たぬきコーチのコミュニケーション通信。略してコミ通は、コミュニケーションに役立つさまざまな情報をいろんな角度からエッセイ風にお届けします。本文は月二回発行している「たぬきコーチのコミュニケーション通信」および「コミュニケーションジャーナル」から抜粋しています。
この本はタチヨミ版です。
口うるさく言いたくないけど
このセリフ、子どもをお持ちの方なら今まで何度言ったでしょうね? 何度言ってもゲームやテレビばかりで、なかなか机に向かってくれない。一体どうしたら自分から進んで勉強をしてくれるのかな…
今回は、そんな悩みを持つ方には必見情報ですよ。
え、子どもはいない? それじゃ、子どもを部下や自分がコミュニケーションをとりたい方に置き換えて読んで下さいよ。
楽しんで!
ところで「勉強」ってどこでやるものなのかな?
これをイメージするときって、ほとんどが机に向かっている姿じゃなないですか? 果たして、その姿って子どもは「楽しんで」やっているんでしょうか?
「勉強と楽しむのは別じゃないの?」
それでは、あなたは楽しくないことを自分からすすんでやりますか?
やりたくないことはなかなか行動に移せないもの。勉強だって同じですよね。じゃあ、勉強を楽しんでもらうためにはどうすればいいのでしょうね。
そのためにはまず親であるあなたの意識を変えることです。まずはあなたが子どもの勉強に「興味」を持つこと。宿題やテストに対して「点数」ではなくその内容について目を向けてみて。
「え、こんな難しいことをやっているの?」
って、きっとびっくりすることでしょう。
まずは子どもの勉強に興味を持つ。そして子どもの勉強を親が楽しんで取り組んでみる。これがすごいことになるんですよ…
答えを教えない
子どもの勉強に興味を持てたら、子どもの視線が変わってきます。そのうちこんな質問が飛び出すでしょう。
「ね、この問題がわからないんだけど、教えてくれる?」
「この○○って、どんな漢字だっけ?」
今、あなたはこう聞かれたら思わず自慢げにこう答えるでしょうね。
「この問題はね、こうやって…」
「あ、その漢字はこう書くんだよ」
一見、親の威厳を示したようでいいと思えるでしょう。しかし、教えられた子どもはそこまでなんです。わからなかった問題に対してはそこでストップ。それ以上のことは考えなくなっちゃうでしょ。
ではどうすればいいか。
算数の問題であれば、ヒントや考え方を与えるだけ。また、母親が問題を出して父親と子どもと一緒に競争して問題を解くのもいいでしょうね。
国語、特に漢字や言葉の意味であれば、「じゃあ、国語辞典でひいてみようか」と促してみて。ここで大事なのは、最初国語辞典を引き終わるまで一緒にいること。漢字や言葉の意味がわかれば「お、できたじゃない。すごいっ!」ってほめてあげてみて。
理科や社会の問題も同じ。まずは自分で調べたり考えたりしてもらう。これをゲーム感覚でやることで、しだいに勉強が楽しくなって来ちゃうんです。
答えは子どもが持っている
この方法を使っても、いきなり勉強するような習慣は身に付きません。時間をかけて、徐々にその意欲を高めていくだけの「根気」が必要。じっくりと待って下さいね。
勉強に取り組む「やる気」は子どもの中にあります。「勉強しなさい!」ってハッパをかけても、それはいやいやながらの行動。機械的にこなすだけだし、頭にも入らないんです。子どもの行動の答えは子どもが持っています。親はそれをサポートするだけ。
なかなか行動の答えが出てこないからって、イライラしないで。気長に待ってあげて下さい。待って待って、そうして出てきた子どもの答えは間違いなく本物です。
これを繰り返していくと、子どもは自分に必要なことだと感じたことから勉強を始めますって。答えを信じて!
安心を与える「オウム」
タイトルだけ見たら、いったい何のこっちゃっておもったかも。ところが、これが話しを聞くときにはとても重要なポイントなんですね。
始めに「オウム」。これは「オウム返し」という技術のこと。相手の話したおしりを、相手と同じ言葉で返してあげるというものです。例えばこんな感じで
「昨日ゴルフコンペに行ってね、結構いいスコアを出したんだよ」
「へぇ、ゴルフでいいスコア出したんだ」
「そしたらさ、優勝して思わぬ景品もらっちゃった」
「お、優勝して商品もらったんだ」
「そう、カミさんにいいみやげになったよ。いつも文句しか言われないカミさんだけど、昨日ばかりはお礼を言われたよ」
ってな感じ。
言葉のおしりを追いかけて、それを繰り返し伝えるだけで、相手は
「ちゃんと自分の話を聞いてくれているだ」って受け止めてくれるんです。
これがコミュニケーションでは安心感につながっていくこと間違いなし。
このオウム返し、注意する点は「全ての言葉を繰り返さないで、おしりだけ繰り返す」ってこと。全部繰り返しちゃうと、逆に「しつこい!」って嫌われちゃいますよ。
使い方にはご注意を。
ひたすら辛抱「カメ」
カメってどんな動物でしたっけ?
動きが鈍重で、一度手足・頭を引っ込めたらなかなか動いてくれないですよね。じ~っとしていて、とにかく待たないと…
コミュニケーションではこの「待つ」というのが重要。例えばこんなことあるでしょう。
「今回の問題に関して、何かいい解決案はないかな?」
・・・ひたすら沈黙・・・
そしてガマンしきれずに
「例えばこういうことだよ」
なんて口を開いちゃう。これが実は相手にとっては大迷惑。だって一生懸命に頭を絞って考えているんです。そんなときに横やりを入れられたら、せっかくまとまりつつあるアイデアが吹っ飛んじゃう。困りますよね。
ではこんなときはどうするのか。はい、答えが出てくるまでひたすら「待つ」んですよ。
コーチングでは「相手の中に答えがある」というのを信条としてコミュニケーションをとります。これはいかに相手を信頼しているか、ということになるんです。カメのように待つことで、「自分を信頼してくれているんだ」っていう雰囲気も作れちゃいます。
さらに物まね「カメレオン」
先ほどは言葉の物まね「オウム」が登場しましたよね。今度は態度や仕草までまねしちゃいましょう。いや、まねと言うよりも相手そのものになってみましょう。
相手と同じ言葉を使う。特に仕事上の専門用語といったものは要注意。
また、同じような行動をとるのもいいですね。相手がお茶を飲んだらこちらも飲む。
う~んと悩んでいる姿を見たら、こちらも同じように悩んでみる。
こうすることで、自然と相手の考えがわかってきちゃうんです。だって、相手と同じになるんですから。
そこで何かひらめいたら…これは間違いなく相手が持っている答えと同じものをひらめいたことになります。
また、カメレオンになることで「敵」がいなくなります。一見寓話の「こうもり」のようにどっちつかずの存在になりそうですが、実のところそんな心配はいりません。まずはその場の雰囲気に合わせること。その上で自分の考えなどを述べると、すぐに受け入れてくれますよ。
カメレオンになることで、さらに深い深い信頼と信用がゲットできちゃいます。
今回紹介した「オウム」と「カメ」と「カメレオン」、あなたの中で飼ってみましょう。
足って一体?
いきなり「足」ってどういうことなんでしょうね? 会話と足ってどういうつながりが? これがあるんですよ。
私、先日フットセラピーの体験教室なるものに参加してきました。最初は自分で自分の足を揉む方法を教えてくれたんですけど、そのあと二人一組になって足を揉み合うんです。
私とパートナーになった人は顔は知っているけれどそれほどゆっくりと会話を交わしたことがない方。その方の足を揉んで上げて、そこからちょっと会話をやってみたんですけど、これがお互いにいい感じで話しができるんですよ。ちょっとびっくりでした。
で、帰ってから早速妻に足揉みをトライ。揉みながら会話をすると、これがなんとなくいいんですよ。とても話しやすくてね。何でもない会話なのに、落ち着いて話しができちゃう。
相手の体の一部にさわりながら会話を行う。こういった技術を「タッチング」っていうんです。こうすると、相手との心の距離が自然に近づいていくものなんですよ。
タッチングは本来なら肩とか、小さい子ども相手なら頭をなでるなんて感じでやるんですけど、今回は「足」。従来のタッチングと何がちがうんでしょうね? ちょっと詳しく見てみましょうか。
末端が温まると
まず、足ってほとんどの人が体温よりも冷えていますよね。足ツボマッサージなんてありますけど、足にはいろんなツボが集中しているらしいです。そこを刺激することで、体の悪いところに効くらしい。今回の足揉みも同じなんです。
まず足という末端を揉みほぐしながら温めることで、血行がよくなっていきます。そうすると揉んでもらった方の脳波はだんだんとリラックスの方向へ。足への適度な刺激が全身にいい効果をもたらすんですね。
そのリラックスした状態で会話を行う。頭の中はいい気分なので、揉んでもらっている方は会話に集中して聞いてくれるんですよ。
話しを聞いてくれると、揉んでいる方(話しをしている方)もさらに何か話そうと思いますよね。その繰り返しで会話はどんどん進んで行っちゃう。
足という末端を温め、リラックス状態をつくることで話しをしやすい環境をつくることができるんですね。
足を持って話すと
揉んでもらっている方が話しを受け入れやすいのはわかりました。では足を揉んでいる方はどんな作用がはたらいているんでしょうね?。
あなたが何か話しをするとき「手ぶら」と「何かを持って」話すのと、どちらが話しやすいですか?
これ、何かを手に持って、特に両手で抱え込むようにして持つと、心理的に心の中のことを話しやすくなるそうです。
足を揉むということは、両手で相手の足を抱え込むようにしていますよね。そうすることで話し手もつい自分の心の中をすらすらっと話しができちゃうんですよ。
上がり性の方は、人前で話しをするときにボールのような丸いものを胸の前で両手で抱えるようにすると、結構落ち着いて話しができますのでお試しを。
そしてスキンシップ
また、足に触れていると言うことは、当然相手との距離も縮まっているって事ですから、いつもよりも心の距離もちかづくことになるんです。これは「スキンシップ」ということで、もうおわかりですよね。
夫婦に限らず、ちょっと近い関係の人とゆっくり話しをしてみたいなっておもったら、まずは「足」から入ってみて。
体も、そして心も間違いなくぽっかぽかになって、リラックスしながら話しがはずんできますよ。
まずは足から、是非試してみて!
タチヨミ版はここまでとなります。
2012年2月28日 発行 初版
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たぬきコーチの古賀弘規です。コーチング、ファシリテーション、自己啓発、人材育成、その他もろもろ、人生にお役に立つ小説や物語、ノウハウをお届けします。