あなたが人と話をするときは、相手とどのように向かっていますか? ちょっと思い出して下さいな。
おそらくほとんどは「相手と正面を向いて」話しをしているはず。どうですか?
特に商談なんかでは、机をはさんで資料を見ながら説明したり、説明されたり。でもちょっと考えてみて。何かやりにくくないですか?
この「相手と正面を向いて」というポジション、相手と『敵対意識』を自然にもってしまうんです。ですから、相手から話しかけられると、一瞬防衛本能が働いてしまうんですよね。
この対面スタイル、国と国との会談なんかでもめているときにはよく見る光景ですね。
じゃあ、どうやったらいいの?
ちょっと思い出して。車の運転席と助手席、これって話しがはずみませんか? また夕暮れに堤防の散歩道をカップルが歩きながら楽しそうに話しをしている。うらやましいですねぇ~。
これ、どちらも「二人とも同じ方向を向いている」というのがポイント。これは同じ方向を向いて話しをすることで、目の前にある白いキャンバスに会話をしながら同じ絵を描いていく、という効果があるんですよ。ですから、話しをするときにちょっと意識して同じ方向を向いてみませんか?
え、商談で同じ方向を向くのはムリ?
そんなあなたには、とっておきの方法を次回ご紹介しちゃいます。
その1では、同じ方向を向いて話をするってことをお伝えしました。同じ方向を向くことで、会話から同じ絵を描く効果が生まれるというもの。お互いが向かう方向をそろえることができるんですね。
しかし、商談などで同じ方向を向くのはちょっと無理。こんなときお役に立つのが「L型に座る」という技術。
これだと、一つの資料を同じ方向からみることができますよね。それに相手との間に障害物ができにくいので、距離が縮まります。
たとえばカーディーラーでの商談。ショールームに飾ってある目的の車をみながら、奥のテーブルでカタログを広げてお客様とのお話。同じカタログ、同じ車を同じ視線から眺められるので、お客様との距離はぐっと縮まります。
これが向かい合わせに座ると、車をみるのにどちらかが無理な体勢をとっちゃうことに。カタログもセールスマンは反対方向からみることになりますよね。そうなると自然と視線がお客様とはちがうものになってしまいがち。また、机を挟んでしまうのでお客様との距離もちょっと遠い。
さて、あなたならどちらを選びますか?
このL型に座るコツ、テーブルが丸形ならなお完璧。これは角がないことで「同じ空間」を作り上げちゃうんです。実は角があるだけで、ちょっとした異空間になるものなんですよ。だから、昔ながらの丸いちゃぶ台で食事なんて、最高のコミュニケーション・シチュエーションですね。
まずは相手とL型に位置する。是非お試しを。
相手の話を聞くときに、相づちやうなずきといったリアクションをとりますよね。これを行うと相手は「あ、この人は自分の話をちゃんと聞いてくれているんだ」っていう気になります。逆に相づちやうなずきがないと、とても話をしにくいはず。このリアクションは、会話ではとても重要なんです。
しかぁ~し、これらのリアクション、自分ではやっているつもりでも相手には伝わっていない場合もあるんですよ。
特に、話し相手より位の高い人(社長さんやご年配の方、自分の経験に自信のある方など)は、リアクションが小さい傾向があるんですね。
腕を組んで、小さく「うん、うん」ってうなずいているだけ。これはむちゃくちゃ話をしにくいんですよね。
じゃあどうすればいいのか。
もう思いっきりリアクションを大きくして下さい。特に首を上下に振る。これはゆっくりと大きく上下に振ることで、「お、ちゃんと理解してくれたんだ」ってことがしっかりと相手に伝わりますよ。
それと相づちの言葉。これもはっきりと発音して下さいね。先ほどの位の高い人のように「うん、うん」だけではいまいち。ちょっとおおげさに「へぇ~」(ボタンは押さなくてもいいです)、「なるほど!」といった言葉をたくさんかけてあげて下さいね。
あ、ひとつ注意。これらのリアクションはあなたが相手の話をちゃんと聞いているっていうのが大前提。話も聞かずにリアクションだけやっちゃうと、逆に不信感が高まるのでご注意を!
なんだか妙なテクニックですね? でもこれ、そんなに特別な事じゃないんです。例えばこんな感じで。
「わたしさ、昨日失敗しちゃったんだ…」
「そう、失敗したの。どんなことを?」
「課長から言われていた資料の期限を聞き間違えててね」
「そうか、期限を聞き間違えちゃったのか」
「そしてね・・・」
ね、こんな会話だったらだれでもやったことあるでしょ。相手が言ったことのおしりの部分を繰り返してこちらも言うんです。これ、「リフレイン(オウム返し)」という技術。
これをされるとどうなるか? 話している相手は
「あ、自分の話したことをしっかりと聞いてくれているな」って感じてくれるんです。同じ言葉を返すって事はちゃんと話しを聞いているって事ですからね。そうすることで聞き役との距離がぐっと縮まってきます。その結果、相手に対しての安心感が増していき、さらに何でも話しをしてくれるようになっちゃう。効果抜群ですよ。
あ、でも気をつけて下さいね。聞き役であるあなたが注意する部分は「言葉のおしり」だけじゃないですよ。ちゃぁ~んと相手の話全体を聞いて下さいね。これ、重要ですよ!
このリフレイン技術、お手軽なんだけれど使いこなすのにちょっとコツがいるでしょうね。話し全体を聞きながら、おしりの部分だけを口に出さなきゃいけないんですから。
コツをつかむにはまず実践から。繰り返し繰り返し使ってみて下さいよ。きっと話し手である相手の態度が変わっていくのがわかりますよ。あなたに信頼感を寄せていることがね。
今目の前にいる人とコミュニケーションをとろうと思ったとき、あなたはその人についてどのくらいのことを知っていますか?
「そんな、今あったばかりだから何も知らないよ。」
「いやぁ~長年のつきあいだから何もかも知っているよ。」
ま、人によってそれぞれでしょうね。
ところで、あなたが大ファンの芸能人を前にしたら、どんな目をしているでしょうね。
もう目がぎらぎらして、この人のことをもっと知りたいっ!って思うでしょう。ファンだから、何もかも知っているかも知れませんが、さらに奥深いところを知りたいでしょ。
この思いは相手に通じるものなんです。
そんな思いで目の前にされると、相手も悪い気はしませんね。場合によってはもっと自分のことを知ってもらおうと、相手からアプローチをかけてくるでしょう。
ファンになるとその人に対して「愛情」をもって接することができちゃいます。こんな入り方をすると、コミュニケーションって予想以上にうまく運んじゃうんですよ。
コミュニケーションのコツをここでお伝えしていますが、やっぱり大事なのは「ハート」。相手に対してどのような心で接するのかが一番大事ですからね。
そのためにも、まず目の前にいる人の「ファン」になってみましょう。始めての人でも、長いつきあいの人でも、親でも子どもでも、もちろん奥さんや旦那さんであっても。
そうすると、相手もあなたのファンになってくれます。
あなたの思いは、間違いなく相手に伝わってきますよ。
なぁんだ、大したことはないじゃないの。そう思ったあなた、では実際に誰かと会話をしているときに、その目線はどうなっていますか?
親と子の会話を考えてみて。当然親であるあなたの方が背が高いので、上から見下ろす形で子どもに接するでしょう。これ、逆の立場だったらどう思います?
親と子に限らず、会社であれば上司と部下。部下のデスクに上司が資料を片手に歩み寄り、デスクワークをしている部下に向かって上から話しかける。
人間って、上から見下ろされるととても圧迫感を感じちゃうんですよね。今度誰かに協力してもらって、上から見下ろしてもらって。その圧迫感がきっと感じられるでしょう。
ではどうすればいいのか?
簡単ですよね。目線の高さを合わせるんです。そのためにはお互いが座って話しをするといいですよ。立って話しをすると、どうしても身長差がでちゃいますからね。
また左右の目線も重要。
横目でにらまれると、なんだかいい気はしないですよね。体は横に向いていても、顔は相手の正面を見る。そうすることで相手に対して安心感を与えることができるんです。
イチバンやって欲しくないのが、新聞や雑誌、資料などで顔を隠しながらの会話。これをやられると、相手が本当に話しを聞いてくれているのか、話の内容を理解してくれているのかがわからなくなっちゃいますからね。
お父さん、新聞に目線を落としながら会話なんてしていないですか?
あなたはどんな顔をしている人と話をしたいですか? ちょっと考えてみて。
この質問をすると、ほとんどの人は「にこやかに笑っている人」と答えてくれます。ではどうして?
だって、むすっとしている人は近寄りがたいですよね。しかしそんな人だって話をしてみると結 構気が合ったりするもの。しかし、むすっとしている人にはなかなか人は寄りつかないですよね。
そう、「見た目」で損をしているんですよ。もったいないですね。
「人間見た目じゃない。心が大事だ!」
そうおっしゃるあなた、その心が一番表れているのってどこだと思いますか?
これ、実は「目」なんです。「目は口ほどにものを言う」と言いますが、心が晴れ晴れしていると、目は自然と笑っているんですよ。
人とコミュニケーションを取るときに、ほとんどの人は「視線」を相手と合わせるでしょ。そのときに「目」がすべてを語ってくれるんですよ。
そのためにも「笑顔」はとても大事なんです。
心から出る「笑顔」は人を自然と呼び寄せます。作り笑顔は「心」が入っていないので「目」をみればすぐにわかりますよね。
真の笑顔を心がけるには、まず「心の健康」をつくることから始めてましょう。そうすればあなたの周りには同じ波長を持った人がどんどん集まってくること間違いなしですよ。
はい、これは簡単ですけど実に難しいもの。そもそもどうして名前を呼ぶことがコミュニケーションに重要なのでしょうか?
「おい」とか「おまえ」なんて呼ばれ方をして話しかけられたこと、結構あるでしょ。そんなとき、どんな気持ちになりますか?
「私にだってちゃんとした名前があるんだから」
そう思うでしょ。それにたくさんの人の中で「おまえ」なんて言われたら、本当に自分に向けられた言葉なのかが不安になっちゃうときも。
だからこそ、この「名前を呼ぶ」っていうのは重要なんです。名前というのは、相手が持っている固有のもの。だからこの「名前」を口にするということで、相手の存在を認めていることになるんです。
そう、「名前を呼ぶ」という行為は「承認」の一つでもあるんですよね。
相手が身近であればあるほど、名前を呼ぶという行為を忘れがちなんです。奥さんやダンナさん、身近な後輩や部下。いつも接している人であればあるほど、普段の生活の中での「承認」は重要な意味を持ちます。
「何を今さら、名前を呼ぶなんて」
なんて恥ずかしがらないで、意識的にどんどん名前を言ってあげて下さいよ。結構気持ちがいいものですよ。
また、初対面の人などについては、まず名前を覚えること。
そして会話の中で頻繁に名前を呼んでみて。それで自分も相手もお互いを印象づけることができますよ。
握手、これって意識しないとなかなかやっていないんじゃないですか? 普段から握手をしている人って、それほど多くはないでしょう。
では握手ってどんな効果があるのかな?
握手を行うときって、会ってすぐか別れ際のいずれかでしょう。会ってすぐの握手は、相手との心の距離を一気に縮めることができます。妙に親近感が湧いてきちゃうんですね。そうすると、話しもはずみやすくなります。
では別れ際の握手は?
これは相手に対しての印象を強めることができるんです。今まで話しをしてきたことや、あなた自身について忘れられなくすることができちゃいます。
これはどうしてかな?
誰かと話しをするときに使うのは「耳」と「目」ですよね。五感のうちの「聴覚」と「視覚」ですよ。これにプラスアルファの感覚を与えると、相手にとっては刺激が増えて脳の中にインプットされやすくなるんです。そこで登場するのが「触覚」つまり、相手に触れるということ。
ですから、握手以外にも何らかの形で相手に触れることであなたの印象をとても強くすることはできます。しかし、べたべた触るわけにもいかないですよね。ですから、「握手」が一番自然な形かも知れませんね。
他にも「味覚」や「嗅覚」を刺激するっていうのもあります。例えば食事をしながら話しをする、なんて方法。
こんな形で、「聴覚」と「視覚」以外を刺激しながら人と会うと、あなたの印象は深まっていきますよ。
何人かと話しをする時ってありますよね。たぬきコーチも講演や研修でたくさんの方を前に話しをすることが多いんですよ。そんなにたくさんでなくても、4~5人のグループで井戸端会議なんてのはしょっちゅうあること。
で、このときにあなたが話し手だったばあいに、是非気をつけてもらいたいことがあるんです。
それは、「全員に対して顔をしっかりと相手に向ける」ということ。一対一で話しをするときは、相手が一人しかいないので面と向かうことはできますよね。しかし、これが複数となると、意外にも目は一人の人だけを向きがちなんです。
そうなるとどうなるか?
はい、こちらが話す内容も、目を向けている人だけに合わせたものになりがち。そうなると、他の人はなんだか取り残されたようか感じになっちゃいます。
そのためにも、多人数に話しをするときには一人一人に顔を向けてみるといいですよ。
でもこれがうまくいかないのよねぇ~。わかっちゃいるけど、つい忘れてしまって。
はい、そんなときは自分の左の人から見てみましょう。そうすると首は自然と左から右に移っていきます。これを逆にしちゃうと、途中の一カ所で気になるところがあると動きが止まっちゃうんですよ。これは人間の心理として、最初に左側のものに目がいき、右に移していく傾向があるそうです。今度試してみて下さいよ。
話しは一人一人に向けて行う。こうすると、自然にあなたの信頼度が高まってきますよ。
あなたのしゃべるスピードって、速いほうですか?それとも遅い方ですか?
ちょっと想像してみてね。大阪のおばちゃんと東北の山奥のおばあちゃんが話すところ。話しのスピードが全然違うでしょ。これじゃぁなかなか話しがかみ合わない。速く話す方は遅いしゃべり方にいらいらするでしょうし、遅く話す方は速いしゃべり方についていけずにあきらめムード。
こちらの話しをしっかりと聞いてもらいたい。そう思ったら相手の話すスピードに合わせることが大事なんですよ。これを「ペーシング」っていいます。
よくテレビのレポーターが田舎のおじいちゃんとかおばあちゃんに取材するときに、大きな声でゆっくりしゃべっているって場面があるでしょ。あれですよ。
でも相手に合わせちゃうと、こちらの言いたいことが全部言えなくなっちゃうんじゃないの? こっちのペースに引き込む方がいいのでは?
これ、答えはブッブー。逆なんですよね。相手のペースに合わせることで、相手は安心感を感じてこちらの話すことに聞く耳を持ってくれます。そのうえでこちらの話したいことを話すと、しっかりと理解してくれますよ。
逆にこちらの言いたいことをこちらのペースでガンガン話しちゃうと、相手はしらけて聞く耳を閉じちゃうもの。あなたは全てを話して気持ちがいいでしょうけれど、相手はどうでしょうね?
まずは相手のペースに合わせて話しを聞く。これは十分注意して実行してみてね。
よくこんな事を聞きますよね。
「人の話しを聞くときは、相手の目を見なさい!」ってね。
これ、やっている人はどのくらいいますか?
実のところ、話しをしているときに相手からじっと目を見つめられたらどう思います? ほとんどの場合は照れくさくて、うまく話しが進まないのでは?
目の奥に真実が隠されている、なんて事もありますが、それだけに目を見つめられると何かを見透かされちゃうんじゃないかって、不安になっちゃうんですよ。
では、話しをするときに相手のどこを見ていればいいの?
はい、「相手の顔の一部」を、「凝視せずに視線をずらしながら」見ていればOK。
というよりは、見ることに意識を向けるのではなく「相手の方に目を向ける」ことさえ忘れなければOKなんです。
実際に人の話しを聞いているときには、相手の話から頭の中で何かをイメージしているはず。そう、目は相手を見ていても、何かをイメージしているときに脳の中では相手を見ていないんです。
しかし、意識は常に相手を向いていること。これが重要なポイント。意識が相手に向いているということは、自然に顔は相手を向いているはずです。
しかし、全く相手の目を見ないというのもちょっとね。話しの節々で、相手が同意を求めるような場合は逆に相手の目を見つめてうなずいてあげると、これが相手の安心感につながっていくんです。
まずは相手に意識を向ける。これが大事ですよ。
2012年2月29日 発行 初版
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たぬきコーチの古賀弘規です。コーチング、ファシリテーション、自己啓発、人材育成、その他もろもろ、人生にお役に立つ小説や物語、ノウハウをお届けします。