spine
jacket

小笠原達郎なる人物をウォッチした、365日の記録。

冴えたるところは何もなく、
生きてるところが魅力のダメ人間。
今日の小笠原達郎。

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今日の小笠原達郎。

MARCO

MARCO出版

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1月1日の小笠原達郎。

- -

元旦だ。
仕事のことを聞かれるのがイヤで、
実家に帰るのをやめる。

高校生の頃、コンビニでバイトを始めて
わずか2日で「もう来なくていい」と
言わしめたこの俺が
目覚しい活躍をするわけないだろう?
俺が自分の金で生きているだけで
満足をしてくれ。親よ。
っていうか今の会社に菓子折りの一つでも
送ってやってくれ。親よ。

- -

5月13日の小笠原達郎。

事務のお局ミー子から
好みの女子を聞かれたので、
「松 たら子」ですと答えたら、
「あんなのがいいの~!?」と言われた。
アータよりも何万倍も素敵じゃないの!と
脳内で口汚く罵ってたつもりが、
どうも口から全部漏れてたみたいで、
ミー子は赤くなって震えてました。
風邪ですか? 早く寝たほうが良いですよと
ボケてみましたが、微塵も通用しないので
空気悪くなったので外に出ました。
晴れの日って、気持ち良いなぁ~☆

- -

2月14日の小笠原達郎。

どうせバレンタインだよ。
もちろん荒れてるよ。
イケメンズでもない俺には、
単なる燃えないゴミの日だよ。
チョコをもらえないだろうからと
同居の姉に気を使わせて、申し訳なくなって、
あまりに殊勝な顔してたら
姉はだんだん調子こきだして
最終的にコンビニにパシらされたりするような
そんな日だよ。
あ!? 彼女なんかいないよ。
生まれてこの方な。ペッ。

- -

11月16日の小笠原達郎。

本日、日曜日。

お気に入りの喫茶店に、
コーヒーを飲みに行く。
読みかけの小説だけを手に持って。
(あ、モチ、財布は持ってますよ。笑い)
(あ、携帯も持ってました。再び笑い)

小粋なジャズが流れていて、
ほの暗く静かなこの喫茶店は、
いつ来ても客が俺1人で、
その上名前が「元気SHOP・珈琲」という、
残念すぎて、
壊れかけのレディオだ。

- -

5月7日の小笠原達郎。

GW明けだ。憂鬱だ。

俺の憂鬱は、言っとくけど普通の人の憂鬱とは
訳が違うぜ。訳と桁と質が違いすぎるぜ。

キミら「仕事したくないなぁ~憂鬱!」なんて
言うでしょ。コレ↑憂鬱界では憂鬱と認められてないから、あまり世間で言わない方が良いよ。

君は「GW明け、会社に席があるかなぁ…」
っていう憂鬱に耐えたことあるかい?
俺は都合3社で、この手の憂鬱を感じたわけ。
これは憂鬱界でも伝説になっててさ、その筋では俺を憂鬱王子って呼ぶマダムもいるみたいよ。

- -

10月13日の小笠原達郎。

体育の日だそうで。

俺は華麗なる運動音痴なのね。
だから運動会とか、体育祭とか
死ぬほど嫌いなわけ。
特に、組み立て体操とか、棒倒しとか最悪だよ。

でも、かけっこをみんなでゴール♪とか
考える奴はどこかおかしいね。
運動が嫌いな奴は、走ることが嫌なわけで
ビリになるから嫌なわけじゃないの。
走らされること自体が嫌なの。

これ宇宙の真理だからメモしときなよ。

- -

9月23日の小笠原達郎。

秋分の日。
俺的には俄然「読書の秋」だね。

ツァラトゥストラについてかく語ろうかな。
俺がツァラさんに対して何も思うところが
ないってことを小一時間ほどね。

最近読んでる本?
「人の上に立つ人」と
「グレアムヤング毒殺日記」と
「息のしかた」かな。

俺は思った以上にクレバーな人間なんだぜ!

- -

1月24日の小笠原達郎。

がぜひいだ…

昨日の夜に3時間ほど
ボディボードのイメトレしたことが
原因かもしんない。

鼻水は鮮やかな黄緑色に、
痰は鮮やかな黄色に、
顔はうぐいすのフンのようにマットな白で、
のどティンコは血液がワインで出来てる女性の
ように情熱的な赤だ。

風邪って華やかなのね。
知らなかったよ…。

- -

7月2日の小笠原達郎。

今日も雨だ。

冷蔵庫に入れててもカビは生えるもんなんだね。
初めて知ったよ。

 ~この日カビを確認したもの~
 ・もち(正月より在中)
 ・食パン(1週間前に購入)
 ・姉のパンスト(なぜ冷やすのか不明)

姉のパンストにカビが生じた理由を
俺なりに考察。
冷蔵庫の冷気が強すぎ、袋の中が凍り、解凍され
凍り解凍される続けたのちカビの発生に至る…?

- -

8月12日の小笠原達郎。

勇気を振り絞って実家に帰省。
矢継ぎ早に、嫁の催促と仕事の安定を聞かれる。

嫁どころか彼女の気配すら無いこと、
仕事は一応雇ってもらえているが、
一寸先は闇な状況だということ。

そんなことをそのまま伝えるのも忍びないので、
俺は2次元で猫耳の女が好みなので、相手探しは期待するな。そしてフリーターだって立派に働き手だと力説したら、両親は石化し、ばあちゃんは竜になって俺を攻撃した。

そんなこんなで青森は今、てんやわんやです。

- -

4月28日の小笠原達郎。

同期の「バコちゃん、しゃもじ、相模原」と
俺の4人で飲みに行く。

新宿2丁目の美味いへぎそば屋で
普通に楽しく過ごす。

カラオケに行こうという話になり、
普通に楽しく過ごす。

明日は祝日だから、また明後日! と別れたのち、
俺、普通に楽しく過ごしたよなと1人確認。
なんだろこの違和感。
俺、軽くいじめられないと楽しくならないの
かしらん。

- -

6月20日の小笠原達郎。

- -

3月11日の小笠原達郎。

春めいてきたぜ。
今日なんか、スッカリ暑いもんだから、
さっそく冬服から春物に衣替え。

あれ…?
春物が全く見あたらないのは
何故なんだろうね。

ねぇちゃん。
まさか俺の春物・夏物、
全部捨てたってこと…ないよね?

ちょ…ちょっと…
ねぇちゃんの衣装ケース増えてねぇ?

- -

6月20日の小笠原達郎。

毎日、梅雨の最前線!小笠原達郎です。

アタクシ、雨はアンニュイ気分で
楽しめちゃう性質(タチ)だから、
梅雨もまんざら嫌いじゃないんですけれども、
なにぶん雨は
お靴が濡れますでしょう?
靴下も濡れそぼっちゃったりしますでしょう?

それがもう…イヤッ! ヤメテッ!!

っていうことで、梅雨に最適なお靴を探して、
靴を流通してるセンターに行きましたの。
ベルレイ1980円。
同僚から笑われて困ってますの。

- -

9月6日の小笠原達郎。

本日、休日出勤。

俺はTVCMを作る会社に勤めている。

この業界は、
スピードと正確さ、適度なノリの軽さを
要求されることが多いけど、
俺は鈍くて不器用で
すべてに気が利かない男だから
この仕事、まったく向いてない。

でも気が利かないので、
自分から辞めるような事もしないのさ!

- -

12月1日の小笠原達郎。

今日から師走。
師も走るほど忙しいってね。

俺の師について考えてみるが、
思いつく師は、教師だね。
それか医師か漁師だね。
ホーチミン師ってのもあるけど知らないよね。

影響された人?尊敬できる人?

そんなもんいたら、
こんなクズになってないよぉ~
バカ言っちゃダメだよぉ~。

- -

8月26日の小笠原達郎。

今年初めてスイカを食べる。
もう旬も終わりなんだろうに。

しかし、旬がずれても
俺は食わずにはいられない。
季節感の無い場所に住み、
季節感の無い仕事をしているからね。

そういや、
今年はかき氷もまだ食べてないし
そうめんも食べてないな。
食べてないと言ったら、キャビアとトリュフと
からすみは食べたことがないな。
松阪牛もないな。今すぐ食べたいな。

- -

4月11日の小笠原達郎。

平日の昼食は、いつも外食だ。

ラーメンについて言いたい。
俺はチャーシューとなるとを重要視しない。
入ってなくていい。

チャーハンについて言いたい。
俺はでかい海老など重要視しない。
入ってなくていい。

そして会社から1番近いそば屋について、
言わせてもらいたい。
オヤジさんか、おかみさんのどちらかは
店にいなくていい。
喧嘩がすぎて、居心地が悪い。

- -

2月3日の小笠原達郎。

節分だ。

ずいぶんと市民権を得た「恵方巻」とやらを
俺は食わない。
実家にはそういう風習が無かったからね。

その代わり、豆まきはする。
というか強制的にさせられてる。
毎年、節分の日は夜6時までに帰宅して
鬼になれと姉ちゃんからキツく言われている。

両親もそこまで
豆まきを重要視してなかったと思うんだけど
姉ちゃんには何か思うところあるらしい。
気の毒だ。

- -

11月21日の小笠原達郎。

タンスの奥からセーターを引っ張り出したら
あちこち虫に食われていた。

このセーターは高校のときから着ていて、
俺が今28歳なので、なんと10年超だ。
セーターは2着しかないので、
コレがダメになるとさすがに厳しい。

いくら服に頓着しない俺も、
この現実にいささか引いたので、
明日は服でも買いに行くかな。
新宿か渋谷あたりまで。

いやぁ実に面倒くせえ…

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7月18日の小笠原達郎。

俺は使えないことを自負しているが、
なぜか、やっかいな人に好かれる才能があって、
やっかいな人のいる、やっかいな現場に
是非来てくれと仕事仲間から声がかかり、
癒しの「おがオーラ」を出せと
強要されることがある。

俺ちょっとスゴくない!? と思うのだが、
仲間からの指示は
「現場に来てくれるだけでいいから」
ということが多く、
俺自体が努めて癒しオーラを出しているわけではないことは
既にバレている。

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3月22日の小笠原達郎。

ここしばらく忙しくて忘れていたのだが、
俺は映画鑑賞が趣味だったのでした。

っちゅーことで、新宿コマまで映画を見に行く。

映画を見に行くことが好きなので、
観る映画は映画館に行ってから決める。
ゾンビだろうが、ワンコだろうが、宇宙だろうが
親子愛だろうが構わない。

そんでもって、普段は映画館で飲食をしないが、
シネコンに行った時だけは
キャラメルポップコーンを食う。

あれ、ちょっと好き。

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10月2日の小笠原達郎。

仕事が立て込んでいて、徹夜が続いている。
昨晩も仕事で朝を向かえ、着替えに帰るだけ。
今晩も会社に泊まり確実です。

先程コンビニにパンツ等を買いに行った際、
先輩から「おがちゃんはブリーフかと思ったよ」と言われた。

なにそれ、侮辱?
俺は俄然トランクス派よ!
ボクサーパンツ派でもなくね!

そして俺は小学生の時からパンツに名前なんて
書かれてなかった男だよ!?
ランニングには書かれててもね!

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6月4日の小笠原達郎。

巷では6月4日は虫歯の日なんですって?

俺はね、この歳まで虫歯ゼロなんですよ。

別に子供の時に
カルシウムを多く取ってたわけでもなければ、
親が異常なほど歯磨き上等だったわけでも
ないんですけどね。

おかげさまで、ニヤニヤと笑顔をみせると
歯がまぶしいと言われております。
顔の造作が良いとは誰も言ってくれませんけど、
歯がまぶしいと言われております。

ほっとけ馬鹿野郎。

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12月10日の小笠原達郎。

俺が今いるCM制作の業界では、
打ち合わせ時、撮影時、編集時と、
人が集まる場のほとんどで、お菓子が登場する。

買ってくるのは、「制作」とか「プロマネ」と
呼ばれる人の役目。つまり俺だ。

俺は普段、菓子なんぞ嗜好しないので
俺セレクトはたいがい不評。
ははは! 知ったこっちゃねーよ!

ちなみに俺統計によると、
菓子ラインナップに
「ハッピーターン」と「ルマンド」があれば
わりと評価されることが分かっている。

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5月31日の小笠原達郎。

なんとなくガーデニングをはじめてみる。

近所のスーパーで、プランターと土と
「しそ」「バジル」の種を買ってきた。

うちのベランダは日当たりもいいし、
元気に育ってくれるといいけど。

…。

「しそ」と「バジル」の敵は
水でも太陽でも青虫でもなく、
どうも姉ちゃんのようです。

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3月7日の小笠原達郎。

代休が溜まっていたので休めと言われ
本日休みを取ったのは良いのだけど、
目が覚めたら…

夕方でやんの。

目が覚めたら芋虫になってるよりはマシだが、
宵の明星が出てるのってかなり鬱でしょ…

今から起きたら生活リズム狂い過ぎて
明日明後日の土日も全部ダメになるから
シッコしてもう寝る。あー腹減ったなぁクソ。
どうすりゃいいのよ。モー…

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4月1日の小笠原達郎。

エイプリルフールだ。
さぁて会社の馬鹿どもは、
俺にどんな嘘を浴びせてくれるのかね!
と、朝から気構えていたと言うのに
部長も先輩も何も仕掛けてこない。

つまんなーい!

なんて思ってたら帰りがけに社長が「おがちゃん、明日から来なくていいから!」と爽やかに言った。
「マジすか! 笑えないですよ~」と言ったら、「笑えないよねぇ。」とマジ顔で言われた。
半泣きになってたら、「4月馬鹿だよ」と言ってきたが、やっぱマジ顔だった。あの人、鬼だ。

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1月17日の小笠原達郎。

後輩のABJ君が、
会社にファミコンを持ってきました。
本体とカセット20本のセットを
知人から3000円で買ったそうです。

俺が小中学生の頃、
まわりは狂ったようにゲームをしていたが
俺は後ろで見ていただけ。

今回、無理矢理プレイさせられて分かったのだが
俺は信じられないほどゲームに向いてない。
ボタン操作を全く覚えられないのね。

そんでアワアワしてる動作がイラッとするらしく
人にも自分にも優しくないからゲームは封印!

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7月29日の小笠原達郎。

1年に1回飲むか飲まないかの
コーラを飲んだら、むせて、吹いた。

先輩の机の上と、部長の机の上が、
コーラの霧吹きでベトベト地獄になり、
ものっすご怒られた。

大人になってから怒られるって
ものっすご凹む。

そういや先輩と部長の机以上に
俺の服がベトベトなんだが、
誰も着替えろと言わない。
俺も着替えてやらない。
コーラなんか飲むんじゃなかった。

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9月10日の小笠原達郎。

明日から2泊3日で海外ロケ。
つーか俺、初海外です。

行き先はタイ。
うへ~… 俺、辛いものとパクチーが
好きじゃないんだよなぁ。

先輩はやたらハイテンションで
ゴーゴーBARに行くだの
パッポン通りに行くだのとグヒグヒ言ってて、
撮影準備に追われてる俺は非常に腹が立ちます。

俺はこれから梅干買って、正露丸買って、
飛行機落ちたら困るから遺書書いて、
後は、後は、何したらいい? えっとウナ買うの?

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10月24日の小笠原達郎。

本日、大学時代の友人と飲みです。

俺の会社や、俺の働く環境が
特別だとは思わないけど、
終電を気にしない時間に解散とか、
なんとなくお金を気にして、
なんとなく注文を制限したりすることとかに
少し感動を覚えるってことは
俺はかなり毒されてきたんだな。

友よ、普通の人に戻るきっかけをくれてありがとう。
思いのほかつまんなかったことは
これでチャラってことにしてやんよ!
あはは台無し!

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2月26日の小笠原達郎。

今日は226だからご飯でも食べに行こうぜ!と同期の女子「相模原」から飲みに誘われた。
226でご飯なのに、外苑前の中華屋…
一体何記念なんだろう。

この「相模原」なる女子は、俺をないがしろにしない珍しい女子だ。

案の定、女子としてはかなりの規格外で
常に「男に生まれたかった」と言っている。
男に生まれて何がしたかったの? と聞いたら、
「自分のかわいさを知ってる女子を
ガンガンに振り回すような付き合い方して、
たまには殴ってやりたい!」と言っていた。
危ない人だ。

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11月4日の小笠原達郎。

みんなでランチを食べた後、
そのままスタバに行きテイクアウトを頼む。

クソ寒いのに、
なぜかフラペチーノ縛りになり、
なぜか早飲み大会開催。

俺は6人中2位になったが、
微塵も嬉しくない。
そりゃそうだろ。味なんか分からなかったもの。

あー案の定、お腹がゴロゴロし始めたよ。
他の奴らもさっきからトイレ行きまくってるな。
馬鹿ばっかりだ。この会社。

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6月10日の小笠原達郎。

本日、清算の仕事に追われる。
清算というのは、やれ人件費はいくらだの
機材費はいくらだのを計算し、
請求するための大切なお仕事。

あいにく外は梅雨らしいねばっこい雨なので、
外出しなくて済むのはありがたいが、
大量の領収書の処理や、
スタッフとのギャラ交渉は、
梅雨の空以上に俺をうんざりさせる。

ちょっと気を許すと、ナベ先輩が領収書の束を俺の机に置いていくのでナベ先輩との攻防に時間がとられるのも
かなりうんざりだ。

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12月28日の小笠原達郎。

世間はもう冬休みに入っているんだろうが、
俺は今日も会社に行くんだ。日曜なのにね。

それでも案外気持ちが晴れやかなのは、
電車は空いてるし、
街は静かだし、
吉牛もスタバも並ばなくて済むからかな♪

なんて思ったら、
深夜のライフラインである
会社の隣の酒屋系コンビニが
しっかり正月休みに入ってやがる。
そんなもんを取りやがるなら
もう2度とコンビニエンスとか名乗るなよテメコノ!

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8月7日の小笠原達郎。

会社で仲間と与太話中に、
「たまたま会ったタレント自慢大会」となり、

俺は、四谷の丸正(スーパーマーケット)で
店から出てきたパンチョ伊東と
すれ違った話をエントリーした。

かなり風の強い夜で、
何かが起きそうなフラグが立っていたが、
パンチョさんは頭に手をあてることもなく、
悠然とミカンが入ったレジ袋を手に
街へ消えていった。という出会い。

最下位だった。

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1月6日の小笠原達郎。

明日から仕事始めだ。
そんなこととは関係無しに
部屋にあった「めぞん一刻」を読み始めた。

読み終わるまでほぼ1日を費やした訳だが
その間、ずっと同じ姿勢で読んでいたせいで
ふとお湯を沸かそうと立った瞬間に
首がこむらがえりのようになり、
思わず叫び声をあげてしまった。

痛い首を押さえながら
自分の愚行に大笑いして振り返ったら
姉ちゃんが静かにみてた。

泣けた。

- -

3月31日の小笠原達郎。

会社の向かいにある公園の桜は満開。

少し肌寒かったが、あまりに桜がキレイなので、
ホカ弁買って花見しながら食おうということに。

桜にウットリしながら弁当をつついていたら
小汚い鳩がどっからともなく湧いてきて
あまりにビッシリ集まるもんだから食が失せた。

あいつらが群れてくると何か空気が汚染されて
ホコリっぽく感じるから嫌なんだよな。
しかも最悪なことに、あいつら「から揚げ」
食うんだよ。

雑食が過ぎるだろ…

- -

7月8日の小笠原達郎。

俺の日記はたいがいシケた話が多いが、
今日の俺は違うぜ!

なんと、今日、
自販機で100円拾っちゃったオレ。
ウッヒョー最高だぜ~
なんかオレ今日輝いちゃってるんじゃないかな。

朝のTV番組の占いで「ごめんなさ~い」とか
言われていたのが嘘のようだぜ。
こういう機嫌の良い日は
タリーズでグランデを頼むに限るね。
いつもより輝くオレは
相当リッチな男に見えちゃうんじゃないかな。

- -

8月23日の小笠原達郎。

本日土曜ですが、あたりまえのように出勤。

エレベーターを下りるや否や、
耳に飛び込んできたのは激しい怒声。
同期のバコちゃんが部下のヒゲ君に
猛烈キレてるご様子。

フロアに入るに入れず、
エントランスで息を潜めていたら
1人、また1人とエントランスに出てきました。

みんな無言のまま、エレベーターを下り
コーヒー飲みに行きました。

怒声って、心臓がキュゥとなりますよね。

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12月16日の小笠原達郎。

机の中で何年寝かせていたか分からない
熟年モノの消しゴムで
大切な書類を破いてしまった。

消しゴムで紙を破るなんて
学生かよ~
もー
触ってみたら消しゴムカッチカチだし~
あーもー

破いちゃった書類ってのが、これまた重要な請求書の類で、
経理の松波さんは随分とご立腹のご様子。
隣のコンビニでも行って
スウィ~ツの類でも買ってこようかな…

- -

2月23日の小笠原達郎。

あると思い込んでいて
無いと分かった瞬間に困るもの

1、シャンプー
2、トイレットペーパー
3、マヨネーズ
4、絆創膏
5、筆記用具

今、トイレで軽く困っています。
姉ちゃん早く帰ってきてちょ。

それとは別の話ですが、
部屋でエアコンのリモコンを無くして
非常に困ったこともあります。

- -

10月11日の小笠原達郎。

足の親指が巻爪で痛む。

無理矢理ツメきりでホグってやった。
おかげ様で痛みは引いたが血だらけだ。

そもそも巻爪って何なわけ?
巻いて何の得があんの?
人として全く必要ない特性だと思わない?

そんなことを考えてたら
巻爪の野郎に非常に腹が立って
力が漲りすぎたので、
豚ひき肉を力まかせにこねてやった。

上等のハンバーグが出来た。手は洗ったよ。

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6月28日の小笠原達郎。

雨がシトシト降っていて、部屋は仄暗く、寒い。
遠くで雷がうなり声をあげていて
俺に外に出るなよと見張っているかのようだ。

こんな日は毛布にくるまって
ぼんやりと過ごす方がいい。
何をしたって冴えないんだろうから。

そしたらね、
なんとテレビが壊れたんだ。
ブンという呟きを残して。

上京するときに実家から連れてきた
家族のようなテレビとの別れが
こんな日だなんて、あまりに悲しい。

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4月17日の小笠原達郎。

ゴミを捨てに行ったら
美容師の練習用頭部が大量に捨ててあった。

それはまぁそれで…なんだけど、
残り毛の状態が、カットの練習と言うには
あまりに猟奇的なもんだから
これやったヤツ大丈夫か? と思ってしまった。

ダメ人間はダメ人間らしく、
無害であることがルールですから。

事件とか起きないといいけど。

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5月14日の小笠原達郎。

某CMを撮影する際に、
小坊主のエキストラが数人必要で
金をかけるのも何なのでお前らが出演しろと
ナベ先輩と俺が仰せつかった。

要はハゲになれということですわ。

今んとこ頭部に不安は無いから許してやるが
数年遅かったら俺はYesとは
言ってやれなかったぜ。感謝しろよ!

学生時代に部活なんてしてなかったから
坊主頭なんて初めてだわ。
かなりスースーすんのね。風になれそうよ。

- -

6月16日の小笠原達郎。

月曜の朝だ。憂鬱だ。
電車の中は満員で、ますますうんざりだ。
しかも隣に立つ女子中学生2人組がうるさい。
最凶最悪だ。

「ねぇこの人形、
超ツボウチショーヨー入ってない?」
「超分かる!」

つ…坪内逍遥!?
で、オメェもそれ分かるんだ!?

あ~ヤだ!
なんかコイツらイラッとする。

- -

9月8日の小笠原達郎。

撮影に必要な書類などを大量に作るために
パソコンに向かう日々。

昨晩、眠気防止のために
しきりに噛んでいたガムのせいだろうか。

こめかみが筋肉痛みたいなんですけど…。

筋肉疲労を感じている場所が、
仕事で酷使している部位じゃないことに
己のダメさを感じずに入られません。

ところでスイーティオ味のガムって、
まだあるんでしょうか。
俺は嫌いですけど。

- -

11月10日の小笠原達郎。

頭に「エントロピー」という言葉が
こびりついて離れません。

どういう意味なのかも覚えてないし、
そもそも何で知った言葉かも思い出せません。

ネット通のムカノさんに言わせれば、
「ンなもんググれ」ということなんでしょうが、
ググってしまえば「エントロピー」の
答えはひとつ。
ググる前ならエントロピーは無限の可能性を
秘めたままでいられるので、なんとなく放置。

俺は「エントロピー」を「無限の可能性」という意味で覚えていこうかと。

- -

4月7日の小笠原達郎。

うちの会社には、
すっげーイヤミなおっさんがいる。

頭は非常にいいのだが、
人の失敗を言葉でネチネチとおいつめることが
3度の飯より大好きという、最悪な人間だ。

その厄介なおっさんのことを
同期の「相模原」が新入社員に紹介する際に
「あのドクロ似のオッサンが…」
と言っていて、
あっという間にそのおっさんのことを
皆がドクロと呼ぶようになった。

ドクロ本人も気に入ってると言うから不思議だ。

- -

1月30日の小笠原達郎。

俺の携帯はスゴいんだぜ。
何がスゴいって、アンテナが伸びんだぜ。

最近の携帯にアンテナなんてついてないって?
そんなこた知らねえよ。
俺のはアンテナがついてるし、
そのアンテナがニョーンと伸びんだよ。

カメラついてるのかって?
それはまぁついてるよ。
レンズがおかしくなってまともに写らないけど。

これは何年前の携帯かって?
さあ。7年前くらいじゃないの?
いいんだよ使えるんだから別に。

- -

7月26日の小笠原達郎。

休日出勤だったが、夕方には仕事も終わって
同僚達と新大久保のコリアンタウンへ、
韓国料理を食べに行く。

その後、バッティングセンターに行こうという
話になり、皆の後をついて行く。

俺、バッティングセンターなんか来たの
初めてなんだけど、
しゃもじ君…デッドボールを自ら狙うって
明らかにおかしいでしょ。

土地柄、パンチパーマのおじさんに
いつ怒られてもおかしくないんだから
余計なことしないでよね。

- -

5月23日の小笠原達郎。

いやな日ってあるもんだね。

連絡をくれると言ってたスタッフからは
一切なしのつぶてで、
挙げ句プロデューサーから怒られたり、

「予約は多分とぶと思うんで」と言われてた
キャンセル待ちのスタジオが
「やっぱ確定でちゃいました」とか言われて
撮影スケジュールの危機的状況に
「どーすんのよ!?」なんて
プロデューサーから八つ当たりされたり。

俺が悪いわけじゃないのに怒られるって、
不愉快なもんだね。

- -

3月2日の小笠原達郎。

夕飯を作るのが面倒だということで、
ねーちゃんと近所の中華料理屋へ行く。

酢豚定食、野菜炒め定食とギョーザを頼み、
シェアをすることにしたが、
ギョーザは一皿に5個しか無いので
もちろん俺が2個、ねーちゃんが3個だ。

これは俺が言ったわけでも
ねーちゃんが言ったわけでもなく、
生態系とか食物連鎖として
抗いがたい上位・優位の関係なのだから
仕方がない。

間違いない。ねーちゃんは俺より強者。

- -

2月5日の小笠原達郎。

かなり珍しく便秘になっている。理由は分からん。
あまりにいきんでいるので、血も出る勢い。

ふとトイレの窓から外を見ると、
先日同期の「しゃもじ」が話していた、
「漏らしたパンツを窓から捨てた」という
証拠らしきボクサーパンツが
一軒家の屋根に燦然と輝いていた。

弊社はビルの4F。
隣の一軒家の屋根には、
件のボクサーパンツだけじゃなく、
年季の入ったトランクスも生息していた。
「しゃもじ」の粗相は最低でも2回あるらしい。

- -

8月4日の小笠原達郎。

とある会社に納品に行く。
この会社は駅からかなり歩かなければならず、
今日のような炎天下を歩くのは辛い。

夏の日差しの下、まっすぐな道を歩いていると
俺は必ず連想するものがある。
なんとなく、今ここが長野とか新潟の田んぼの真ん中を走る一本道で、俺はセーラー服の上と、もんぺ姿の女学生で、
ふと、遠くから米軍の戦闘機の音が聞こえ、
何も隠れる場所のない田んぼ道を走るが、
何も出来ないまま閃光が辺りを包み、
砂埃と共にホワイトアウトするイメージだ。

なんなんだろこれ。前世?

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9月19日の小笠原達郎。

今日たまたま会社で手相の話になって
多少手相が分かるって言う会社の人に
俺の手相を見てもらったわけ。

俺の感情線がさぁ、
横に一直線でさぁ、
それを一般的にはさぁ、
「マスかけ線」って言うんだって。

天才肌だって言われたんだけど、
天才って何かと紙一重なんだよね。

それよりも「マスかけ」って、何よ。
童貞で悪うござんしたね!

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10月28日の小笠原達郎。

会社で姓名判断が流行っている。
同僚に子供が生まれるからだ。

ヒマにまかせて、
皆でその子の名前を考えたわけですが、

男児候補=聖人(セイント)、宇宙(コスモ)、UMA(未確認生物)

女児候補=霊等(レイラ)、皿(サラ)、刃軟(ハナ)、黄緑(エメラルド)

地球を救いそうな名前か、
1文字1文字漢字をあてはめるヤン系が
昨今のオススメだそうです。

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12月23日の小笠原達郎。

休日に休めるというラッキーに見舞われたので、レンタルビデオを借りました。

「ゆれる」を借りてみました。

イケメンの俳優が風呂場で吐いてるシーンで
俺まで気分が悪くなり、
ゲップをしたら、
ひとくちゲロがこみ上げました。

兄さん役の俳優の演技があまりに怖くて
夢に見そうです。
スゴイ役者さんです…。

あー胸がむかむかするよう…

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11月1日の小笠原達郎。

今朝、めずらしく携帯にメールが来た。

何事だ?と思ったら、
高校のときの同級生、佐竹からだった。

題名が無く、本文には
「俺、今日誕生日なんだ!」って書いてあった。
そのメールはCCで、俺の知らない何人かにも
送られていた。

そのメールをもらった全員から
生まれたその日に、死ね! と思われたに違いない
佐竹の幸せをとりあえず願った。

ちなみに、佐竹と俺は友達ではない。

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11月2日の小笠原達郎。

駅の改札前で、向かい合わせに立ちながら
無言でケンカをしているカップル。

「1000円カットの店ってどこ?」と
携帯電話で話しながら歩く大学生。

携帯のモニターをニヤニヤ眺めながら
足早に駅に向かう年配OL。

どうにも引っかかる人たちとすれ違いながら、
俺は家路についたのだが、
かわいい女子高生たちや、
バーコードのおっさんに、
俺はいったいどう映っていたのかな。

今日の小笠原達郎。

2011年8月13日 発行 converted from former BCCKS

著  者:MARCO
発  行:MARCO出版

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発行者 BCCKS
〒 141-0021
東京都品川区上大崎 1-5-5 201
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MARCO

美大出身、広告会社勤務。
好きなお菓子はチートス。
先日、至高の棒へれかつに出会う。
近所のスーパーで、ですけど。

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