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 この本は「成幸するための非常識なコーチング法則」についてじゃんじゃん紹介していきます。
 ただし、ここで紹介するのはある意味コーチとして
 
「非常識」
 
な内容ばかりです。ですから、真っ当なコーチを目指す人は読まない方がいいかもしれません。が、コーチとしてビジネスを成功させたいのであれば何かの参考になるかも。
 さて、どんな非常識な法則が飛び出すのか?

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非常識なコーチング成幸法則 第三章

古賀弘規

ユーアンドミー書房

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  この本はタチヨミ版です。

誰よりも自分が幸せに

 さて、前回まではビジネスコーチとしての非常識法則をお届けしました。今回からは「個人の能力、考え方」についてお伝えしていきます。これからお伝えするのは、コーチング力とはちょっと違います。どちらかというと「幸せになるか」という考え方です。
 そもそもコーチはクライアントの目指す目標をサポートするのが役目。そのコーチが幸せな生活も送らずにボロボロだったら。あなたはそんなコーチからコーチングを受けたいでしょうか?
 コーチというのはクライアントを主役として、どのように援助するかが仕事。だから自分のことは二の次で、まずはクライアントを幸せにしなきゃいけないんじゃないの?
 私はその考えに真っ向から反対します。
 ちょっと考えてみて。あなた、今ポケットに100円玉一枚しかないとしましょう。そしてあなたは今とても空腹。そのせいでイライラもしています。そんなときに目の前に募金箱が。あなたは普段からボランティア精神旺盛で、こんなときにはつい募金を。さて、こんな状態であなたはいくら募金しますか?
 100円あれば何か食べられる。でもそれを使ってしまえば募金はできない。えぇい、ここは自分のポリシーを曲げずに100円募金してしまえ!
 って、気持ちよく募金できるでしょうか? 仮に募金したとしても、その後の空腹とそれによるイライラは変化しません。下手すると募金したことを公開してさらにイライラするかも。そんな状態で家族や恋人と会っても、心から楽しめないでしょう。
 だったらどうすればいいのか? まずは自分を満たすことです。その100円で空腹を満たし、気分が良くなったところでお金を稼ぐアイデアを考える。それを実行し収入を得たら、そのときに気前よく100円でも200円でも募金をすればいいのです。
 コップに水が半分入っている状態を思い浮かべて。この状態で「人のため」といってその水を分け与えようと思っても、ケチケチとしか分けられないでしょう。本当に人のためを思うのであれば、まずそのコップに水をたくさん満たすことです。そしてさらにそのコップに水を注げるようにすれば、水はあふれ出ます。そのあふれたものであれば、あなたも気前よく人に分け与えられるでしょう。
 まずは自分が幸せになる。そうすればあなたから惜しみなく人に幸せを分け与えることができます。自分が幸せでもないのに、人のためだということでコーチングをしても、下手をすると幸せになったクライアントをねたんでしまうことになるかも。
 クライアントはどんな人に寄っていくか。やはり幸せに満たされているコーチを選ぶでしょう。この人だったら自分を幸せにしてくれるんじゃないかって期待します。
 まずは自分を幸せで満たすこと。これがいいコーチングを行える秘訣とも言えます。
 
非常識なコーチング成功法則 その13
 誰よりもまずコーチである自分を幸せにすること
 これがよりよいコーチングを行うことにつながっていく

まずは与えよ

 私の信条の一つにこのようなものがあります。
「まずは与えよ」
 これは「与えたものが返ってくる」という大自然の法則に従ったものです。
「え、前回はまずは自分を満たせと言ったじゃないか」
 そう、確かに言いました。一見すると矛盾した考えのようにも見えます。ですが、これはどこも矛盾したところはありません。
 何も自分の持っている以上のものをあちらこちらにばらまきなさい、と言っているわけではないのです。自分の持ち合わせているもので、自分が喜んで手放せるものを人に与えなさい。これが私が伝えたいことです。
 前回、100円しか持っていなくて目の前に募金がある場合のお話しをお伝えしました。このときは、100円すべてを募金してしまうと、自分が満たされないのに他の誰かを満たそうということになる。そうなると、本当に良いものを与えることはできない。そうお伝えしました。
 ではこのときに10円玉で10枚持っていたとしたら? おそらくあなたは、100円全ては無理でも10円なら寄付するのではないでしょうか。
 そして残りの90円で自分を満たす方法を考える。これを繰り返すことで、自分にはその10円以上の価値のものが得られるのです。
 といっても、いつもお金を与えるほど私も裕福ではありません。また何か物を与えるほど、たくさん何かを持っているわけでもありません。だったら何を与えればいいのか?
 私の場合は「自分の持っている情報」を与えることにしました。これならばお金もかからないし、人に喜んでもらえる。そうして始まったのが、元祖無料CD「やる気CD」です。
 「え、CDといってもお金がかかるじゃない」
 確かにお金はかかりました。ですが、小冊子ほどお金はかかりません。自分の出せる範囲の中で、盛りだくさんの情報を提供してみました。そして今、どうなったのか?
 おかげさまで「たぬきコーチ」という名前は全国に広がりました。さらに協力者も多く得ることができました。そして同じ考えを持つ仲間も周りに増えました。そこからコーチングをはじめ、いろいろな情報が私に集まり出しました。
 そして集まった情報をまたいろんな媒体を通じて多くの人に与える。すると、また多くの情報が集まる。こうやって今の私が成り立っています。
 これもすべて、自分のできる範囲で「まずは与える」ことを行った成果です。
 実は自分を満たすためには、まずその呼び水となるものが必要になります。そして、その呼び水は手から離れたら必ず多くの中を連れ添って自分のところに戻ってくると信じること。そうするだけで、手放したものの何倍もの価値や量を連れ添ってあなたの元へ戻ってくるのです。
 これが個人力を上げる秘訣の一つ。
 聖書にもこうあります。得た報酬の1/10を寄付しなさい、と。これは「与える」という習慣を身に付けていると、必ず自分に戻ってくることを意味しています。
 コーチング力も同じ事。自分だけで独り占めせずに、セミナーという形で多くの人にまずは与えてみて下さい。そうすることで、あなたの元には研修や相談と言った仕事の依頼という形で、あなたが与えた物が何倍にもなって戻ってくるのですから。あなたがどんな分野でもプロを目指すのであれば、自分の提供できる物を惜しみなく人に与えてみて下さい。

非常識なコーチング成功法則 その14
 自分のできる範囲でまずは与えよ
 それが後々何倍にもなって自分に還ってくる

人間関係を切れ

 あなたの周りにこんな方はいませんか?
 昔は仲が良くて、いつも一緒にいるくらい遊びまくった。けれど気がついたらいつの間にか自分の前から姿を消していった。べつにケンカをしたわけでもないのに。
 さて、そんな昔の友達をあなたはどうとらえますか? ある研修を受けたときに、そういった人や、苦手な人とのコミュニケーションをこちらから取りに行く、というのがありました。
 ま、これも一理あるな。あえて苦手なところに向かうことで、コミュニケーションの技術を上げていくことになる。
 ですが、根本的に私はその考えには反対です。それはなぜか?
 今あなたの目の前にその人がいない、ということは、その人は今のあなたにとっては必要ないということ。下手をすると、あなたの足を引っ張る存在かもしれません。
「類は友を呼ぶ」。
 この法則は必ず生きています。今あなたの周りにいる人は、あなたとの波長がぴったりの人のはず。そんなあなたがさらに上を目指そうとして、自己研鑽に励んでいる。そんなあなたに惹かれて集まったのが今の仲間。
 ここに、昔のだらだらと遊んでいた頃の仲間とふれあった。けれど、自分は昔とは違う。なんとなく昔の仲間と波長が合わない。
 そこを無理に合わせようとしてしまうと、あなたは疲れてしまうだけです。そんな状態で、さらに上を目指すことができるでしょうか?
 あなたに必要な人は、あなたが必要と望んだときにひょっこり現れます。それが昔の仲間だったら、喜んで受け入れましょう。ですが、こちらが望んでもいないのに無理矢理昔の仲間と縁を復活。そして昔のようなだらだらとした生活に引き込まれていく。それはナンセンスです。
 だからあえて言います。こちらが無駄だと思った交友関係は、無理をせずすっぱり切りましょう。切る、といっても絶縁状を送る必要はありません。そのままにしておけばいいのです。
「え、コーチングというコミュニケーションのプロがそんなことでいいの?」
 えぇ、いいんです。無駄なコミュニケーションを切ることも、プロとしては大事なことでしょう。
 あなたはもっともっと上の人とつきあうべき人物なのです。昔が心地よくて、ぬるま湯にいつまでもつかっている必要はありません。自分がいけるところを目指して、どんどん進んでいきましょう。
 その結果、周りの人が去っていってもそれは自然なこと。それよりも、これからつきあう新しい人に目を向けてみましょう。そこから学べるものは、人生にとってとてつもなく大きなものになりますよ。
 
非常識なコーチング成功法則 その16
今の状態に合わない昔の友達は遠慮無く切っていく
大事なのは自分がどこを目指し、どんな人とつきあっていくか

高い金だして勉強しろ

 いきなりですが、あなたは勉強していますか? コーチングの勉強は当たり前。ビジネス分野に進出するなら、マーケティングを。子育て分野に進出するなら、育児に関するものを。成功系に進出するのなら、自己啓発の要素を含んだものを。本はもちろんのこと、各種セミナーに出たりCDなどの教材を買ったり。
 最近はインターネットを探せば、これらの情報は無料で手にはいることが多くなってきました。また、友人知人を伝って、そういった商材をなんとか手に入れたり。安上がりに勉強しようとすれば、それは何とかなるものです。
 ですが、残念ながら無料商材、もしくは低額の商材で済まそうと思っても、その知識や技術は身に付かないもの。それはなぜか。理由の一つに、そういった無料や低額の商材に含まれている情報は「不十分」であることが多いからです。
 売る方もバカじゃありません。全てを無料で出してしまったら、なんの実入りもありませんからね。次の有料の商材につなげるためのフロント商品であることは理解しておいたほうがいいですよ。
「いや、私が持っている教材は高額のものをちょっとしたルートで格安で手に入れたから、内容は十分ですよ」
 それも落とし穴。どうしてか?
 どんなにいい教材でも、使う側の意識一つでクズ同然になってしまいます。
「どうせ安くで手に入れたから」
という意識が働いてしまうと、どうしてもその教材と向き合う時間が減ってしまうのです。
 私もかつてそれで失敗しました。ある自己啓発プログラムを販売しているところから、いろいろと協力してくれたお礼だといって、本来はン万円もするカセットを無料で手に入れました。ま、相手としてはこれらの商材はすでにCDが主流なので、在庫処分のつもりもあったかもしれません。ですが、こちらとしてはうれしいもの。早速これらのカセットをCDに落として、一通り聞きました。「うん、これはいい!」当初はそう思ったものです。
 ですが、一ヶ月もしないウチに、自然と聞かなくなっていったのです。これはどうしてか? なぜなら、自分のお金で買ったものではないから。だから、気合いの入れ方が不十分だったのです。
 人間、損はしたくないもの。だから、高いお金を出せば出すほど、そういった教材を活用する時間が増えていき、その内容をマスターするようになります。私もコーチングを始める前に百万円ほどする自己啓発教材を購入しました。そして、絶対に無駄にはしないぞ、と言う思いで毎日毎日聞き続け、そして実践し続けたのです。その結果どうなったか。それが今のたぬきコーチの姿なのです。
 また知り合いのコーチはこんな事も言っていました。その方はある有名な自己啓発セミナーに参加。その参加費はなんと十四万円。しかし、平然とこう言っていました。
「そのくらいの価値はあったし、このくらいの金額はすぐに取り戻せるくらいのものはあったよ。そう思ったら安いくらいだ」
 仮にそのセミナーのビデオをあなたが一万円程度で手に入れても、同じ感情は味わえないでしょう。それは高いお金を出した人にしか味わえないものなのです。
 同じコーチをつけるにしても、ふところ事情だけで選んでしまうと結果がなかなか出なかったりします。高いコーチと安いコーチ。実はそんなに質は違わないのかもしれません。違いがあるとすれば、コーチングを受けるあなたの意志ではないかと。
 だから、本気でその技術を身につけたり、本気で稼げるコーチになりたいと思ったら、高いお金を出してその分野で最高の教育を受けることをお奨めします。

非常識なコーチング成功法則 その16
 安い教材ばかりを追いかけても、それなりにしか身に付かない
 本物の技術を身につけて稼ぎたければ、本物に見合うお金を出すこと



  タチヨミ版はここまでとなります。


非常識なコーチング成幸法則 第三章

2012年3月14日 発行 初版

著  者:古賀弘規
発  行:ユーアンドミー書房

bb_B_00104629
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発行者 BCCKS
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古賀弘規

たぬきコーチの古賀弘規です。コーチング、ファシリテーション、自己啓発、人材育成、その他もろもろ、人生にお役に立つ小説や物語、ノウハウをお届けします。

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