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たぬきコーチのコミュニケーション通信。略してコミ通は、コミュニケーションに役立つさまざまな情報をいろんな角度からエッセイ風にお届けします。本文は月二回発行している「たぬきコーチのコミュニケーション通信」および「コミュニケーションジャーナル」から抜粋しています。

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たぬきコーチのコミュニケーション通信 Vol.4

古賀弘規

ユーアンドミー書房



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  この本はタチヨミ版です。

人を引き付けるには? その秘密に迫ります

あの人の魅力って?
 世の中には、不思議と人を引きつける魅力を持つ人がいますよね。自分もあんなにたくさん人が寄ってくるような人になりたいな、なんて事を思っている方は多いんじゃないかな。
 今回はどうやったら人を引きつける魅力が出せるのか、その謎に迫ってみましょう。
 そもそも、人を引きつける魅力ってなんでしょう?
 外見? お金? 地位?
 いやいや、そんなものじゃないですよね。その人が持つ雰囲気というか、空気というか、オーラというか。表現は色々あるでしょうが、実はこれにはある法則があったんです。

類は友を呼ぶ
 類は友を呼ぶ。これはあなたも何度か経験したことがあるんじゃないかな。同じ趣味や考えを持った人は自然と集まる。どうしてなんでしょうね?
 実はこれ、「電波」の原理と同じなんです。テレビのアンテナは、テレビ局の電波を受信しやすい長さに合わせてあります。これはラジオや携帯電話も同じ事。受信しやすい周波数の電波を効率よく受け取るように合わせてあります。
 人間も同じ。あなたというアンテナはある周波数を受け取りやすくセッティングされています。
 逆に、あなたは「自分らしさ」という周波数を自分というアンテナから発信していることも行っているんですよ。
 この「自分らしさ」がぴったりとマッチした者同士が、お互いのアンテナにひっかかり、徐々に引き合うんです。
 そして対面したときに、初めて会ったのに妙に気があったりするわけですよ。
 こういった人と出会ったときによく「波長が合う」なんていいますよね。これはこの電波の原理をそのまま言葉に表しただけ。
 これが「類は友を呼ぶ」の正体なんです。
 では、人を引きつける魅力のある人は、あらゆる周波数の電波を自分から発信しているんでしょうか?
 いえいえ、実はそうじゃないんですよ。

絞れば絞るほど
 またまた電波のお話し。周波数が合っていなくても、出力の強い電波が近くにいれば、イヤでもそれをキャッチしちゃう。これは悪くいうと「妨害電波」ってやつです。
 しかし、その出力の強い電波が自分にとって有益なものであったら?
 自然とその電波に引きつけられちゃいますよね。そう、これが魅力のある人の秘密なんです。
 魅力のある人って、なんとなく独創的だと思いませんか? まんべんなく何でもこなすというよりは、一つの分野についてのエキスパートだったりします。ヘタすると「変人」なんて呼ばれたりすることも。
 これは「自分らしさ」という周波数をとことん絞って、その代わりに他よりも高いエネルギーで出力しているんですよ。だからたくさんの人のアンテナにひっかかって、遠くからでも人が寄ってくるってワケなんです。
 人に好かれようと自分らしさを見失い、いろんな周波数に合わせようとすると、一つ一つの周波数に発する電波の出力は必然的に低くなります。
 まずは「自分らしさ」という電波の周波数を絞り込んで、自分自身を発信させることから始めませんか?。

能力を伸ばすにはトランプ一つあればいい

最近はやりですね
 最近、マジックブームですよね。テレビでいろんなマジシャンをよく見るようになりました。そしてマジックの王道と言えば「カードマジック」つまりトランプを使ったもの。あのカードさばきは目を見張るものがありますよね。
 そう、あれも一つの能力ですよね。すばらしい!
 今回はいろんな能力を伸ばすのに役立つ「トランプの使い方」の紹介です。
 もちろん、大事なコミュニケーション能力も伸びちゃうんですよ。さて、どんなふうにトランプを使うのかな?

計算上手に
 トランプゲームの中には、最後に合計点数を出すものがありますよね。ルールによって計算方法は違いますが、子どもとトランプをするときにこの計算を「自分で」しかも「暗算で」やらせるといいですよ。
 算数のプリントだったらなかなかやらない計算でも、これなら楽しんでやりますよ。これで暗算の能力がめきめき伸びていくことは間違いなしです。

手さばきも上手に
 これはトランプマジックに通じるものがあります。子どもにとって一組のトランプを切るという作業はとても難しいもの。カードを落としたりひっくり返したり。
 しかし、これを繰り返すと手さばきが次第に上手に。これ、いろんなところで応用できるし、手を使うことで脳への刺激にもなりますからね。

思考能力はもちろん向上
 トランプゲームは頭を使いますよね。神経衰弱だって記憶能力を鍛えるのにいいし、七並べは戦略を立てる練習になります。
 いろんなトランプゲームを経験することで、いろんなパターンでの思考能力を使いますからね。本気でやると、大人だって子どもに負けちゃうこともしばしば。この思考能力はあなどれませんよ。

そして社交性が
 トランプを使うことでの一番のメリット。それは「社交性の能力」が伸びることなんです。
 でも、これは一人じゃダメ。できるだけたくさんの人と「トランプゲーム」をやってみましょう。当然勝ったり負けたりしますよね。そこから「負けることのくやしさ」を覚え、「負けた人への対処方法」を覚えます。自分が勝ったらうれしくてはしゃいじゃうでしょ。しかし負けた場合はそんなはしゃいでいる人をみるとくやしい。
 ということは、自分が勝ったときにはどんな態度をとるのがいいのか?
 ゲームを楽しく続けるためには、人とどんなコミュニケーションを取ればいいのか?この力が次第についてくるんですよ。
 今の社会で欠けていると言われているのが「人を思いやる力」。ここを伸ばすのに、いくら理屈を力説してもわからないんですよ。だから、トランプを使ったミニコミュニティーの中で繰り返し体験してもらう。
 人って、体験して始めて何かを学べるものなんですよね。
 あ、トランプで子どもや多くの人に能力を伸ばしてもらおうと思ったときの注意点。
 まずはこれを読んでいるあなたが、楽しんで参加すること。当然、あなたの能力もいろんな方面で開花されますよ。ぜひお試しを。



ミーティング・秘伝のたれ
 毎月一日発行号では、会議をうまく運ぶ「秘伝のたれ」を伝授しちゃいます。 今回の秘伝のたれはこれ!
「何も言わない人にはどう対処する?」
 会議の中で最も困る瞬間。
「何か意見はないですか?」 → しーん・・・
 誰も意見を言ってくれない。進行しようがないじゃないかよぉ。そんな経験、あるでしょ。こういった何も言わない人たちのことを「沈黙タイプ」といいます。
 さて、どうやって対処すればいいでしょうか?
 そもそも「沈黙している」とは一体どういうことなの?
 このときって、何も考えていないわけじゃないんです。ただ単に「逃げている」だけなんですよね。自分が否定されるのが怖いんですよ。
 だったらどうするか。はい、まずはその人そのものの存在と、その意見を「認める」ことから始めて下さい。特に、何か言いたそうな顔をしているのであれば
「大丈夫です。何でもおっしゃって下さい」
と、意見を言うこと自体に安心感を持たせて上げましょう。こうやって相手に興味を持つことも大事なことなんですよ。
 また、沈黙を嫌う人っていますよね。会議の進行役だけど沈黙の嫌いな方へのアドバイスです。
「沈黙」というのはとても重要。その間は考えているんですから。ですから「誰かいませんか!」なんてせかしちゃいけません。また、「イエスかノーかはっきりして下さい!」なんて感じのクローズドクエスチョンも×。こちらは質問したつもりでも、相手にとっては言い寄られて決断を迫らなきゃいけない「詰問」に聞こえちゃいますからね。
 ゆったりとした気持ちで、余裕を持って、相手を認める。これが沈黙タイプに対する対応のコツですよ。

人財を育てたければ、まずは自分が人財になれ

時代は人財を求めている
 今のこの時代、雇用がなくて人が余っている、なぁんていわれていますよね。リストラや新規雇用の制限だとか。この時代を反映してフリーターがかなり増えているとか。
 しかし、企業はそんなに「人」がいらないのでしょうか? いえいえ、「人」はのどから手が出るほど欲しいんですよ。ただし、条件がありますけどね。その条件とは「自分で考え、行動し、結果を出すことができる」。こういう人のことを何というか知っていますか?はい、「人財」というんです。つまり「財産」となる人のことです。こういう人がいないと、これからの企業や組織は生き抜くことができないんですよ。
 しかし残念なことに、「人財」っていうのはそう簡単に見つかるものじゃない。あなただったら、どうします?
 そう、「人財」を作り出すことが必要になってきますよね。これが人財育成といわれるものです。

だから任せてるじゃないか
「そんなことわかっとる!だからうちの会社はこうやって研修会社にお願いしているんじゃないか」
そういう声も聞こえてきそうですね。子育てにおいても
「そう思って、教育の行き届いた有名私立の幼稚園にお受験までさせていかせているのよ」
 そんな親もいるんじゃないかな。
 こういった経営者や親に一つ質問。あなたはそこで行われていることをどの程度把握していますか?
 そもそも、従業員や子どもにやらせている人財育成のための教育を、あなたは体験したことがありますか?
「その方法がわからないから、専門機関にお願いしているんですよ」
 ということは、おいしいかどうかも味見せずに「これ、おいしいですからぜひ食べてください」と大事な人へ贈り物を届けているようなものですよね。
 従業員や子どもがそこで学んだことを実践しようとしたときに、あなたがその中身を知らないままだと、「なんでこんなことをやっているんだ!」なんて憤慨する場面も出てきちゃうんですよ。
あなたの思い通りに動いてくれないから、結局は元通りになっちゃう。これじゃ意味ないですよね

だからまずはあなたから
 どんなに良いと噂されているものでも、まずはあなたが試食しなきゃ。味見もせずに差し出すなんて失礼ですよね。つまり、まずはあなた自身が「人財」になるプロセスを経験しないと。
 人の成長には限界はありません。今は十分と思っていても、まだまだ知らない世界はたくさんあります。その世界を体験してから、従業員や子どもの教育を初めてみて。一緒にやるのも悪くはないですよ。
 私はコーチング研修をいろいろなところでやっていますが、残念ながらトップの方が一緒に行ったり、過去研修を受けた、というケースはとても少ない状況です。これは明らかに
「研修を受けさせれば伸びていくだろう」というお任せケース。そういった企業や組織が伸びていったケースはほとんど見られません。そして残念ながらこういったところほど、コミュニケーションが取れていないんですよね。
 人と人とのコミュニケーションを円滑にしたいのであれば、まずはあなたがお手本を示せるような「人財」になってみましょうよ。



  タチヨミ版はここまでとなります。


たぬきコーチのコミュニケーション通信 Vol.4

2012年4月4日 発行 初版

著  者:古賀弘規
発  行:ユーアンドミー書房

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古賀弘規

たぬきコーチの古賀弘規です。コーチング、ファシリテーション、自己啓発、人材育成、その他もろもろ、人生にお役に立つ小説や物語、ノウハウをお届けします。

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