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333DISCS PRESS

NOV 2012



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 目 次

Q and A #1「今こそやってみたい習いごと」

Q and A #2「手帳は何を使っていますか?」

UPCOMING EVENTS11~1月におすすめのイベント

ニューヨークの街角から

パリの街角から「なんとオシャレな!」

西荻の街角から トウキョウエコノミー「西荻茶散歩と西荻映像祭」

乙女歌謡

おやこでおでかけ

tico moon LIVE REPORT

伊藤ゴローPHOTO DIARY

みなさん、こんにちは。
333DISCS PRESSは
今号よりBCCKSで発行いたします。
PCでもタブレットでもスマホでも読める
電子フリーペーパーです。
今後ともよろしくお願いいたします。

コラム「国立の街角から」は、
葉田いづみさんご出産のため、
しばらく休載となります。
葉田さん、おめでとうございます!

Q and A #1
「今こそやってみたい習いごと」

【tico moon吉野友加】ボタン式のアコーディオンを習ってみたいです。

【tico moon影山敏彦】最近本を読む速度がどんどん遅くなってきているので、速読法を身につけられたら良いなと思う事があります。でも急いで読んだ本はすぐ忘れてしまいそうな気もちょっとします。

【塚本浩哉】ピアノ。小さい頃ピアノのレッスンをすすめられ、それを頑なに断って以来、きちんとレッスンを取ったことはありません。大人になってからは必要に迫られほんの少し弾くようにはなりましたが、いつもちゃんと習ってみたいという気持ちがあります。もしピアノをやれば技術的な部分以上に、音楽への捉え方が随分広がるだろうなとは思いながらも、ついついギターに手が伸びてしまうのが現状です。

【阿部桂太郎】ピアノ。その日、その時の気分に合わせて、ピアノを弾くことができたらいいだろうな~と思います。「もしもピアノが弾けたなら~♪」

【甲斐みのり】ずーっと料理教室に通いたいと言い続けています。それから、日本茶の教室と、着物の着付け教室。

【三品輝起】剛柔流空手。東京で出会ったすべての人が、わたくしが有段者であることを信じてくれないので、白帯からやります! ぜんぶ忘れたスーパーリンペイを15年ぶりに取り戻すべく……うーん、やっぱ痛いからピアノか英会話で。

【青芝和行】文化系の習い事ならば落語を、体育系ならばキックボクシングを習いたいなと、常々思ってます。両立可能でしょうか?

【岩崎一絵】製菓。武蔵小金井のオーブンミトンで基礎をみっちり教わりたいです。

【伊藤葉子】料理とお茶です。料理はもう、超ワンパターンなので(参考にしている本も古い。。お弁当の本は30年も前のものでビックリ。)新しい料理にチャレンジしてみたいな~と。最近のものですと、塩麹は大分使い馴れてきましたが、ほかにも新しい調理器具や、新しい食材などなど、自分で調べてだとなかなかやらないので、習って美味しかったら作る!みたいな。
お茶も、じっくり落ち着く時間も欲しいので、もしチャンスがあれば習ってみたいな~と思って(憧れて)います。

Q and A #2
「手帳は何を使っていますか?」

アナログ派とデジタル派、どちらが多いでしょうか?
差し支えなければ、写真と共にご紹介ください。

【tico moon吉野友加】アナログ派です。10月から始まる手帳を毎年購入して使っています。小さなカバンにも入る小さな手帳が好きなので、今年も10月から始まる小さな手帳を新調しました。買ってきたそのままではつまらないの で、毎年少し手を加えています。今年は大好きな「点と線模様製作所」さんの刺繍布を表紙に張って手帳を仕上げました。1年間大切に使おうと思います。

【tico moon影山敏彦】アナログとデジタルを共用しています。とりあえず手近にある方へ予定を書き込んでから、もう片方へバックアップという使い方。更にweb上のカレンダーにも書き込みます。でも基本的にまめでは無いので、書き込み漏れも多発。混乱のもとかも知れません。

【塚本浩哉】ずっと使用しているのがこの写真のニューヨーク手帳というものです。手帳の前の方にはニューヨークの店、施設、緊急連絡先などが載っており、後ろにはニューヨークの交通機関と地図が掲載されています。最近は何かと便利なのでiPhoneを使うようになってしまいましたが、やはりそろそろ来年用にもこの手帳を買おうと思っています。

【三品輝起】アナログ。ここ何年かは「MIDORI」の手帳です。来年も同じ型でいくつもりです。

【甲斐みのり】10年来、新潮社の『マイブック』を使っています。文庫本としてのデザインなので、書き込んでいると文庫本になにか書き込んでいるのかと思ったと驚かれます。写真は、酷使しすぎてぼろぼろな今年のもの。

【阿部桂太郎】ノートです。罫線のない真っ白なページのものか、または、方眼になっているページのものが好み。

【goro】手帳、持っていません。なんとなく、感で!

【青芝和行】ここ数年モレスキンの一番小さいサイズの見開き1ヶ月タイプのものを使ってます。
最近スマフォデビューしたので、メモとかスケジュール機能とか補助的に使うようになるかもしれませんが、今後もメインはあくまでアナログだと思います。

【岩崎一絵】iPhoneのカレンダーです。細かい入力はPCで行って、iCloudで同期させています。

【伊藤葉子】ここ10年くらいは縦に30分の刻みのある、見開きで1週間の物を使っています。来年は今まで使用していた物より少し小さめの、QUOVADISのH24/24に初チャレンジ!楽しみです♪

UPCOMING EVENTS
11~1月におすすめのイベント

【伊藤葉子】11月14日(水)は品川教会での原田知世さんと伊藤ゴローの「on-doc.(オンドク)」。
12月11日(火)の伊藤ゴロー with ジャキス・モレレンバウムの一夜限りの超スペシャルコンサート@草月ホール!
どちらもきっと素晴らしい夜になると思います!ぜひぜひお越し下さいね。
ティコムーンも、クリスマスにライブをいくつか予定しています!
もしかしたらnaomi & goroも???お楽しみに♪

【tico moon吉野友加】クリスマスシーズンが始まります。大好きなクリスマスキャロルを演奏できる季節。今年も色々な場所でクリスマスコンサートを予定していますので、遊びにいらしていただけたら嬉しいです。

【tico moon影山敏彦】11月末から12月にかけて、色々な場所で色々なスタイルのライブを予定しています。ぜひ遊びにいらしてくださいね。

【塚本浩哉】自分の活動では、11月は東海岸のいくつかの州でのコンサートがあります。ニュージャージー州、マサチューセッツ州、メリーランド州と回ります。初めての場所で演奏するのはいつも楽しみです。

【阿部桂太郎】クリスマス。本物の(生の)モミの木を使ってツリーを飾り、家族揃ってゆっくりと夕ご飯を食べる…。フランスに来て以来、そしてまた、子どもが生まれて以来、ますますクリスマスが楽しみになりました。

【甲斐みのり】12月17日まで、とらや東京ミッドタウン店「こけしと出会う」展にて甲斐みのり監修のミニこけし入り「からからせんべい」を販売しています。こけしを紹介する文章も書きました。

【三品輝起】たぶん私のCD『OFF SEASON』が、RONDADEというレーベルより11月中にでる予定です。そして12月5日から17日まで、吉祥寺の「OUTBOUND」という唯一無二のお店にて、ぼくの音と武田晋一くんというアーティストのオブジェで展示をします。順調に進めばの話……。

【青芝和行】11月のあたまに、ドナルド・フェイゲン、ボズ・スキャッグス、マイケル・マクドナルドによる三頭政治のようなコンサートがあるので楽しみにしてます。AOR魂を注入してちゃんとした大人の男になろうと思います。

【岩崎一絵】国立科学博物館のチョコレート展が気になっています。チケットもしゃれている!

ニューヨークの街角から

塚本浩哉

「ニューヨークの街角から」の第2回です。ニューヨークのガイド、情報などはすでにいろいろな所で紹介されていますので、ここではあまり知られていない、いわゆる典型的でない場所や景色を紹介できればと思います。

今回のキーワードはLong Island(ロングアイランド)。ニューヨーク市というとマンハッタンのことを指しますが、ニューヨーク州というとかなりの広範囲です。ロングアイランドはマンハッタンの東に位置する実はアメリカで最も大きな島です。ただ島といってもあまりにも大きいため島にいるという感覚はあまりありません。島の西端はクイーンズとブルックリンというマンハッタンに次いでニューヨークの中心的なエリアです。

このロングアイランドをひたすら東へ(マンハッタンと反対方向)へ行くと車で4時間程で島の東端に着きます。ここは島の西端とは別世界で、豊かな自然があり大西洋の広がりを感じることができます。この土地は白人が植民する以前かつて先住民が多く住んでいた場所で、先端の町Montauk(モントーク)はMontauk indianの名前から来ています。残念ながら今ここにはその面影を見ることはできません。

今年の夏前に、このモントークで行われたミュージックフェスティバルに出演するために行ってきました。演奏した場所は、ほんとに海の際にある店で、絶景の夕暮れが前に広がり、シーフードの美味しそうな匂いのたち込める中での演奏で、集中力を保つのは難しかったですがなかなか面白い経験でした。

ロングアイランドは基本的に東へ進めば進む程緑が豊かになっていき、車窓の景色も変わってきます。途中には別荘地として有名なハンプトンという町があり、家の大きさ、絢爛さに圧倒されます。それらを抜けて最後に辿り着くのが前述のモントーク。そしてさらにここから本当の先端まで行くと、大きな灯台があり、その灯台の中に入り登ることもでき、大西洋を望むことができます。

遥か昔、この海をカヌーで行き来していた先住民の暮らしを思い浮かべると、アメリカとは一体どんな場所なのだろうと考えさせられます。もし彼らがそのまま住み続けることができたならニューヨークの現在も全く違っていたかもしれません。

塚本浩哉(つかもとひろや)
京都生まれ、現在ニューヨーク在住のギタリスト/ソングライター
http://hiroyatsukamoto.com/

パリの街角から

「なんとオシャレな!」

阿部桂太郎

フランス、パリのオランジュリー美術館
印象派の画家、モネの「睡蓮」

先日、幼稚園に通う長女(4歳)が、課外授業でオランジュリー美術館(Musee de l'Orangerie)に行って来たとのこと。

オランジュリー美術館とは、パリの中心部、チュイルリー公園の中にある美術館。印象派の画家 モネの「睡蓮」の連作があることで有名ですが、その他にも、セザンヌやピ カソ、ルノワールやマチスなどの作品が収蔵されています。

なお、実はこの建物、もともとは、この地にあったチュイルリー宮殿の、庭に植えられていた樹木のうち、寒さに弱いオレンジの木などを越冬させるために設けられた温室(オランジュリー)だったもの。それを後年になって、美術館として整備したものです。

世界的にも有名で、かつ、観光客にも人気のこの美術館を、幼稚園に通う子ども達が課外授業で訪れたと聞いただけでも「なかなか贅沢で、良いことだな~」と思いましたが、それ以上に、いつもなら静寂に包まれているあの館内を、小さな子ども達がゾロゾロと、そして楽しそうに歩く姿を想像したら、何だか愉快になりました。

さらに、驚いたことが一つ。
長女曰く、帰りがけに美術館の人が、たくさんのオレンジをプレゼントしてくれたのだとか。
そして、それを皆んなで幼稚園に持ち帰り、オレンジのコンフィチュール(ジャム)にして食べたと言うのです。

ま~、なんとオシャレな!
オランジュリー美術館も、そしてパリの幼稚園も、なかなかやるな~。

阿部桂太郎(あべけいたろう)

1965年8月22日生まれ。新潟県小千谷市出身。2003年よりフランス、パリ在住。インターネットショップ「フルール ド クール」を営む。好きなことは、旅をすること、食べること、温泉に入ること。

西荻の街角から トウキョウエコノミー

「西荻茶散歩と西荻映像祭」

文責:三品輝起

今回はオラが村・西荻で起きた2つのイベントについて。読み返してみるとエキサイトニュースみたいな文体だ……おそらく、長年エキサイトのブログサービスにお世話になっているせいで、ログインするたびに「あなたは、就活生の間で噂の『美人事』を知っていますか?」「要注意!付き合いたい時に『男が思わずついちゃう嘘』10個」「彼女との食事、牛丼屋じゃダメ?」といった(ニュースとは思えない)記事をすすめられて、なんだかんだ熟読後、メモしたり友人に教えてあげたりして生活してるからだろう。

● 西荻茶散歩(2012年6月2日と3日)

地方の読者にはなじみが薄いと思うので説明すると、西荻窪(略して西荻=ニシオギ)は東京を東西につらぬくJR中央線の新宿駅より西に15分の場所にある。荻窪と吉祥寺にはさまれた小さな街だ。いまや人が溢れかえりそうな吉祥寺の隣にあって、まだ地価も安く個性的な自営店が増えている。
そんな西荻窪で、最近注目されているイベントに「西荻茶散歩(チャサンポー)」というのがある。主な内容は至ってシンプルで、6月の第1週目の土日に参加店で無料のお茶がふるまわれる、というもの。第4回を迎える今年の参加店は84店舗。人々は、5月から各店で配付されたチャサンポーマップを片手に、店先にかかげられた「やかんマーク」を目印にぶらぶら街を歩く。店側は無料のお茶でもてなし、あとはそれぞれちょっとしたイベントを行うだけなんだが、街は大賑わいだった。連動してトークショーやライブなんかも催された。
こうやって文字にするとインパクト弱いけど、それなりに外部からも注目されている理由の1つには、このイベントには絶妙な「ゆるさ」と、それを生かしたパッケージの仕方があって、この仕組みは西荻以外のあらゆる場所に転用できる可能性を秘めているからだろう。
参加店の主な条件は、イベントとお茶(コーヒーでもジュースでも可)の2つだけだ。これなら八百屋、美容室、ギャラリー、書店、酒屋、花屋、どんな店でも参加できる。郵便局も参加してる。かつ今回からは、飲食店用に「チャサンポー飲食&サービス枠」が新設され、割引やプレゼントといった特典を用意すれば参加できるようになった。
都市部の街おこしは大きく2つに分かれる。アート系のイベントにありがちな超個性的ではあるが門戸の狭いやつか、地元の商店会なんかがやるスタンプラリーのような、誰でも参加できて退屈ってわけじゃないんだけど特に盛り上がらないやつか。いま現在のチャサンポーは、両者のちょうど中間くらいの位置にある。参加条件はゆるく、マップのデザインやロゴ、連動企画で強い個性や統一感をだしてバランスをとってる。
これは都市部のコミュニティの問題とも重なる(注1)。コミュニティも門戸を広げすぎれば、その機能は薄まっていき、濃度をあげていくと排他的になりがちだ。都市部の個人店と住民を中心とした「街おこし」とは、ぶっちゃければ地域の信頼や交流を、外部からの経済効果を軸につかって分厚くしていくことに他ならない。別に過疎化してるわけじゃないし、田舎の「村おこし」とは違う。だから「なんのため?」っていわれても困る。お金のためか、社会の紐帯を築くためか、その2つ大義を仰ぎながら退屈で暇で寂しい毎日をやりすごすためか……そのあたりのミックスではないかしら。
チャサンポーは4年前に、おそらく商店会には属していない、一風変わった4つの店で始まった。年々数が増え、いまでは20倍の規模に広がってる。今後も拡大していくなかで、どう質をたもちながら門戸を開きつづけるのかを探っている。
最後に。話をひっくり返すようで恐縮だけど、チャサンポーの成功の秘訣の半分は別のところにある。あたりまえかもしれないが、主催者が柔軟な思想と行動力、高い時代感覚と美意識をもってる、ってことだ。結局、半分はマンパワーで、あとから学べるものなんてほんのちょっとなのだ。

● 西荻映像祭(2012年10月3日から14日まで)

もうひとつ。今年10月前半に開かれた「西荻映像祭」というイベントもご紹介したい。
西荻映像祭は「テラトテラ(TERATOTERA)」というアートプロジェクトの一環として行われた。テラトテラには(地方の方のためにくわしく書くと)JR中央線の新宿駅から西に2駅の高円「寺(テラ)」と、6駅目の吉祥「寺(テラ)」の間、という意味をこめてる。よって間にある阿佐ヶ谷、荻窪、西荻窪を加えた5駅の街が舞台だ。09年の設立以来、テラトテラは現代美術と街の接点を探るような、シンポジウムや地域密着型アートプロジェクトを催してきた。
「中央線」と聞いて都民が思い浮かべるイメージはなんだろう。いわゆる都心のハイカルチャーに対する、カウンターカルチャーや大衆文化がごちゃまぜになったような雑多な印象だろうか。少なくとも銀座や浅草橋のような現代美術のイメージは薄くて、特化したギャラリーも少ない。テラトテラは、そんな先端アートからほど遠い雑多なイメージを逆手にとって立ち上げられた(んじゃないかしらと勝手に予測)。ちなみに都の文化行政を担う東京都歴史文化財団の「東京文化発信プロジェクト室」が助成している。
今年おこなわれた大規模なアートプロジェクト「テラトテラ祭り」は9月の高円寺を皮切りに、1駅ごとに企画をバトンタッチしながら進み、10月半ばから11月頭の吉祥寺のイベントでフィナーレを迎えた。前置きが長くなったけど、その「テラトテラ祭り」@西荻窪での企画が、前述の「西荻映像祭」だったというわけだ。
まず「テラッコ」と呼ばれるボランティアが、街のラーメン屋やバー、精肉店や雑貨屋など様々な業態の店と、映像作品を設置させてもらう交渉する。アーティストも美術業界とは勝手のちがう空間で、店主と相談しながら制作をおこなう。そして日常を異化する芸術の力をかりながら、街ゆく人々に普段の生活スタイルでは足を踏み入れないようなお店を訪れるきっかけにしてもらう。期間中の街は、擬似的ではあるが祝祭的な空気が漂っていた……のかどうかはよくわからない。店にいたんで(注2)。まあ楽しかったから、ぜひ来年もしてほしい。
話は飛ぶが、都は「東京文化発信プロジェクト」を推進することで、世界の都市間競争を勝ちぬく戦略のひとつに、芸術を組み込んでいる。「文化の創造を担う国内外の人材を東京に集め、多様な文化を生み出」すことを明記している。「アートで街おこし」的なイベントに積極的に助成しているようだ。
とはいえ、こう景気が悪いと文化政策の有無にも議論がでてくる。かの地で伝統芸能の補助金が打ち切られたとかどーとか話題になってるように。ぼくとしては小規模の金額であれば、それに見合ういろんな効果が思いつくし(証明はできないけど)、都民の理解だって期待できると思う。どの規模で予算が何円以上だと、効用関数が鈍るのか調べてみたいところだが、ある金額を超えると、アートイベントの効用を間接的な経済効果以外で社会に納得してもらうことはむずかしい。まちがっても、関わった人々の暇や退屈や寂しさを紛らわす、なんてことじゃ説得できない(ことになってる)から(注3)。

と、長々とつづってきたが、西荻おもしろい街なんでどうぞよろしくおねがいします。

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注1:2年前、本コーナーでも西荻窪とコミュニティをからめた記事を書いたことがある。前半後半

注2:自分のお店も参加したので感想を書いた。http://falldays.exblog.jp/18990457/

注3:私にとって、去年発刊された新刊のなかではベストだった、國分功一郎『暇と退屈の倫理学』(朝日出版社)を読んで以来、けっこう本気で暇と退屈という問題について考えてる。文化と暇の関係は強力だ。世の中そこをすっ飛ばした立派なお話は山ほどあって、とくに社会的な効用ばかりを説くイベンターに多いんだけど、しまいには眉毛がつばでビショビショになってしまう。

三品輝起(みしなてるおき)

79年生まれ、愛媛県出身。西荻窪にて器や雑貨の店「FALL (フォール)」を経営。また経済誌、その他でライターもしている。音楽活動ではアルバム『LONG DAY』(Loule)を発表。11月に新作『OFF SEASON』(RONDADE)をリリース予定。twitter

乙女歌謡

甲斐みのり



 こんにちは。甲斐みのりです。333pressのこのコーナーでは、日本語の歌に限らず、私が10代後半から二十歳すぎくらいまで夢中になって聴いていた音楽をご紹介させていただきます。

 中学生の頃に自ら聴きはじめた洋楽が、セルジュ・ゲンスブールや、ジェーン・バーキンなど、フレンチ・ポップといわれていたもの。雑誌『オリーブ』の熱心な読者で、自ら“オリーブ少女”と自意識があった頃。18歳になると、CDでなくレコードを買ったり、おしゃれしてクラブ通いをはじめたり。女性ボーカルの愛らしい音楽を熱め、DJのまねごとのようなことをしてみたり。思い返せばかつての初々しさが、懐かしいような、恥ずかしいような……。

 そんな私の音楽生活に革命がおこったのがひとりの男の子との出会い。彼は私が知らない、いろいろな音楽を教えてくれました。ともにレコード屋へ行けば、「これ、買ったほうがいいよ」とすすめてくれて。その大半が、ニューウェイヴというジャンルに分類されものだったのです。

 北アイルランド出身のデビッド・カニンガムがフライング・リザーズ名義で80年に発表したアルバム「The Flying Lizards」も当時、彼にすすめられて買ったレコードの一枚。ほとんどの曲に女性ボーカルが入っているので男女ユニットかと思いきや、実はカニンガムのひとりユニット。バレット・ストロング「Mnoney」や、エディ・ コクラン「Summertime Blues」の原曲を見事に壊したカバーについて語られることが多いけれど、私はアルバム最初に収録されている奇妙なほど女性が巻き舌で歌い上げる「Mandelay Song」がとても好き。

 84年発表で3枚目のアルバム「Top Ten」は全曲カバー。ジミ・ヘンドリックスやジェームス・ブラウンのフライング・リザーズ的ななぞり方。原曲よりも重ねて聴いていたので、まるでそちらが本家のように覚えてしまっています。

 誰かに影響され、のちに気がつけば自分の礎になっていた音楽もまた、乙女歌謡のひとつといえるのではと思うのです。

甲斐みのり(かいみのり)
文筆家。1976年静岡生まれ。旅・お菓子・各地の食材・クラシックホテルや文化財の温泉宿などを主な題材に、女性が憧れ好むものについて書き綴る。http://www.loule.net/
twitter

おやこでおでかけ

「カフェいらずのネスプレッソ」

岩崎一絵


 親子で楽しくお出かけしよう、がテーマの当コラム。そうは言っても、赤ちゃんの体調や睡眠のリズムに付き合っていると、出かけられないことは多々あります。赤ん坊という生き物は、外出しようとしたらちょうど昼寝してしまうものだし、ここぞという日に限って風邪をひくもの。「今日も一日家から出なかった…」なんてことは、どのお母さんも経験されているのではないでしょうか。

 私は以前からカフェに入るのが好きだったのですが、産後、そんな何でもないことが突然出来なくなってしまい、「ああ、外で美味しいカフェラテが飲みたい!」などと切に願ったものでした。運良く散歩中にベビーカーで寝てくれても、お店の席に着いた途端に泣き出し、慌てて飲み物を一気飲みして出てきたり…。

 しかし喉元過ぎれば何とやら、少し前の鬱憤もすっかり忘れていましたが、ふとその頃の気持ちを思い出したのは、最近自宅にネスプレッソを導入したから。カプセル式の全自動エスプレッソマシンで、起動から抽出まで一分もかからず手入れも簡単、そしてデカフェのカプセルが三種類も用意されています。休みない授乳と夜泣きの繰り返しで朦朧としながら毎日を何とかやり過ごしていた時期に、これが家にあったらどんなに効果的な気分転換になったでしょう!(実際、授乳中の友人が愛用していたのに影響されて私も買ったのです。)

先日は保温マグにアメリカーノを入れて公園に出かけ、娘のどんぐり拾いを見ながらコーヒーを満喫してきました。カプセルがちょっと高いのが玉に瑕ですが、70円で贅沢気分を味わえるならかえって安上がりかな?という気もしています。

 ところで、なんとこのネスプレッソ、赤ちゃん版もあるのだそうです。粉ミルクのカプセルを入れてスイッチを押すとミルクを作ってくれるBabyNes(現在は一部の国でのみ販売)。母乳をあげられるのが最善としても、家族に調乳を頼んで留守にする時や、寒い夜の台所で、ボタン一つでミルクが出来るなんてちょっと夢のようですよね。

岩崎一絵(いわさきかずえ)
当ウェブマガジン編集担当。北海道出身。3歳児の育児奮闘中。

tico moon
LIVE REPORT

麦小舎

今年の秋は美味しく心地のいい空間で演奏させていただく機会に恵まれました。
北軽井沢の麦小舎さんでは、毎年秋の森で演奏させていただいていますが、今年は本とピクニックのイベントで、美味しいピクニックランチとともに演奏いたしました。

irodori

静岡のケーキカフェirodoriさんでは、美味しいケーキとともに。

cafe la famille

茨城結城市のcafe la familleさんでは、美味しいディナーとともに。

(tico moon/吉野友加)

伊藤ゴロー
PHOTO DIARY

7/27青森県立美術館「Art and Air 青空音楽会」
7/27青森県美
728 山形 風雅の国「馳走舍」翌日はワークショップもやりました
8/5 ミナペルホネンの皆川さんとトークイベント
8/11根津教会classicoイベント
8/11根津教会
8/14 Art and Air 録音
8/14
8/15 手紙社北島さん、ようこさんと日光珈琲
8/15
8/22 Less東川ライブ
8/22
8/23スパイラル山上君と旭川文カフェへ
8/25 富山
8/25富山LIFE IS BEAUTIFUL
8/28ティコムーン、三品さんと吉祥寺
10/2naogoroアルバム打ち合わせ!
10/7 ペンギンカフェ!!
10/7
10/20 録音開始
10/27 BOSSA AOYAMA ワークショップ
10/28BOSSA AOYAMA naomi & goro
10/28 naogoroリハーサル
10/28BOSSA AOYAMAゴローソロ
10/28菊地成孔さんとトーク
10/28

333DISCS PRESS NOV 2012

2012年11月1日 発行 初版

著  者:333DISCS
発  行:333DISCS

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