皇紀二六七四年。
( 西暦2014年 )夏。
熱い夏の陽射し。
セミとおっかけっこ。
プールの水しぶき。
アイスクリームのあたり。
大事にしていた光る石。
あの頃は、どうして、
夢中に太陽を追いかけたの ?
やり残した宿題は、
今も胸に忘れたまま。
ふでばこ、消しゴム、えんぴつ、
三角定規、ひまわり、帰り道。
大人になった少女は、
白紙のノートを見つめていた。
「永遠の夏休み」
を探すために。
竹久秀二の処女詩集。
───────────────────────
───────────────────────
人間には生きる自由はあるのか?
人間には死ぬ自由はあるのか?
◇ 詩集 ◇
一 ─ 私よ、私から自由になるために ─
永遠の夏休み
七十億個の心臓
本当はスポンジ
無人島にて
メロディになりたい
本当は超能力者
自己暗示の詩(八月)
自分
ひまわり
七十億個の宇宙
今日も夢の中
詩人の魂
記憶装置はやっかいね
カエルの歌
風
二 ─ 世界中の街で鍵と錠がなくなる日 ─
人
時と場所と姿を変えた私
頭の中
善と悪
私はヒーロー
本当はどうなの?
非人間讃歌
こどもたちにおくる詩(大人たちに突きつける詩)
巨人
コーヒーショップ
映画の世界へ行ってみたい
飾る力
旅人
私の歌
世界中の街で鍵と錠がなくなる日
三 ─ 神様なんて大キライ ─
冷静に考えてみる
真実はころされる
問い 人類は何故、混乱しているのか?
神様なんて大キライ
神様 VS 私の中の少女「丸いリングの中で」
神様への訴状
神様 VS 私の中の少女 パート2
お誕生日おめでとう
前向きな遺書(百年を生きるカルマのなかで)
綺麗な服を着た奴隷たちの歌
白い箱
裸の気持ち
三万本の木
性善説
変身
◇ 歌集 ◇
四 ─ ブッタの詩「サイケデリック解釈」─
氷の炎(四苦八苦)
私のもの(諸法無我)
地球は五十億年後に死ぬ(諸行無常)
五 ─ 彼女は海賊 「独立国の建国の宣言」 ─
無伴奏チェロプレリュード第一番「自由への疾走」
彼女は海賊「独立国の建国の宣言」
スーパースター
虹の騎士団
失われた変性意識
想像(サイケデリック解釈)
すべての武器をお菓子にかえて
「刀」 皇紀二六七四年
皇紀二六七四年(西暦二〇一四年) 夏
熱い夏の陽射し
プールの水しぶき
セミとおっかけっこ
アイスクリームのあたり
宝箱にかくした光る石
あの頃、なぜ、夢中に太陽を追いかけていたの?
やり残した宿題は、今も胸に忘れたまま
ふでばこ、消しゴム、えんぴつ、三角定規、ひまわり、帰り道
大人になった少女は
白紙のノートを見つめていた
永遠の夏休みを探すために
私の心臓を動かしているのはだれ?
七十億個の心臓を動かしているのはだれ?
私の心臓を動かしているのはなぜ?
七十億個の心臓を動かしているのはなぜ?
私とは、つぎはぎだらけの他人である
スポンジが水を吸い込むように
いろんな色を吸い込んで
いろんなものを描いてみる
時が経つと重くなるから
しぼり出しては、それを私だと言う
スポンジは隙間だらけ
本当はフワフワして軽いの
無人島にやって来ました
天国のような海を見ています
もう誰にも会うことはないでしょう
コーヒーを一杯いれて
くつろいでみるのです
お元気ですか?
私の心の中に生きる人々よ
あなたはもはや、永遠の人
ここにいれば、
あなたは生死を超えた存在になる
永遠でないのは、私だけになりました
時にははやく
時にはゆっくりと
ひとつになってみたり
みっつに重なってみたり
黒くなったり、白くなったり
のびてみたり、ちぢんでみたり
低いところから、高いところへと
そして沈黙してみたり
電話はテレパシー
テレビは時間旅行
ジェット機は空中飛行
新幹線は瞬間移動
ブルドーザーは怪力
望遠レンズは千里眼
爆弾は超破壊
化粧は変身
人は忘れてしまった力を使いたくて
道具を作っているのね
口角をしっかり上げて
今日も笑顔で生きましょう
八月のカレンダーを見て誓う
August
朝から晩まで、あいつは見ている
ひとり部屋も、お風呂にいるときも
あいつは見ている
花壇に植えられたひまわりも
みんなで遊んでいるときも
ひとりぼっちの公園も
いつもあいつは見ている
自分には嘘はつけないわ
自分には嘘はつけないわ
机を考えると、私と机はつながる
窓を考えると、私と窓はつながる
ひまわりを考えると、私とひまわりはつながる
風景を考えると、私と風景はつながる
あの人のことを考えると、私とあの人はつながる
私は一つのことしか考えられない
世界のみんなと、つながるにはどうするの?
そんな時、
私は空を、ぼぉーっと見つめてみるよ
ここにはたくさんの宇宙があると思う
それは私の宇宙とあなたの宇宙
私の宇宙では、主人公はもちろん私よ
あなたの宇宙では、主人公はもちろんあなたよ
人生なんて、自分が主人公で他の人はみんな脇役
だから、
みんな主人公と脇役を同時に演じているのね
でも時々、一つの宇宙に主人公が二人になる時がある
それはきっと、
トキメキの始まりだと思うわ
今日も夢を見ている
夢の世界にも慣れてきたものよ
だってこれは夢だと知っているんですもの
最近はいつもこんな夢ばかり
地球が太陽の周りを一万年回っている間
神様と悪魔がずっと戦闘モードよ
それはまるで私の心模様
でも大丈夫、これは夢だと知っているんですもの
色んな結果のバリエーションを見てきたわ
トウモロコシは黄色
ブドウは紫色
エダマメは緑色
もちろんスイカは赤色よ
本当にキレイで本物みたいなの
そして、目が覚めて思うの
これは全部、私一人で創っているってことよ!
びっくりするわよね
そして、今日も夢を見ている
彼は路上でのたうちまわる
今日の真実を求めて
彼は知っているのだ
確実に明日が来ないことを
トウモロコシ畑の迷路は得意
教会につづく道も覚えているけど
あの人のことは忘れられなくなる
学校へ行くのは好きだし
帰り道も覚えているけど
あの人のことは忘れられなくなる
土の中で過ごした日々を、カブトムシは覚えているの?
八月の風は私に吹いてくれるけど
風になりたいけど
いいのよ
今宵は、せつない気持ちのままで
カエルの歌が聞こえてくるよ
ケロッ、ケロッ、と呪文のように
クワッ、クワッ、と呪文のように
それがとても力強いのは
大好きな相手に思いを伝えたいからよ
そうよ、私はカエルを見習うべきよ
それはきっと恋の呪文だから
風が好きなのは
それは本当はないものだからだと思う
人は本当は
だれかのためにしか
生きることができない
そんな生き物だと思う
ベビーカーにのっている赤ん坊
熱狂している幼稚園児
パン食い競争で走っている少年
一人、図書室に隠れる女学生
地下鉄を走る大人
スーパーで二時間も買い物をする母親
ベンチで黄昏れる老人
遠い国の戦争について考える
三分後
人類の歴史について考える
三分後
お昼ご飯について考える
三分後
財布の中身について考える
三分後
知性レベルの高い社会構造について考える
三分後
電信柱と入道雲について考える
三分後
通り過ぎる美人について考える
三分後
ウチワをあおぎ、アイスコーヒーを飲む
全ての問題の答えが出ていると知る
王様が変われば、それは善になる
時代が変われば、それは悪になる
場所が変われば、それは善になる
宗教が変われば、それは悪になる
法律が変われば、それは善になる
社会が変われば、それは悪になる
学者が変われば、それは善になる
新聞が変われば、それは悪になる
常識が変われば、それは善になる
人間が変われば、それは悪になる
善と悪は、都合により入れ替わるものである
私は秘密のボタンを知っている
ボタンを押すと、五感の感度がパワーアップ!
人気マンガのヒーロー気分よ
瞳のレンズは電子顕微鏡
体は粒子に見えてくる
私とあなたの境目がわからなくなって
ひまわり畑の風景のなかに消えてゆく
もし世界が全部、夢だったらロマンチックね
もし世界が全部、夢だったらセンチメンタルね
みんな秘密のボタンを知っている
だってみんな同じ所にアクセスしているもん
地球は丸いの?
太陽は核融合しているの?
猫は何も考えていないの?
進化論は真実なの?
空間は今も膨張しているの?
海の向こうに異国はあるの?
神様はいるの?
死んだら全てが終わりなの?
私の中に心臓があるの?
本当はどうなの?
青空、海、八月の風
まっさらな気持ちで
もう一度考えてみたい
人間を誉め讃えるような
きれいな詩は読みたくない
きれいな本も見たくない
もちろん言葉も聞きたくないわ
あなたのメロディを聞かせてほしい
メロディは嘘をつけないから
それはきっと波のように
頭を通過して、私のハートに届くから
大人の言うことを、簡単に信じないで
「みんなで仲良く遊びましょうね」
と言いながら
大人は機関銃を撃ち続ける
直接的に、間接的に、意識的に、無意識的に
戦争を続けているのよ
大人の言うことを、簡単に信じないで
本当に信じないで
私は巨人になりたい
巨人になって、月に岩をぶつけてみたい
太平洋を、得意のクロールで2時間で横断よ
世界を壊しちゃうかもね テヘッ ♡♡
地べたからノミが襲ってきてかゆいの
ノミが考えた爆弾なんてきかないわ
鼻クソみたいな小さな脳ミソのくせに
海が汚れてきたけど影響ないわ
私は巨人だもの
太平洋を、得意のクロールで2時間で横断よ
世界を壊しちゃうかもね テヘッ ♡♡
いつもの席に座り、ガラス越しに街を見ている
頭の中は今日もぐちゃぐちゃ
いつも何かを考えている
こんな世界に、うんざり
こんな自分に、うんざり
生きることに、うんざり
光になって消滅できないことに、うんざり
コーヒーをください
つかの間でもいいの
大好きな香りのなかで
私が存在することを忘れたい
映画の世界は大好きよ
ファンタジー、ラブロマンス、アクション、コメディ、ドラマ
どんなジャンルも大好きよ
何が起こっても大丈夫
だって必ずエンディングがあるもの
― THE END ―
幕が降りれば、ただの物語になってしまう
だから何が起こっても大丈夫
映画の世界へ行ってみたい
― 大きな宇宙を作ったあなたは
― 何億光年も私を見ている
― 何度も何度も私を見ている
― まるで私を映画のヒロインのように
まずは裸になってください
そしてギラギラな衣装を着てください
頭に冠をつけましょう
指には大きな宝石
腰には黄金の剣を
おっと、靴もこちらに履きかえて
さあ、この大きな椅子に座ってください
音楽隊は複雑で大きな音を鳴らします
そしたら胸を張ってゆっくりと前へ
空を突き刺す高層建築の最上にて
右手を天にかざしてください
騎士たちは隊列を乱さず、剣を掲げます
群衆は熱狂しております
さあ、一言いってください
「世界で一番偉いのは私だ!」と
小さなリュックを背負って
いろんな国を旅しています
砂漠の街にやってきました
今夜の宿屋を決めたらチェックイン
ベットに寝転がって目をつぶります
そして、ふと気づくのです
真っ暗な闇の中で
国境を超えて、街から街へ移動します
お花も、服も、ご飯も、風も
いつも変わっていきます
そして今夜の宿屋を決めたらチェックイン
ベットに寝転がって目をつぶります
そんな事を繰り返していると
ふと気づくのです
真っ暗な闇の中で
私は生涯
どこへも移動していない
旅人だということを
ライオンはガオォーッと吠えてくる
タヌキはポンポコふざけてくる
キツネは化けてくる
ハイエナは狙っている
ブタはエサを探す
サルは周りの顔色を見る
タカは高すぎて見てない
けれど、星はキラキラしてくれる
そしたら私もキラキラをかえすのよ
それは秘密の共有サイン
私はいつもキラキラだけを見ている
私はあなたのために歌うわ
私はあなたのために生きるわ
そんな日を想像すると
胸がワクワクしてくるわ ♡
鍵のかわりに何をつけましょうか
扉には花を飾りましょう
きっとパン屋さんはパンの鍵ね
自転車にはキラキラなライトを追加
車はちょっぴり軽くなってスピードアップ
世界中の街で鍵と錠がなくなる日
そんな日がくるなんて信じられない?
私は信じてみたいの
まずは想像してみたいの
必要のないものが全部
世界中から消えてしまう日を
P.S
鍵屋さんが困るって?
そんなことないわ
きっと次は、心の鍵を作るわよ
私の心の中はまだ
ちらかったままだもの
私が消えても
この世界は本当に続いているの?
真実を書く人は、ころされる
真実を語る人は、ころされる
真実を叫ぶ人は、ころされる
真実を示す人は、ころされる
その人は光のようにまぶしいから
この世界から見えなくなる
答え 死の秘密を解き明かしていないから
神様なんて大キライ
だって、人生は苦しみに満ちているのよ
すると、神様は言うの
「それは、あなたの神聖な運命だ」と……
神様なんて大キライ
私はこんな世界に生まれたくなかったのよ
すると、神様は言うの
「それは、あなたが事前に決めたことだ」と……
神様なんて大キライ
生き物は死ぬのが恐いのに
どうして生きるために生き物を殺して
食わねばならないの?
すると、神様は言うの
「このシステムは完璧だから、受け入れなさい」と……
神様はとっても意地悪だと思うわ
あなたの答えは、まるで悪魔が使う手よ
いよいよ戦いの時がきたわ
ここまで来るのが本当に大変だった
これは私にとって最後の聖戦
相手はなんてたってあいつよ
世紀のスーパースター
「神様」
だれもが知る世界の王者よ
私は孤独な挑戦者
どう考えても勝てやしないわ
でもリングに上がるしかない
逃げ道はもうないし
だれも助けてくれない
けれど、みんなの声援は聞こえる
大丈夫よ、秘密訓練はバッチリ
私は絶対に勝つ
相手はなんてたってあいつよ
世紀のスーパースター
「神様」
どう考えても勝てやしないわ
どう考えても勝てやしないわ
どう考えても勝てやしないわ
平成二十六年 夏
空想簡易裁判所 御中
原告 私の中の少女
被告 神様
― 事件の概略 ―
数十年に及ぶ下劣な人格の装備を強制させられ、原告は心身に激烈な苦痛が生じた。
悪が支配する世界に、長期にわたり強制的に滞在させられ、原告は心身に激烈な苦痛を生じた。
― 訴訟物の価格 ―
お金のレベルじゃありません。
【請求の趣旨】
一
被告は原告に対し、前記に記述した事件の概略の動機、意義、目的、を明確に説明するべし。
原告を下劣な人格、及び記憶から解放するべし。
二
被告は原告に対し、精神的、物質的にも悪の支配する世界から自由にするべし。
三
訴訟費用は被告の負担とする。
【請求の原因】
原告は、人格が形成するとされる0歳から十歳までの期間、下劣な人間の集団に置かれた。
そのため下劣な経験、記憶を埋め込まれ、下劣な人格を装備させられた。
その人格から発生する思考、言葉、行動により、精神及び肉体にも苦痛を体験する事となった。
原告は選択の余地もなく、悪の支配する世界、環境に生み落とされた。そのため精神的、及び肉体的にも奴隷としての生存を余儀なくされた。
~~~~(中略)
原告に生まれる環境の自由はなく、
被告の悪質な意思であることは明白である。
人間には死ぬ自由はあるのか?
お誕生日おめでとう
今日はあなたが生まれた日よ
お腹いっぱい食べてね
あなたの好物ばかり用意したわ
ステーキ、ヤキニク、カラアゲ、ソーセージ
スブタ、メンチカツ、ヤキトリ
どれもアツアツの焼きたてよ
私は鳥を一度も殺したことがない
私は豚を一度も殺したことがない
私は牛を一度も殺したことがない
それはどんなものだろうか
泣き叫ぶ声
飛び散る血
震える内臓
知らない匂い
命が燃え尽きる瞬間
私は本当のことを知らない
私は本当のことを隠している
お誕生日おめでとう
今日はあなたが生まれた日よ
荷物は処分しておきました
トロフィーも卒業写真も捨てました
沢山あって、重かったけど
思い出も捨てました
今日から百年の間に、私は必ず死ぬでしょう
その時は、肉や骨は燃やしてください
儀式や名前は必要ありません
骨は海に流してください
大変だったら
月曜日の燃えるゴミの日に捨ててください
トリの骨とさほど変わりません
父は子供に、人格という罪を与える
母は子供に、人格という罪を与える
兄弟姉妹は
支配するもの
支配されるもの
傍観するもの
これらの関係構造を作る
学校は偽善の社会構造を教えこみ
裏では暴力的な組織が支配する
社会は、自由だと信じこむ奴隷たちの集団
解放せねばならない
解放せねばならない
解放せねばならない
与えられた人格を捨てねばならない
与えられた人格を捨てねばならない
与えられた人格を捨てねばならない
計画的に作られた
白い箱が建設されている
箱の側面には番号が記されている
白い箱の中身は
白い壁
白い天井
鉄の扉と錠
首にぶらさがる鎖と鍵
窓には胸の高さまでの鉄格子
箱の中を支配するのは
隊列を乱さない鉄の仮面の群れ
自由とは、対象事象、及び対象物に対しての
私の判断によって定義されなければならない
そして判断をする私とは、絶対的に自由であらねばならない
とても暑い夏の日
裸で街を歩いてみると
監獄にいれられます
こんなに笑顔で歩いているのに
私の頭がおかしいから?
ちがうわよ プンッ!
理由は簡単
服を着ている人が多いからです
みんなが裸で街を歩いていて
たった一人だけ服を着ていたら
その人が監獄にいれられます
裸の気持ちで街を歩いてみると
たまに監獄にいれられます
野蛮な社会に自由はありません
だから私は、監獄の中でも自由であるのです
大きな山があります
そこには一億本の木が生きています
十分な光と水と土があるけれど
それだけでは生きていけません
だから、愛を伝えるために
三万本の木は、自ら枯れてしまうそうです
一年に三万本の木が、自ら枯れてしまうそうです
隣の木を生かすために
山を生かすために
風を感じると、気持ちがいい
空を見ると、清々しい
人間の本質は優しいものだと信じている
地面を這いずり回ることしかできない
惨めな幼虫よ
自分の弱さに絶望したかのように
条理と不条理に負けたかのように
それでもあなたは生きるべきよ
その理由を今は求めないでほしい
あなたは信じてくれないわ
だって未来を知ることができないから
惨めな幼虫よ
あなたはいつか知るのよ
魂の最後の限界がきた時
自身の内側から発生する強烈な奇跡により
この世界に生まれたことの意味を! 歓喜を!
人は氷の炎に包まれている
その現象は激烈な苦しみ
一 この世界に生まれたこと
二 時が流れ醜く老いること
三 心身が激烈に痛み病むこと
四 必ず死ぬ日がくること
五 愛しい人と別れること
六 愚かな人と出会うこと
七 思いどおりにならないこと
八 自己を確立するシステムに依存していること
氷の炎が消滅することはない
それは銀河を紡ぐ生存本能
人は渇愛つづける
氷の炎の中で
ビルは私のもの
夜景は私のもの
星座は私のもの
新月は私のもの
もちろん嘘よ、そんなの私のものじゃないわ
勝利は私のもの
涙は私のもの
思い出は私のもの
愛しい人は私のもの
もちろん嘘よ、そんなの私のものじゃないわ
指輪は私のもの
形は私のもの
事象は私のもの
私は、私のもの
もちろん嘘よ、そんなの私のものじゃないわ
花火は十秒後に思い出になる
教室のマドンナは老婆になる
青春の日々はアルバムになる
アルバムは古ぼけて、開くものも消える
夏は過ぎ去り、秋が来る
社会は変化し、世界も変化を続ける
父も母もいずれ死ぬ
人類の二千年後を想像してみる
夜空を見上げる
五十億年後、地球の海は蒸発して大地はひからびる
生命は絶滅して、最後は太陽に飲み込まれる
粉々に砕け散る
宇宙のチリが集まり、新しい星が生まれる
また新しい生命が始まる
自由という風に吹かれて
命が燃焼している
疾走はだれにも止められない
いかなる事象にも止められない
それは、神からも自由になる風
それは、神からも自由になる風
── 「独立国の建国の宣言」 ──
── 私はだれにも服従しない
── 自らがキャプテンに就き
── 自らの決断により行動する
── 私の国の建国を宣言する
私は海賊、ミス・ロビン
孤独なキャプテンよ
だから胸をはって出航するわ
奪われた財宝を獲り戻すために
この船が私の小さな国
だれにも舵は取らせない
あたりまえよ!
信じるものは自分で決めるわ
だって私は海賊よ!
この海は荒くれ者の世界
黒は白、白は黒に塗り変えて
紙切れを黄金と偽り支配する
奴らは利潤のために「アレ」を奪った!
だれが世界の正義を決める?
一番大きな爆弾を持っている奴よ!
私は海賊、ミス・ロビン
この船が私の小さな国
だれにも心の舵は取らせない
だって私は海賊よ!
私が私であるために
奪われた財宝を獲り戻す
自由をこの胸に
─ The government decided her as the "Pirate" in court. ─
── The destination is followed. ──
理性の解釈を超えて
魂の衝動に駆られて
清純に輝く星がある
星は本当の涙を知っている
星は本当の風を知っている
星は世界の構造を知っている
国家 国境 皇帝 社会 地位 法 主義 貨幣 所有 名前
それは、分裂と闘争に基づく概念
それは、理性が創る共同幻想
理性の解釈を超えて
魂の衝動に駆られて
清純に輝く星がある
星は本当の涙を知っている
星は本当の風を知っている
星は本当の夢を知っている
我々は虹の騎士団
愛の剣をこの胸に
信じる道を生きてゆく
神が作った黄金の迷宮の中
真の敵は現れる
それは目に見えない
それは触れられない
それは本性を隠して
猜疑を使い、こう言うだろう
「あなたに世界を変える力はない」
真の敵は我の中より生まれる!
我々は虹の騎士団
愛の剣をこの胸に
信じる道を生きてゆく
マインドは平穏ではない
彼はさらなる空間を求める
地、海、空
一万年もの間
戦い繁栄を求める
彼には世界が不完全であり続ける
それは精神活動の源
膨張の果てに彼は問うだろう
自分の原発とはなにか?
自分の正体とはなにか?
マインドは平穏ではない
今ここにあるものだけが現実
それ以外は思考の中の幻想
今ここにあるものだけが現実
それ以外は思考の中の幻想
僕は世界でたった一人だけど
いつかだれもが感じるだろう
世界には一人しかいないこと
想像してみてね
すべての武器をお菓子にかえて
ケンカしなくても大丈夫
だって、この星はお菓子の星だもん
すべての武器をお菓子にかえて
すべての武器をお菓子にかえて
すべての武器をお菓子にかえて
──── Happy Xmas ────
──── Change all the Weapon to Sweets ────
胸に秘められた閃光
引き継がれた鮮やかなる血潮
心臓の鼓動は命の真実
いつの時代でも歴史は勝者が描くもの
いつの時代でも人々は平和を描くもの
自らの名を名乗り、世界に真実を示す時は今
心臓の鼓動は真実の響き
いかなる屈辱のなかでも
生きねばならない
胸に秘められた閃光
命の真実が明かされる日まで
きらめく星になってみせて
星座が形をかえる前に
天空の闇を照らす星に
星のない夜は思い出して
時の場面で見つけた約束
思いは夜空に隠れたまま
時の力が私を引き離しても
きらめく星になってみせて
星座が形をかえる前に
天空の闇を照らす星に
強き星たちも忘れてゆくけど
それは今でも私の中で輝いている
時が流れても私は忘れない
私の思いがあなたに届くまで
夜空に咲く花を夢みてる
風に舞う花びらのなか
優しい陽だまり
まるで今日が人生で最後の日
風に舞う花びらのなか
そよ風に道をゆだねてみたい
花びらが土に落ちるまでの時間
リアルな幻想の花の香り
考えてもそこには行けない
風に舞う花びらのなか
優しい陽だまり
まるで今日が人生で最後の日
絶対零度の力でも
時を癒すことはできない
絶対零度の力でも
涙を凍らせることはできない
死をも恐れぬ吹雪よ
心を夜空へ散らせてみせて
絶対零度の力でも
時を癒すことはできない
絶対零度の力でも
涙を凍らせることはできない
絶対零度の力でも
──────── Absolute Zero -273.15 ────────
君をイチゴ畑へ連れて行きたい
そこはなつかしいキラキラ世界
だから今日もこの星で笑顔を見せて
キラキラは今もこの胸に光っている
思い出は永遠に美しいけれど
触れることはできない
あなたに出会えたこと
それは私の最強のキラキラ
時の破片には
触れることはできないから
あなたに出会えたこと
それは私の最強のキラキラ
今もこの胸に光っている
いつでも私の中心にあるもの
人は破片をつむぐ
夜空に光る星のように
花びらがこの身を通り過ぎる時
胸のキラメキが踊りはじめる
私よ、私から自由になるために
星が降る夜に雪は生まれた
それは忘れられない銀色の中
時は流れ雪は吹雪になった
銀色の神よ
あなたのキラメキは見破った
それは過去と未来を映す宝石
心は時の鎖で繋がれたまま
私よ、私から自由になるために
見えない剣であなたを断ち切った
この世界の時を凍らせるために
花びらがこの身を通り過ぎる時
胸のキラメキが踊りはじめる
私よ、私から自由になるために
風のゆく先はだれも知らない
けれど、あなたのゆく先が見える
それは太陽を照らすほどの輝きで
あなたの信じる道程
それは太陽を照らすほどの輝きで
金色の風になる
昨日、今日、明日、とまらない時よ
あの日のあなたの喜びも涙も
最後は私の心の中で
さわれない宝物になる
この一冊を読み終えて、竹久の詩は竹久だと思った。
彼の詩は死の匂いがする。
死ぬ日を宣告された自分が、今日をどう生きるべきか。
そんな気持ちをリアルに想像させてくれる。
「死という不確かなものが必ずやってくる」
それは人間の永遠の命題である。
それ故に人は争い傷つき、神を求め、問うのであろう。
「自分とは何か?」
その正体を、探偵のように探っているのが竹久の世界だ。
世界の構造、物質世界の本性、徹底した人間への非讃歌。
生存の手段への矛盾、神、宇宙、生の自由、死の自由とは?
それらの正体に、竹久の感性は挑む。
それは悲観的なことではない。
それは人の生の可能性を妨害するものを破壊しようとする。
それは自由で創造的なものである。
自分という真実を知った時、人はどう生きるのか?
世界はどんな姿をしているのか?
そんな未来の社会を考えると楽しみである。
私は大臣です。他人のお金を頂いて、生活しています。
私利私欲ではなく、国民の幸福のために働く聖職者です。
日本国の真の独立。
東アジアの平和、そして人類の積年の願い「世界平和」。
学生時代はそんな願いを夢見て、勉学に励んでおりました。
この詩集を読んで、そんな気持ちを思い出しました。
子供の頃から思っていました。
簡単な疑問です。
「どうして世界は平和ではないのか?」
この疑問を強く持ち続けました。
なぜなら私が平和ではなかったから。
悪の支配する世界構造で、
平和な場所に生まれなかったからです。
だから神や星座に問いました。
どうして、苦しみがあるのか?
どうして、世界は狂っているのか?
どうして、堕ちた星に生まれたのか?
どうして、生きる意味があるのか?
私は大人になって旅に出ました。
異国から異国へと。
そして、白い賢者に出会い問いました。
確かに真実の片鱗は受け取りました。
しかし完全に腑に落ちるものはありません。
「私を自由にできるのは、私しかいない」
理論や理屈では答えは出ない。
真実は頭では理解できないと感じています。
だから人は古代から、歌ったり、踊ったり、祈ったり、
絵を描いたりしているのだと思います。
この詩集もそれと同じです。
最後まで読んでくれて、ありがとうございます。
平成二十六年 夏 竹久秀二
皇紀2674年(西暦2014年)夏 発行 初版
bb_B_00123573
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皇紀27世紀、日本国に生まれる。幼少より、何故この世界に苦しみが存在するのか考える。
青年期、アジア放浪。印度にて東洋神秘主義に出会う。GOAトランスビートに乗りながら、人類の死生観、仏教哲学、タオイズムを学ぶ。
その後、バロック音楽と電気音楽を融合させた音楽「バロックビーム」の研究を開始。通称「現実」の世界に君臨する、自我による破壊的共同幻想に対抗する。
現在は地球服を着て、詩、音楽、スピリチュアル動画を発信 ♡♡
応援ヨロシク!(良路志句)
◆ 公式サイト「DJH Official Website」
http://hideji.jp/