コーチングで勝ち組に残るためには「上を見続けることができる意志」が必要

 ということでした。
 今からのビジネスを生き抜き、勝ち組になるためには、あなた自身が人財になる必要がある、ということでしたよね。

 それではいよいよお待ちかね、ビジネスであなたが「人財」となるためのスキルをこれからご紹介していきます。
 気を抜かずについてきて下さいね。
 
 いきなりですが皆さんに質問。
「人の話、どれだけ聴いていますか?」
 
「ちゃぁ~んと聴いているよ。」
「人の話を聴くのは当たり前じゃない!」
 なぁ~んて声が聞こえてきそうですね。
 
 じゃあ、人の話を聴いている時って何を考えていますか?
「そりゃ、次に相手に何を言うかでしょ」
「相手が何を考えているのかなって思っているよ」
「そうだなぁ、つまらない話なら別のこと考えている時もあるけどね」
 
 このように、多くの人の場合が最初に挙げた「次に相手に何を言うか」について考えていることが多いみたいですね。
 特に相手と対決しようなんていう会話の時は、ほとんどそうじゃないかな。
 
 もっとおもしろいのが奥様同士の会話。

「うちの子、この間サッカーで得点入れたのよ」
「あら、うちの子はスイミングで進級できたの」
「同じクラスのあの子って、ちょっと乱暴じゃない」

 もう言いたい放題。相手の会話なんてどうでもいい状態ってときありますよね。皆さん自分が言いたいことで頭がいっぱいのようです。
 
 ではビジネスシーンではどうでしょうか?
「課長、この間の○✕商事への営業のことなんですが・・・」
「おぉ、あれどうなった?楽しみにしていたんだよ」
「実はちょっとこじれちゃって・・・」
「何っ! あれだけ自信満々に言っていたじゃないか。どうなっているんだ」
「いや、実は先方の担当とちょっと話が合わなくなりまして・・・」
「そんなことはないだろう!あれほどウチの製品を気にいっていたはずだ。えぇい、おまえに任せておくとラチがあかん。私が直接いって確かめてみる。何でおまえの尻ぬぐいをしないといけないんだ(ブツブツ・・・)」
  
 なんだかよくある光景ですね。
 ところでこのかわいそうな営業担当くん、何が問題でこじれちゃったのかを課長に伝えてきれていないですよね。
 というか、そもそもこの課長さん、人の話をろくに聞かずに、頭の中で自分勝手な解釈を進めて、担当くんに話す暇を与えていませんね。
 
 これじゃ担当くん、やる気を失うし営業スキルも伸びるわけがないですよ。
 課長、まずは担当くんの話を聴いてみましょうよ。
 こんな感じでね。
  
「課長、この間の○×商事への営業のことなんですが・・・」
「おぉ、あれどうなった?楽しみにしていたんだよ」
「実はちょっとこじれちゃって・・・」
「なんだ、結構自信がありそうだったけど、一体何があったんだ?」
「実は先方の担当さんと話が合わなくなりまして・・・」
「ほう、どんなところが合わなかったんだ」
「最初は我が社の製品を気に入ってくれていたのですが、よく調べてみたら先方の規格と合わないことがわかりまして。それでフォローを入れようと思っていたら先に先方から断りが入ったんですよ。」
「なるほど、規格が合わないんじゃ仕方ないな。それでどんなフォローを入れようと思ったんだ?」
「幸い形状が若干大きいだけで先方の規格に合う製品が我が社にもありまして。それを提案しようかと思っていたんです」
「なるほど、それはやってみる価値があるかもな。今からでも間に合うかな?」
「そうですね。断られたと言ってもまだそんなに時間が経っていないので、ちょっとあたってみます」
「うん、是非そうしてくれ」
  
 ほぉら、どうでしょう。
 担当くんの話をよく聴いてあげることで、課長がしゃしゃり出なくても物事が解決しましたよね。
 これが「聴くこと」の効果なんです。
 相手の話をじっくりと聴いてあげることで、相手がすでに持っている答えを確認し、それを行動につなげるためのフォローができますよね。

 それではレッスン3のポイントです
 ・人の話を聞いているときには次に何を言おうか考えていることが多い
 ・自分の解釈で話を進めると、相手は言おうとしていることを伝えきれない
 ・しっかりと話を聴くことで、物事は自然に解決できる


 まずは聴くことが大事。これができないとコーチングはスタートできませんからね。
 ということで、このレッスンの宿題!
・まずは考えずに「聴くこと」に集中してみてください
 頭の中をどうやって空っぽにするか、これが大きなポイントですよ。

 「そんなドラマじゃあるまいし、聴くだけで毎回うまく行くわけがないじゃないか」
 そうお思いですか?

 それでは、次のレッスンは「聴くこと」でドラマを生み出すことができる、ということ
 についてさらに詳しくふれてみましょう。

レッスン4 聴くことでドラマは生まれる

 レッスン3では「聴くことの大切さ」についてお伝えしました。
 ポイントは
・人の話を聴いているときには次に何を言おうか考えていることが多い
・自分の解釈で話を進めると、相手は言おうとしていることを伝えきれない
・しっかりと話を聴くことで、物事は自然に解決できる

 ということでした。
 話を聴くことで、相手の行動につながるフォローができることがわかりましたね。
 でも本当に「聴く」だけでそんなにうまくいくんでしょうか?
 
 前回の会話をおさらいしてみましょうか。
 営業の担当くんと課長の会話でしたよね。 
  
「課長、この間の○×商事への営業のことなんですが・・・」
「おぉ、あれどうなった?楽しみにしていたんだよ」
「実はちょっとこじれちゃって・・・」
「結構自信がありそうだったけど、一体何があったんだ?」
「実は先方の担当さんと話が合わなくなりまして・・・」
 
 と、ここまでは同じでしたね。
 違うのがここから。 
 
「ほう、どんなところが合わなかったんだ」
 
 ね、課長から「聴きにいっている」ことがわかるでしょ。
 先方と話が合わなくなったことを責めるわけでもなく、ただ純粋に「何が起こったのか」を聴こうとしているだけ。
 これならば担当くんも安心して答えることができるわけです。
 
「最初は我が社の製品を気に入ってくれていたのですが、よく調べてみたら先方の規格と合わないことがわかりまして。それでフォローを入れようと思っていたら先に先方から断りが入ったんですよ」
 
 ほぉら、担当くんは何があったのかを話すことができたでしょ。
 課長はどんな答えが帰ってくるのか、知るわけがないですね。
 ここで大事なのは「何があったのか」を聴くこと。
   
 ではここで、担当くんからこんな答えが返ってきたら・・・。
 
「最初は我が社の製品を気に入ってくれていたんですけど、なんだかわかりませんが先方の担当が『別の社に決めたよ』って言ってくるんですよ」
  
 さあ、あなたが課長だったらどのように答えますか?
 
「わからないじゃないだろ、理由があるはずだ!それを調べたのか?」
 よくあるパターンですね。
 言われた担当くんは、その後きっと何も言えませんよね。
 
「それであきらめたのか。もっとしっかりと説明すれば、我が社の製品の方が優れているってわかってくれるはずだ。もう一回会いに行ってみろ」
 課長としては担当くんを励まして、もう一度チャンスを与えているんでしょうね。
 しかしこれも担当くんの立場になって考えてみて下さいよ。
 課長に報告する前に、きっと自分なりに努力はしているでしょう。
 それをあたかもやっていないがごとく励まされても、担当くんはやる気を起こすことは難しいでしょう。

「そうか、先方の担当は別の社の製品を選んだのか・・・。それで君はどうしたいと思っているんだい?」
 これならどうでしょうか?
 まず担当くんの言ったことを繰り返すことで、『君の話を聴いているよ』という意思表示をしています。
 次に「どうしたいのか?」と聴いていますよね。
 そうすると、担当くんは考えますよね。どうしたらいいんだろうって。
 
 ほら、だんだんとドラマになってきたでしょ。
 コーチングは相手を信じて、とことん聴くこと、聴き出すこと。
 これが基本なんです。
 
「聴く」というと、ただ「ふんふんうなずいていればいい」って気がしますが、実は「聴きに行く」、つまり「傾聴」が必要なんですね。

 それではレッスン4のポイントです。
・相手を信じて、とことん聴き出す
・それと同時に、「君の話を聴いているよ」という意思表示をする
・「聴くこと」とは「聴きにくいく」こと


 「聴く」というところの重要性が理解できましたか?
 ということで、今回も宿題!です。
・相手の話を聴きに行くときに、どのような言葉をかけますか?
 これが思いついたら、早速実践してみましょう

 
 それでは、どんなところに注意をして「聴きに行く」ことを行えばいいのでしょうか。
それはですね・・・
 次のレッスン5をお楽しみに!

レッスン5 聴くことは態度で示せ

 レッスン4では「聴くこととは」についてお伝えしました。
 ポイントは
・相手を信じて、とことん聴き出す
・それと同時に、「君の話を聴いているよ」という意思表示をする
・「聴くこと」とは「聴きにくいく」こと

 でしたね。
 コーチングでは、相手を信じてとことん聴く、ただ聴くのではなく「聴きにいく」ことが大切だということを紹介しました。。
 では、どんなところに注意して「聴きに行く」ことをすればいいのか?

 ちょっと想像してみて。
 前回・前々回に出てきた営業担当くんと課長の会話。
 ここであなたは営業に失敗した担当くんだったとしましょう。
 その営業報告を課長にしようとしたとき。
 課長は明日の会議の企画資料か何かに一生懸命目を通している。
 そこにあなたが
「ちょっとよろしいですか・・・」
 といって、話しを切り出す。
 ここで課長が手元の資料に目を通しながら
「ん、何だ?言ってみろ」
 と目線もあわせずに話しを聴こうとしている。
 さて、このような状況で営業担当くんであるあなたは、話しを切り出すことができるでしょうか?
 仮に切り出せたとしても、課長の目線は資料に向いていたとしたら?
 
 おそらくあなたは、話しをした気がしないでしょうね。
 これは家庭の中でも似たようなことがありますよね。
 新聞を読んでいる夫、話しかけている妻。
 妻は一生懸命話しをしているけれど、夫は「うん、うん」と聴いているのかいないのかわからない返事。
 たまりかねた妻は
 「ねぇ、ちゃんと聴いているの?」
 うわっ、ありがちですよね。こんな場面。
 
 聴いている方としては、ちゃんと耳をかたむけている「つもり」。
 しかし話しをしている方は
 「この人、ちゃんと自分の話を聴いてくれているんだろうか?」
 なんて考えちゃうわけですよ。
 人の話を聴くには、まずこちらが「あなたの話しをちゃんと聴く準備ができていますよ」って意思表示をする必要があるわけ。
 それじゃぁ、この「意思表示」ってどうすればいいの?
「おまえの話をいまから聴くからな」
 って宣言するのか?
 
 いやいや、そんなことまでしなくても。
 いくつかポイントがありますのでちょっとご紹介しますね。
  
 まずは「目線」。
 相手の方を見て話しを聴くのはおわかりですよね。
 
 次に「態度」。
 いくらこちらが上司や社長であっても、イスにふんぞり返って「さあ、聴い
 てやるから話せ」って態度をとられたら、ちょっと話しをする気になれないですよね。
 相手に対して直立かちょっと前かがみになるくらいがいいですかね。
 要は「積極的に聴くぞ」って態度をとるってこと。
 
 そして「高さ」。
 これは目線に属することですが、相手を見下ろしたり見上げたりっていうのは、こちらも相手も話しをしづらいですよね。
 目線の高さをなるべくあわせるのがいいでしょう。
 子どもに話しかけるときに目線を合わせるために、かがんだりするのがこれにあたります。
 
 やはり肝心なのは「言葉」、つまり「声かけ」かな。
「課長、ちょっとよろしいですか?」
 これに対してあなたはどう応えますか?
「あぁ」
 これだけじゃ部下は話しかけていいのかどうかわかりませんよね。
 
「何だ、言ってみろ」
 一見よさそうですが、「言ってみろ」というのはこちらが上位に立ったものの言い方です。
 こんな言われ方したら、言う方は構えちゃいますね。
 目線の高さと同じく、相手と同じ立場に立つ必要がありますね。
 
「どうした。何かあったのか?」
 こんなのはどうでしょうか?
「どうした」という言葉で、部下が話しかけてきた、ということを認識していますね。
 また次に「何かあったのか?」で、部下はこの質問に対する答え、つまり言いたいことをスムーズに切り出せるでしょ。
 
 ここで大事なのは「声かけ」をするときは、相手の存在を一度認めて、次につながる言葉をかけてみる。
 こうすることで、「私はあなたの話しを聴く準備ができているんですよ」っていう意思表示をしたことになりますね。
  
 それではレッスン5のポイントです。
・聴くことを態度で示そう
・相手と同じ目線、立場で聴こう
・相手の存在を認めてから次につながる言葉をかけよう

 
 どんな態度を示せば、相手の話を聴いているという意思表示ができるか、理解できましたか。
 それではまたまた宿題!です。
・相手の話を聴いているよ、という意思表示をどうやって表すか考えましょう。
 そしてこれを早速3人以上に試してみよう。このときの相手の反応を観察してみて。


 これで「聴くこと」の意思表示はできましたね。
 次はさらに「聴く環境」ってのをつくってみましょうか。
 どんな環境をつくるのか・・・
 次のレッスン6のお楽しみ!

レッスン6 聴くときはこう座わろう

 レッスン5では「聴くための意思表示」についてお伝えしました。
 ポイントは
・聴くことを態度で示そう
・相手と同じ目線、立場で聴こう
・相手の存在を認めてから次につながる言葉をかけよう

 でしたね。
 自分の準備ができたら、今度は聴くための環境の準備をしてみましょうか。

 一つ目はコミュニケーションをとる相手との位置。
 ちょっと考えてみて下さい。
 例えば部下と面談する時ってどんな位置に座りますか?
 おそらく多くの方は、机を挟んで向かい合わせに座るのではないでしょうか?
 特に他の人に聴かれたくない話なんかするときは、まわりを囲まれた他の人が入らない部屋で、みたいなことやってませんか?
 確かに上司としては落ち着いて、部下と腰を据えて話そうと思っているんでしょうね。
 でもこのシチュエーション、カツ丼でも出てきそうですね。
「おまえがやったんだろ!」ってね。
 取り調べじゃないんだから、こんな雰囲気じゃ部下も思ったことを話しにくいんじゃないかな。

 じゃあ、どうしたらいいの?
 ちょっと思い出して下さい。こんなことありませんか?
 車の運転席と助手席。お互いに前を見ながら会話。ときおり助手席の人が運転席の人を向いて笑いながらおしゃべり。
 他にも、夕暮れの堤防沿いを、カップルが手をつないで歩いていきながらのおしゃべり。
 焼鳥屋のカウンターで、上司の悪口をサカナに一杯。
 ね、話が弾むシチュエーションでしょ。
 人って向かい合うと「敵対意識」が自然と出ちゃうものなんです。
 それに対して横に並んで同じ方向を向いて会話すると、自然と同じ”絵”を描いていくので話が弾んじゃうんですよね。
 そうすると、親密感もわいてくるので、とても友好的になっちゃうものなんですよ。
 そうすると相手もつい本音をぽろっと。
 口がゆるんじゃうシチュエーションってあるんですよね。
 
 でも上司と部下の面談をするのに、横並びってのは無理があります。
 そんなときは”L型”に座るといいでしょう。
 特に書類や資料を見ながら、なんてときは効果的。
 対面で座っちゃうと、同じ資料を見ようとするとどちらかが逆さまになっちゃいますよね。
 そうでなければ、別々の資料を見ながらになっちゃいます。
 そうすると目線が個々のペースで進んじゃうので、思ったとおりにいかないんですよ。
 これをL型に座ることで、同じ資料を同じ向きに見ることができるでしょ。
 そうすると、同じペースで資料に目を通せるので、話が進みやすいんです。
 
 これは上司と部下だけでなく、営業などのときに最も効果を発揮しますね。
 L型に座り、営業資料を同じ方向から見る。
 商品を指さすのも、ページをめくるのもやりやすいでしょ。
 それに視線が同じ方向、同じ目標にむかうので会話のペースもつかみやすく話も盛り上がること間違いなし。
 ですから、コーチングに限らず誰かとコミュニケーションを取ろうと思って会話をす る時は、横並びかL型で座ることをおすすめします。
 
 それではレッスン6のポイントです
・コミュニケーションを取る時は横並びかL型で座る
・書類や資料は同じものを同じ方向から見て話す
・同じ方向から同じものを見ると、会話のペースがつかみやすい


 座り方ひとつでこんなにも違っちゃうものなんですね。
 それでは恒例の宿題!
・コミュニケーションをとる相手と、横並びかL型に位置してみて
 このときの相手の目線をちょっとだけ観察して下さい

 きっとおもしろい事に気づきますよ。

 さぁ、聴く環境を整えるひとつ目、どうでしたか?
 じゃあ次に二つ目は・・・
 これは次のレッスン7をお楽しみに!

ビジネスはコーチングで生き残れ!

2012年2月20日 発行 初版

著  者:古賀弘規
発  行:ユーアンドミー書房

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古賀弘規

たぬきコーチの古賀弘規です。コーチング、ファシリテーション、自己啓発、人材育成、その他もろもろ、人生にお役に立つ小説や物語、ノウハウをお届けします。

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