本のあらすじや概要をかくスペースです。
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はじめに
北海道に、辰子丑という酪農地帯があります。
牛がいっぱいいて、人間が少しだけいるところで、
夏は緑の牧草地が広がり、冬は真っ白い雪におおわれます。
何もないけれど、
広大な大地を、思う存分感じることが出来ます。
私は、二〇一〇年から、約一年半、
ブログ『だいこんママのアトリエ』で、
架空のネコを描いて、勝手気ままに遊ばせていました。
それを、このたび編集しなおし、ウェブ本と紙の本にしました。
よろしかったら、おつきあいください。
丑年の大晦日
『丑年も、
今日でおしまいだね。』
『うん。』
『来年は、
ボクらの年だよ。』
『えっ?』
『ネコの干支って
あったかしら?』
『ないよ。』
『とらネコで、
代用する家もあるんだよ。』
『……?』
『さぁ!
新年の準備だよ。』
『グッズを出すから、
手伝って!』
『キミは三毛だから、
ユニフォームと帽子を
かぶって!』
『二〇一〇年、
おめでとうございます。』
「いいね。
その調子よ。」
「おつかれさま。
よかったわよ。
カリカリおせちを、
どうぞ!」
『普通のカリカリと
変わらないね。』
『そうだね。』
「せっかくだから、
ず〜っと
家にいてよ。」
『うっ、う〜ん。』
架空ネコ・誕生秘話
『去年、娘さんから、
バーナード・クリバン作の
日めくりカレンダーを、
プレゼントされたんだって。』
『ネコの絵ばかりだね。』
『ネコが、
いろんなポーズしてるね。』
『おばさんは、
あのネコにできるんなら、
私たちにもできると
思ったらしいよ』
『それで、
わたしたちが生まれたんだ。』
『そうみたいよ。』
留守番はいいね
『おばさんがいないから、
外であそぼう!』
『そりすべり〜。
イェーイ!』
『冬はあみものよ……
ルンルンルン。』
『もうすこしで完成だわ。』
『これを着ると温かいよ。』
『うん、
ありがとう。』
『ぴったりだよ!』
『イェーイ!』
氷のオブジェ
『雪まつりにでも
参加するんかしら?』
『それはないと思うよ。』
「これに、
毎晩水をかけておいてね。」
『うっ、はーい。』
『人使い、
いやネコ使い、あらいね。』
『嫌な予感がするんよね。』
「ありがとう。
完成したね。
ライティングをすれば、
すてきでしょう。」
『ぼくには、
ライティングしないの?』
「キミは、
輝いてるから大丈夫よ。」
雪像つくり
『ネコをつくろうか。』
『トラみたいだよ。』
『ネコより、
トラのほうが強いから、
いいのよ。』
ワカサギ釣り
『湖が凍ると、
穴をあけて…
釣りをします。』
『釣り糸を垂らせば、
ワカサギちゃんが
いっぱ〜い、釣れます。』
犬ぞりレース
『おばさん、
ポスター見てるよ。』
『なんか、悪い予感がするよ。』
『やっぱり、
やらされたね。』
『私たち、ネコなのに〜。』
バンクーバー冬季オリンピック
『おばさん、
アイデアがうかんだみたい。』
『バンクーバーって
言ってるよ。』
『何か描きはじめたよ。』
『バンクーバーって?』
『冬季オリンピックの
開催地だよ。』
『わたし、
フィギュアスケートがいいわ。』
『スキージャンプだよ。』
『カッコイイ〜!』
『やった!
フィギュアスケートだ。
カッコいいでしょう。』
『スピードスケートね。
がんばって!』
『スノーボードも
ステキ!』
『うぁ〜
リュージュこわいよ!』
『アイスホッケーだ。』
『負けないわよ。』
『わたし、
カーリングは得意よ。』
『アルペンスキーね。』
『モーグル、
がんばって!』
成人式
『わたしたち
二十才だった〜?』
『分からないけど…
あのおばさんが着せたから…』
『宴会の用意してあるよ。』
『今は冬なのに…』
『雪見酒。うぃっ!』
『いいねぇ〜』
『吹雪いてきたよ。
前が見えない!』
節分
「節分だから、
豆まきしようね。」
『ピーナツ、まくの?』
「そうよ、
北海道は落花生よ。」
ひな祭り
『わたし、
キレイかしら?』
『うん…』
春をシミュレーション
『三月だね〜』
『でも、春はまだだね。』
『雪が
一メートル以上積もってるから、
牧草地が道より、
高いよ。』
『こんなにいっぱいの雪、
本当にとけるのかしら?』
『まず、
木の回りがとけるんだよ。』
『ほんとだ、
円くなってる。』
『そして、風が吹くたびに、
少しずつとけていくんだ。』
『土が見えるようになれば、
道のほうが、高くなるんだよ。
そうなるのは、
五月の連休頃だけどね。』
『まだまだ先だね』
『でも、雪は
一度にはとけないんだ。』
『徐々にとけるから、
何ヶ月も前の足跡が
出てくるんだよ。』
『あのゴミは?』
『おばさんが畑に捨てたんだよ、
雪で隠したつもりだけどね。』
『バカだね〜』
『冬に落とした
落し物も出てくるんだ。』
『不幸な事件も
あったらしいよ。』
『猛吹雪の日に、
行方不明になった人が、
雪がとけた頃に、
路肩で発見されたんだ。』
『お気の毒にね。
吹雪じゃ何も見えないから…』
冬は、越冬野菜で!
「ムロから、
ダイコンを出してきてね。」
『ムロ?』
『北海道では、
秋に収穫した野菜を、
雪に埋めたり、
ムロに保存して
冬に食べるんだよ。』
「ダイコンの土を
きれいに洗ってね。」
『はーぃ。』
「赤タマネギと
ジャガイモとニンジンも
出してきてね。」
『はーぃ。』
「ジャガイモとニンジンは
土がついてるから、
洗ってね。」
『はーぃ。』
「キュウリのピクルスも
出してきてね。」
『はーぃ。』
ストーブの故障
『うん?つかない!』
『ぅん。…』
『外はマイナス十八度だよ。
部屋の中は零度近いんだから。』
『ポータブルのストーブだけじゃ
寒いよ。』
『北海道の冬は、
換気口がついてる
ストーブなんだよね。』
『一日中点けっぱなし
だからね。』
『温かくなったね。』
『やれやれ…
よかったね。』
クラッシックはお好き?
『最近、
クラッシックが多いね〜』
『…うぅん。』
『「のだめ」の影響らしいよ。』
『じゃがパパさんが
好きなんだって!』
『二ノ宮知子作の漫画、
「のだめカンタービレ」ね。』
『そういえば、旭川まで
映画を見に行ったらしいね。』
『往復八時間近くかけて!』
『えぇぇー!』
『だって、
近くに映画館なんてないもの。』
『…そうだね』
『わたしはのだめ役だから、
ピアノを弾くのね。』
『ぼくは、先輩役で、
指揮者だよ。』
雪の三月
『北海道に桜前線がくるのは、
五月の連休が過ぎてからだね。』
『想像してごらん
満開の桜の下で…』
『うん…』
『ウィッ!』
『イカナゴの
クギ煮なんかもあって…』
『現実は、まだ雪の中だよ。』
『小さいエゾヤマザクラも、
雪の中だね。』
『でも日差しは、
春らしくなったよ。』
『そうね。日も長くなったし。』
ターシャの庭づくり
『あの本、
おばさんの娘からの
プレゼントだよ。』
『見に行ってみようか。』
『あれ?』
『本から出て来たよ。』
『ハーイ! メギーです。』
『こんにちわ。』
『よろしくね。』
『ずっと居るの?』
『まだ、分からないけれど、
バーモントと気候が似てるから、
ときどき遊びにくるよ。』
バードウオッチング
『おばさん、
のこぎり持って外に行くよ。』
『何するんかな?』
『窓を作って、
何か入れてるよ。』
『エサだと思うよ。』
『これで、
野鳥が来るとおもう?』
『この前、
友だちの家で見たらしいよ。』
『おばさんって、単純だね。』
ぬいぐるみ
『まくらに、
ちょうどいいんじゃない。』
『そうね。』
『うん……』
『ちょうどイイネ。』
ツイッター
『さて、
私たちはどこにいるでしょう?』
『いっぱいいるけど、
知らないネコばかりだね。』
『ここだよ〜』
『ここよー』
『ああ〜、やっと会えたね。』
『遠かったねー』
『つまり、ツイッターって、
こんな感じだね。』
『うん。よく分からないね。』
『でも、おばさんだけが、
よく分からないんじゃない。
分かってる人は、
つながってるんだよ。』
『そうかもね。』
おばさんの絵
『そーっと……、
絵の裏を歩いて行こうかな。』
『あれっ?
途中で、出ちゃった。』
『おばさんの絵は、変だよ!』
『変だから、
「第四回トリックアートコンペ」で
奨励賞をもらったんだよ。』
『そして、
福井県三国町に
所蔵されてるんだって。』
『もう、ぶら下がれないよ。
もう無理だよ〜』
『かくれんぼ?』
『この絵は、
第十四回日本国際美術展に
入選したらしいよ。』
『そして、この二枚は、
神戸総合運動公園
グリーンアリーナ神戸に
飾ってあるんだよ。』
出張ネコ
『ねぇ、わたしたち
出張するんだって!』
『どこへ〜』
『大阪よ。
「アートギャラリー・エムズ」の
にくきゅうクラブ展に
出品するんだって。』
『…… 』
『大阪のカリカリって、
たこやき風味かしら、
どう思う?』
『…… 』
『本当の飛行機に
乗れるのかしら?』
『ムリだと思うよ』
『えーっ、どーして?』
『だってね、
ボクたち架空ネコだよ。
おばさんが、ボクらの絵を描いて、
郵送するだけだよ。』
『そうだね。』
『これが、その絵。』
『たまご? 雲かな?』
『煙かもよ。』
『あの家の煙突から出てるよ。』
『行ってみよう!』
『やっぱり、煙?』
『でも、たまごだよ!』
ネコタワー
『うぅぅー』
『ぅぅー、おもた〜い。』
『何作るのかしら?』
「あしたから、がんばってね!」
『 ……? 』
「今日は、ネコの美容師よ。
派手でもいいから、
綺麗にしてね。」
『はい…』
『ネコタワーは、
このためだったんだ。』
『いろいろ遊べると
喜んだのにね。』
「これもいいわね〜。」
『そうかな〜。』
『おばさんも、
おしゃれしたいんだね。』
『最近は、
もう諦めたと
おもってたのにね。』
おばさんの仕事
『毎日出かけるけど、
おばさんは、
どんな仕事してるんだろう。』
『五十才ではじめて、
OLになったって言ってたよ。』
『オールド・レディーね。』
『うん…。ちがうよ。
オフィス・レディーだって。』
その言い方が古い!
『お茶くみ とかするの?』
『うん。
でも、パソコンで、
ガルーンの入力も
してるらしいよ。』
『そして、リハビリもね。』
『へぇぇー。』
『いゃー、冗談よ。
林班図の色塗りだって。』
『……』
『つまり、
みんなの森林を
守る仕事らしいよ。』
「孫とも通信」編集中
『「孫とも通信」ってなに?』
『おばさんの親と
十人の孫を結ぶ、
家族新聞だよ。』
『孫と友だち!だから、
孫ともなんだ。』
『おばさんは、忙しそうだね。』
『私たちは、
暇だけどね。』
『おばさん、ノリノリだね。』
『さすが、
元グラフィックデザイナー。』
『元って?
どれぐらい昔なの?』
『三十年以上前だって、
パソコンなんて、
なかったんだよ。』
『昔は、すべて
手作業だったらしいよ。』
『だから、今は
マウスでクリックするだけで、
サクサク出来るのが
うれしくて仕方ないんだよね。』
『それに、
百才のおばあちゃんが
原稿を書いてくれたり、
姪が写真を提供してくれたり、
みんなで力を合わせて
作ってるから、
楽しいんだよね。』
チェシャ猫?
『なんで、笑うの?』
『だって、
おばさんが
木の上で笑えって
言うんだもん…』
『不思議の国の
アリスのつもり…?』
長ぐつに入った猫
『長ぐをはいた猫 だよ。
中に入ってどうするの?』
『でも、
大きすぎるんだもの…』
『おばさんは、
サイズの把握が
できないんだよね。』
金魚鉢に入ったネコ
『金魚さん、ごめんね。
おばさんが、
金魚になれっていうから。』
凧にのったネコ
『いい風だね〜』
『放さないでよ〜』
『ウフッ』
雲にのったネコ
『雲にのれるんだ〜』
『おばさんの空想だから…
なんでもできるよ。』
鳥になったネコ
『ハーイ!』
魚になったネコ
『ハーイ!』
「は〜い!」
ネコ自動車
『猫バスはあったけどね〜』
『うん…』
ネコ船
『船になったよ!』
『海だ!
きもちいいね〜』
ネコ飛行機
『ぅあ〜! 飛んだよ〜!』
『飛行機もいいね』
ネコロケット
『うあー!! 発射したよ。』
『宇宙まで行くの〜?』
ネコ衛星
『やっぱり、宇宙まで来たよ。』
『やっぱりね〜』
『地球が見えるよ。』
『きれい!』
『まあるいねぇ。』
不思議の国のネコ
「そのカリカリは、
食べちゃダメよ〜」
『………』
『食べていいの?』
『うん、
おばさんのダメは
何かしかけがあるから、
ほんとうは、
食べて欲しいんだよ。』
『ニタニタしてたものね。』
『うぁぁぁ!
大きくなっちゃった〜』
『やっぱりね、
キミも早く食べな!』
『うん』
『これが、
おばさんのしかけだったのね。』
『でも、
ずっとこのままかしら?』
『わからないよ。』
『わたしたち
家より大きくなったね。』
『うん』
『家を踏まないようにね。』
『そーっと。』
『あの木の上にも、
カリカリがあるよ。』
『行ってみようか。』
『また食べるの?』
『もちろん、
おばさんには逆らえないからね。』
『うぁぁぁ〜、
山より大きいよ。』
『雲より高〜い』
『すごいね〜』
『また、あるよ。』
『こんどのは、
ちょっと違うよ。』
『ピリ辛味だったりして。』
『それより、
どうなるかが問題じゃない。』
『ま、食べてみよう』
『うああ〜』
『どこにいるの〜、
小さくて分からないよ!』
『やっと会えたね。』
『だって、小さいんだもん。』
『草がジャングルみたい。』
『そうね。』
『また、カリカリがあるよ。』
『どうする?』
『こんどは、
離れないように
一緒に食べよう!』
『うん』
『一、二の三!』
『ここはどこかしら?』
『岩みたいだね。』
『うあ〜、
ミミズさんがあんなに大きい!』
『ほんとだ!
わたしたち、
砂粒より小さいんだ。』
『ねぇ、これ、何だと思う?』
『何かしら?』
「微〜生〜物〜だよ〜」
『おばさんの声だ!』
『うん、
怪獣みたいな
うなり声だね」
『きっとこれで、
アリスの冒険もおわりだね。』
2012年10月11日 発行 初版
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1994年、神戸から北海道に家族で移住。 大自然の中でイラストなどを描いています。