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NO3 サイボーグ・ドッグ・ベイリー

Okey Dokey Japan

Okey Dokey Japan出版



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  この本はタチヨミ版です。

巨大熊の出現

ポールが持参した食料で、バーベキューパーティーの開催です。ポールがいつもの恒例デアーハンティングで仕留めてきた鹿の肉を料理します。また鹿肉のソーセージも焼きます。その肉は真っ赤な色をしていて油気はありません。とてもワイルドな味です。ワインを飲みながら、ジョンソンが昨日のボート転覆の話や、出くわした神秘的なムースとの遭遇の話をしています。
そこへアポロと、愛噛みをしてじゃれながらベイリーが走りよってきました。どうやら二匹ともお腹を減らしているようです。ましてや、ワイルドミートの臭いがそこらに漂っています。二匹とも主人の言うことを聞いて、オスワリをして、特別の食べ物をもらいました。アポロはさすがに大型犬であり、一口でそれを平らげました。そして、ベイリーの分も奪おうとします。これにはベイリーも許す分けにはいけません。
それを加えて、藪の中を逃げ回ります。そして、いつの間にか遠くへいってしまいました。遠くでベイリーとアポロの鳴き声は聞こえます。マイケルは、その二匹の後を追いかけます。
コテージの裏手は小だかい岩場になっていて、野生のブルーベリーも自生しています。ジョンソンは、大きい声で「マイケル遠くにいくなよ、大型ベアーがいるかもしれないから」と危険を知らせます。ジョンソンは、エリザベスが留守番をしているときに、藪で大きい動物の動く物音を聞いたことを思い出し、一瞬に悪い予感が脳裏をかすめます。
 「ガオー」という熊のような鳴き声が聞こえたかと思えばすぐに「ギャイン」交通事故で車にはねられたような今まで聞いたことのない犬の叫びが聞こえました。ジョンソンは、「ポール、ライフルを持ってきてくれと叫びます」そして、「マイケルと大声を出して叫びます」マイケルは大声を出して泣いています。ジョンソンは「エリザベス、ジェシカに家の中に入れ」と叫びます。ジョンソンとポールが崖を駈け登ったときには、もう熊の姿はなく、マイケルがベイリーの側で泣いています。
 ジョンソンは「どうしたんだ」とマイケルに聞きますが、マイケルは気が動転して震えてベイリーが、ベイリーが」と何ども繰り返すだけで話すことができません。マイケルは幸運にもなんともないようですが、ベイリーは目を閉じて、頭から血を流しています。ジョンソンは「ポールにどうすればよいか」と聞きます。ポールは「この近くに動物保護施設がある。僕が走っていくから、車を交換してくれと」と聞きます。マイケルは当然に一緒に行くといいます。 ジョンソンは取りあえず、「ベイリーの命を維持してもらってくれ」とポールに頼みます。マイケルは車の中で、ベイリーをかかえて、マイケル自身が病気のように完全に塞ぎこもっています。
 そして、ポールが「どうしたのだい、何が起こったのだい」とマイケルの頭をたでながら聞きます。マイケルは少し気が落ち着いたのか、事情を話します「小だかい岩場に出たときには、既に胸に白い斑点のあるブラックベアーが藪で何かを食べていたのだけれども、2疋の犬が現れたので、熊が威嚇していたのだけれど、僕も出くわしたので、熊の矛先が僕の方に向けられた途端に、ベイリーはジャンプ一番熊のとがった鼻に噛み付いたの。そうしたら、一瞬にグローブのような熊の手でベイリーを叩き、遠くに飛ばされて、岩に叩きつけられたの。
 ベイリーは {ギャイン} と泣いて、頭から血を流したの。僕を助けるためにベイリーよりも20倍もある獰猛な熊に戦いを挑んだの、命をかけて僕を守ってくれたの」といって、また涙を流します。ポールは「わかったよ、きっと助けてもらえるから」と慰めます。動物保護区の動物病院につきました。早急に手続きをとって、診療室に運びこみました。医者は念のため、MRIをとっておこうといいます。動物の検査は特別なので普通の病院ではまず取れないからです。外傷だけでは、頭を怪我しただけに見えますが、縫っても脳の表面がもりあがってきます。血が止まりません。MRIで発見出来た血の塊を注射器で脳の中にたまっている血液を吸い出すことができました。

妖精ムースと再会

 そして、ポールに医者は、詳しい検査が必要だけれども、脳内で出血していたのでその血液は取り除くことができたので回復するように思われる。ポールは「だいじな大事な愛犬なのでなんとか助けて欲しい」と強く頼みます。ベイリーの意識はまだもどっていません。酸素吸入のマスクがつけられています。それを見たマイケルは、またもや大泣きです。
 マイケルは「ベイリーは死んだの」と医者に聞きます。医者は、「死んでわいないけれども、危ないことは事実だ」と医者は膝を曲げてマイケルと同じ目線に高さをあわせて、答えます。ベイリーは死んだように眠っています。そして、ベイリーの小さい頭が、西洋スイカのようにはれあがっています。マイケルは、ベイリーの横たわっているベッドのそばで、眠っているベイリーにむかって、なにか話しています。
 「ベイリー、本当に僕を守ってくれてありがとう。命を犠牲にしてまで戦いを挑むなんて無茶だよ。相手は、180センチ、200kgをはるかに超える怪獣のような熊だよ。その顔の大きな鼻を食いちぎろうとするのだからお前の勇気はたいしたものだよ。君は僕にとって、かけがいのない命の恩人ベストフレンドだよ。ありがとう」と言っています。そうすると、どこともなくベイリーの体にスポットライトがあたるかのように明るくなり、どこともなく飛んできた小さいフェリーがベイリーの体の周りを無数に飛び回ります。そして、マイケルが何かを感じて、ふと窓ガラスを見ますと、なんとあの妖精のムースがこちらを見ています。優しいつぶらな瞳で安堵を与えてくれます。不思議な光景を見たそののちにベイリーの目が開きました。マイケルは、「ありがとう、神様」と叫んでいました。そして、ポール、医者が聞いていて部屋に入ってきてくれました。医者が「眼を覚ましたようだね、これで命は助かったようだね。おめでとう」と言います。
 ポールは医者に「もう大丈夫か」と聞きます。医者は、「命は助かったけれども、脳障害を起こしているようだから、果たして運動できるか疑問が残る」というのです。これは、マイケルには今の時点では話すべきでないと判断しました。医者は念のため、もう一度MRIをとっておこうといいます。動物の検査は特別なので普通の病院ではまず取れないからです。そのデーターを電子メールでいただくことにして、病院を後にしました。ベイリーの腫れはおちついて来ているようですが、マイケルの顔は、泣き倒したせいで、腫れています。ベイリーは目を覚ましたあとは、何も吠えてはいません。
 ポールがひとまず、ジョンソンに電話をいれておきます。マイケルは、ポールおじさんに「急いで、病院に連れてきてくれてありがとう。お医者さんは、脳障害は、酸素が脳に補給されるのが、遅ければ遅いほど致命傷になりかねないと言っていたよ」とお礼をいいます。ポールは、一つ質問があるのだけれどと、マイケルに尋ねます。マイケルは「いいよ」と答えます。「ベイリーが酸素吸引をしている時、なんか病室が明るくなったように思えたのち、ベイリーが目を覚ましたよね。何か魔法でもかけたのかい」と聞きます。マイケルは、「うん、森の妖精が来てくれてベイリーを助けてくれたのだよ」と答えます。ポールは「わかった。それでその話はゆっくりと理解できるようにその秘密をそっと教えてくれ」と言って、車を飛ばします。その間 ベイリーは目を開けたり閉じたりして、マイケルに抱かれています。ベイリーは何かを言っているのですが、よっぱらいが言っているようで理解できませんでした。コテージに戻ると、妹のべティーが入口まで走ってきて、ドアを開けてくれました。べティーはマイケルに抱かれたベイリーを心配顔でのぞき込みます。エリザベスもジョンソンも心配して待っていました。ベイリーの頭に巻かれた包帯、ネットは痛痛しく、まだ泣きもしません。ポールから病院での事情を説明してもらいました。そして、マイケルから、不思議な妖精との出会いベイリーとの関係、ベイリーの能力を説明しました。アポロはうなだれて、ベイリーを見つめ、ベイリーの腕をベロで舐めています。この家族旅行は、いろんな意味で忘れられない旅行となりました。
 ベイリーは、ぐっすりと寝たせいいで、少し落ち着いたようです。しかし、まだ吠えられません。食事も少し食べただけです。それも、マイケルが手のひらに食べ物をのせて、ベイリーの口元まで持っていってやらなければなりません。両足がどうも動きません。マイケルは、脳障害ということの意味を分かっていません。そして、脳が命令を司っていることも分かっていません。脳からの命令が正しく末端の神経に到達してないのです。ジョンソンは医者からのメールをもらいました。
 ジョンソンが「マイケル、お父さんの部屋に来なさい」と呼びます。マイケルは、「どうしたの」と言って、ベイリーを抱いたまま部屋に入り、椅子に腰を下ろします。そして、ゆっくりと話し出します。
 「今日、獣医さんから電子メールをいただいて、電話で話をしたのだけれど、ベイリーは、脳内出血をしたようなので、体に麻痺が起きているというのです。吠えなかったり、立てなかったりしているのもそのためであろうというのです。しかし、良い知らせとしては、リハビリでそれは、克服できるというのです。脳からの伝達は途絶えたのだけれども、リハビリによって、また新しい伝達神経回路が形成されるというのです。しかし、その努力は脳の伝達形成が始まるまでは、大変に苦しいことのようです。ベイリーだけでは、できないように思えるよ、マイケルの手助けが必要だよ」と説明します。
 ベイリーはマイケルに秘密の伝達法で「お願いたすけてワン」といいます。マイケルは、「もちろんだよ」答えます。ジョンソンは、「秘密の二人の会話はおわったのかい」と聞きます。また、「僕の大学仲間の研究員で脳の伝達分析を研究しているリハビリの専門医もいるから、相談してみるよ」とマイケルに伝え、「無理はしなくていいから、時間を決めて、少しずつリハビリをしていこうと号令をかけます。

リハビリ

 ポールとジェシカそして、ベイリーの親友アポロが様子を見に来てくれました。ジョンソンがベイリーの様態、経過報告をしました。ポールは「それは大変なことになったね」と頷きます。「でも、ベイリーがいなっかたら、もっとマイケルに大変なことが起きたかもしれなかったと思えば、大した犬だよ」といいます。「僕も知っている限り、応援をするよ」と自分の犬のようです。そして、「アポロ!」と自分の愛犬を呼びます。そして、アポロに「お前の友達が苦しんでいるからサポートしなさい」と伝えますと、アポロは、ベイリーに近づき「クンクン」と鼻でよびます。ベイリーもおなじように「クンクン」と鼻でこたえているようです。そして、その返答があったので、今度は「大きくワン」とベイリーに力強く吠えます。ベイリーはワンと言いたいようですが、ワンにはならずに、「バウ」と弱々しく泣いたように聞こえます。しかし、アポロの叫びに何かを答えたのは、事実です。マイケルは、「さすが、犬同士、僕との会話よりスムーズだね」と感想を述べています。二疋でクンクンと言ったり、舐め合ったり、ワン、バウと言って、伝達をしています。少しずつ啼く声も力強くなったように聞こえました。アポロはリハビリの手助けをしました。

落雷

 マイケルは、ベイリーの前足を温めて、さすり手首を痛がらない程度に曲げ伸ばしをしてやります。時には、痛くて耐えられないようでしたが、毎日の積み重ねで、少しずつ曲がるようになりました。ベイリーはマイケルとの秘密の伝達法で「マイケル、痛いけれど、痛いという感覚もわかるようになり、少し、自分でも曲げられるようになってきたワン。ありがとうワン」と告げます。マイケルは、「よかったね、また一緒に公園に行って遊ぼうよ」と言ってやります。この頃から、マイケルも声に出さなくても、少し秘密の伝達法を習得したようです。ベイリーの感性は事故ののち精度が増したようです。人でも、脳障害を起こすと、時には、今まで見ることがなかった霊体や超自然現象を見ることがあります。しかし、それは脳の障害が収まると、普通にもどり超自然現象を見ることはなくなります。なにかベイリー自身、感性の塊のようです。少し、吠えることが出始めた頃、それはまだ赤ちゃん犬の吠えるようでした。
 しかし、雷がなりはじめたころベイリーは「うんうん」と吠えていました。べティーもエリザベスもその雷を窓から、覗いていました。停電が起こり、外は田舎の住宅街ですので真っ暗です。そこに、雷の電光だけの明かりが突然と天から地上に突き刺さります。ベティーもエリザベスも恐ろしさも忘れて、窓際で見ていました。そこに突然、大型の獣が近寄り吠えます。その大きさ半端ではありません。なんとベイリーです。今まで赤ちゃん子犬のような吠え方をしていたのが、突如として、それはそれは、今にも噛み付かんばかりに吠えました。歯茎をみせて、まるでドウベルマンが吠えて威嚇しているようです。それも窓際から離れるまで吠えて威嚇します。ベティーは半泣きです。エリザベスもベイリーに対して怒っています。「なぜお前さんにそんなに威嚇されなければいけないの」と怒っています。
 そして、渋々窓際からはなれました。そうするとどうでしょう、今まで経験したこともないような稲妻の柱が家の裏にある小さな池に落ちました。大きな電光と同時に家をも揺らす、そのすさまじいエネルギーには腰をぬかします。ベティーは大きな声で泣いています。マイケルが自分の部屋からおりてきて「ママ、僕のコンピユーターが火を吹いたよ、どこの犬が吠えているの」と叫びます。「可愛い、可愛いベイリーちゃんだよ」と言ってエリザベスは気づきました。「もしかしてベイリーが警戒を発して私たちを守ってくれたの。ありがとう表彰しますよ」と言っています。マイケルは、ベイリーを抱きかかえて、「よく守ってくれたねありがとう。お前は気付いているかいベイリー。吠えることができたね、良かったね」と労います。マイケルは秘密の伝達法でベイリーに聞きます「お前は、予知能力があるのかい、雷が落ちることが分かっていたのかい」とききます。ベイリーは「事故があってから今まで以上に敏感に、なったのですワン。でもエリザベスもベティーも危険ということを分かってくれて何事も無くよかったワン」と伝達します。マイケルは「助けてくれて有難う。お前さんは吠えることができて、もうこれからは大丈夫だよね、よかったね。」と秘密伝達です。

聴覚障害

 そうしたことがあり、ほんの少しずつですが、吠えることも、両足をうごかすこともできるようになってきました。はじめは、ベイリーの足を触っても冷たくてそして、関節が硬すぎて、曲げることが困難でしたが、温めてそれからマッサージをすると痛みも軽くなったように思えてベイリーとの秘密伝達を使い、ベイリーに問いかけながら痛がらないように注意を払うリハビリ大成功です。しかし、リハビリの散歩に出かけて帰宅すれば、ベイリーは休憩を取り、すぐに寝てしまいます。そして、リハビリをしてやると、疲れるようです。「マイケルは、秘密伝達でベイリーに聞いてやります。「大丈夫かい、以前に比べてよく寝むっているよ。そうかと思えば、夜中中ウロウロとして眠ってないと思うけれども、どうなの」と優しく問いかけます。ベイリーは、「そうなのです、ワン。どうも、脳がものすごく疲れていたり、バランスが取れなかったりして足がしびれて思うように動かなかったり、そうかと思えば突然に、脳がクリヤーで全然疲れを感じないのです。しかし、睡眠中にあの事件を思い出すこともあるのです、ワン。どうすれば良いのだろうワン」と答えます。マイケルは、「心配することはないよ、脳障害を起こしたのだから、疲れて当然だよ、心配しなくて良いよ。でも頭が痛ければ、どんな方法でも良いから知らせるのだよ、ベイリーボーイ」と伝達です。この症状のことは一応ジョンソンに知らせておきます。
 ジョンソンは、マイケルに聞きます。「ベイリーは聞こえているのだろうか。エリザベスが言っていたよ、ベイリーに「チュリティーと言っても、知らんふりをしている。おやつを見せもう一度呼び直すと喜んですっ飛んでくる事が多くあるから聴覚に異変があるかもしれない」と言っていたよ。
 マイケルに「ベイリーのことどう思うと」聞かれます。ジョンソンは「お前は、秘密伝達があるから、声に出していなくても意識の伝達ができるからベイリーの異変には気付いていないと思うよ」と注意です。そして、ジョンソンは、「大学の研究員がベイリーに良い改善方法があるから、一度ベイリーを連れてきてくださいといっているよ、どうする、行ってみるかい」と聞きます。マイケルは、「ベイリーがよくなるのならもちろん行ってみたいよ。いつなの」と聞き返します。
 ベイリーを連れて出かけることになりました。ベイリーは秘密伝達でマイケルに「どこに行くの、ワン」と聞きます。マイケルは、「ベイリー、お医者さんではないけれども、もっと科学的に診察をしてくれるところだよ」と秘密伝達で答えます。エリザベスに、青色のバンダナを首に巻いてもらって、おしゃれをしてのお出かけです。
 そこは、某大学の研究施設です。中に案内されましたが、水槽に,大きいヒキガエルや幾種類ものカエルが飼われています。小動物も飼われています。なんだかベイリーは興奮します。ベイリーは秘密伝達でマイケルに聞きます「今日は、ハンティングのトレーニングかいワン」それもそうです。小動物を射止めるのは、ベイリーの本能です。ジョンソンが、研究員テリーと面会です。
 テリーは、「筋肉が脳から運動ニュウトロンを介して伝達される神経信号によって収縮するこの微弱な生体電位信号を皮膚表面で検出、処理する随意的制御を行う。人間であれば、皮膚表面にセンサーを貼り付け脳の命令伝達、すなわち自分が動きたいと思うだけで、その思いどおりの動作をする。そういうことを研究しています。そして、他のグループはその基本研究をもとに、ハンディーキャップを持たれた人をサポートできないかと、実験を繰り返しています。もうすでに、部分的には研究は出来上がり、どういった需要どういった可能性があるか検討にはいっています。政府の援助が許可されればその選考に入ります」となんだか、エキサイティングな話です。
 そこでもっとジョンソンは、テリーに具体的に聞きます。「そんな大きな国家プロジェクトでなんですけれども、この小型犬は、我々の家族です。我々家族の身の安全をなんども救くってくれています。そこで、障害があることが分かりましたので、助けてやりたいのです」と質問します。テリーは「詳細を聞いたあとで、可能です」と答えます。ベイリーも「人のためになるのであれば、僕もてつだわして欲しい」とマイケルに秘密伝達です。マイケルは、ダディーのジョンソンに、ベイリーは「助けて欲しいと言っているよ。お願いしてよ」と伝えます。テリーは「いま会話を聞いていたのだけれど不思議な話しの内容だね」と聞きます。ジョンソンは「家族の中でマイケルだけが、ベイリーと話しができるのだよ。しかし、それは秘密にしておいておくれよ」といっています。
 そして、「今日こさしてもらったのは、このベイリーの聴覚がどうも悪いようなのだよ、何か良い対策なり、治す手立てがないものかと思ってこさしてもらったのだよ」と聞きます。テリーは「私だけでは決断できないのですが、体に装置を埋め込むのではないのですが、補助装置ないし機械を使い運動を補助、倍増する装置が開発されています。そのシステムの活用方法を研究応用していこうとしています。そこで実験というと家族と同様に思われている愛犬に失礼かと思いますが、実用段階まできていますがまだ実験段階です」ジョンソンは、「ストレートに話をしてくださいよ、まだ何も決まっていないのですから」と聞き直します。
テリーは科学者としての計画をのべます。一つは私たちの生体機能補助装置を使用した、介護への応用、身体障害者の歩行腕力補助なのです。しかし、今日目の当たりにしたミラクル犬ベイリーをスーパードッグに改良して、人間の能力外の長所を最大限に引き出す装置を装着して、嗅覚、聴覚、脚力を増幅させば、人間が到底できない仕事をしてもらえるだろうし、ましてや、このベイリーには、もうすでに人との意思伝達が出来上がっている。応用範囲が無限にあります。どうか、協力していただきたい」と真剣に話をしました。
 そして、「特別な犬だからこそこういったアイデアが咄嗟ではありますが、ひらめいたのです」と付け加えました。マイケルは「なんだか、わからない」といいます。
テリーはそれでは「具体的な装置をお見せしましょう」とコンピューターグラッフィックを見せます。そして、腕用の装置を運んできました。基礎研究から、応用技術、部品設計、制作、コントロールセンターなど数多くの研究プロジェクトがまさに一体になって、集結しようとしています。非常にありがたいタイミングに出会いました。また違った方面で、活用されそうです」といくらでもアイデアがありそうです。運んできた装置をジョンソンの腕に取り付けました。そして、持ち上がりそうもない、鉄アーレーに指を指し、「持ち上げてみてください」と支持をだしました。ジョンソンは「一体どうなっているのだい、何キロあるのかと」訪ねます。テリーは「20kありますが、その装置のおかげで、そんなに力の負担をかけずに持ち上がるのです。だからいろいろの応用が出来ます」と答えます。マイケルも当然「僕にもやらせてと聞きます」テリーは「もちろんしてください」と頼みます。それを持ち上げたマイケルは「僕って、力持ちだとは、知らなかった」と楽しく言います。ジョンソンは「素晴らしい技術が完成しているのだね。だから、興奮するのもわかるよ。だけど、具体的にこの犬をどうしてくれる。そして、費用はどのくらいかかるかね」と聞きました。テリーは「一度全体のベイリーの機能を測定して、ベイリーの体に合った装置を開発します。そして、許可もいりますので今すぐとはいえませんがどのような目的でどのように、するか、ベイリーの意思も聞いてください。連絡を取り合って、測定の日取り、目的も協議しましよう。よろしく」と言って、おたがいの連絡先を交換しました。



  タチヨミ版はここまでとなります。


NO3 サイボーグ・ドッグ・ベイリー

2013年4月26日 発行 初版

著  者:Okey Dokey Japan
発  行:Okey Dokey Japan出版

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Okey Dokey Japan

カナダで愛犬ジャック・ラッセル・テリヤを飼っていましたが、著者が脳内出血で倒れてしまいました。約3ヶ月の危篤のあと奇跡的に蘇り日本に帰国をしました。カナダに残した、愛犬ベイリーを主人公にしてカナダの厳しくも美しい自然のなかをいきる、サイボーグドッグベイリーとしてSFファンタジーの物語を書きました。

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