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I love me .
  アトピーを改善して理想のあなたになるレシピ



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生まれ変わりたい・・・

 アトピーになったのは、私が中学生の頃でした。

 気づいた時には、まぶたが赤く炎症し、顔はガサガサに乾燥していました。中学生なのに、笑うとシワだらけ。一生懸命保湿をして、ステロイドを塗っても、部活をすると落ちてしまうので、あまり効果がありません。塗り続けていないと肌を保つことができずに、いつもステロイドを持ち歩いていました。

 高校生になってからも、汗と日光が苦手でした。いくつもの部活を体験しましたが、肌が荒れるのが嫌で、けっきょく帰宅部になりました。
 親友が、部活をしながら手を振ってくれているのを見て、うらやましくて、みじめで、とても複雑な思いで手を振り返しました。猛烈な痒さと痛みが続き、仮病を使っては学校を休むことも増えていきました。

 アトピーは社会人になってから、さらに悪化しました。美容師として働き始めてからは、毎日日付が変わってから帰宅するようになり、あまりの忙しさから、お昼ご飯は飲み込むようにして食べなければいけませんでした。

 気付けば唇からは体液がにじみ出て、首やおでこなど、いたるところが赤く炎症していました。ステロイドが効かずに、仕事に行くのが辛くて、泣きながら出勤する事もありました。
 手荒れで、ヒジまでびっしりと膿がたまり、お風呂に入ることもできずに、洗面台で母に頭を洗ってもらうこともありました。
 夜は皮膚が溶けてしまいそうなくらい痒くなり、疲れているのに眠ることさえできません。あまりの痒さに友人の話もまったく耳に入らず、仕事も、プライベートも、アトピーのことで頭の中がいっぱいになっていました。

 けっきょく、私は美容師をやめてしまいました。

 こんなに頑張っているのに、なんでいつも自分は報われないんだろう。
 どうしてきれいな肌で生まれなかったんだろう。
 なんで私はハンデばかりなんだろう。

 普通の生活さえできない自分がコンプレックスの塊で、つねに周りの人たちにイライラしていました。寝ている間に掻き傷ができるのがこわくて、夜がくるたびに泣いていました。
 海に誘われても我慢してきたし、旅行のときも、肌が気になって心から楽しめません。お風呂に入ったあとは、みんなの目を気にしながら、薬を塗っていました。

 病院に行っても、ステロイドを出されるだけで、何の説明もありません。
もうステロイドは塗りたくないと伝えても、「治らなくてもいいんですか?」と、あからさまに嫌な顔をされ、悔しさと怒りで胸がいっぱいでした。

 アトピーじゃない人へのうらやましさと、このままアトピーは一生治らないんだという不安で、生きていることへの関心もなくなっていきました。

一瞬で消えてしまいそうな小さな希望―

 そんなとき、一人暮らしをしていた兄が、久しぶりに実家に帰ってきました。私よりアトピーがひどかったはずなのに、なぜかとてもきれいな肌をしていました。そして、なんだか幸せそう。その時、私の中で小さな希望が生まれました。

 私もアトピーを治したい―

 一瞬で消えてしまいそうな、本当に小さな感情でした。

 それから兄に、どうやってアトピーを治したのかを聞き、それを実践するために、兄のアパートで一緒に暮らし始めました。

 兄がアトピーを治した方法は、化粧水も、保湿も、薬も、一切何も使わないで、体の治癒力だけでアトピーを治すという方法でした。

 わたしは「治癒力」が何かも分からないほど、自分の体にたいして鈍感でした。ステロイドだけではなく、保湿もやめるなんて、怖くてたまりません。当時の私にとっては、想像もつかないほど、衝撃的なアトピーの治し方でした。

アトピーを経験できてよかった―

 「できない!無理!」と泣きながらも、実践し始めて1年がたったころ、私のアトピーは驚くことにきれいに治っていました。
 薬や、保湿クリームなど、いっさい何も塗らなくても、アトピーが出てくることはありません。幼い頃から極度の乾燥肌でしたが、いまではお風呂上がりでさえも、化粧水などのスキンケアを使うことがないのです。それなのに、アトピーではない人に、「どんなスキンケアをしているんですか?」と聞かれることが多くあります。
 アトピーが治ってから、なんでも好きなことに挑戦できて、なんでも思った通りに、自由に行動する事ができるようになりました。

 そしてそれ以上に、アトピーが治るまでの1年の間に、私はたくさんの大切な「気付き」を得ることが出来ました。
 きついなと思うときでも、変わらず接してくれた友人達の優しさ。自分自身と向き合い、自分を大切に思うことの喜び。アトピーを治し始めてから、人生は驚くほどに、良い方向へと向かい始めたのです。

 アトピーを理由に、たくさんのことを諦め、たくさん我慢して、もう生きているのも嫌になって、いつ死んでも良いと思っていたのに。今では時間が足りないと思うくらいに、人生を楽しめるようになるとは思いもしませんでした。
 アトピーが治った今、私はアトピーを経験できてよかったと、心の底から思っています。

 次はこの本を手に取った、あなたの番です。
 1年後、あなたがアトピーを改善できた時、このバトンをアトピーで悩む人へとつないでください。

 目 次

生まれ変わりたい・・・
一瞬で消えてしまいそうな小さな希望―
アトピーを経験できてよかった―

1章、自分と向き合う

1、アトピーを改善する前に絶対にするべき一つのこと

「人に言いたいことが言えない。」

2、あなたのアトピーの原因を見つける最も簡単で効果的な方法

テレビを消して「無」の環境をつくる
アトピーの核を見つけるための3つのステップ
ステップ1、「過去」幼い頃に感じていた、不安や恐怖を書き出す
ステップ2、「現在」現在感じている不安や恐怖を書き出す
ステップ3、「未来」自分の理想像を思い描く
私の過去・現在・未来(書き方の具体的な例)

3、考え方のパターンに気付くとアトピーを早く改善できる

私のアトピーの核は、嫌われたくないという気持ちだった
マリリンモンローにあった悩みの核

2章、アトピーを改善するために―

1、「原因」と「要因」の違いを知ると無駄な努力をしなくなる

アトピーになる人とならない人の違い

2、アトピーを改善するための2つのアプローチ

3章、外側からのアプローチ

1、肌にはもともと奇跡の回復力がある―

肌がきれいになる仕組み①【天然のバリア機能】
肌がキレイになる仕組み②【新陳代謝】
理想はしっとりではなく、さらさらな肌

2、ステロイドとスキンケアがアトピーを治りにくくさせている

ステロイドの成分で肌が炎症する?
ステロイドが肌のバリアを破壊していく
化粧水が乾燥肌の原因になる
乳液は化粧水よりもやっかい
クリームはもともと肌を破壊するために作られた
洗顔やクレンジングがアトピーを進行させる
メイクをするならパウダー系に変える

3、薬や保湿をやめれば肌はキレイになっていく

脱ステロイドとは―
肌の乾燥こそ、新陳代謝が高まっている証拠
体液のかさぶたがあなたの皮膚を守ってくれる
肌がキレイになるまでの期間は1~2年が目安

4、ステロイドをやめるための2つの準備

準備1、家族・友達・恋人からの協力
準備2、あなた自身の心と体の準備
負担を軽くするための、かしこいステロイドの辞め方

5、スキンケアブームがアトピーに火をつけた

保湿をやめると肌はきれいになる
脱保湿で一生保湿のいらない美しい肌を手に入れる

6、皮膚改善の7つのサイン

4章、内側からのアプローチ

1、体の内側からアトピーを改善する

血の巡りを良くすることが大前提

2、いま口にしたものが明日のあなたをつくる

「消化」のエネルギーを「修復」のエネルギーへ
血液をサラサラにする食事の黄金比率
意識して生野菜を食べましょう
「一日三食」から早く抜け出して
体の中にある3つの時間と食事のリズム
◇朝の排泄の時間4:00~12:00
◇昼の消化の時間12:00~20:00
◇夜の修復の時間20:00~4:00
外食の際に気をつけたい2つの大切なこと

生活編

3、体の歪みとアトピーの関係

正しい姿勢をマスターするための2つのポイント
ポイント1:ヒザ立ちをすると一瞬で歪みがなおる
ポイント2:体を立てるために意識したい「3つの腔(クウ)」
◇「3つの腔」をたてると、スタイルまで美しくなれる
歩く時は「みぞおち」を意識する
「骨」で座ると自然と背筋が伸びる
寝返りが体の歪みを整える

4、体の硬さとアトピーの関係

「指の腹」を使って全身の血流を良くする
ひどい時は控えてください

5、体は動かさなければ働けない

効果抜群のスロージョギング
運動をすると毛細血管が増えていく

6、寝ている間の掻き傷が肌を強くする

ぐっすり眠るための3つのコツ
コツ1、硬めのマットを選ぶと寝返りを打ちやすくなる
コツ2、枕をやめると早くアトピーを改善できる
コツ3、しっかり眠りたいときは部屋を真っ暗にする

7、呼吸とアトピーの大きな関係

必殺!アトピーの改善を早めるための呼吸法

8、早く克服したいときは、お風呂に入らない

温めすぎると血流がわるくなる
頭と体はお湯洗いで充分

9、季節ごとの皮膚の特徴

《 春 》冬に溜まった老廃物をデトックスする
《 夏 》体の中が健康になっていく
《 秋 》代謝の落ちる冬に向けての準備
《 冬 》乾燥によって肌が生まれ変わる









5章、アトピーQ&A

1、紫外線対策はどうすればいいいの?

1、パウダータイプの紫外線散乱剤を選ぶ
2、30分以内のときは、帽子や日傘で対策する

2、肌に優しいメイク用品のおすすめを教えて

◇ファンデーション
◇アイカラー・チーク・アイライン・アイブロウ
◇マスカラ
◇リップカラー
おすすめのメイクブランド

4、感染症が心配・・・

3、漢方薬って結局どうなの?

最後に「どこまでいったら幸せ?」

「1章」自分と向き合う

1、アトピーを改善する前に絶対にするべき一つのこと

 もし、あなたが今日からアトピーを治そうと思うなら、その目標に見合った、大きな動機がなくてはなりません。
 テレビを見ながら、「アトピーをなおしたいなぁ」とつぶやいている程度の考えでは、今までの自分を変えることはできないからです。

 多くの場合人は、お尻に火がつかなければ立ち上がることのできない、「意思の弱い自分」と闘っています。「変わりたい」と思いながらも、心のどこかで今の暮らしを手放したくない、「私」がいるのです。
 これには理由があります。アトピーが治ったあとの人生を鮮明に想像できていないのです。

 たとえば、好きな人の気持ちを手に入れるため「だけ」に追いかけていると、手に入った瞬間に、その人にはまったく魅力を感じなくなった、というのはよく聞く話です。
 本当に幸せをつかむのは、「この人と一緒にいたら、こんな未来を築いていける」というリアルなイメージがあるからこそ、両思いになれた後も、幸せな2人でいることができるのです。

 これはアトピーの改善も同じです。「アトピーさえ治れば、幸せになれる」と思い、無理やり重い腰を持ち上げていても、あなた自身が苦しくなるだけです。ヒィヒィ言いながら頑張っても、アトピーが治ったあとには、そこには何もなかったという結末が待っています。

 けれど、アトピーを治したあとの、自分の人生について考えておくと、アトピーを治すのがワクワクと待ち遠しくなりますし、治ったあとの人生も、とても充実していて、心からの幸せを感じられるようになります。

 つまり、「アトピーを治すこと」を目標にするのではなく、あなたの「本当の目標」のために、アトピーを治すということです。アトピーを治すことを「おまけ」にする事で、「辛い。きつい。」と言ってアトピーに執着することなく、乗り越えられるようになります。

 アトピーを治すことは、あなたのメインイベントではありません。
 あなたが幸せな人生を、自分の足で自立して歩んでいくための、ほんのおまけなのです。

 あなたが幸せを感じられないのは、アトピーだからではなく、もっと深いところに、悩みの核になっているものがあるはずです。

「人に言いたいことが言えない。」

 アトピーの改善を始める前に、まずはあなたの本当の悩みの核を明確にしていく必要があります。

 例えば、本当は言いたい事があるのに、それを伝えることができないとき。
 想いをグッと溜め込んでいると、だんだんと本音が言えなくなります。そして、自分の意思で選択し、行動することができなくなっていきます。自分の気持ちや言葉に制限をかけ、それがストレスになり、アトピーの悪化となって表面に表われてくると、次第に問題がすり替わります。

 「アトピーを治さないと・・・」

 そのまま薬を塗ったり、保湿を頑張ってもアトピーは治りません。薬を辞めてもアトピーはなおりません。食事を変えても、運動をしても、デトックスをしても、どう頑張っても結果に結びつかないのです。

 たとえアトピーが治ったとしても、言いたいことが言えないままで、本当に幸せになれるのでしょうか?

 すべての症状には、必ず原因があります。その原因に対して正しく対処をすれば、アトピーはかならず良くなります。そのためにも、まずは何が原因でアトピーになったのかを、見極めることが大切です。

 アトピーは体からのSOSのサイン。そんなときこそ、自分を見つめなおすチャンスです。
 それをしないでアトピーを治そうと焦っても、かえって逆効果になってしまうことがあります。アトピーと向き合ってみて、そこにどんな意味が隠れているのかを、考えてみませんか。

2、あなたのアトピーの原因を見つける最も簡単で効果的な方法

 では、どのようにすれば、アトピーと向き合うことができるのでしょうか。アトピーの核の部分を見つけるには、まずは自分自身と向き合うことが大切です。そこで、私がアトピーを治す前に実際に行っていた、「自分との向き合い方」をご紹介します。

 過去の自分や、今の自分を振り返り、アトピーの核になっている部分を見つける方法です。
過去、現在、未来について、一冊のノートに書き記していきます。これをすべて一つの流れにしたとき、過去から未来までのあなたの人生が描かれた、一つの地図のようになります。

 なぜアトピーになってしまったのか。
 どうしてアトピーを治したいのか。

 この2つを明確にしておくことで、最後まで諦めることなく、強い気持ちを持ち続けることができます。その先に目標があるからこそ、つらい気持ちではなく、ワクワクした気持ちでアトピーを治すことができるのです。そして、なにより、アトピーがなおった後も、自分の目標に向かって、充実した幸せな人生を送ることができます。この時間を割くのは面倒のように思えて、じつはアトピー改善の一番の近道になります。ぜひ実践してみてください。

テレビを消して「無」の環境をつくる

 自分の心と向き合うために、まずは誰にも邪魔されない環境をつくります。

 私たちは毎日たくさんの情報の中で生きています。街を歩けばたくさんの人たちや広告があり、意識をしていなくても、それらは自然と視界に入ります。
 家に帰ればテレビで笑い、寝る直前まで携帯電話と見つめ合う毎日。職場や学校で嫌なことがあっても、とりあえず後回し。
 そんな毎日を送り続け、いつしかあなたは自分の感情さえも、分からなくなってはいないでしょうか。
 その感情に気付くことができなければ、あなたがお菓子をやめようと思っても、どうしてもストレスで食べてしまったり、生活を正そうと思っても、不安な気持ちで眠れなくなってしまうかもしれません。嫌な感情を後回しにしても、あとで首がしまるのは、あなた自身です。

 あなただけの地図を書くときは、テレビも音楽もつけずに、自分と向き合う時間をつくるようにしてください。そして、お気に入りのペンと紙を用意しましょう。そのほうが楽しんで書き進めることができます。

アトピーの核を見つけるための3つのステップ

 ノートには、3つのことを書きます。

 1、「過去」幼いころに感じていた、恐怖や不安
 2、「現在」現在感じている恐怖や不安
 3、「未来」未来のなりたい自分像

 このままだと分かりにくいので、私自身が書いたものを参考にしながら説明をしていきます。

ステップ1、「過去」幼い頃に感じていた、不安や恐怖を書き出す

 まずは過去の自分が、嫌だと感じていたこと、恐怖に感じていたこと、ストレスに感じていたことなどを書いていきます。良い子ぶらずに、汚い言葉でも良いので、思い切り書きなぐってください。途中で止まってしまったり、中途半端な文になっても良いです。始めのうちは、難しければ箇条書きにすると書きやすと思います。

ステップ2、「現在」現在感じている不安や恐怖を書き出す

 つぎは現在感じている不安、恐怖、改善したいところなどを書いていきます。
 これも良い子ぶって書くと、この作業は全てムダになってしまいます。醜い感情まですべて出し切ってください。おもいきりあなたの思いをぶつけましょう。

ステップ3、「未来」自分の理想像を思い描く

 もしあなたがアトピーではなくて、何でも出来るとしたら、あなたはどんなことをしたいですか?自分のなりたい理想像が叶ったかのように、書き進めてください。

書き方の具体的な例

 これから私が、アトピーの頃に書いていた、過去・現在・未来のノートを、そのままお見せします。私自身も、最初はなかなか思っていることが出てこなくて、3回も書き直しています。最初に書いたものから、3度目の紙まで、すべて包み隠さずに、書いた順にそれぞれ紹介します。
 同じような内容が出てきますが、それだけ何度も向き合ったんだなと、参考にしていただければと思います。

 正直、人に見せるようには書いていないので、乱文になったり、途中で話が大きく変わったりしていますが、「かたい決まりはないんだな~」という、一つの例にしてください。

 ※横書きなので見にくいと思いますが、それぞれ右側のページから読みすすめてください。

テイク1【過去】
テイク1【現在】
テイク1【未来】
テイク2【過去】
テイク2【過去】
テイク2【過去】
テイク2【過去~現在】
テイク3【過去】
テイク3【過去】
テイク3【過去】
テイク3【過去~現在】
テイク3【現在~未来】
感情的になりすぎて、私は「~しています。」という進行形では書けませんでした・・・

3、考え方のパターンに気付くとアトピーを早く改善できる

 過去・現在・未来をノートに書き写すことができたら、その言葉の中から、あなたの気になるキーワードを、色ペンで丸をつけていきましょう。
 この時点でアトピーの核になっている部分に気づけていない時は、そのキーワードに対して、一つ一つ、「どうしてそう思うの?」と自問自答してみてください。答えが出たら、また「どうして?」と聞いて、これを何度か繰り返します。

 たとえば、

 「人に嫌われたくない。」
 「どうして嫌われたくないの?」
 「独りぼっちになるから。」
 「どうして独りぼっちはだめなの?」
 「周りに人がいた方が幸せでしょ。」
 「どうして、周りに人がいれば幸せだと思うの?」
 「休みの日も楽しいし、にぎやかな方がいいから」
 「休みの日に人がいて、にぎやかだったら、本当に幸せになれるの?」
 「・・・・・・。」

 このように、物事と深く向き合う時、「どうしてそう思うのか?」という質問を10回ほど続けていくと、「物事の本質」にたどり着くといわれています。

 「人に嫌われたらダメだ」という感情を深くたどっていくと、その先には何もないときがあります。このとき、どうして自分は「人に嫌われたらいけない」という感情に、こんなにも執着していたんだろうと気付くことができます。
 そして、その執着がなくなったとき、今目の前にある世界は、すでに幸せで溢れていたことに気付けるかもしれません。

 あなたが作り出した幸せなイメージは、ただのイメージでしかありません。こうでなくちゃいけないと自分を制限するのは、とても疲れます。
 あなたが自分の考え方のクセに気付き、あなたの思い通りに行動できるようになれたとき、ものすごい勢いでアトピーは改善に向かうはずです。

私のアトピーの核は、嫌われたくないという気持ちだった

 こうして紙に書き写していくと、自分の見えていなかった感情に気付けるだけではなく、これからやらなくてはいけないことまで、たくさん見えてきます。

 例えば、私のアトピーの核になっていたのは、人に嫌われたくないという思いでした。
 言いたいことも言えずに良い人ぶって、ただ好かれることばかりを考えていました。性格も良くないし、顔もスタイルもイマイチ。とにかく自分のセルフイメージがとても低かったのです。外見を取り繕うことに必死で、心や体は、いつも置いてきぼりでした。

 こんな私が偶然アトピーを治すことができたとしても、本当に幸せになれたでしょうか。
 きっと今頃、またストレスを溜め込み、アトピーの再発を繰り返していたと思います。

 ノートに自分の人生を書き記すまで、この感情に気付くことすらできていませんでした。
 けれど、ノートに書き綴っている時に、どうして私はこんなに人の目ばかり気にして生きているんだろうと、とても不思議に思えてきたのです。

 このように、自分の事を客観的に見れたとき、初めて自分の見ている方向を正すべきだと気付くことができました。

 私が今、本当に乗り越えたいと思うことは、アトピーではありませんでした。
 自分自信の内面に自信をもつこと。そして、ありのままの自分を好きになりたかったのです。

 私がアトピーのうちに接して友達になれた人は、きっと私の「内面」を見てくれている人です。さらに、アトピーで外見がボロボロの間に、しっかりと内面を磨いておこうと開き直ることも出来ます。

 つまり私にとってアトピーは、「もっと内面にも意識を向けなよ」という、体からのアプローチだったんだなと思えたのです。

 例えば自分をシンデレラに例えるのもおもしろいですよね。
 シンデレラが、今までの困難を乗り越え、美しくなっていくように、自分の外見がボロボロになっているときに、あえて人と出会うようにして、日に日に美しくなっていく姿を見てもらうのは、なんだかワクワクするものです。

 そう思えたときに、ステロイドをやめてボロボロになることに、あまり恐怖をかんじなくなりました。人に嫌われることを恐れずに、自分は自分だと思えたことで、アトピーを治しやすくなったのです。

マリリンモンローにあった悩みの核

 マリリンモンローは、女優として成功し、富と名声を得ましたが、私生活では、孤独な人生を送っていました。数々の男性と付き合い、結婚、離婚を繰り返していました。彼女は、結婚して幸せな家庭を築きたいと思いながらも、それを実現する事ができなかったのです。
 何度も自殺を図り、アルコールにおぼれ、ついに36歳のときに、自宅で大量の睡眠薬を飲み、自殺しているのを発見されました。

 「愛は永遠ではない。失われるものだ。」

 これが、彼女が持っていた考え方の癖です。「愛は永遠ではない」と信じていたので、相手と親密になっていくのが、彼女にとってはとても怖かったのです。結果的に、彼女は愛を失いたくないと思いながらも、愛を失い続けてきました。

 これはアトピーの改善にもよく似ています。「アトピーは治らないかもしれない」と心の中で思っていると、アトピーが順調に治っていても、自分の体のことを信じることができなくなります。いつしか不安は大きくなり、それがストレスになってしまい、なかなかアトピーはよくなりません。

 もし、マリリンモンローが、「愛は失われるものばかりではない」ということに気付けていれば、相手と親密になれることに素直に幸せを感じ、末永く愛しあえる未来もあったはずです。

 もし、あなたが、「アトピーは治るものだ」と信じる事ができれば、その時々の症状に踊らされることなく、自信をもってアトピーを改善する事ができます。

 せっかくのあなたの努力をムダにしないためにも、「もしかしたら治らないかもしれない」という不安はこの際忘れてしまいましょう。

2章、アトピーを改善するために―

1、「原因」と「要因」の違いを知ると無駄な努力をしなくなる

 体に起こる症状には、かならず「要因」と「原因」があります。
 「要因」とは、アトピーに繋がると考えられる全てのことをさします。そして「原因」とは、要因の中から、実際にあなたのアトピーと直接関係していることをさします。

 つまり、世の中の至る所で言われているアトピーの原因とは、すべて要因のことであり、そのすべてがあなたのアトピーに直接関係しているという訳ではありません。
 もちろん、全て実践できるのであれば体にはいいですし、数うてばあたるという意味では、アトピーを治しやすくなるかもしれません。
 けれど、今まで長年続けてきた習慣を変えることは、そう簡単なことではありませんよね。まじめな方であれば、完璧にこなそうと思うかもしれませんが、それ自体がストレスになり、逆効果になってしまうこともあります。

 アトピーは、自分に関係している「原因」の部分を自覚して、改善していくだけでも、大きな効果を得られます。むやみやたらにたくさんのことを改善して、大変な思いをしなくてもいいのです。

 けれど、最初のうちは自分のアトピーの原因が、何かを判断しにくいこともありますよね。そういう意味では、一度試してみて、しっくりこなければいさぎよく辞める、ということを繰り返し、自分自身で判断できる力をつけていくのも良いと思います。

 今ではインターネットがあるのが当たり前で、いつでもどこでも情報を手に入れることができる、便利な世の中になりました。そしてこれからは、情報を選ぶ時代がやってきます。質の良い情報を見極め、本当に必要なものだけを選び抜く力が試されているのです。

 情報に流されてばかりいれば、真の健康を手に入れることはできません。
 自分にとって、その情報は「いる」のか「いらない」のか。「大切」なのか「大切じゃない」のか。自分と向き合うことのできたあなたなら、前よりは判断がしやすくなっているはずです。自分の体で経験しながら、見極めていきましょう。


アトピーになる人とならない人の違い

 アトピーはとても苦しいです。死ねないのに、死にたくなるほど辛い症状です。「どうして自分だけ?」と思うこともあるかもしれません。

 しかし、体はあなたに悪さをしているわけではありません。このまま生活していくと、体が危険だよと、アトピーとしてお知らせしているのです。

 同じような生活をしていても、アトピーにならない人もいます。そういう人は、もしかしたら10年後にガンになって、体の不調が表われるかもしれませんし、もしくは、病気にはならなくても、肌も髪もボロボロで、体型もくずれ、激しく老化しているかもしれません。

 あなたは偶然アトピーとして出ているだけで、他の人は他の人なりに、別の不調として表われているものです。
 ここでアトピーを改善できれば、あなたはガンで闘病生活をすることもなく、いつまでも健康的でいられ、大切な人たちとかけがえのない時間をすごせます。健康面だけではなく、いつまでも若々しい肌でいることができ、周りの人たちは羨ましがることでしょう。

 ここであなたがアトピーを克服するために時間を使うことは、決してマイナスにはなりません。
 1年後、アトピーを経験できてよかったと思える日は必ず来ます。

2、アトピーを改善するための2つのアプローチ

 アトピーの要因は、大きく分けて2つあります。それは、内側からの要因と、外側からの要因です。

 「外側からの要因」とは、ステロイドや、化粧水、スキンケア用品などによる、肌への影響の事を言います。肌のためだと思っていたスキンケアが逆効果になり、アトピーを進行させたり、治りを遅らせてしまうことがあります。スキンケアをやめて、肌本来の「回復力」を使って、アトピーを改善していきます。

 そして、「内側からの要因」とは、食事、生活、心の影響です。偏った食生活や、不規則な生活習慣などで体の機能が低下していると、強くて丈夫な皮膚が作れなくなっていきます。さらに、ストレスが体の働きに影響していると、なかなかアトピーは治りません。
 体の内側の原因を改善することで、健康で丈夫な肌を作っていく事が大切です。

 この2つの面から体にアプローチをしていくことで、アトピーを少しでも早く、確実に改善することができます。

 皮膚は内側から作られています。なので、強くて健康的な皮膚を作るには、内側からのアプローチが必要です。どれだけ外側から薬を塗ったり保湿をしていても、皮膚を作っている内側の状態が悪ければ、きれいな皮膚に生まれ変わることができないからです。

その反対も同じです。いくら内側ばかりを改善していても、ステロイドを塗ったり、保湿を続けていれば、アトピーはなかなかキレイに治りません。それは、薬や保湿剤には、皮膚の生まれ変わりを妨げてしまう、「ある働き」があるからです。これについては後ほど詳しくご説明します。

 薬を辞めて、肌本来の力を回復させること。
 健康になり、体の内側から強い皮膚を育てること。

肌を強く、キレイにするための秘訣は、どちらか一方に偏らずに、この2つの面をバランスよく改善していくことが大切です。

3章、外側からのアプローチ

1、肌にはもともと奇跡の回復力がある―

 肌にはもともと、肌をきれいにしようとする働きがあります。転んで傷ができても、いつの間にか傷がふさがっているように、あなたの体は、いつでもあなたの体を治そうと働いているのです。このように、傷ついた肌を修復したり、「古くなった皮膚」が「新しい皮膚」に生まれ変わる働きのことを、「新陳代謝」といいます。

 しかし、アトピーを良くするために使われているステロイドや、保湿剤、化粧水、クリームなどは、この新陳代謝の働きを低下させ、アトピーの治りを遅くしてしまうことがあります。

 あなたにも、こんな経験はありませんか?

 ステロイドを塗っていても、効果があるのは一時的で、アトピーが治っている感じがしない。
 保湿をしても、時間がたつと乾燥してガサガサになってしまう。
 スキンケアを頑張っているのに、長い間アトピーが治らない。

 このことからも分かるように、ステロイドや、保湿をしていても、アトピーを治すことはできません。

 外側からのアプローチでは、薬や保湿などをやめて、肌本来の回復力を高めて、アトピーを改善していきます。

 私自身も、薬や保湿をやめることで、アトピーの傷跡を残すことなく、きれいに改善する事ができました。さらに、幼い頃から極度の乾燥肌でもありましたが、今では保湿をしなくても、自然と肌が潤います。

 じつは、肌にはもともと、肌をきれいにするための「2つの仕組み」があり、この2つの仕組みを活性化することで、アトピーはもちろん、乾燥肌まで改善する事ができます。まずは、その2つの仕組みについて見ていきましょう。

肌がきれいになる仕組み①【天然のバリア機能】

 肌にはもともと、肌を守るための「バリア機能」があります。このバリア機能のおかげで、皮膚の水分の蒸発を防ぎ、外部からの化学物質の侵入を防ぐことができます。

 肌が丈夫で美しい人ほど、このバリア機能は分厚く、しっかりとしています。
 このすばらしいバリア機能は、何でできているのでしょうか?
 じつは、「水」と「脂」でできた細胞が、「レンガ」のように組み合わさってつくられています。レンガの部分は、「水溶性」の細胞でできていて、そのレンガとレンガをつなぎ合わせる部分は、「脂溶性」の細胞でできています。

 この水と脂の、相反する性質をもった細胞が積み重なることで、強くて頑丈なバリアが作られているのです。
 そう聞くと、アトピーの人は、バリア機能が生まれつき弱かったのだと、諦めてしまいそうにもなります。けれど、このバリア機能は、あなた次第で、薄くしたり、分厚くする事ができます。
 つまり、今からでも充分、バリア機能を分厚くする事ができるということです。そのためには、肌がもともと持っている、新陳代謝という働きを利用します。

肌がキレイになる仕組み②【新陳代謝】

 転んで擦り傷ができたとき、1週間もすれば傷が自然と治っていくのには、肌の「新陳代謝」の働きが関係しています。
 新陳代謝とは、体がもともともっている、肌の回復力のことを言います。

 皮膚は何層にも重なってできています。肌の奥底でうまれた「新しい皮膚細胞」は、日に日に肌の表面へと押し上げられていき、28日ほどかけて表面にたどり着きます。じつは、この表面に出てきた皮膚の細胞が、先ほどご説明した「バリア機能」です。このように、皮膚には28日分にもなる分厚さがあるのです。

 赤ちゃん細胞として生まれたころは、まだ弱々しく、バリア機能としては頼りない状態です。その細胞は、24日ほどかけて皮膚の表面まで押しあげられて強く成長し、その後3~4日のあいだ肌を守り、役目を終えると垢(アカ)として剥がれ落ちていきます。

 その剥がれ落ちたのを合図にして、また新しく皮膚細胞をつくるようにと、肌の奥底に指令が行くようになっているわけです。この一連の肌の生まれ変わりの流れのことを、新陳代謝と呼びます。

 この新陳代謝の力を最大限に活用することで、肌はきれいに生まれ変わり、アトピーをきれいに改善する事ができるのです。











理想はしっとりではなく、さらさらな肌

 突然ですが、あなたはしっとりモチモチとした肌を目指してはいないでしょうか?
 テレビに出ている女優さんは、みんな光輝き、しっとりとした肌をしていますよね。けれど、赤ちゃんを見てみると、肌がしっとりしている子は一人もいません。サラサラとしているか、少し乾燥している子もいるほどです。そう考えてみると、しっとりした肌ってとても不自然ですよね。

 先ほど新陳代謝の話をしました。じつは、乾燥肌のように、皮膚がめくれているような状態は、まさに新陳代謝が活発に働いている状態なのです。

 皮膚のバリア機能は、空気に触れることで乾燥し、自然と剥がれ落ちる仕組みになっています。その下からは、スタンバイしていた新しい皮膚が顔を出し、再びバリア機能となりあなたの事を守ります。

 ようするに、肌の乾燥があるからこそ、古くなった細胞を脱ぎ捨てることができ、新しい皮膚に生まれ変わることができるのです。

 けれど、想像してみてください。いつでもしっとりと肌を保湿させていれば、あなたの肌は、いつ生まれ変わることが出来るのでしょうか?薬や保湿剤でベタベタにしていれば、古い皮膚ははがれにくくなり、新陳代謝は低下していきます。

 肌をキレイにするために大切なのは、古い皮膚をいつまでも貼り付けておくことではありません。むしろ、乾燥させて、はやく新しい皮膚を迎え入れてあげることこそ、肌をきれいにするためには欠かせないのです。

 美しい肌になるための本当の理想とは、しっとりよりも、乾燥の一歩手前のような、さらさらとした肌です。

2、「ステロイド」と「スキンケア」がアトピーを治りにくくさせている

 肌には本来キレイになるための働きがあるのに、なぜいつまでたってもアトピーは治らないのでしょうか。
 じつは、アトピーを治すために使われている、ステロイドや、化粧水、保湿クリームなどのスキンケアには、肌の新陳代謝を低下させてしまう力があります。

ステロイドの成分で肌が炎症する?

 アトピーについて、よく調べている人であれば、ステロイドはやめたほうがいいという認識があると思います。私も、その意見には賛成ですし、事実、ステロイドをやめてから、きれいさっぱりアトピーとはさよならする事ができました。

 ステロイドが否定されているのには、二つの大きな理由があります。
 一つ目は、ステロイドの成分による、炎症の進行です。
 ステロイドは、体内で炎症や痒みを抑えるのに活躍した後、“酸化コレステロール”というカスになります。じつはこの酸化コレステロール自体が、炎症を引き起こす起炎物質になると言われています。
 ステロイドを塗っている時は落ち着くのですが、長期間使用をすることで、肌には酸化コレステロールがたまり、さらなる炎症を誘発させることがあるようです。

ステロイドが肌のバリアを破壊していく

 そしてもう一つは、ステロイドによって、肌のバリア機能を破壊してしまうことにあります。
 ステロイドを肌に浸透させるためには、まずは肌のバリア機能を壊さなくてはいけません。そうすることで、炎症をおさえる成分を肌の中へと浸透させることができるからです。

 実際に、肌に塗るクリームなどは、皮膚科で薬を浸透させるために発明されました。薬を内部まで浸透させるために、クリームで肌のバリアを壊す必要があったのです。
 はじめのうちは効き目があるので症状もおさまるのですが、何度も肌のバリア機能を破壊してしまうことで、血管が透けて見えるほど、皮膚が薄くなってしまう人もいます。

 では、ステロイドをやめるとアトピーは治るのか、というと話は変わります。たしかに、ステロイドをやめれば、ステロイドによる害を抑えることはできますが、もともとのアトピーの原因を改善できているわけではありません。
 ステロイドをやめたら、今度はもともとのアトピーの原因を改善していくことが大切です。これについては、後半の、「外側からのアプローチ」でご説明します。

化粧水が乾燥肌の原因になる

 化粧水を塗っているときは、肌が潤い、乾燥しなくなるのでとても安心しますよね。ずっと手放せない人もいるのではないでしょうか。

 たしかに化粧水をつけた時は、乾燥による痛みや、痒みがおさまります。けれど、化粧水と肌の潤いは全くの別物であり、塗れば塗るほど肌本来の水分が蒸発してしまい、より乾燥肌になっていきます。

 化粧水は成分の9割が水でできています。その水分が蒸発すると同時に、肌の表面の角質も一緒にめくれ上がり、その隙間から肌本来の水分までも、蒸発させてしまうのです。
 これは、化粧品会社も主張しています。だからこそ、水分が蒸発しないように、乳液を塗りましょうとアピールしていますよね。

 そこで最近では、蒸発をしないようにジェルタイプの化粧水も出てきました。
 けれど、とろみのある化粧水は、シンプルな化粧水のときよりも、肌についている時間が長いので、その時間の分だけ肌の水分を蒸発させてしまうことになります。

 さらに、化粧水の水分が蒸発した後に、保湿成分である「油分」が肌の上に残ると、紫外線と反応して、肌を酸化させしまうことがあります。
 これはいくら自然由来のものでできていても、油が酸化するという性質は変わることなく、肌にも悪影響を与えます。肌が酸化すると、アトピーだけではなく、肌荒れや老化の原因にもなります。

 本当の肌の潤いとは、化粧水で補うものではなく、肌の内側にあります。肌バリアを守り、肌本来の潤いを逃がさないことこそ、肌の本当の潤いにつながるのです。

乳液は化粧水よりもやっかい

 乳液は、化粧水の蒸発を防ぐために作られました。なので、化粧水と乳液を併用すれば、肌に良いのではないかと思うかもしれません。けれど乳液には、肌のバリア機能を壊す性質をもった「界面活性剤」が入っています。

 界面活性剤は、化粧品の成分である「水」と「油」をキレイに混ぜ合わせるために使われています。この界面活性剤の性質は、あなたの肌の、「水」と「脂」の細胞にまで影響してしまうのです。

 例えば、食器洗い洗剤を使うと、手がガサガサするのを感じることはないでしょうか。これは、油汚れと一緒に、あなたの肌にある脂溶性の細胞まで奪われ、それと同時に、水分が蒸発しているからです。洗剤はまさに、界面活性剤が主成分でできています。

 界面活性剤が配合されている乳液は、例えるのであれば、洗剤を薄めて毎日顔に塗り続けているのと同じことです。少しずつ肌のバリア機能は破壊され、新陳代謝の働きも弱くなります。

 乳液はとろみがあり、肌に良さそうなイメージがありますが、じつは化粧水よりも乳液の方が肌への影響力は大きいのです。




クリームはもともと肌を破壊するために作られた

 クリームは、乳液を塗ったあとに、肌を保湿するために使用されます。けれど、その効果は一時的で、じっさいに乾燥肌やアトピーが治ることはありません。

 クリームは、皮膚科で使われるために発明されました。じつは、クリームの成分にも水と油が入っていて、それらを混ぜ合わせるために、界面活性剤が使われています。
 界面活性剤の「水」と「油」を混ぜ合わせる働きで、肌バリアを壊し、薬を浸透させるためです。薬って、とても効き目がありますよね。ステロイドをぬれば、一瞬で肌はキレイになります。しかし、それこそ肌のバリア機能を壊している証拠といえます。

 これは薬だけに限らず、すべての保湿クリームにも当てはまります。クリームを塗っているときは潤ったように感じるのですが、それは大きな勘違いです。
 保湿クリームを毎日塗り続けることで、肌バリアを破壊してしまう上に、肌の表面がしっとりしてしまい、新陳代謝の働きをジャマします。アトピーを改善したいと思っている人にとって、保湿で新陳代謝の働きをジャマしてしまうのは逆効果です。

洗顔やクレンジングはアトピーの元

 洗顔やクレンジングの主成分は、界面活性剤です。
 これは、油性の汚れを落とすのに、とても効果があります。油性の汚れとは、皮脂や、メイク、排気ガスなどの汚れです。

 界面活性剤でできている洗顔やクレンジングは、食器洗い洗剤と全く同じ働きをします。パッケージでかわいらしくなっていますが、中身は食器洗い洗剤とほとんど同じなのです。
 それを使って毎日ゴシゴシと体を洗っているうちに、バリア機能は破壊され、肌の潤いもなくなっていきます。

 本来なら、皮脂の汚れは洗顔を使わなくても、体温以上のお湯で落とすことができます。一日中外にいる人であれば、排気ガスの汚れが気になるかもしれませんが、室内にいる時間の方が長い人たちが、毎日洗顔をする必要があるのでしょうか。

 スキンケアをやめて肌がキレイにさえなれば、ファンデーションはいらなくなり、クレンジングや洗顔をする必要もなくなります。
 けれど私たちは、洗顔やクレンジングをして肌を傷つけ、それを隠すためにファンデーションを使うのです。これってとても悪循環になってはいないでしょうか?

メイクをするならパウダー系に変える

 スキンケアの悪循環から抜け出すためにおすすめなのが、ファンデーションやアイカラーなどの化粧品を、パウダー系に変えることです。

 化粧品には油分が配合されているものが多く、それを落とすためには、クレンジングや洗顔が必要になります。さらに、ほとんどの化粧品には界面活性剤が含まれています。それをスポンジなどでゴシゴシこすって塗っていれば、肌のバリアは傷つき、新陳代謝の働きを邪魔してしまいます。

 メイクをする時は、界面活性剤が入っていない上に、お湯だけで落とすことのできる、パウダー系がおすすめです。パウダー系の化粧品には、自然界に存在するミネラルを100%使用しているものがあります。成分がとてもシンプルで肌にも優しいです。
 マスカラも、お湯だけで落とせるものが出ていますし、使用感も普通のものと変わりません。

 メイクをすべてお湯だけで落とせるものに変えれば、洗顔やクレンジングをする必要もありませんよね。洗顔やクレンジングをやめることができれば、肌が乾燥することがないので、化粧水もいらなくなります。化粧水をつけなければ、乳液やクリームも必要ありません。

 一つやめると、連鎖反応のように、必要だったものがいらなくなり、肌までキレイにすることができるのです。

3、薬や保湿をやめれば肌はキレイになっていく

 あなたの体のほとんどが、1年後には新しく生まれ変わっている事をご存知ですか?
 私達の体は約60兆個もの細胞が集合してできています。その細胞も、肌の新陳代謝と同じように、古い細胞から、新しい細胞へと、新しく生まれ変わっているのです。

 たとえば、胃の内壁は5日ごとに新しくなり、動脈は2~3週間、脂肪組織は3~4週間、骨でさえも、6ヶ月~1年ですべてが新しく生まれ変わっています。

 このように、ほんの一部をのぞいて、体は常に入れ替わっています。ようするに、あなたの体は1年もたてば、物質的にはほとんど別人です。

 けれど、なぜあなたの肌はいつまでたってもキレイになることがないのでしょうか。ここに、最初にお伝えした、外側と内側の2つのアプローチが関係してくるのです。

 外側から薬を塗ったり保湿をする事で、肌のバリアは壊れてしまい、新陳代謝は低下していきます。さらに、不規則な生活や、偏った食生活、ストレスなどの内側からの要因で、強くて健康的な皮膚を作れなくなっていれば、アトピーは治るどころか、悪化していくのは想像がつきますよね。

 本当にあなたのするべきことは、ステロイドを塗りつづけることなのでしょうか?きっとあなたもその違和感に気づき、この本を手にとってくれていると思います。あなたに本当に必要なのは、「薬」と「保湿」をやめることです。肌を壊し、新陳代謝を低下させてしまう原因を取り除くのです。そして、体を健康にすることで、強くて丈夫な肌を内側から育てることができます。

 このように、薬やステロイドを辞めて、肌本来の治癒力を高めていく事を、「脱ステロイド」「脱保湿」といいます。

脱ステロイドとは―

 ステロイドをやめると、あなたの肌を保っていたものがなくなるので、一気にアトピーの症状が出てきます。皮膚は赤く炎症し、体液が溢れ、猛烈なかゆさに襲われます。この苦しさに耐えられず、途中で諦めてしまう人も少なくありません。

 けれど、これらの症状は、あなたを苦しめようとして出ているわけではありません。むしろ、その反対です。
 あまりにも弱っている皮膚を、強く生まれ変わらせようとするために、新陳代謝が活発になっている状態なのです。

肌の乾燥こそ、新陳代謝が高まっている証拠

 肌が乾燥すると、古い皮膚が剥がれ落ち、新しい皮膚が下から顔を出します。
 この生まれ変わりを繰り返していくうちに、弱かった皮膚が、強くて健康的な肌に回復していきます。

 ようするに、激しく乾燥するのは、古い皮膚から、新しい皮膚へと生まれかわるための大切な作業なのです。次第に、皮膚は分厚くなり、本来もっていたはずの潤いがよみがえっていきます。肌が乾燥する事もなくなり、痒みを感じなくなるのです。

体液のかさぶたがあなたの皮膚を守ってくれる

 体液が出てきたとき、洗い流さずにそのまま乾燥させたことはありますか?

 じつは、体液は、乾燥させてかさぶたのようにすると、下の皮膚が強く育つまでの間、肌を守るバンソウコウのような働きをしてくれます。そして、そのかさぶたが自然と剥がれ落ちた時、その下からは強くて新しい皮膚が表われるのです。

 けれど、あなたに掻いてもらわないと、体液は出てきませんよね。つまり、痒くなるのも、体液を出してアトピーを改善するための、一つの反応なのです。

 炎症や乾燥は、肌があなたのアトピーを治そうとしている証拠です。悪化ではなく、良い方向へ進んでいる真っ最中なのです。
 ステロイドをやめた時、やっぱりアトピーは治らないんだと落ち込むことなく、「この症状は、肌が私のために生まれ変わろうとしてくれているんだ」と受け入れることで、大きな自信になっていきます。

肌がキレイになるまでの期間は1~2年が目安

 ステロイドを使用していた期間が長い人ほど、肌の生まれ変わりも、長くかかります。
 28日周期の新陳代謝を何度も繰り返しながら、少しずつしか肌を強くすることができないからです。

 アトピーの期間が長い人や、ランクの強いステロイドを使用していた人は、肌が正常に戻るまでには少し時間がかかります。アトピーの症状が消えて、完全に乾燥さえもしなくなるまでは、2年ほどかかることもあります。けれど、軽い症状だったり、ステロイドを頻繁に使っていなかった人であれば、1年で改善できることが多いです。

 長いように感じますが、これは、完全にキレイになるまでの期間です。赤く炎症し、体液が溢れてくるのは、約半年ほどでおさまる人もたくさんいます。

 私自身は、1年でアトピーの症状は消えましたが、それから半年ほどは、ごくまれにですが乾燥する事がありました。けれど、それを乗り越えてからは乾燥する事もなく、今では普通の人以上にきれいな肌をしていると自負しています。

4、ステロイドをやめるための2つの準備

 ステロイドの害についてはお話してきた通りですが、何の準備もなく急にやめてしまうのは、あまりおすすめしません。今まで抑えられていた症状が一気に出てきて、あまりの辛さに耐えられなくなるかもしれないからです。

 そこで、ステロイドをやめる前に行ってほしい、2つの準備をご説明します。ステロイドのリバウンド症状が軽くなり、さらに期間を短くできる方法です。

準備1、家族・友達・恋人からの協力

 脱ステロイドを始めるには、まず周りの環境を整えることが大切です。症状が一気に出てきたときに大きな壁になるのが、家族や友人などの、周りにいる人たちの言葉が大きく影響してくるからです。

 あなたのボロボロになっていく姿を見て、『ステロイド塗ったほうがいいんじゃない?』『病院で診てもらったら?』と心配させてしまうことがあります。ただでさえ、自分の体だけでも精一杯の状態なのに、相手を傷つけないように断るのは本当に胸が痛みます。

 ステロイドのリバウンドを乗り越えるためには、あなたの強い意志が必要です。あなたの心が折れてしまいそうなとき、家族や友人など、身近な人達からの支えと協力は本当に有難いものです。

 だからこそ、大切な家族や友達、恋人には、脱ステロイドを始める前に、

 ・自分は変わりたいと思っていること
 ・これから自分は何を始めるのか(食事法や生活習慣など)
 ・ボロボロになっても、何も言わずに信じて支えて欲しい
 
 ということを理解してもらうことが大切になります。
 あなたが脱ステロイドを成功させるためにも絶対に省きたくないことです。

 学生であれば、夏休みなどの長期の休みを使ったり、社会人であれば、有給休暇や長めに休みが取れるときに実践すると、スタートしやすいと思います。

準備2、あなた自身の心と体の準備

 ステロイドをやめる時は、少しでも体を健康な状態に近づけておくことが大切です。丈夫な皮膚を作れるくらいに、体のコンディションを整えてからステロイドを減らしていきます。
 まだ体が万全の状態でないうちから急にやめてしまうと、体に大きな負担をかけることになります。避けられるリスクはできるだけ避けていきましょう。

 特に大切なのが、食事・睡眠・運動の3つです。当たり前のことですが、この当たり前の生活をきちんとこなせる人はとても少ないものです。

 脱ステロイドを始める前に、あなたの体の準備を万全にしておくことで、自分を追い詰めることなく、リバウンド症状を軽くする事ができます。あなたがこの準備をどれだけ大切に行ってきたかで、リバウンドの症状が大きく左右されるのです。まだ薬を塗っているからと安心することなく、真剣に体作りに取り組んでみてください。

負担を軽くするための、かしこいステロイドの辞め方

 まず今使用しているステロイドのランク(強さ)をチェックをしてみましょう。(次ページの図・参照)

 ステロイドのランクが強ければ、まずは病院でステロイドのランクが低いものを処方してもらうことをおすすめします。
 そして、食事や生活習慣の改善で、体の準備が整ってきているのを感じたら、塗る間隔を徐々に広げていきます。1日1回塗っていたのなら、2日に1回に減らしてみる。調子がよさそうなら次は3日に1回・・・このようにどんどん間隔を広げていきます。

 ただ、まったくリバウンドを体験せずにステロイドをやめることはできません。体液が出てきて、体も猛烈に痒くなります。しかしこれらの症状は、アトピーを改善するための、大切な反応です。弱っていた皮膚をどんどん脱皮させて、強くて健康的な皮膚に生まれ変わろうとしているのです。
 焦ってステロイドに戻ることなく、少しずつあなたのペースでいいので、薬を手放していきましょう。

 ステロイドを完全にやめるまでは、長くても半年が目安です。それ以上続けていれば、ステロイドの害がどんどん蓄積されていきます。
 アトピーの症状が軽い時や、ステロイドのランクが低い時、また、早くやめたいという思いが強い時は、今すぐやめてもいいですし、1ヶ月くらいでも十分です。体の症状や、あなたの気持ちに合わせて間隔を広げてみて下さい。

5、スキンケアブームがアトピーに火をつけた

 ステロイドをやめたのに、何年もアトピーがなおらない人がいます。よく話を聞いてみると、「保湿だけはやめることができずに、ずっと続けている。」ということがあります。
 たしかに、保湿を手放すことはとても勇気がいりますよね。私自身も、保湿をやめる決心ができるまで、とても時間がかかりました。

 しかし、保湿をしていると肌が潤ってしまうので、古い皮膚を脱ぎ捨てることができません。つまり、新陳代謝の邪魔をしてしまうのです。さらに、化粧品の成分で、バリア機能を壊し続けていれば、肌の乾燥は永遠に続きます。

 アトピーが治ったと思っても、肌の赤黒さが残っている人は、完全に肌が回復しきれていないからです。ステロイドをやめてアトピーを治せていても、保湿で新陳代謝の邪魔をしていれば、肌が完全に復活する事はありません。つまり、症状が落ち着いただけで、アトピーは治っていないということです。

 それなのになぜ、世の中ではスキンケアをするという概念が重要視されているのでしょうか。

 じつは保湿をする考え方は、もともとはヨーロッパから伝わりました。ヨーロッパは、空気が乾燥しているので、それをしのぐための方法だったのです。そして、洋服が流行り始めた頃と同じように、スキンケアという概念も日本に持ち込まれました。
 けれど、日本はヨーロッパほど乾燥をしていません。むしろ、高温多湿といわれるほど湿度が高いので、本来なら保湿をする必要はないのです。アトピーが流行りだしたのも、スキンケアブームが始まった頃だといわれています。







保湿をやめると肌はきれいになる

 私たちに必要なのは、スキンケアを続けることではありません。むしろ、スキンケアをやめて、肌本来の機能を回復させることではないでしょうか。肌の乾燥は、そのまま最後まで脱皮させてあげることで、きれいな肌に再生する事ができます。

 保湿をやめて、新陳代謝を活発にすれば、生まれつきの乾燥肌さえも改善することができます。保湿をやめてから、赤黒く残っていたアトピーの跡が消えたという例はとても多いです。

 けれど、今までしっかりと保湿をしていた人ほど、保湿をやめた直後に、肌が乾燥しはじめます。薬やスキンケアの害で弱くなっている肌が、一気に生まれ変わろうとするためです。乾燥がおさまり、肌が潤うようになるまでの目安は、半年から1年ほどかかります。
 しかし、その後は一生保湿をする必要のない、強くてたくましい肌が手に入るのです。

脱保湿で一生保湿のいらない美しい肌を手に入れる

 脱保湿をはじめると、「どれくらいでスキンケアを再開させてもいいの?」という疑問が出てきます。
 けれど、たくましく回復した肌に、スキンケアはもう必要ありません。保湿による害を避けることができるので、肌のキメが整い、肌トラブルさえもなくなります。

 「乾燥肌は生まれつきの体質だから、ずっと治らない」と思っている人もいます。けれど、これは大きな間違いです。
 赤ちゃんは、羊水の中から外の世界に出てきたとき、お腹の中で守られていた環境からは大きく変化するので、はじめは空気でさえも刺激になります。赤ちゃんの頃の乾燥やアトピーは、外の世界に対応するために、肌を強くしようとする大切な反応でもあるのです。

 けれど、乾燥やアトピーを異常だと思い、保湿をしたり、薬を塗って対処をしてしまうことで、いつまでたっても肌は強くならず、乾燥肌やアトピーを進行させてしまうことになります。

 体はもともと、生まれつきの肌の乾燥や、アトピーさえも治す力を持っています。保湿をやめて、新陳代謝の働きを繰り返すことで、乾燥肌やアトピーは最後まできれいに改善できるのです。

 保湿をやめて、せっかくキレイになった肌を、わざわざもう一度保湿する必要はありません。保湿をやめて10年後、アトピーではない人と比べても、その違いは一目瞭然だと分かるはずです。

6、皮膚改善の7つのサイン

 アトピーを改善している時は、症状の変化が気になり、もうすぐ治るのか、それとも悪化しているのかと、とても不安になります。

 けれど、アトピー治療中、症状が悪化しているように見えて、じつはよい方向に向かっていることもあります。皮膚の変化に気付くことは、今までの治療の辛さや症状の苦しさに耐える、大きな支えになってくれるはずです。

 そこで、丹羽クリニックの丹羽正幸先生の提唱している、「皮膚の改善の7つのサイン」をご紹介します。私もこれに近い状態で改善され、強い心の支えになりました。


①皮膚の色が変わってくる
 辛いリバウンドを乗り越え、今まで紫色だった皮膚がピンクがかった赤に変わってきます。

②傷が治りやすくなる
 皮膚の表面は体液で湿っていて、少し掻くだけで傷がつきますが、その傷が以前と比べて治りやすくなっているはずです。

③傷ができにくくなる
 掻いても傷がつきにくくなります。
 ・朝起きても、傷が増えていない。
 ・深い傷ができにくくなった。
 そう感じるようになれば、皮膚は確実に丈夫になってきています。

④粉が落ちるように細かい皮膚がむける
 粉のように細かい皮膚がボロボロとめくれてきます。正常な皮膚の厚さになるまで、この状態がずっと続きます。見栄えは悪いですが、以前のように血が出たり、体液が出ることがなく、常に乾燥している状態です。
 ステロイドによるダメージが大きかった皮膚ほど、皮膚がむける期間が長くなります。

⑤皮膚がブツブツしてくる
 鳥肌がたったように毛穴が浮いてきます。また湿疹ができたと勘違いする人もいますが、以前に比べて皮膚がしっかりしてきたのが分かるはずです。

⑥チクチクするような痛みを感じる
 皮膚感覚が正常になろうとしているサインです。痒いような痛いような複雑な感じです。痒さが変わるのは神経が再生し始めて、皮膚感覚が敏感になってきた証拠です。

⑦汗をかいても不快に感じない
 今までは、少しの汗でもベタベタとして痒くて不快だったのに、心地よいさらさらの汗に変わります。

 必ずこのように回復していくというものではありませんが、私はこれにほぼ近い状態で治っていき、とても励まされました。

 もちろん、治る速度は人によって違います。今までのアトピーの期間や、ステロイドの強さなど、人それぞれ違うからです。皮膚の命は約28日。この皮膚の生まれ変わりを何度も繰り返しながら、だんだんと強い肌に生まれ変わっていきます。
 鏡を見たくない気持ちをぐっとこらえて、小さな皮膚の変化に気付いてあげましょう。あなたが体を大切にしていれば、皮膚は少しずつでも、確実に回復していきます。あなたの気持ちはきちんと肌に表われてくれるのです。

4章、内側からのアプローチ

1、体の内側からアトピーを改善する

 アトピーを改善するには、「質の良い血液が体をめぐり、いらないものが順調に排泄される」という体の流れが大切です。

 例えば、あなたは「栄養」や「酸素」を血液で流して、傷ついた肌をきれいになおしています。そして、「古くなった細胞」や「二酸化炭素」などのゴミを、体の外へと捨てています。この流れを繰り返す事で、私たちは傷や病気を治しているのです。

 けれど、あなたの体内の循環がわるければ、体の中にはゴミばかりがたまり、肌は弱々しくなっていきます。

 アトピーになり、傷がなかなか治らない。いつまでたってもキレイにならない。そんな時は、体のどこかで血流が滞っているときです。いくら薬や保湿をやめて、肌の生まれ変わりを繰り返していても、体の巡りが悪ければ、いつまでたっても肌は弱いまま。
 つまり、アトピーを改善するためには、「質のいい血液を体中にまわすこと」が大切なのです。

血の巡りを良くすることが大前提

 血液の循環といっても、そう簡単にいくものではありません。
 血液が通る血管は、一番細い毛細血管のところだと、髪の毛の14分の1ほどの細さしかなく、この毛細血管をすべて一本につなげると、地球を2周以上するほどの長さがあります。

 この血液の流れをコントロールしているのは、「心臓の鼓動」や、「呼吸」、「筋肉の伸び縮み」などがあります。このどれか一つでも欠ければ、血液は細く長い血管の中を、スムーズに進むことができなくなります。
 さらに、老廃物だらけのドロドロの血液になっていれば、血流は滞り、肌をきれいにすることはできません。そう考えると、「自分の今までの生活はどうだったかな」と少し不安になりませんか?

 アトピーの改善には、血液の流れが絶対条件です。栄養をたっぷりもらい。体の中のゴミをキレイさっぱり捨てていきましょう。

2、いま口にしたものが明日のあなたをつくる

 あなたのご存知の通り、アトピーを改善するためには、食事の内容がとても大切です。あなたが何を食べるかで、血液がサラサラになるか、ドロドロになるかが決まり、さらには栄養の状態が変わるからです。

 けれど、世の中には食事についての様々な意見があり、何を信じたらいいのか分からなくなってしまうこともありますよね。

 アトピーを改善するための食事として、玄米菜食や、マクロビ、ローフードなど、主に野菜中心の食事が並びます。
 それぞれの意見の信頼性は、発言した人がどれ程の権力を持っているかではありません。本当に大切なのは、あなたの中の感覚です。なぜなら、ローフードで治った人もいるし、マクロビや玄米菜食で治った人もいるからです。

 これからご説明する食事法は、さまざまな食事法から、アトピーに効果のありそうなものを私なりに組み合わせています。とくに、ポイントをおいたのは次の二点です。

 1、細胞を修復するための、栄養が豊富な食材
 2、血液をサラサラにして、血の巡りを良くするための、消化にいい食べ方

 血液をサラサラにすることを主にした食事法で、栄養を取り入れることはもちろん、とくに血液をきれいにするために、デトックスを意識した内容です。
 ローフードでもなく、マクロビでもなく、玄米菜食でもありません。それぞれの良いところだけを集めて、どれにも偏らないように完成させたものです。

 私がじっさいにアトピーの頃から、治った今でも続けている食事法をご紹介します。

「消化」エネルギーを「修復」エネルギーへ

 フルコースのディナーを消化するとき、あなたの体はフルマラソンを走ったときと同じくらいのエネルギーを使います。じつは、消化活動は目には見えない作業ですが、お肉やご飯を消化するのに、丸一日もの時間をかけて消化しているのです。

 【消化時間の目安】
 果物・・・20分~30分
 野菜・・・1時間~2時間
 炭水化物・・・8時間~12時間
 タンパク質・・・10時間~24時間

 アトピーをなおすことにエネルギーを使いたくても、消化にこれだけの時間とエネルギーをとられてしまうことで、細胞の修復まで力が回りません。

 体をつくるといわれている「炭水化物」や「タンパク質」ばかりをとっていると、あなたの体は24時間中、消化活動にエネルギーを注くことになります。
 その消化活動をしている時は、胃腸を中心に血液が集まります。つまり、細胞を修復するための血液までとられてしまい、傷の回復に時間がかかるようになるのです。アトピーを早く改善するためには、できるだけ消化に負担のかからない食事を意識して、傷をなおすためのエネルギーを蓄える必要があります。

 さらに消化活動が大変だと、消化不良をおこし、血液がドロドロに汚れていきます。

 つまり、つねにお腹の中に食べ物が入っている人は、アトピーを改善する力がなくなる上に、血液まで汚れてしまうということです。

血液をサラサラにする食事の黄金比率

 では、血液をサラサラにするには、どんな食材を、どのような割合でいただくのが理想なのでしょうか。
 これは人それぞれ体質によっても違いますが、基本は「野菜」や「果物」などの消化しやすいものを7割、「ご飯」「魚」「肉」などの消化に時間のかかるものを3割の割合でいただきます。

 この割合は、じつは体を構成している割合とよく似ています。
 体の7割は水分でできているように、私達の体は多くの水分を必要としています。そして、水分のほかにも、体をつくるために必要な、「タンパク質」や「炭水化物」などを、食事の3割の割合でいただきます。
 「それならミネラルウォーターではだめなの?」とも思うかもしれませんが、体の水分は、ただの真水ではありません。体の水分とは、さまざまな成分が含まれている、体液です。ペットボトルから水をゴクゴク飲んでも、体にはあまり吸収されません。
 体をつくるための理想の水分は、ビタミンやミネラルなどの、豊富な栄養が含まれた「植物のいきた水分」なのです。

意識して生野菜を食べましょう

 野菜を食べる時は、加熱をしていない「生野菜」の量を多めにすると、より消化をしやすくなります。

 なぜなら、野菜には野菜自らを消化するための、「酵素(こうそ)」が含まれているからです。この酵素は、48度前後の温度で加熱すると効果を失い、消化の働きが低下します。できるだけ野菜は加熱しないでいただくのがおすすめです。さらに、生野菜は加熱をしていないので、野菜の水分や栄養を損なうことなく、丸ごと取り入れることができます。

 しかし、生野菜は体が冷えるのではないかという心配があるのではないでしょうか。これは、野菜の水分が体の中にたまり、それが体を冷やす元になっているといわれているためです。
 たしかにそれも一理あるのですが、そもそも人の体のほとんどは水分でできています。ミネラルウォーターやジュースなどを飲んだ上で、さらに生野菜を食べていれば、さすがに水分の摂りすぎです。ですが、水やジュースで補っていた分の水分を、野菜の水分に置き換えるだけなら、水分のとりすぎになることはありません。食事の時に生野菜の水分を摂ることで、のども渇きにくくなります。

 このように、体を冷やすからといって避けられていた生野菜ですが、それに負けないくらいのメリットがあります。

 生野菜は常温に戻したり、よく噛んで食べる事を意識すると、より冷えにくくなります。
 サラダはもちろん、漬物などで取り入れてみてください。

「一日三食」から早く抜け出して

 1日3食を食べる人は、消化をしている時間がとても長く、その際に、胃腸を中心に血液が集まります。このとき、体の修復のための血液が足りなくなるので、傷の修復が遅くなります。だからと言って食事をしなければ、栄養失調になり傷をなおすことができませんよね。
 つまり、アトピーを改善するためには、「食べ物を消化する時間」と、「アトピーを修復する時間」を、それぞれ均等に取り入れることが大切なのです。

 けれど、何事もやりすぎは禁物です。強いストレスを感じながら食べたいものを我慢したりする必要はありません。頑張っているご褒美にお菓子を食べたり、たまには友人と大食いをしてみるのも、けっして悪いことばかりではありません。
 もしかしたら、食べ過ぎて気持ち悪くなって、やっぱり大食いはしたらいけないなと、意思を強くする事ができるかもしれないし、甘いものを食べて次の日炎症してしまったら、改めて、お菓子は体によくないんだなと気付けるようになるものです。誰かにダメだといわれるばかりでは納得できないことも、自分で実際に失敗したり経験していくことで、気付けることはたくさんあります。

 そういう意味では、我慢をし過ぎないということも、あなたにとってはプラスになるかもしれません。失敗に見えることのすべてが、前に進むための成長につながっています。体の力はあなたが思っている以上に強いです。
 アトピーは何度でも失敗できて、何度でも挽回することができます。恐れずに、なんでも自分の体で体験していきましょう。

 けれど、失敗ばかりでは前に進めないので、朝昼晩に、それぞれどのような食べ物を、どのような割合でいただくのが理想なのかを具体的にお話します。

体の中にある3つの時間と食事のリズム

 一日三食は体に良いと言われていますが、一日三食を食べると体に悪いこともあります。消化に時間のかかる「肉」「魚」「穀物」を一日三食も食べていれば、消化ばかりにエネルギーが使われ、体は休む暇もありません。
 じつは、体の中には、老廃物を「排泄」する時間と、食べたものを「消化」する時間と、栄養を使って体を「修復」する時間の、3つに分けられています。それぞれ、排泄・消化・修復が活発になる時間を理解しておくと、いつ、何をどんな割合で食べれば良いのかが分かりやすくなります。

◇朝の排泄の時間4:00~12:00

 朝の4:00~12:00までは、目やにが出たり、便意があったり、息が臭くなったりと、体の中のいらないものを、外に排泄しようという働きが活発になります。
 朝食は、いる、いらないなど、様々な考え方がありますが、アトピーを改善するうちは、排泄の活動を優先させるために、できるだけ消化活動を控えます。

 けれど、いままで朝食を食べていた人だと、お腹がすいて昼まで集中力がもたないことがあるので、その時は、消化に時間をかけない果物がおすすめです。消化活動を控えることで、体の排泄作業の効率があがり、体の中をキレイにすることができます。

 【食事の例】果物と野菜のスムージー・季節の果物

◇昼の消化の時間12:00~20:00

 昼ごろになると体の働きが活発になり、このときに食事をとることで、食べ物を消化しやすくなります。
 12:00~20:00の間に、昼食や夕食などの、1日のメインとなる食事をいただきます。消化活動をこの時間に集中させることで、その他の時間は、アトピーを改善する為にエネルギーをつかう事ができます。

 【食事の例】「野菜・果物」7割:「穀類・肉・魚」3割の割合を、昼と夜の2回
       普段あまりお腹がすかない人は、昼だけ、夜だけの、1日1食でも可

◇夜の修復の時間20:00~4:00

 夜の20:00をすぎる頃になると、細胞の修復が活発になりはじめます。
 この時間帯に帰宅する方も多いと思うので、ご飯を食べてしまいがちですが、本来なら食事をしないで、体を休ませたほうが良い時間帯です。とくに、眠っている時間を使って、アトピーを修復する力が高まるので、寝ているときはできるだけお腹に食べ物がない状態が理想です。
 帰宅して、どうしてもお腹がすいている時は、果物や野菜をいただくようにしましょう。消化の時間を短縮できるので、寝ている間も修復の邪魔をしません。

 この時間帯に細胞を修復して、いらなくなった細胞を回収します。そして、この回収したものを朝の排泄の時間で排泄するという流れです。
 このように、必要なものを取り入れ、いらないものを排泄するという活動を効率よく繰り返していく事で、アトピーを改善していきます。

 【食事の例】できるだけ食べない もしくは果物か野菜

外食の際に気をつけたい2つの大切なこと

 家では食事の改善をする事ができても、友人と出かけているときや、仕事合間のランチなどで、どうしても外食を避けられないときもありますよね。そんな時は次の2つの事を意識してみてください。

 1、よく噛む
 2、食べる順序を意識する

 よく噛んで唾液と混ぜることで、唾液の酵素の一つ、「ペルオキシダーゼ」が、添加物などの体にとって有害な成分を無力化します。
 見た感じ、体に悪そう・・・と思ったものでも、よく噛んで唾液とまぜることで、体への害を大幅に軽減することができます。どうしてものときに使える技です。

 さらに、フルコースの食事をする時は、できるだけ消化の良い順番からいただきます。消化に時間をかける肉や魚を先に食べてしまうと、消化のいい果物や野菜まで長く胃腸にとどまることになり、体の中で腐敗してしまいます。
 食べる順序は果物→野菜→炭水化物→タンパク質の順に食べると、それぞれの食材に適した消化時間で、スムーズに消化する事ができます。

生活編

 血液をサラサラにするのは、食事だけではありません。毎日の体の動かし方や体の歪み、睡眠の質や呼吸など、毎日の生活の中にはさまざまなアトピーの要因があります。

 だからといって、すべてをパーフェクトに改善する必要はありません。自分にとって当てはまっているなと思える項目から、一つずつ実践してみてください。何かを新しく始めようと思うと、続けるのが難しいですが、今までの生活の中で意識できるポイントばかりなので、取り入れやすいと思います。
 それではさっそく、アトピーを改善するために意識したい生活のポイントをご紹介します。

3、体の歪みとアトピーの関係

 体の歪みといえば、思いつくのは猫背やO脚などが一般的でしょうか。じつはそれ以外にも、指先や足首、首の骨や顔など、いたるところに歪みがあります。

 たとえば、手のひらを開いて、指先をまっすぐにしたとき、つめ先が横を向いているのも、歪みに入ります。手あれをしやすい人にとても多いです。
 じつは体が歪んでいると、血管が圧迫されて、血の巡りが悪くなります。栄養を取り入れることができず、老廃物も流れないので、新陳代謝が低下します。ようするに皮膚の生まれ変わりがしにくくなるということです。
 指先だけアトピーが治らない。足の甲だけ、背中だけ、おでこだけなど、一部分だけアトピーが治らない場合は、その部位に歪みがあり、血流が滞っていることが考えられます。

 体の歪みといえば、整体で治すというイメージがありますし、実際に歪みが取れることもあります。ですが、今までの日常の動きからできた体の歪みを、力任せに正しい位置に戻してしまうと、体に大きな負担がかかることがあります。さらに、もともとの体を歪ませてしまう姿勢や動作を直せていないので、しばらくすると元通りになります。

 ようするに、体の歪みは無理やり正すのではなく、歪みの原因になっている「体の動かし方」自体を、改善していく事が大切です。すべての動作は、立ち姿勢や歩き姿勢から始まります。その始まりの姿勢が悪いと、すべての動きにまで影響してしまいます。とくに、ある一定の場所ばかりにアトピーができるときは、そこの筋肉が上手く使えていないことがあります。

 そこで、体をバランスよく使い、体が歪まないようにするための、立ち姿勢や、歩き方、日常の動作の改善方法をご紹介します。

 体の歪みを改善して、血流をスムーズにしていきましょう。




正しい姿勢をマスターするための2つのポイント

 まずは、立ち姿勢です。あなたは自分の姿勢を、ふと鏡で見たことがありますか?アトピーの人は、とくに猫背の人が多い印象があります。

 猫背になると、呼吸が浅くなり、体を修復する力が低下します。体を修復するために必要な、酸素を取り入れることができず、必要のなくなった二酸化炭素をうまく吐き出すことができないからです。さらに、体が歪むことで、血流が圧迫され、アトピーのなおりも遅くなります。
 猫背をなおして正しい姿勢をマスターすることで、呼吸が深くなり、血流もよくなることで、アトピーを改善するスピードが加速します。

 いま立っている人や、座っている人は、正しい姿勢をとってみてください。疲れてしまう場合は、それは正しい姿勢ではないかもしれません。姿勢を正すと疲れてしまう人は、良い姿勢になっているわけではなく、ムリに良い姿勢に見せている場合があります。
 そこで、正しい姿勢をとるために大切な、2つのポイントを紹介します。

ポイント1:ヒザ立ちをすると一瞬で歪みがなおる

 一瞬で正しい姿勢の感覚をつかむ方法があります。それは「ヒザ立ち」のことです。文字の通り、床にヒザをついて立つだけです。
 普段は猫背気味の人でも、すっと背筋が伸びた感じがしませんか?このように、ムリに頑張らなくても、自然と姿勢を正すことができます。これが正しい姿勢の感覚です。

 頭の重さは体重の10%ほど。体重が60キロある人は、なんと6キロもの重さがあります。6キロといえば、生まれたての赤ちゃん約2人分です。そんな重たい頭を筋肉でグイーッとひっぱって支えていても、体はヘトヘトになってしまいます。それを助けてくれるのが、「骨」の役割です。
 骨の上にバランスよく頭を乗せることができれば、筋肉への負担も減りますよね。「ヒザ立ち」をすることで、足裏で立つよりも、支える場所(ヒザ)と頭の位置が近くなり、骨で支えるという感覚がつかみやすくなるのです。立ったり、ひざ立ちを繰り返していくうちに、どのバランスが一番自分にとって心地良いのかが分かるようになっていきます。

ポイント2:体を立てるために意識したい「3つの腔(クウ)」

 姿勢を正すために意識したいのが、「3つの腔」です。

1、口腔=鼻の中から首まで
2、胸腔=肺
3、腹腔=胃や腸などの内臓

 この3つの腔はつながっているのですが、猫背の人は上半身が曲がり、この腔がぺしゃんこにつぶれてしまっています。曲がって、吸いにくくなったストローのようなものです。
 口腔や胸腔がつぶれていれば、呼吸が浅くなり、腹腔がつぶれていれば、胃腸が圧迫されて、内臓の働きが弱くなります。ようするに、3つの腔がペシャンコにつぶれていると、体の機能が低下し、疲れやすいのです。
 猫背のときだけではなく、無理やり胸を張っていても、3つの腔はつぶれてしまい、体に負担がかかります。「体を立てる」ためには、まずはこの「3つの腔」を「広げる」意識をもつことがポイントです。
 自分の体を風船だと思い、3つの腔が負担なく広がる姿勢はどこなのかを探っていくと、次第に正しい姿勢に近づいていきます。

◇「3つの腔」をたてると、スタイルまで美しくなれる

 すこし余談ですが、この3つの腔を広げることで、ストローのようにつぶれていた体に立体感が生まれ、体の横幅が狭くなり、スリムに見えるようになります。腹腔がつぶれて、はみ出ていたウエストのお肉も、体の中に納まり、スタイルがよくなります。
 なにより、3つの腔を立てれば、自然と気持ちよく姿勢が整います。3つの腔を立てると、良いことづくし。気持ちよく、効率よく、猫背を改善していきましょう。

歩く時は「みぞおち」を意識する

 ここで一つ質問です。あなたの脚はどこから始まっていますか?
 たいていは、太ももと股関節の間だと思われていることがありますが、本来は、みぞおちの付近からすでに始まっています。

 さらに余談ですが、手や足の指は、指の付け根から始まっていると思われていますが、本来は、手首や足首から始まっています。けれど、私たちは普段見えている指の部分しか動かすことを意識していませんよね。

 このように、目に見えている部分しか動かせないと思い込んでいると、使えていない筋肉というのが出てきてしまいます。冷え性の人は、足を一つの塊だと思っている人が多く、足の甲にある筋肉がガチガチに固まっています。そのため、血流が悪くなり、足が冷えているのです。

 歩く時も、本来なら「みぞおち」あたりの筋肉を動かすことで歩くことができるのですが、股下からしか動かせないと思っていると、太ももの筋肉ばかりが酷使され、硬くなっていきます。そして、使われないみぞおちの筋肉も、あまり動かす機会がないと、使いすぎている筋肉と同じように凝り固まってしまうのです。

 歩く時は、みぞおちから脚が生えているんだと意識すると、背筋も伸び、足の筋肉に負担をかけることがなくなります。
 このことを意識して歩くと、姿勢を正そうとしなくても、勝手に背筋がピンと整います。面白いぐらいに歩き方が変わるので、ぜひ今すぐ試してみて下さい。

「骨」で座ると自然と背筋が伸びる

 ちなみに、座るときは、お尻の骨の「骨盤」を土台にして座ります。じつは、骨盤は座ったときに安定するように、前が狭く、後ろが広くなっているのです。その三角形を上手くイスの上に乗せると、自然と姿勢が伸びるようになります。
 お尻の肉で座るというよりも、お尻の骨を感じながら、座るイメージです。余計な力の要らない、楽で美しい座り心地を体感できます。
 このときも、3つの腔を意識して、さらに、美しい姿勢を気持ちよくキープしましょう。

寝返りが体の歪みを整える

 姿勢を意識する事も大切なことですが、じつはとても簡単に歪みをなおす方法があります。
 それは、寝ているときにうつ寝返りです。じつは寝返りをゴロゴロと打つことで、体の歪みを整えることができるのです。

 人間の頭の重さは、体重の約10%あります。これは、女性用のボーリングボールと同じくらいの重さです。こんなにも重い頭を、一日中体のてっぺんに乗せて生活しているのですから、これがどれ程体の負担になっているかは想像できるかと思います。
 少しでも頭が体のラインからそれると、頭の重さは筋肉で支えることになり、その状態が長く続くと、骨が歪み、筋肉にも負担がかかります。それを休ませるのが、睡眠の時間です。

 寝ている間に頭の重さから体を開放して、筋肉を休ませたり、寝返りをうつことで、骨の歪みを整えることができます。どうしても痒くて眠れない時でも、ベットでゴロゴロと寝転がっているだけでも、意味はあるのです。

 もちろん、寝ているだけですべての歪みが取れるわけではありません。姿勢が悪いと、寝返りだけでは整えきれない小さな歪みが、日に日に蓄積されていきます。日常の姿勢も意識できるのが理想です。

4、体の硬さとアトピーの関係

 筋肉の硬さもアトピーと関係しているなんて意外ですよね。

 体が硬い人は、関節が硬くなっていると思われがちですが、じつは体の硬さとは、「筋肉の硬さ」のことをいいます。
 筋肉は、本来適度に動かし、伸び縮みをさせることで、柔らかくしなやかな状態を保つことができます。けれど、バランスの悪い体の使い方をしていると、使う筋肉に偏りが出てきます。
 酷使して縮みっぱなしの筋肉があれば、まったく使われずに、伸びっぱなしの筋肉もあり、それぞれの筋肉は緊張し、ガチガチに硬くなっています。

 筋肉が硬くなることと、アトピーには、どのような影響があると思いますか?
 それは、血液循環が悪くなることです。本来は、筋肉をポンプのように動かすことで、血液の巡りがよくなり、必要な栄養を取り入れたり、老廃物を外へ流す働きをします。けれど体が硬くなると、筋肉のポンプ作用を活用できなくなり、血流が滞るようになります。血流が滞ると、必要な栄養が行き届かず、老廃物もその場からなかなか流れていきません。それを応急処置として、皮膚から排泄しているのが、アトピーの原因の一つです。

 たとえば、猫背の人は、背中側の筋肉が伸びっぱなしになり、胸の筋肉は縮みっぱなしになります。互いの筋肉には疲労がたまり続け、だるさや肩こりとして表われます。背中のアトピーがなかなか治らない場合は、偏った筋肉の使い方などによって、疲労がたまり続けていることが考えられます。傷を治すことができず、老廃物もたまり続けてしまうのです。この場合、正しい姿勢や、歩き方を意識するだけでも、症状が改善されることがあります。

 猫背だけではなく、座りっぱなしで足の筋肉が硬くなっていたり、ストレスで眉間に力が入っている人など、人それぞれ硬くなっている筋肉のところに、とくに症状が出ていることがあります。

 そこで硬くなってしまっている筋肉を柔らかくほぐし、血流を良くするためのマッサージ方法をご紹介します。
 筋肉を柔らかくするだけではなく、血流を促す効果もあるので、症状の気になるところなど、全身のあらゆる部位に活用してください。

「指の腹」を使って全身の血流を良くする

 マッサージに使うのは、指の腹だけです。指の腹を使って、皮膚を優しくなでるだけで、筋肉を刺激する事ができ、血流をよくすることができます。

 このマッサージのポイントは、できるだけ弱い力で実践する事です。たとえば、誰かにグーッと力強く体を押されると、それに抵抗するように体に力が入りますよね。けれど、頭をなでられたり、人と手をつないだりすると、フワーッと力が抜けて、リラックスできることってないでしょうか?
 これと同じで、筋肉は力強くマッサージすると、その刺激に抵抗するように、硬くなってしまうのです。力強いマッサージは、筋肉内にある血管や細胞を破壊してしまうので、逆効果になってしまうことがあります。

 強さの目安は、うぶ毛をなでるような、もしくは赤ちゃんをなでるような、優しい力で皮膚をなでてあげると、適度に筋肉に刺激が伝わり、柔らかくなっていきます。血流がよくなり、リンパの流れも促され、アトピーの改善が加速します。

ひどい時は控えてください

 このマッサージは、症状が落ち着いてきたときが一番有効です。体液が出ていてベタベタしている時は激痛がするので控えましょう。このように症状が強く出ているときは、マッサージの力がなくても皮膚が一生懸命治癒してくれている最中なので、手を加える必要はありません。

 このマッサージに適しているのは、長いあいだ乾燥が続いている時や、アトピーの跡が赤く残り、なかなか消えない時などに有効です。
 かきたいけれど傷がつくのが怖いというときにも、この方法はおすすめです。マッサージをすると赤く炎症する事がありますが、それこそ、皮膚をキレイにしようとする体の反応です。怖がらずに実践してみてください。

 時間に決まりはなく、なでればなでるほど、血流がよくなります。なでる方向はとくに意識する必要はありませんが、迷う時は図を参考にしてください。

なでる方向

5、体は動かさなければ働けない

 体の力はとても素晴らしいものです。転んで傷ができても、自然と治っていくように、体はあなたを今よりも良い方向へ導く力をもっています。けれど、いくらすばらしい生命力をもっていても、体は動かさなければ、その効果は発揮されません。

 運動をして筋肉を動かすことで、血の巡りがよくなり、体中の細胞を活性化することができます。アトピーで弱くなっている皮膚を修復する働きが高まる上に、体内毒素をデトックスすることができます。

 けれど、運動をしたいけれど、どんな運動が良いのか分からないということもありますよね。

 そこで、ある実験があります。運動を1時間以上したグループと、1時間以内のグループとでは、どちらの血液がサラサラになるかという実験です。

 この実験を1週間続けたところ、なんと1時間以内のグループの方が血液がサラサラになり、1時間以上の運動をしたグループの方が血液がドロドロになってしまったのです。
 1時間以上の運動をすると、筋肉が疲れて反対に硬くなってしまいます。硬い筋肉は血管を圧迫してしまうので、その分血の巡りが悪くなるのです。
 さらに、疲れたことで呼吸が浅くなってしまうのも問題です。息を吸ったときに血管は縮まり、息をはくときに広がるようになっているのですが、呼吸が浅くなると、せっかく体を動かしていても、その分血管の伸縮が小さくなってしまいます。
 酸素を取り込むことができずに、二酸化炭素も吐き出せず、血液の流れが悪くなってしまうのです。






効果抜群のスロージョギング

 つまり、血のめぐりを良くするためには、深い呼吸ができて、筋肉に負担をかけすぎない、ゆっくりとした動きの運動がおすすめです。
 たとえば、ヨガや太極拳、ラジオ体操なども良いと思います。

 けれど、今すぐできるおすすめの運動は、スロージョギングです。
 スロージョギングとは、早歩きくらいのゆっくりとしたスピードで、ジョギングをする事をいいます。

 スロージョギングは、左右対称の動きをするので、筋肉をバランスよく使え、体の歪みを整えるのにも最適です。さらに、ウォーキングとは違い、かるく走ることで細胞に振動が伝わり、新陳代謝が活発になります。
 本格的なジョギングだと呼吸が浅くなりやすいので、とくにアトピーを改善するために運動を取り入れるときは、スロージョギングが効果的です。
 このときも、みぞおちあたりの筋肉から脚を動かして、正しい姿勢を意識しましょう。

運動をすると毛細血管が増えていく

 運動をする事のメリットは血流がよくなるだけではありません。血流がよくなることで、毛細血管の先端まで血液が届くようになり、それが刺激になって、新しい毛細血管が増えていくのです。
 そうする事によって、新陳代謝の働く範囲が広がり、体の隅々まで皮膚を健康的にする事ができます。これは逆に言うと、運動をしないと、血流がわるくなるだけではなく、毛細血管も減少してしまうということでもあります。

 忙しい人だと、毎日運動するのが難しいこともありますよね。そんなときこそ、日常の動作の中で、いかにしてバランスよく筋肉を使えているかも意識していけるといいですね。

6、寝ている間の掻き傷が肌を強くする

 「早く眠らなくてはいけない。」そんな風に意識している人も多いと思います。

 けれど実際には、あまりの痒さにどうしても眠れなかったり、寝ている間に掻いてしまうのが嫌で、眠ることに怖さを感じてはいませんか。早く治したい気持ちと、眠りたくない気持ちの間で、複雑に感じることもありますよね。
 そんな時、ストレスを感じてまで、頑張って眠る必要はありません。眠れない時は、ベッドの上でのんびり音楽を聴いたり、好きな本を読んでいるのも良いと思います。眠ろう、眠ろうと意識して眠れるものではないからです。

 本当は眠りたいのに、掻いてしまうのが怖い時は、まず、傷ができることへの恐怖感を乗り越えてみることからはじめましょう。

 どうして傷ができるのが怖いのでしょうか?こんな事を聞いておきながら、私自身も眠るのが怖くて、夜になると毎日泣いていました。やはり傷ができるのは怖いものです。けれど、アトピーが治った今、私の肌には、アトピーの跡は一つも残っていません。肉が見えるくらい深く掻いてしまった事もありました。体液が溢れている上から掻いてしまい、血だらけになったこともありました。けれど、何一つとして、跡に残らなかったのです。

 血や体液が出たり、赤く炎症しても、1週間もすれば、その傷は治ってしまいます。もちろん、その代わりにまた新しい傷ができるのですが、その傷も1週間で消えていきます。ようするに、傷は治るのです。あなたが怖くてたまらない傷も、いつかは必ず治ります。

 あなたが掻いてしまった掻き傷は、かさぶたができてそれが自然と剥がれ落ちた時、その下からは強くて丈夫な皮膚が出てきます。
 体液も同じです。乾燥して自然と剥がれ落ちた時に、したからは新しく成長した皮膚がスタンバイしてくれています。傷ができて、治るという過程を繰り返してこそ、肌はどんどん生まれ変わることができます。そう考えると、傷がつくのも悪いことばかりではないなと思いませんか?

 寝ている間についた傷は、できた直後はショックなのですが、それが治っていく過程で、肌はどんどんキレイになっていくのです。

ぐっすり眠るための3つのコツ

 猛烈な痒さでなかなか眠れないとき、短い時間でもしっかり質の良い睡眠がとれると、傷の治りも早いですし、明日の仕事にも響きませんよね。
 そこで、短い睡眠時間でも、体をしっかりと休めるための、3つのコツを紹介します。

コツ1、硬めのマットを選ぶと寝返りを打ちやすくなる

 私たちは、寝返りをゴロゴロとうつことで、日ごろの体の歪みを整えています。歩き方に癖があり、体が歪んでいる人や、そのせいで筋肉が硬くなっている人も、寝返りを打つことで、歪みをリセットする事ができます。

 けれど、柔らかいマットを使うと、お尻が沈み込み、寝返りを打ちにくくなるのです。日に日に体のゆがみや疲労が蓄積されていきます。
 それに比べ、硬いマットだと、抵抗がなくなるので、寝返りを打ちやすくなります。とは言え、硬いマットだと体が痛くなるイメージがあるかもしれません。しかし、それこそ、あなたの体が硬くなっている証拠なのです。

 赤ちゃんはとても体が柔らかいですよね。なので、固い場所で寝ても、自分自身が柔らかく柔軟性があるので、痛さを感じません。反対に、体が硬くなっている大人が床で寝ていると、固いもの同士がぶつかり、腰などが痛くなってしまうのです。痛いからといって、柔らかい低反発のマットを使っていると、体が沈みこみ、寝返りを打ちにくくなるので、余計に体は硬くなっていきます。

 体が硬い人は、筋肉の硬さが関係しています。できるだけ日中は、スロージョギングなどで体を動かし、筋肉を柔軟にしておくことを心がけましょう。そしてさらにたくさん寝返りをうつことで、体の疲労や歪みが改善されていきます。

 マットの硬さの目安は、固い床にふとんを1枚ひいた時の硬さが理想です。服もフリース生地はすべりが悪いので、できるだけ綿などの摩擦が起きにくいものを使用すると寝返りをうちやすくなります。



コツ2、枕をやめると早くアトピーを改善できる

 枕は高すぎると、後頭部が上にあがり、頭がお辞儀をしたような姿勢になります。この姿勢は、のどがつぶれ、呼吸が浅くなるので、細胞の修復に必要な酸素を取り込みにくくなります。呼吸の浅さは、治癒力が低下する原因の一つです。
 枕はできるだけ低めのものか、もしくは使わないほうが、呼吸をしやすくなり、短い睡眠でも体を回復できるようになります。

 体が硬い人は、枕が低いと寝にくさを感じると思います。そんな時は、バスタオルを細長く丸めて、首の下に入れることで、後頭部はふとんについたまま、首だけ支えることができるので安定感がでます。
 もしくはバスタオルを正方形にたたんでつかうと、低めの枕の代わりになるので、眠りやすくなると思います。

コツ3、しっかり眠りたいときは部屋を真っ暗にする

 あなたは眠るとき、オレンジ色の豆電球をつけたままにしていませんか?
 じつは、光を感じるのは目だけではなく、皮膚にも光を感じるセンサーがついています。目を閉じて視界が真っ暗になっているように感じていても、皮膚はオレンジ色の豆電球に気付いているのです。

 人は暗くなると自然と体が休まり、光を感じると体が活動的になっていきます。今は夜だということをしっかりと認識させるためにも、できるだけ豆電球も消して、真っ暗な状態で眠るようにしみてください。夜眠りやすく、朝目覚めやすくするコツです。質の良い睡眠をとることで、体が休まり、新陳代謝も高まります。

7、呼吸とアトピーの大きな関係

 今まで意識して呼吸をしたことはあるでしょうか?今では、日本人のほとんどが、呼吸が浅くなっているといわれています。じつは呼吸の浅さとアトピーにも、大きな関係があります。

 試しに一度、深く深呼吸をしてみてください。このとき、息を吸った時は背筋が伸びて、体が緊張しているのを感じるでしょうか?反対に、息をはいたときは、軽く猫背になり、体がリラックスしているのが分かりますか?
 このように、呼吸は、体の姿勢や感情などに、深いつながりがあります。

 呼吸は、あなたのアトピーを改善する鍵になっている、「血液の流れ」にも関係しています。
 息を吸ったときは、体がアクティブな状態になり、血管もギュッと縮まります。反対に、息をはいたときは体がリラックスして、血管は広がるのです。

 こうやって聞いていると、リラックスしていたほうが血流は良くなるのかなと思うのですが、本当に大切なのは、この2つの流れを、かたよりなく繰り返すことです。

 例えば、川の流れを見ていると、幅の広い川は勢いがなく、流れが遅いことがありますよね。これと同じように、血管も広い状態が長く続いているだけでは、血の巡りはよくなりません。血管を、ポンプのように縮めたり、広げたりすることで、循環をよくすることができるのです。

必殺!アトピーの改善を早めるための呼吸法

 疲れているときや、体に力が入っているときは、血管が縮まっている状態が長く続いています。これでは血が巡らないので、アトピーを修復する事ができません。そんな時は、深呼吸をすることで、血管を意図的に広げる事ができます。血の巡りがよくなり、治癒力が高まるだけではなく、気持ちのリセットにも活用できます。

 けれど、いつも呼吸が浅い人ほど、深呼吸をするとお腹や肺に力が入り、余計に疲れてしまうことがあります。これは、新しい風船を膨らますときに空気が入りにくいのと同じように、普段呼吸が浅い人は、肺やお腹が凝り固まっています。じつは、内臓も筋肉でできているので、あまり動かしていないと、どんどん硬くなってしまうのです。

 そんな時は、普段伸び縮みする事が少ない「肺」や「お腹」を、まずは広げることから始めます。

 1、鼻から息を吸う
 2、口から息をはく
 3、「ハッハッハッハッハッ」と、すべての息を吐き切る
 4、苦しいと思ったらすぐに息を思い切り吸う
 5、1~4を5回繰り返す

 この呼吸法を繰り返しているうちに、肺やお腹が伸び縮みしやすくなり、意識していない時でも、深い呼吸をできるようになります。夜寝る前や、朝起きた時に実践するのがおすすめです。

 呼吸は、出るものが出ないと、入るものも入りません。これは、体の働きも同じです。老廃物が体の中にあるままだと、体に良いものを取り入れても、それを活かしきることができないのです。「出してから入れる。」これをすべての基本にしましょう。

8、早く克服したいときは、お風呂に入らない

 お風呂に入ると、赤く炎症して、猛烈に痒くなることがあると思います。だからと言って、お風呂に入らないと臭いが気になりますよね。毎日、お風呂の時間が近づくたびに、嫌な思いをしてはいませんか。

 結論を先に言うと、お風呂に入る必要はありません。感染症などの心配もあるかもしれませんが、お風呂で洗って清潔にしていても、感染症にかかる人はいます。
 菌の中には、体にとって「害になる菌」を退治してくれる、「良い菌」もいるからです。それなのに、石鹸などですべての菌を殺してしまうと、悪い菌が進入しやすくなり、感染症にかかりやすくなるのです。

 さらに、お湯で肌が湿ってしまうことで、めくれかけていた古い皮膚がベターッと貼り付き、新陳代謝の働きを低下させます。そして、水分が蒸発する時に、肌の角質まで一緒にめくれあがり、肌の水分を蒸発させてしまいます。お風呂のあとに乾燥を感じるのは、このためです。

 肌が湿ってしまうのは、アトピーの改善には不向きです。皮膚の新陳代謝を高めるためには、皮膚の乾燥をそのまま見守り、生まれ変わりを繰り返すことが大切なのです。できるだけ自然に皮膚を乾燥させることで、アトピーを改善するスピードを加速する事ができます。

 仕事や学校に行くときなど、どうしても臭いが気になるときは、頭だけ洗面台で洗い、体はかるくシャワーで流す程度にしましょう。湯船につかるのは、肌の調子がよくなってからの方がおすすめです。

温めすぎると血流がわるくなる

 じつは、半身浴をするほど、冷えやすい体になる可能性があります。

 本来人は、寒さを感じることで、細胞をブルブルと震えさせて、熱を生み出しています。さらに、体を動かすことで、毛細血管が増えていき、体の末端まで血の巡りをよくすることができるのです。

 それに比べ、半身浴で長い時間からだを温めたり、靴下を何枚も重ねばきしていたり、ストーブの前でじっとしていると、体は細胞を振動させる必要がなくなり、熱を生産する機能が低下していきます。さらに体を動かさないでいると、血管がポンプのように動くことがないので、毛細血管が消滅していきます。
 ようするに、体を温めてばかりいると、次第に血の巡りがわるくなり、さらに冷えやすい体になってしまうのです。

 血流を良くするためであれば、お風呂で温まるよりも、その時間をスロージョギングに当てたほうが血流の良さは長続きします。細胞が活性化され、自ら熱を生み出す力がつくからです。
 半身浴の温かさは一時的ですが、運動をして細胞を振動させると、つねに血流がいい体に育っていきます。

 夜にからだが熱くなると、興奮状態になるので、眠りが浅くなることがあります。夜はお風呂に入らずに早く寝て、朝のジョギングや、朝シャワーに切り替えるほうが、調子の良いからだで1日を送ることができます。

頭と体はお湯洗いで充分

 肌に優しいシャンプーはもう見つけていますか?

 私自身も、様々なシャンプーを試しましたが、なかなか気に入るものが見つかりませんでした。肌に優しいものは髪がギシギシになるし、髪がツヤツヤになるものは、コーティング剤が入っているので、肌につくのがとても気になります。

 そこで色々使って最後にたどり着いたのが、お湯洗いです。
 シャンプーを使っていた頃は夕方になると頭皮の臭いが気になっていたのですが、お湯洗いに変えてから、皮脂があまりでないようになりました。夕方になっても臭わないのです。
 シャンプーは皮脂を取りすぎてしまうので、頭皮が「皮脂が足りない!」と錯覚してしまい、余計に皮脂を出すようになります。つまり、シャンプーを使うほど、頭皮がにおいやすくなるのです。

 皮脂は体温から出てきたものなので、ほんらいなら体温以上のお湯で落とす事ができます。

 けれど、どうしても気になる人は、まずはシャンプーを薄めて使ってみてください。方法は簡単です。100円均一に売っている、先がスポイドのようになっているドレッシングボトルを使います。

 1、ドレッシングボトルに、いつもの半分の量のシャンプーを入れる
 2、お湯をたっぷりと入れてよく混ぜる
 3、地肌にかけながら、マッサージして地肌を洗う
 4、しっかりと流す
 5、コンディショナーを使わないかわりに、ドライヤー前にオーガニック系のヘアオイルをつける

 この方法だとシャンプーが半分の量で済むので、洗浄力が弱くなり、皮脂の取りすぎを防ぐことができます。肌への刺激も少なくなるのでおすすめです。
 とくに赤ちゃん用のシャンプーは比較的優しい成分が多いので、よければ確認してみてください。

 私がいま使っているのは、【URTEKRAM】のベビーシャンプーです。成分がシンプルなので安心して使用できます。週に1度は薄めたシャンプーで洗い、他の日はすべてお湯洗いです。
 アトピーの頃は、洗面台で薄めたシャンプーを使って頭を洗い、体は週に2~3回シャワーで流すだけでした。体は頭皮ほど皮脂が出ないので、石鹸を使わなくても臭うことはありません。症状がひどい時は無理せず洗わないようにしましょう。

 においが気にならない時や、人に会う予定がないときは、それこそわざわざお風呂に入る必要はありません。できるだけ乾燥の邪魔をしないように意識すると、改善のスピードが加速します。

9、季節ごとの皮膚の特徴

 アトピーは季節によって症状が変わります。これは、それぞれの季節の気候によって、からだの働きが変わっているだけで、悪化しているわけではありません。
 そこで、それぞれの季節の特徴をご紹介します。これを知っておくと、症状に変化があっても自信をもって乗り越えられるようになります。


《 春 》
 暖かくなって代謝が上がりはじめ、冬の間溜め込んでいた老廃物が出て行きます。3月までにデトックスが高まることが多いですが、体調によっては4月頃までダラダラと長引くこともあります。

 =症状=
 老廃物の排泄が活発になる分、症状が安定しません。
 涼しい時期は乾燥し、暑い時期は炎症・体液がでてきます。


《 夏 》
 暑くなり、体内の代謝が一番高くなる季節です。血液やリンパの流れがよくなり、体の中を健康に保ちやすく、丈夫な皮膚を作れます。
 しかし、湿気や汗などで皮膚が潤ってしまい、皮膚の生まれ変わり自体は低下します。

 =症状=
 乾燥はしにくいですが、炎症したり体液が出るようになります。


《 秋 》
 代謝が下がってしまう冬に向けて、栄養のあるものを体の中に蓄えようとする働きが高まります。秋の食材は、免疫を高めるものが多く、季節の食材をいただいて冬に備える事で、冬の症状を緩和することができます。

 =症状=
 季節の変わり目なので症状が安定しません。
 乾燥することにより、少しずつ皮膚が脱皮して、生まれ変わりが始まります。


《 冬 》
 寒さで筋肉をギュッと硬くしてしまうので、血流がわるくなり、代謝が落ちます。丈夫な皮膚を作れるように、からだを動かしたりすることで血流をよくして、代謝アップを心がけましょう。
 冬は乾燥により皮膚の脱皮が盛んに行われます。冬の間にたくさん脱皮しておくことで、アトピー改善へのスピードが加速します。

 =症状=
 乾燥して粉をふいたり、ボロボロとうろこのように皮膚がめくれます。



 このように、夏と冬では、体は正反対の働きをします。

 夏は皮膚が湿ってしまうので、脱皮しにくくなるのですが、その代わりに、代謝が高まり丈夫な皮膚を作りやすくなります。反対に、冬は血流が悪くなり、健康的な皮膚を作りにくくなりますが、乾燥しやすいので、肌の生まれ変わりのスピードがアップします。

 夏は汗がしみるし、冬は乾燥するから嫌だなと感じることもあると思います。けれど、それぞれの季節の特徴を味方につけることで、アトピーの改善のスピードが加速します。デメリットだと思っていたことが、本当はメリットだったりするのです。考え方次第で、アトピー改善中の気持ちも大きく変化します。

 体はいつでも、あなたが健康になるように働いています。いつでも、体の症状を応援できるよう、心の余裕を持っていられるといいですね。

5章、アトピーQ&A
よくいただく質問のまとめ

1、紫外線対策はどうすればいい?

 仕事や、子供の習い事などで、どうしても紫外線を避けられないときがあります。脱保湿を実践しているいま、できるだけ日焼け止めは塗りたくないですし、化粧水でクーリングする事もためらってしまいますよね。
 そこで、アトピー改善中の紫外線対策について、気をつけたい2つのことをご説明します。

 1、日焼け止めを塗るときは、パウダータイプを選ぶ
 2、日光に当たるのが30分以内のときは、帽子や日傘で対策する。

パウダータイプの紫外線散乱剤を選ぶ

 じつは日焼け止めには、パウダータイプのものがあります。脱保湿をしている時は、そちらがおすすめです。

 主に日焼け止めには、「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の2種類があります。紫外線吸収剤は、その名の通り、紫外線そのものを吸収して、肌に紫外線が届くのを防ぎます。けれどその際に、吸収剤が有害な成分に変化して、肌に大きな刺激を与えます。
 それに比べ、紫外線散乱剤は、紫外線を乱反射させることができるので、肌には直接影響がありません。天然の鉱石である、「酸化チタン」や「酸化亜鉛」のパウダーは、紫外線を散乱させる効果があります。

 そして、クリームタイプの日焼け止めは、すべて界面活性剤が入っています。脱保湿に向いていないのはもちろん、肌のバリアを破壊する働きがあります。日焼け止めを選ぶときは、パウダータイプのものを選んでください。

 日焼け止めパウダーにも種類がたくさんあり、物によっては肌へ悪影響を与えてしまうこともあります。私のおすすめは「ベアミネラルのナチュラルサンスクリーン」です。成分がシンプルで、肌に優しいのが特徴です。

30分以内のときは、帽子や日傘で対策する

 アトピーの時に紫外線に当たると、跡が残るといわれていますが、日光にあたるのは悪いことばかりではありません。

 日光に当たることで、菌を殺菌することもできますし、肌をきれいにするために必要な「ビタミン」を形成する事もできます。
 植物が日光に当たらないと生活できないのと同じように、私達人間も、日光に当たることで健康を保つことができているのです。

 私自身もアトピーの頃、毎日20分ほど散歩をしながら日光浴をしていました。それまで肌が赤く炎症していたのに、日光浴をした翌日には、炎症がおさまることが多かったからです。
 じっさいにアトピーを改善するために、紫外線療法というものがあります。紫外線を照射して、アトピーを改善する治療法です。けれど、この治療法をしてから、シミができやすくなったという声も聞きます。

 ようするに、なにごともやりすぎはよくありません。あまりにも長い時間日に当たれば、当然シミができやすくなります。ただ、紫外線は悪いことばかりではないということも、頭に入れておくと安心できると思います。

 紫外線の害と、日焼け止めの害の事を考えると、毎日15分ほどしか日光に当たらない場合は、帽子や日傘で対策をしましょう。長くても、30分までが限度だと思います。それ以上の外出は、日焼け止めパウダーをプラスして、対策してみてください。

 紫外線の対策をする時は、遠い場所からと覚えておきましょう。帽子よりも、日傘。日傘よりも日陰。日陰よりも室内といった感じです。

2、肌に優しいメイク用品のおすすめを教えて

 アトピーを改善している時は、化粧品を選ぶのが難しいですよね。

 クリーム系のファンデーションや、プレスされたアイカラーには、油分が含まれています。
 油が含まれていると、肌の上で酸化してしまうので、肌が荒れているときに使用すると、アトピーの悪化につながることがあります。さらに、メイクをすると、クレンジングを使うことになるので、肌への負担はとても大きいですよね。

 そんな時は、パウダー系の化粧品でメイクをしましょう。油分が入っていないので肌に優しく、お湯だけで落とせるのでクレンジングを使う必要がありません。

 肌が乾燥しているときに、パウダー系をつけるのは抵抗がある方もいるかもしれません。
 けれど、肌が乾燥しているときこそ、界面活性剤が含まれているクリームやリキッド系のメイクをするのはできるだけ避けたいものです。乾燥しているときは、ファンデーションを控えて、パウダー系の化粧品でポイントメイクにするのも良いと思います。

 それぞれポイント別に、肌に優しいメイク用品の選び方をご説明します。


◇ファンデーション
 ファンデーションはもちろん、下地やコンシーラーにも、ミネラルパウダー100%のものがあるので、そちらを選びましょう。
 リキッド・固形・クリームタイプには界面活性剤が入っているので、肌への刺激になります。とくにアトピーを改善している時だけは、できるだけ選ばないようにしましょう。



◇アイカラー・チーク・アイライン・アイブロウ
 ミネラル100%のパウダータイプを選びましょう。
 アイラインにパウダー系を使うときは、水でなじませると、リキッド系になるので、書きやすくなります。細い筆を使ってかきましょう。


◇マスカラ
 お湯で落ちるマスカラを使いましょう。落とすときに、クレンジングを使わなくてもいいので、肌に刺激を与えません。



◇リップカラー
 ほとんどのものに界面活性剤が含まれているので、肌が乾燥しているときほど、肌への影響はとても大きいです。さらに、保湿されると新陳代謝の働きを低下させてしまうので、できるだけアトピーの改善中はリップはつけないでおきましょう。
 どうしてもの時は、できるだけナチュラルなものを選んでください。ちなみに、自然界に存在する「ミツロウ」は、安心できる界面活性剤だといわれています。落としやすいように、1種類だけを薄くつけましょう。




◇おすすめのメイクブランド
 ミネラルパウダー系の、おすすめブランドは、エトヴォスやオンリーミネラルなどです。
 成分を比較すると、ファンデーションはエトヴォスがおすすめです。
 その他の化粧品は、オンリーミネラルが成分的にはシンプルなものが多いです。リップにも、ミツロウを使用しています。

 パウダータイプというと、プレストしてあるものをイメージする事もありますが、粉のタイプになっているものがおすすめです。プレストしているものは、固めるために油が使われていることがあるからです。

3、漢方薬って結局どうなの?

 漢方薬を取り入れてから、アトピーの症状がおさまった人もいます。けれど、毎月の費用が何万円もかかり、続けるのが大変だという声も聞きます。さらに使い続けるうちに、だんだんと効かなくなる人もいるようです。

 漢方薬は、天然の鉱物や、動植物を混合して作られていて、副作用が少ないとも言われています。西洋医学の薬と異なる点は、一つの漢方薬に、複数の成分が含まれているので、いろいろな症状に対して、効果が期待できることです。

 このように、漢方薬はからだに優しそうなイメージがありますが、薬は薬です。アトピーのもともとの原因をなおすことができていなければ、漢方薬をやめたらすぐに元通りになってしまいます。
 漢方薬を使っている人たちに話を聞くと、症状はおさまるけれど、治っているようには感じないと言います。
 これではステロイドが漢方薬に変わっただけで、前と何一つ変わっていません。

 アトピーが出ているのには、必ず理由があります。それを何とかして抑えようとするのではなく、大切なのはその原因を見つけ、その原因自体を解決していくことではないでしょうか。

4、感染症が心配・・・

 ステロイドや保湿をやめると、感染症の心配がでてきます。けれど、まだくるかも分からない先のことを、いま心配しても前には進めませんよね。

 感染症になったときの対処法は、2つあります。

 一つは、病院で薬を使って治す方法です。今までせっかく脱ステや脱保湿を続けてきたのに、意味がなくなるのではないかと思うかもしれません。けれど、感染症だけ一気に薬で治して、またすぐにアトピーの改善を再開しても、大きな後退にはなりません。

 もう一つは、薬を使わずに、自力で治す方法です。感染症にかかるということは、体が一生懸命たたかっているときです。薬を使わずに克服する事ができれば、また同じ感染症にかかる確率はグンと下がります。その感染症に対して、抗体ができているからです。

 感染症にかかるということは、それだけ肌が弱くなっているということです。それを何度も薬で乗り越えていたら、なかなか肌が強くなりません。
 だからと言って、すべてを我慢するべきだと言っているわけではありません。感染症だけ割り切って薬で治してから、脱ステと脱保湿に集中するのも一つの方法ですし、感染症も自分で治したいというのであれば、それもそれで良いと思うのです。

 ようするに、こうしなければいけないという制限は何もないということです。感染症の状態にもよるので、心配な時は病院に行って話を聞き、薬を塗るかは後で決めるという方法もあります。

最後に「どこまでいったら幸せ?」

 アトピーさえ治れば幸せになれると思っている人はとても多いです。実際に私もその一人でした。

 アトピーさえ治れば、もっと自由になれるのに。アトピーさえ治ればもっと、いろんなことを頑張れるのに。
そんな風に、自分が幸せになれないのは、アトピーのせいだと思っていたのです。

けれど、本当にそうでしょうか。

 もしかしたら、アトピーだから出来ないと思っていたことは、全てアトピーでも出来たことかもしれない。アトピーだから出来ないと決めつけたのは自分自身だったのかもしれない。

 そう感じるようになったのは、友人からもらった、ある一冊の本がキッカケでした。


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 病気の人は健康になれれば幸せになれると思っています。でも、健康な人は、健康なことに幸せを感じて生きているでしょうか?

 お腹いっぱいご飯を食べたことのない貧しい国の人たちは、お腹いっぱいご飯を食べられれば幸せを感じられます。しかし、いつでもお腹いっぱいご飯を食べられる人は、それだけで幸せを感じられるでしょうか。

 また、「キレイになれれば幸せになれる」と信じている女性は大勢いますが、どの程度キレイになれれば幸せになれ、どの程度だと不幸になると思っているのでしょうか?

 確かなことは、人は手にしているものは幸せと呼ばず、手に入らないものを幸せと言っているということです。

「いい女の条件29・小林 悟」

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 アトピーを治せたら幸せになれると思ってきたのに、このメッセージを読んだとき、わたしはアトピーが治っても幸せにはなれないと確信したのです。

 幸せになれないのはアトピーのせいだと、言い訳にしてきた自分に気付いたとき、私は「アトピーを治してる場合じゃない。」と思いはじめました。

 もしもアトピーを治せたとしても、私はまた同じ人生を繰り返します。
 人の顔色ばかりをうかがい、人のためだといいながら、自分のことばかりを考え、目の前の人を信用できずに、また一人きりの場所へと帰っていくのです。

 アトピーさえ治ったら幸せになれる。
 アトピーさえ治ったら人に好かれる。

 これは、すべて自分自身への言い訳でした。

 あなたが今、もしも満たされない感情を抱いているのであれば、それはアトピーのせいではなく、あなた自身がなにか悩みの核になるものを抱えているのかもしれません。今日という日を、人生の中での一つのきっかけにして、どうして満たされていないのかを良く考えてみてください。

 その方法こそが、最初にご説明した、「第1章、自分と向き合う」という項目です。

 そこを解決できていなければ、もしあなたのアトピーが治っても、あなたはまた同じような人生を繰り返し、いつまでたっても満たされない感情を抱え続けます。そのストレスから、またアトピーを再発させてしまうかもしれません。

 心が変われば思考が変わり、思考が変われば、自然と行動も変わります。

 アトピーを治すから幸せになれるのではなく、あなたの幸せに気付けたときこそ、あなたのアトピーが治っていくときなのかもしれません。

 あなたのアトピーが一日も早く改善されることを願っています。

ねぎと細切り昆布のスープ

[材料] 2人分
ねぎ       30g
細切り昆布(生) 30g
人参       20g
水        300cc
醤油       大さじ1
ごま油      小さじ1
塩        少々
白ごま      少々

[作り方]
1、ねぎは5ミリの厚さに斜め切りにする。
2、細切り昆布は食べやすい長さに切る。
3、人参は皮つきのまま千切りにする(スライサーがあると便利)。
4、鍋に水と1から3までを入れて中火にかける。
5、4が沸騰したら火を止めて、醤油とごま油と塩で味を調える。
6、器に盛って白ごまをふりかける。


[ワンポイント]
◇野菜を煮過ぎないことがポイントです。
◇人参と昆布は腸のお掃除をするためのベストコンビ♪なので体の中からきれいに、アトピーの原因も取り除けます。
◇昆布の中に含まれているヌルヌル成分のフコイダンには、自然治癒力を高める作用があります。そのため、アトピーの改善をサポートしてくれる食材のひとつです。

切干しとセロリと春雨の
中華風サラダ


[材料] 2人分
切干大根(乾燥)  10g
セロリ       40g
セロリの葉     3枚
春雨(乾燥)    45g
[ドレッシング]
醤油        大さじ1と1/2
りんご酢      大さじ1
ごま油       小さじ1/2
塩         少々

[作り方]
1、切干大根をお湯で柔らかく戻し、水気をよく切る。
2、セロリは斜め薄切りにする。葉は、細く刻む。
3、春雨は熱湯に完全に浸してフタをし、5分蒸らす。そしてザルにあげて水気を切っておく。
4、ドレッシングは、すべての材料をよく混ぜて作る。
5、1から3までをドレッシングで和えて完成。

[ワンポイント]
*切干大根はビタミンやミネラル、食物繊維といった栄養素がとてもたくさん含まれています。セロリと一緒に組み合わせることで酵素もムダなく吸収されていき、お腹の中からきれいになるので(便秘を改善)アトピー改善には欠かせない組み合わせです。
*さらに、セロリにはアトピーを酷くしてしまう原因のひとつ「ストレス」を和らげる効果もあります。
*春雨で食べ応え&ボリュームもUP!それなのに超低カロリーなサラダです。

れんこんの
レモンドレッシング


[材料] 2人分
・れんこん       140g
・レモン汁       大2
・レモン皮       1/3個分
 (すりおろすor細切りに刻む)
・ハーブソルト     小1/2
 (お好みのものでOK)
・ミックスナッツ    5g
・はちみつ       小1と1/3


[作り方]
1、れんこんは皮つきのまま1㎝の厚さで食べやすい大きさに切る。
2、1を鍋に入れ、水をひたひたになるまで注ぎ、強火にかけて沸いたら30秒茹でる。
3、2をザルにあげて水気をよく切り、冷めないうちにレモン汁とレモンの皮とはちみつとハーブソルトを入れてよく混ぜる。
4、食べる直前にミックスナッツを振りかける。

[ワンポイント]
◇れんこんは水から茹でることでもっちり甘く仕上がります。
◇れんこんを茹でるときは酢を入れると色がきれいになるとよく言われますが、栄養素も抜けてしまうため、あまりおすすめしていません。
◇さらに、れんこんにはポリフェノールという栄養素が含まれていて、これがアトピー改善に欠かせない栄養素です!
◇れんこんとレモンを一緒に食べることでビタミンCもたくさん摂れるため、皮膚を丈夫にし、美肌効果も抜群です。

カリカリじゃこと
シーベジタブルサラダ


[材料] 2人分
海藻ミックス(乾燥) 5g
醤油         大さじ1
ごま油        小さじ1
[カリカリじゃこのトッピング]
椎茸         大2個
ちりめんじゃこ    7g
松の実        15g
赤ピーマン      1個(40g)
油          大さじ1
醤油         小さじ1
砂糖         2つまみ
塩          少々

[作り方]
1、カリカリじゃこのトッピングを作る。椎茸は軸を取って薄切りにする。
2、赤ピーマンは種を取って太めの斜め切りにする。
3、フライパンに油を入れて温め、弱火ですべての材料をゆっくり炒める。(目安は5分くらい)
4、3の粗熱が取れたら、水で戻してよく水気を切った海藻ミックスと醤油大さじ1、ごま油と一緒によく混ぜる。

[ワンポイント]
◇海藻は「シーベジタブル」とも言われていて、美肌になるためには野菜と一緒に組み合わせて食べるのがおすすめ。普段の食生活で不足しがちなビタミン類や亜鉛、カルシウムもしっかり摂れます♪肌荒れにも効果バッチリ。
◇素肌がうるおうためには、女性ホルモンのバランスを整えることも大切。そのために必要なマグネシウムが海藻にはたくさん含まれています。

コロコロポテトと
人参のさっぱりサラダ


[材料] 2人分
じゃがいも   270g
人参      70g
くるみ     5g
りんご酢    大さじ1/2
パセリ     少々
塩       少々
砂糖      2つまみ

[作り方]
1、じゃがいもは皮をむいて一口サイズに切り、塩2つまみ入れて茹で、粉ふき芋を作る。
2、人参を皮つきのまま千切りにする。(スライサーを使うと便利)
3、くるみは小さく刻む。
4、1が冷めたらボールにすべての材料を入れ、よく混ぜて味を調えて完成。


[ワンポイント]
◇じゃがいもには熱に強いビタミンCがたっぷり♪人参は栄養分が集まっている皮つきのまま一緒に組みあわせて食べると美肌効果UP。
◇りんご酢の代わりにレモン汁でもOK。美肌に効果的なビタミンCの吸収率をUPしてくれます。
◇じゃがいもを茹でる時に、割いたしめじも一緒に加えて♪茹でたしめじを加えると、食物繊維もUPして体の中からキレイに。

ビタミンCが凝縮♪
みかん風味フルーツサラダ


[材料] 2人分
柿       70g
りんご     80g
春菊      30g(葉の部分)
みかん果汁   中1個分
レモン汁    小さじ1
醤油      小さじ1/2


[作り方]
1、柿は皮をむいて小さく切る。
2、りんごは皮つきのまま小さく切る。
3、春菊は葉の部分だけ千切って使う。
4、ボールにすべての材料を入れ、みかんの果汁をしぼってよく混ぜる。


[ワンポイント]
◇春菊と柿とみかんを組み合わせることで、ビタミンCの吸収率を最大限UP!
◇春菊には、女性に不足しがちな葉酸やミネラル分が豊富です。このサラダは美肌効果だけでなくアンチエイジングや貧血予防にもピッタリ。
◇甘さが足りない時は、熟したみかんの果肉やはちみつを少々入れると美味しくなります。

ブロッコリーと大根の
ピーナッツ和え


[材料] 2人分
ブロッコリー   100g
大根       110g
ピーナッツ    15g(粉末)
はちみつ     大さじ1/2
醤油       大さじ1/2
塩        少々

[作り方]
1、ブロッコリーは食べやすい大きさに切って茹でる。
2、大根は皮つきのまま千切りにする。(スライサーを使うと便利)
3、すべての材料をボールに入れて、よく混ぜる。


[ワンポイント]
◇ブロッコリーは水気をよく切り、少し温かいうちに調味料と一緒に混ぜると、味が染み込みやすくなります。
◇ブロッコリーや大根は、肌荒れの原因をすっきり取り除いてくれる代表的なアブラナ科の野菜。普段から意識して食べるようにしてみて下さい。
◇ピーナッツの粉末は、すりごまなどが売っている売り場にあります。
◇はちみつで甘さを調節して下さい。

ブロッコリーと納豆の
クリーミーサラダ


[材料] 2人分
ブロッコリー  90g
アボカド    130g
納豆      50g
かつおぶし   2.5g
塩       小さじ1/2強

[作り方]
1、ブロッコリーは小さく割いて茹でる。
2、アボカドは皮をむいて、3センチ角に切る。
3、ボールに1と2と納豆、かつおぶしを入れてよく混ぜ、塩で味を調える。








[ワンポイント]
◇ブロッコリーは、体内に溜まったアトピーの原因になる毒素を体外へどんどん出してくれる作用がある野菜。アボカドと組み合わせると、さらにその作用がUPします。
◇アボカドと納豆を入れることで、クリーミーな舌触りに変身する不思議なサラダ。
◇かつおぶしは香りのよいものを使用すると、塩分が少なくても美味しいサラダに仕上がります。
◇白菜やキャベツの千切りを入れても美味しいです。

白菜のカリカリピーナッツ
サラダ


[材料] 2人分
白菜        130g
切干大根(乾燥)  13g
ピーナッツペースト 25g
はちみつ      7g
レモン汁      小さじ1と1/3
醤油        小さじ2

[作り方]
1、白菜は1㎝の細切りにする。
2、切干大根はぬるま湯に浸けて柔らかく戻し、よく水気を切る。
3、ボールにピーナッツペーストとはちみつを入れてよく練り、レモン汁と醤油を混ぜる。
4、3に1と2を入れてよく和える。

[ワンポイント]
◇ピーナッツペーストは、あれば無糖のものを使用して下さい。中にピーナッツチャンク(ピーナッツを刻んだもの)が入ってる方が美味しいです。もし無いときは、ピーナッツの刻んだものを足して下さい。
◇ピーナッツペーストは最初にはちみつとよく混ぜてからレモン汁や醤油を入れて下さい。最初から全部入れてしまうと、ダマになってしまいます。
◇白菜はブロッコリーと同じ「アブラナ科」の野菜。体内の毒素をどんどん排泄してくれる効果があります。
◇ピーナッツは脇役的存在の食材ですが、女性の体にきちんとたんぱく質やビタミンなどを吸収できるように助けてくれる作用や、肌をしっかりと丈夫にしてくれる作用もあります。

菜の花のペペロンチーノ風スープ

[材料] 2人分
菜の花     50g
マカロニ    30g(乾燥)
切干大根    5g(乾燥)
(ぬるま湯で戻さずにそのまま使用)
ニンニク    1かけ
赤唐辛子    1本(乾燥)
水       400cc
オリーブ油   大さじ1
塩       小さじ1

[作り方]
1、菜の花は軸の部分を1㎝くらい切り取り、3㎝長さに切る。
2、ニンニクは薄切りに切る。
3、鍋にオリーブ油と1と2と赤唐辛子、切干大根、マカロニを入れて中火で炒める。
4、2分くらい炒めてニンニクの香りがしてきたら、水を入れてコトコト煮る。
5、7~8分くらい煮てマカロニが柔らかくなったら、塩で味を調える。


[ワンポイント]
◇菜の花には、肌をきれいに丈夫にする作用がたくさん含まれています。がん予防の効果もあります。
◇ニンニクには、私たちの体内の血液の流れをよくする作用があるので、体内の毒素を体外へ排出しやすくしてくれます。
◇オリーブオイルは、エクストラバージンオリーブオイルをおすすめします。
◇マカロニではなくパスタを茹でて加えれば、おしゃれなスープパスタにも変身します。

豆苗としらすの
ねばねばサラダ


[材料] 2人分
豆苗        50g
しらす       25g
納豆        90g
トマト       100g
醤油        大さじ1
醤油麹(あれば)  小さじ1~2
(ないときは麺つゆで代用OK)


[作り方]
1、豆苗は3㎝長さに切り、沸騰した湯で10秒茹でる。
2、トマトは皮つきのまま3㎝角に切る。
3、ボールによく水気を切った1と2、しらす、納豆、醤油、醤油麹を入れてよく混ぜる。
4、器に盛り付ける。

[ワンポイント]
◇豆苗は生でも良いのですが、少し癖があるので、今回はサッと茹でて使います。しらすと一緒に炒めても美味しいです。
◇豆苗は皮膚を丈夫にしてくれるβ―カロテンがとても豊富で、ビタミンCもたっぷり含まれています。アトピーを改善して素肌をキレイに保つために欠かせない野菜のひとつです。生でも大丈夫な方は、ぜひ生で召し上がることをおすすめします。
◇カイワレやねぎを刻んだものを入れると、さらにアトピー改善効果が高まります。

じゃがいもと青海苔の
とろとろスープ


[材料] 2人分
じゃがいも    120g
トマト      100g
水        200cc
和風だし(顆粒) 小さじ1
砂糖       小さじ1/2
塩        小さじ1/2
青海苔      2g


[作り方]
1、じゃがいもは皮をむいてすりおろす。
2、トマトは皮つきのまま3㎝位の大きさに切っておく。
3、鍋に1と水、和風だし(顆粒)を入れてかき混ぜながら沸騰させる。
4、3がぐつぐつ煮立って、とろみがついたら、砂糖と塩で味を調える。
5、4が少し冷めたら、トマトと青海苔を入れてよく混ぜる。

[ワンポイント]
◇じゃがいもをすりおろしてから煮ると、優しいとろみのついたスープができます。青海苔を入れると春の香りがして、とても優しい味のスープに仕上がります。生のトマトを入れると味にアクセントが出ます。
◇じゃがいもの中には肌をどんどん生まれ変わらせる働きを持つビタミンB2が含まれています。じゃがいもの中に含まれる熱に強いビタミンCと一緒になって、肌を丈夫にどんどん新しくしてくれます。
◇青海苔は、細くて細かいものを選ぶとより香りが出て美味しくなります♪
◇離乳食や小さなお子さんでも安心して食べられるスープです。ごぼうの細切りを入れても美味しいです。

長芋とルッコラのサラダ

[材料] 2人分
長芋       120g
ルッコラ     20g
白きくらげ(乾燥)10g
松の実      10g
米味噌      15g
はちみつ     10g
塩        2つまみ


[作り方]
1、長芋は皮をむいて2㎝角のサイコロ状に切る。
2、ルッコラは食べやすい長さに切る。
3、白きくらげはたっぷりの水と一緒に鍋に入れ、中火にかけて柔らかくコリコリになるまで煮る。
4、ボールに米味噌とはちみつと3の煮汁大さじ2を入れてよく溶かし、1、2、小さくちぎった3、松の実を入れてよく混ぜる。
5、最後に塩で味を調えて完成。

[ワンポイント]
◇長芋の中に含まれているネバネバ成分の素「ムチン」には、細胞を新しく生まれ変わらせ、元気にしてくれる働きがあります。アトピーで弱った細胞を元気に新しく生まれ変わらせてくれる野菜です。他にも消化を助けて便秘を改善する効果が高いので、アトピー改善には必須の野菜です。
◇白きくらげはキノコの仲間。肌に水分をきちんと行き渡らせて、うるおい肌にしてくれる作用があります。そして肌に必要な水分が隅々まで届くと栄養分もまんべんなく届き、アトピー改善の心強い味方になります。

甘夏ミカンと春キャベツの
甘酸っぱいサラダ


[材料] 2人分
甘夏ミカン      250g
春キャベツ      100g
エノキ茸       120g
新玉ねぎ       50g
すりごま白      5g
醤油         大さじ1
レモン汁       大さじ1
みりん        大さじ1
塩          少々


[作り方]
1、甘夏ミカンは皮をむいて白いところを取り除き、食べやすい大きさに切る。
2、春キャベツは千切りにする。
3、エノキ茸は半分の長さに切り、沸騰した湯で20秒茹でてザルに上げておく。
4、新玉ねぎは薄切りにする。
5、ボールに1から4までを入れ、すりごま、醤油、レモン汁、みりんと一緒によく混ぜる。
6、塩で味を調えて、器に盛る。

[ワンポイント]
◇甘夏ミカンの白いところはなるべくきれいに取り除いて下さい。苦味が残ってしまいます。
◇カシューナッツやアーモンドを入れても美味しいです。
◇今回は、新玉ねぎと春キャベツを組み合わせたサラダ。この二つには血液の流れや働きを整えてくれる作用があるので、アトピーの原因となる体内の毒素を体外へ出しやすくしてくれます。

ジェラートにも♪
里芋とバナナのサラダ


[材料] 2人分
里芋        300g
熟したバナナ    120g
生姜        7g
塩         小さじ1

(お好みで)
柚子果汁    大さじ1~2
ほうれん草のお浸し 50g


[作り方]
1、里芋は皮をむいて柔らかく茹で、滑らかになるまでつぶす。
2、バナナを1に加えて、フォークでつぶしながら混ぜる。
3、しょうがはすりおろして、2に加えてよく混ぜる。
4、塩と柚子の果汁で味を調える。
5、最後にお好みでほうれん草のお浸しを刻んだものを加える。

[ワンポイント]
◇はちみつやメープルシロップで甘味を足して、ほうれん草のお浸しを加える前に冷凍庫へ♪すると野菜のジェラートに変身します。
◇バナナで「うるツヤ肌」に!バナナにはカロテンやビタミンB1、B2、Cが豊富。カロテンは体内でビタミンAに変わって粘膜や皮膚を丈夫に!ビタミンB群やCはうるツヤ肌に欠かせない必須美肌栄養素。
◇里芋は芋類の中で一番体に優しい野菜。良質なたんぱく質と食物繊維が豊富で、美肌作りに欠かせません。
◇バナナはりんごと一緒に袋に入れておくと、早く熟します。

アボカドの和風スイーツ

[材料] 2人分
アボカド       1個
きなこ        大さじ2
塩          ふたつまみ
黒蜜         大さじ2


[作り方]
1、アボカドを縦半分に割り、種を取り除き、四角に切る。
2、器に盛り付け、塩を混ぜたきなこと黒蜜をかける。








[ワンポイント]
◇きなこにほんのり塩味をつけるのが美味しくなるポイント!
◇アボカドは果物のひとつで、他の果物に比べてビタミンやミネラルや食物繊維の含有量が、ほとんどトップを占めています♪便秘改善や、血液をサラサラにする効果があるのでデトックス効果が高く、肌に栄養分や水分を巡らせて乾燥を防ぎます。体をの細胞を作る時に必要な葉酸も、果物の中でトップです。
◇1日1個のアボカドで、1日分の葉酸がほぼ摂れます。

さつまいものナッツトリュフ

[材料] 2人分(10個分)
さつまいも        300g
甘酒の素または、はちみつ 大さじ2
塩            ふたつまみ
ミックスナッツ      20~30g



[作り方]
1、さつまいもは皮つきのまま小さく切って、塩を加えて柔らかくなるまで蒸し煮にする。
2、1が熱いうちに甘酒の素もしくは、はちみつを加えてつぶしながらよく混ぜる。
3、2がまだ温かいうちに丸めて、ナッツを周りにまぶす。


[ワンポイント]
◇きなこを周りに付けたり、ココアをまぶしても美味しいです。
◇さつまいもは、両端から黒いみつが流れ出ているものが甘い証拠!
◇さつまいもには腸内を掃除してくれる食物繊維だけでなく、熱に強いビタミンCがたくさん含まれているので、肌をきれいする効果が高いです。アトピー改善には欠かせない野菜のひとつです。
◇1日1個のアボカドで、1日分の葉酸がほぼ摂れます。

りんごとカモミールティーのゼリー

[材料] 2人分
りんご       100g
カモミールティー  2g(ティーパック2個)
水         500cc
粉寒天       大さじ2(4g)
はちみつ      30g


[作り方]
1、鍋に水と粉寒天を入れて沸騰させ、沸騰したら弱火にして3分くらいかき混ぜながら寒天を煮溶かす。
2、火を止めてティーパックを入れ、ふたをして5分くらい蒸らす。
3、2にはちみつを入れて冷まし、冷蔵庫で冷やし固める。
4、りんごは皮をむいて5ミリ角くらいのサイコロ状に刻む。
5、3と4をスプーンでよく混ぜ、器に盛り付ける。

[ワンポイント]
◇カモミールティーはリラックスしたいときなどにおすすめのハーブティーです。貧血や冷え性を改善したり、消化を助けてくれる働きもあります。リンスとしてカモミールティーを使用する人もいるくらい、女性にとっては嬉しい効果がたくさんあるハーブです。ただし、妊娠中の方は控えて下さい。
◇はちみつとカモミールティーは相性が良く、ストレスがとろ~っと溶けて心が穏やかになれる組み合わせ。アトピーの原因のひとつであるストレスを優しく和らげてくれるデザートです。
◇好みのハーブを飾るととてもおしゃれなデザートになります。

バナナとみかんの
デトックス促進ジュース


[材料] 2人分
熟したバナナ    大4本
熟したみかん    大2個

(お好みで・・・)
チリペッパー(唐辛子の粉)
もしくはカレー粉 二つまみ

[作り方]
1、ミキサーに皮をむいたバナナとみかんを入れて滑らかになるまでよく回す。
2、1にレモン汁を加えてさらに混ぜる。
3、2を器に注ぎ、チリペッパーもしくはカレー粉をひとつまみ振りかける。



[ワンポイント]
◇バナナは、茶色い斑点(シュガースポット)がポツポツとでてきた熟したバナナを使用するのがおすすめです。酵素もよりたくさん摂れます♪
◇バナナには、病気から私たちの体を守る白血球を元気にする力が備わっています。なので、アトピーが改善するのを助けてくれます。
◇みかんは、体内に溜まった毒素を体外へスムーズに出してくれる果物。そのため、アトピーの原因をきれいにお掃除してくれます。
◇チリペッパーやカレー粉は入れなくてもOK。けれどほんの少し入れることで、体内のデトックス作用にスイッチを入れてくれる役目があります。つまり、デトックス作用が促進されます。

完熟キウイと
みかんのジュース


[材料] 2人分
熟したキウイ     260g
熟したみかん     360g



[作り方]
1、ミキサーに皮をむいたキウイとみかんを入れて、滑らかになるまでよく回す。
2、器に注ぐ。










[ワンポイント]
◇キウイは、熟すと酵素が増えます。りんごやバナナと一緒に袋に入れておくと、早く熟します。
◇熟したみかんの見分け方は、皮がちょっと乾燥し始めて硬いものを選ぶと甘くて美味しいジュースになります。
◇みかんには、便秘を解消する効果もあるので、アトピー改善や美肌効果もバッチリです。

I love me アトピーを改善して理想のあなたになるレシピ

2014年4月8日 発行 初版

著  者:ふみか
発  行:Rin organic

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bcck: http://bccks.jp/bcck/00121263/info
user: http://bccks.jp/user/125861
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株式会社BCCKS
〒141-0021
東京都品川区上大崎 1-5-5 201
contact@bccks.jp
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◇レシピ提供:久保典子(本物の料理研究家)

私がアトピーを改善している時、久保さんのレシピに何度も救われました。
「食べて体の症状を改善する」ということをテーマに、酵素を取り入れた食事法やレシピを考案されています。

ブログhttp://ameblo.jp/honmono-kenkyuuka/



◇デザイン:柴田 昌子

友人でもあり、仕事のパートナー。
この本のデザインを担当しています。



◇著者:ふみか

1987年愛知県生まれ。
自然派美容師・美容ライター
アトピーの経験と、美容師の仕事を融合し、健康的な美しさをテーマに、女性をプロデュースする活動を展開。フリースタイリストとして、サロン〝Rin organic〟にてお客様を美しくする事を基盤にし、その傍らで美容と健康サイトの運営や、アトピーに関連した活動を行っている。

サイトhttp://rinorganic.com/beauty/

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