───────────────────────
───────────────────────
この本の構成として、最初に漫画の模写があり、次にそれらを接合する実験があり、最後に実験を応用したオリジナルのイラストがあるという順番になっている。これらは、オリジナルと呼ばれるものの生成方法について仮説を立てて、それを実践したものだ。もちろん、オリジナルを作るにあたって、その他の基礎的なデッサンなどの要素になる部分はあるだろう。今回は、あくまでも漫画という主題に絞ってイラストを載せている。
物事の本質を観察や解剖などの研究によって突き止め、それらを絵画に応用するといった方法論はとても正しいように思えるが手法の一つに過ぎない。例えば、江戸時代までの日本の絵画の奇怪な表現を見れば良くわかる。その特徴として、いくつもの画風が一つの画面内に同時に混在しているという点がある。もともと日本画の画家達は中国の墨絵などの絵画を見本として、それらを模写するところから描くことを始めている。山を描くにしても、実際の山を観察する前に、先人の手法を模写などにより習得した上で、それらを応用して目的の山を描くといった順序になる。これが、個人や世代間で連続して行われることで、現実とかけ離れたように見える手法の集合体としての絵画が出来上がる。もちろん、その中には観察によって描かれたとても精巧な部分も含まれる。私は日本画のそのような部分にとても可能性を感じた。そして、その手法を応用する試みをこの本にドキュメントとしてまとめてみた。今も、Pixivに上げられるイラストもまた、独自の文化を形成している。そこにおいてもまた、絵を見て絵を描くという行為が連続しているように思える。
2013年8月3日 発行 初版
bb_B_00116051
bcck: http://bccks.jp/bcck/00116051/info
user: http://bccks.jp/user/115681
format:#002t
Powered by BCCKS
株式会社BCCKS
〒141-0021
東京都品川区上大崎 1-5-5 201
contact@bccks.jp
http://bccks.jp