この本はタチヨミ版です。
先日、小学校の日曜参観がありました。たぬき家は長女が6年生、次女が3年生。
たぬき妻と話し合い、たぬき妻が長女の方へ、わたしが次女の方へ行くことに。
私は学校行事って結構好きなんですよね。だから時間があれば必ず行事には参加するタチ。だから幼稚園でも学校でも、顔は覚えられちゃうんです。
さて、次女の授業は「習字」。実を言うと、私もたぬき妻も習字は「苦手」。どうも筆で書くのってなれないんだよね。だから子どもには頑張って欲しいなぁ~という密かな願望があったりもするわけ。
そんな思いもちらっと持ちながら、いざ授業参観へ!
習字の授業は始まってからそれほど経っていないようで。今日は「下」という漢字の練習。今までは「一」と「二」なので、始めて「縦」と「点」を書くんですね。
最初は先生が指導するように、書き順通りに練習。そうすると今度は先生が「保護者の方も子どもの横について、一緒に指導して下さい」と。私も当然、次女の横について習字の指導。
さて、たぬきコーチはどうやって指導するのかな?
ここで出てくるのが「たぬき流子育てこ~ちんぐ」です。
次女が一回「下」という漢字を書いて、私が一言。
「今書いたの、自分で何点くらいだと思う?」
「う~ん、60点くらいかな」
「じゃあ、残りの40点って何?」
「えっとね、横棒が短かったのと、墨が薄くてかすれちゃったところ、それと点が離れちゃったところかな」
「じゃあ、次はそれに気をつけて書いてみようか」
「うん」
と、こんな感じで指導(?)してみました。
この自分の成果に得点を付けさせる方法、結構効くんですよね。
ほとんどの場合100点になることはないから、100点にするためには「何が」必要なのかを聞いてみるんです。すると、必ずと言っていいほど、自分で答えが返ってくるもの。
ここで気をつけなきゃいけないところがあるんです。親が思っていた答えが返ってこないときがあるってとこ。こんなとき、つい
「もっと力を入れて書いてみれば?」
なんてアドバイスをしちゃいたくなるもの。これがくせ者なんですよね。
確かにアドバイスをすれば、そのときはうまくできるかもしれません。が、別の機会にはそのアドバイスを忘れちゃうことが多いんです。なぜならそれは「他から与えられた答え」だから。
自分で考えて出した答えは意外と忘れないもの。同じような場面で、自分で考える「思考のくせ」がついていれば、忘れていてもすぐに思い出すもの。
ちなみに、自分が考えた答えが出なかったり、答えが不十分だと思ったときはどうしましょうか?
これは簡単。また同じように「得点」を聞いてみればいいんです。さっきは60点だったのが80点になるかも。
でも残りの20点は? これを聞けば、足りなかったところが出てきますよ。
この「得点法」、子育てだけじゃなくいろんな場面で「気づき」を促すのに使えますからね。是非お試しを!
皆さんのお子さん、甘えていますか?
子どもが甘えてきたときに、どのような態度をとっていますか?
たぬき家の次女は感受性が豊か。だからちょっとしたことで笑い、泣き、すねるし怒る。特に姉妹げんかをしたときは大変。場合によっては二階の子ども部屋に閉じこもってしまうこともしばしば。へたをすると、理由もわからずにいきなりふさぎ込むこともあるんです。
皆さんだったらこんなとき、子どもにどのように対処しますか?
「なにがあったの?どうしたの?」と質問する。
「何があったか知らないけど、大丈夫だよ」となぐさめる。
「もう泣かないの。さ、下に降りよう」と次の行動を起こさせる。
いろいろ考えられますね。
でも私がやることはただ一つ。
二階の部屋に入って、手を広げて「おいで」、そしてだっこしてあげる。だっこしている間は何も言わない。そうして2~3分後、「下に降りようか?」これだけです。
姉妹げんかや原因がわからずにふさぎ込んだとき、次女の心の中はちょっとした空間が空いてしまうんです。そこを「だっこして甘えさせる」というエネルギーを注ぐんですね。
だから空間がある程度埋まって、心が安定すれば次の行動をおこすことができるんです。
これは次女にかぎらず、その他の兄弟でも似たような対処をします。また、「だっこ」を迫られたら基本的には断らずにそれを受け入れるようにしています。6年生の長女でもだっこを要求することはしばしばありますよ。ま、他の子がだっこを要求してきたときに、遊び半分のときもありますが。
これって、甘えを要求してきてるんですよね。
だからちょっとだけエネルギーを注いであげる意味でだっこをすることは断らない。
どうしてもだっこできない状況であれば、なるべく早く手を空けて、すぐ後に必ずだっこしてあげます。
だっこに限らず「あ、これは甘えの要求だな」と思ったら、なるべく要求に応えてあげるようにしています。そうすることで、子どもはエネルギーを注がれて次の行動を容易に起こすことができるんですね。
甘えを拒否すると、なかなか行動を起こすことができません。また、拒否をし続けると「お母さんはいくら言ってもだめだ。」となってしまい、終いには親子の間に溝ができてしまうことも考えられます。
親子の信頼関係を作り上げたければ、まず子どもの要求である「甘え」を受け入れてあげることを提案します。信頼関係がしっかりと築きあげられれば、いざというときに叱ったりすることも有効に機能するものですよ。
ただ一つ気を付けてほしいこと。
それは「甘え」と「甘やかし」を区別して下さいね。
「甘え」は「愛情を求めている」こと。
「甘やかし」は「エゴを満たす」こと。
私はそう区別しています。
「甘え」は欲求を満たしてあげた方がいいですが、「甘やかし」は内容をよく聞いてあげてから判断してください。子どもには本当に必要なものを提供してあげて下さいね。
あなたのお子さんが「だっこ」を要求してきたら。にこっと笑って、無条件に抱きしめてあげてください。子どもはきっと、最高の笑顔というプレゼントをくれますよ。
みなさんは子どもにどのくらいお手伝いをしてもらっていますか? 女の子なんかはお年頃になると
「料理するぅ~」
なんて言い出すでしょうね。
興味を持ってやってくれるのはいいのですが、最初のうちはそれが危なっかしくて。また親がやった方が早いので逆に邪魔になったり。
ま、そこは親の辛抱。
一時期を乗り越えると、子どもの方から自信を持ってどんどんと動いてくれて、楽になりますよ。
ウチの長女、現在お料理に夢中。卵料理は得意になったし、たこ焼きも作ってくれるし、最近はお菓子作りにも手を染め始めました。
趣味の部分もあるけれど、それなりに役に立っていますよ。
お手伝いは自主性をのばすのにも役に立つし、どんどんやってほしいのですが・・・
あまりにも子どものお手伝いに「頼ってしまう」ときも多くなるのが親のわがままというもの。
お料理のように趣味に通じるお手伝いはいいのですが、
「ちょっと、ちびを見てて!」
「ねぇ、ここちょっと片づけておいて!」
「皿を出しておいて、お願い!」
なんて、つい頼み事をしてしまうことも多いですね。
お手伝いをしてもらった後、今までだったらつい先に出ていた言葉が
「忙しいのにごめんね」
って言葉。なんだか申し訳ないって気持ちが先に出ちゃうんですよね。
この言葉、よくよく考えると
「誰に向けて言っている言葉なんだろう」
って思うんですよ。「申し訳ない」って言葉を子どもにかけても、子どもはうれしくはないですよね。
それどころか「申し訳ないなぁ~」って思いが親である自分に跳ね返り、これがストレスになっちゃうんですよ。
そこで、お手伝いをしてもらった子どもにかける言葉をちょっと変えてみましょうよ。
どのような言葉に? そうですね。
「お手伝い、やってくれてありがとう」です。
なんだ、当たり前の言葉じゃないの。そう思うでしょ。そう思うからこそ、この「ありがとう」の言葉を心から相手にかけてみましょう。
この「ありがとう」、どんな効果があるでしょうか。
この言葉をかけられると、相手は「あ、感謝されているんだ」という気持ちが生まれます。
そうするとこの言葉をかけられた相手もうれしくなる。
その表情を見ると、「ありがとう」の言葉をかけた親もうれしくなる。
お互いがうれしくなると、「また今度お手伝いしよっと」という「やる気」が生まれます。
これを繰り返すことで、子どもが自発的にお手伝いをするように導けるんですよね。この「ありがとう」効果、子どもだけでなく大人にも当然通用しますよ。
だから親切をしてもらったとき、手伝ってもらったとき、なんでもいいから感謝したくなったとき
「私がやれなくてごめんね」
ではなく
「あなたがしてくれて、ありがとう」
という言葉を積極的にかけてみましょうよ。
そうすればみぃ~んな楽しい気分になれますよ。
子どもを叱る、これは親にとってはいろいろと考えなければならないことの一つです。叱り方一つで、こどもの将来にもかかわってきますからね。
前に、たぬき妻から聞いた話です。
長男の幼稚園のお迎えに行ったとき、別の二組の親子と一緒になったそうです。
幼稚園から出てすぐの道沿いに畑があるのですが、長男とあとの二人が畑の中を歩き始めたんですね。当然、よそのウチの畑なので、入っていいはずがありません。
そこで親の叱り方の違いが大きく出たようです。
一人の親は
「ほら、おばちゃんが見ているでしょ。」そういってやめさせたとか。
もう一人の親は
「帰ったらお父さんに言うよ!」そう伝えたとか。
たぬき妻は、そのやりとりを見て「ん?」。その親の対応に疑問符でした。みなさんならここで、どのように子どもを叱りますか?
最初の親は、人の目を気にしての言い方ですよね。よその人が見ているから、その人に叱られるからやめなさい。そういう言い方です。
二人目の親は、叱る責任をお母さんではなくお父さんになすりつけてますね。お父さんが叱るからやめなさい。じゃあ、叱るのはいつもお父さんの役目なのでしょうか?
お母さんは叱らなくてもいいのでしょうかね。
そして、二人のお母さんはその行為を「悪いこと」と認識していないのでしょうか?
当然ながら、たぬき妻も長男に叱りましたよ。
タチヨミ版はここまでとなります。
2012年2月24日 発行 初版
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たぬきコーチの古賀弘規です。コーチング、ファシリテーション、自己啓発、人材育成、その他もろもろ、人生にお役に立つ小説や物語、ノウハウをお届けします。