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駅弁を知ることは、日本を知ることです。作家・編集者のバーバラ・アスカが食べた駅弁を写真とコラムで紹介。さああなたもレッツ駅弁。

横浜 シウマイ弁当
関東 夕刊フジ特選おつまみ弁当
関東 鮭いくらおこわ弁当
関東 チキン弁当
関東 うなぎ弁当
神戸 日本の朝食弁当

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駅弁画報 壱

バーバラ・アスカ

駅弁画報社



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  この本はタチヨミ版です。

 目 次


横浜 崎陽軒 「シウマイ弁当」


関東 日本レストランエンタプライズ 「夕刊フジ特選おつまみ弁当」


関東 日本レストランエンタプライズ 「鮭いくらおこわ弁当」


関東 日本レストランエンタプライズ 「チキン弁当」


関東 日本レストランエンタプライズ 「うなぎ弁当」


神戸 淡路屋 「日本の朝食弁当」





駅弁にまえがきはいりません。
どうぞ開いて食べてください。

        バーバラ・アスカ

紙の外箱
箱を開けると、木の中箱があります。
ふたをあけたところです。
おかずのアップ。シウマイを中心に、いろいろなおかずが少しずつ入っています。
俵型ごはん。もちもちして、とてもおいしいです。
シウマイは5個入り。おかずとごはんの分量もぴったりです。
意外においしい筍煮。やめられないとまらない。ビールによく合います。
新幹線ではちょっと贅沢してプレミアムモルツ。シウマイ弁当にもぴったり。

横浜 崎陽軒 
「シウマイ弁当」

 ♪おいしいシウマイ、崎陽軒~♪のCMでおなじみのシウマイ弁当である。あのCMって、全国でやってるのかしら。そんなわけないか。CMネタは意外とローカル色が強いネタなので、うっかり他の土地でCMネタをやると全くウケないことがあるので注意が必要である。
 で、なんの話でしたっけ? そうそう、「シウマイ弁当」ですよ。
 書き始めてから気づいたけれど、よく考えたら「シウマイ弁当」って、別に駅弁でもなんでもないことに気づきました。デパートでも買えるし、どこでも買える。でもまあ、「峠の釜めし」だってどこでも買えるので、あんまり気にせず話を進めます。
 シウマイ弁当の素晴らしいところは、年齢問わず、好き嫌いが少ないところです。
 実は駅弁って、子どもに食わせられるものが少ない。今みたいにサンドイッチとかおにぎりとかが駅売店で売っていなかった頃は、チキン弁当ばかり食べていた気がする。大しておいしくもなかったけれど、あれくらいしか選択肢がなかったのだ。
 おお、なぜあの頃、母はシウマイ弁当を買ってくれなかったのか。売店になかったからなのかそれともチキン弁当のほうが安かったからなのか。たぶん前者だろう。

 実は、私が生まれて初めてシウマイ弁当を食べたのは、ごく最近のことである。
 マンガ家の東陽片岡先生とお話しした時、「やっぱりシウマイ弁当ですよ!」と何かの拍子に言われたのである。「今度買ってきてあげますよ」「それなら私は300円のワインを買ってきてあげます」とB級グルメ的な会話をしたのだが、それに至る経緯が全く思い出せない。まあ、えてしてそんなもんである。
 結局その話はまだ実現しておらず、結局シウマイ弁当を初めて食べたのは、前回の博多行きの時である。
 前回博多に行ったとき、初めて東京から博多まで新幹線で行ってみた。
 日本縦断!(ちょっと違うけど) すごい!!
 乗っている時間も長かったけれど、京都、大阪、神戸、岡山、広島、呆然としている間にどんどん有名な駅が通り過ぎることが驚き。乗り慣れた人にとってはどうということもない風景なのだろうが、旅というものをめったにしない私にとっては驚きの連続でした。
 で、その新幹線に乗り込むとき、シウマイ弁当とツマミと氷結グレープフルーツを買い込んだのである。
 どの駅弁もそうであるが、駅弁はパッケージいや「包み」を開ける瞬間がたまらない。まるでプレゼントを開けるときのようだ。中身もわかっているし、カネを払ったのも自分なのだが、「自分へのご褒美」のように感じる。
 シウマイ弁当は駅弁としては格安なほうだ。750円なら、まあ、毎日食べるランチとしてもぎりぎり許容範囲のお値段。しかし、木の弁当箱、お手ふき、お箸、もちろん中身と、ちゃんと「駅弁」然としたアレであり、そのパッケージ感は「普段のコンビニ弁当」とは全く違う。やはり駅弁は「ただの弁当」ではなく、「ハレの日の弁当」なのだ。
 味付けと中身はごく普通である。白俵型ご飯、「昔ながらのシウマイ」、鮪の照り焼、かまぼこ、鶏から、玉子焼き、筍煮、あんず、切り昆布、千切り生姜。どれも可もなく不可もないという味つけだが、決してまずくはない。「冷めてもおいしい」という点では、おそらくかなりの工夫がなされているのだろう。
 なにより嬉しいのが、「ごはんがおいしい」こと。「コンビニ弁当を売るにはごはんがおいしいことが重要」と鈴木敏文氏が言っていたが、逆に言えば、ごはんがまずい弁当は最悪だ。しかも、その「最悪な弁当」の多いこと。どうやったらあんなにまずいごはんになるんだろう、という弁当は意外に多い。
 その点、シウマイ弁当のごはんはふっくら、もちもち。いったい炊き加減にどういう秘密があるのかわからないが、さすがに長い歴史を誇る駅弁だけあって、大変おいしくいただけた。
 残念だったのは有名な「ひょうちゃん」がついていなかったこと。あれは、シウマイにつくもので、弁当にはついてないらしいです。

 追記 公式ホームページ(http://www.kiyoken.com/history/)によると、シウマイ弁当は横浜の駅弁を代表する、立派な「駅弁」だそうです。横浜と言えば日本最古の鉄道の駅。そこを代表する駅弁なら、日本を代表する駅弁といってもいいくらいですね。

外観も「夕刊フジ」風です。
ふたをあけたところ。一段目はおかず。重箱は上から数えるのが一般的だが、下から数えるところもあるらしい。
二段目がごはん。各種つけものも。
二段ならべてみると、けっこう豪華です。
おかずは一品一品どれも激うま。これとお酒があれば幸せです。
ごはんは二種類。つけものも美味。

関東 
日本レストランエンタプライズ 
「夕刊フジ特選おつまみ弁当」

 先日東京駅での「駅弁大会」に行った際、数ある弁当の中でなぜ、これを選んだのか。
 それはやっぱり、「夕刊フジ」に惹かれたからであります。これが「東スポ弁当」なら一瞬でレジに走っていたでしょう。駅弁業者はいますぐ東スポとタッグを組むべきです。
 まあ、東スポほどヒキはなかったにせよ、夕刊紙と弁当屋が組むというのは、えらくココロひかれる組み合わせであります。今、駅売店がなんとかデイズというこじゃれたコンビニまがいのアレになってしまい、夕刊紙の売上が激減しているということ、夕刊フジにはこれを機会にガッツリとがんばっていただきたいと思います。
 と言ってもこの駅弁、私が知ったのがつい最近、というだけで、本当は2006年5月22日から販売されている、ちょびっとだけ歴史ある弁当なのであります。

 さて中身はといいますと、「おつまみ弁当」というだけあって、ビジネスマンがビールとコレを買って、夜の新幹線で楽しむという感じの素敵な中身。

【一段目】
一、あげろう(なめろう風さつま揚)
二、カニ唐揚&蓮根チップス
三、ポテトサラダ
四、うずら玉子の串揚げ
五、味付玉子
六、茄子の揚げ浸し
七、砂肝ときのこの黒胡椒焼、にんにくの芽
八、里芋の鶏そぼろあんかけ
九、サーモンのチリソース和え、ピーマン素揚
【二段目】
十、俵型ご飯(白飯・茶飯)
十一、切り昆布煮
十二、香の物(赤かぶ漬、野沢菜漬)

 こちら、ホームページ(http://www.nre.co.jp/ekiben/detail_00038/)からのコピペでありますが、実においしそうでしょう? さすが夕刊フジ。飲んべえのハートをがっちりつかんだメニューであります。



  タチヨミ版はここまでとなります。


駅弁画報 壱

2013年1月11日 初版 発行 

著  者:バーバラ・アスカ (http://twitter.com/barbara_asuka)
発  行:駅弁画報社 (shop@bestseller.jp)

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バーバラ・アスカ

作家・編集者。駅弁を知ることは日本を知ることだと思う今日このごろ。牛肉、いくら、うにを目玉にした駅弁の多さに辟易している。

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