はじめに

　皆さまはいわゆる「パワースポット」と呼ばれる所に出かけ、恋愛運を祈願されたことはありますか？

　初詣・七五三詣・合格祈願・学業成就・就職祈願・厄除祈願・家内安全・商売繁昌・車祓交通安全・旅行安全・病気平癒・身体健康・安産祈願・心願成就・社運隆昌・事業繁栄・工事安全・神恩感謝……。

　といった各種の祈願のなかでも、「パワースポット」でむやみにお祈りすると、かえって運気が下がる可能性があるのが、実は「恋愛」に関する祈願です。

　思いどおりの恋愛や結婚ができない、という方は、ここに一因があるかもしれません。とても表現しづらいことなので、これまでなかなか、指摘されることがありませんでした。


「なぜ？」という方に、こんなたとえをしましょう。この本の読者は女性が多いでしょうから、あなたが、とある神社のシンボル、「女神」だとします。

　女神のあなたはこれまで、常連さん達の背中をささやかに押してきました。

　リストラされたお父さんに大吉を引かせ「よし、起業するか」と発奮させてあげたり、銭湯好きなおばあちゃんのイボ痔を緩和させえあげたり。しょっちゅう通ってくる常連さんには、それなりの情が芽ばえるものです。常連びいきは人も神様も同様です。

　そんなあなたが、ある日いきなり、「パワースポットだ！」と脚光を浴びました。どうやら、テレビ番組であなたの名前が取り上げられたようですね。

　びっくりするあなたの前に、たくさんの一見さんの独身男性がドドドーとやってきて、一心不乱に祈りはじめました。

『神様、どうかオッパイが大きくて、ボクに尽くしてくれて、料理上手で美人の彼女ができますように』

『金持ちの年上女性と付き合いたいなあ。車もマンションも持ってて…代官山とか麻布十番とかに住めるような…』

『ボクがこの中で一番に結婚できますように。誰よりも幸せになれますように。遠くから来たんだから、神様、ゼッタイお願いします!!』

　…オーソドックスな恋愛祈願の中身というと、このように「盛って」しまっているのではないでしょうか。

えええー。

と、あなたは思いませんか。

　そうなのです。

　あなたが感じたと同じようなことを、リアルなパワースポットの「神様」も感じていらっしゃいます。

　病気と闘ったり、受験や仕事の業績を手伝ったり、がんばっている人だったら助けたいけれど、ステイタスだ、ルックスだ、金持ちだと…？

おととい来なさい。

　───と、とてもではないけれど、恋を手伝う気持ちにはなれません。勝手すぎるでしょう。キモチ悪いでしょう。この男性たちを、女性に置きかえても、神様の反応は同じだと思いませんか？

「キモチが悪い」

のです。

　もし女性の方でも無意識にこんな祈り方をしていたら、神様はキモチが悪く、ドン引きでしょう。すると、恋愛がなかなかうまくいきません。結婚がなかなか近づきません。

　仕事や、社会ではとても聡明な女性たちなのに、こと恋愛となると客観性を失ってキモチ悪くなってしまうのは、不思議なものです。少しでも優れた子孫をのこしたい本能のなせる業でしょうか。

　しかし大昔、本能が研ぎ澄まされていた先祖の女性たちは、自然に「自分のＤＮＡにマッチする相手」「身の丈に合うオス」をかぎ当てていました。
　その本能を忘れ、不必要な情報や、消費社会的通念でいっぱいの頭で思念すると、つい自分に合わないことを祈ってしまいます。


　では、どうしたら神様をキモチ悪がらせずに味方につけ、「恋愛運」を高めるられるか。

　まずは「恋愛運」に欠かせない「パワースポット」との付き合い方を知ってみませんか。そして運気を味方につける祈り方、その思考・所作を得てみませんか。

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本書に書かれていることは、古今東西の開運法・宗教儀式にも通底する、ベーシックなことがらです。

　鑑定師として30年の実績をもつ「光凛」先生に、コラムニスト早川さや香がうかがうＱ＆Ａ方式でお届けします。

光凛先生には、芸能界・政財界の顧客が多いため、一切メディアに顔を出されることはありませんが、顧客の生い立ちや先祖にさかのぼる鑑定力、辛口ながらユーモラスな人生アドバイスが、多数のファンを惹きつけています。

「女性たちに、パワースポットの見つけ方や、よい恋愛の祈り方を知っていただき、幸せになっていただきたい」。そんな光凛先生に、極意を伝授していただきましょう。


それではまず、パワースポットとのつき合い方Ｑ＆Ａからどうぞ。