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のんびりいこうよ、
農家レストラン。

Chai編集部

CMC,INC. Tokachi Mainichi Newspaper,INC.



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 目 次

のんびりいこうよ、農家レストラン。

ヒツジ堂

ファームレストラン野島さんち

COWCOW Cafe(カウカウ・ カフェ)

K's FARMカフェ ふわふわ畑

のんびりいこうよ、
農家レストラン。

夏の暑さもありながら、
秋の気配も感じる季節になってきました。
気ぜわしい毎日から
ちょっとひと息つきたくなる
時期でもありますよね。
そんな時、農家・農村レストランへ
いくのはいかが。
どこか懐かしい気持ちに、
ほっと心が休まる場所。
十勝の美しい風景と空気、
その土地の食材を使ったお料理。
のんびりいってみませんか。


取材/桜庭弘子、平田幸嗣、山下聡実、石丸雪絵
撮影/辻博希、岩㟢量示、高橋一生(スタジオイッセイ)

足寄町
石田めん羊牧場

ヒツジ堂

2ヘクタールの牧草地と20頭で始まった石田めん羊牧場。石田さんは、自分がおいしいと思えるヒツジの生産に情熱を傾ける

「サウスダウン種」は
おいしいヒツジ肉

 「主に本州や札幌のレストランに出荷していたが、地元で食べてもらうところがなかった。地元の人たちに食べてもらいたかった」。足寄町の「石田めん羊牧場」を経営している石田直久さん(40)は、足寄町市街地に昨年、オープンさせた、レストラン「ヒツジ堂」(足寄町南1条1丁目14)への思いを話した。
 石田さんは、山口県防府市出身。帯広畜産大学から大学院へと進み、ヒツジの繁殖について学び、研究。大学院修了後、足寄町内で2年間の実習を経て2001年、「石田めん羊牧場」を始めた。3年後、現在地に移り住み、20ヘクタールの牧草地で繁殖250頭と年間350頭程度生まれるヒツジを合わせて約600頭を飼育している。

牧羊犬として3頭のボーダーコリーが活躍している。ベテランのキューブ(8歳)は、地形を熟知し、指示を出さなくとも石田さんの立つ位置などで、ヒツジをどこに誘導するか、集めるかなどを考えて行動する
店で料理の腕を振るう伊藤店長(右)と村田さん(左)

 肉用ヒツジと言えば、一般的にはサフォーク種だが、石田さんは、ヒツジ肉の王様と言われる「サウスダウン」種を育てている。体が小さく、飼育に手間がかかり生産効率は良くはない。しかし、羊の良い香りがしっかりと感じられ、マトンは軟らかくラムよりもうま味が増し「サウスダウンの肉は本当においしい」と、この品種にこだわる。自身の加工場も持つ。自分で育てたヒツジの肉の色、香りなどを確認し、レバー、ハツ、タン、サガリなどの下処理もして出荷できるからだ。
 「ヒツジ堂」では、店長の伊藤隆之さんと料理人の村田茂美さんが腕を振るう。石田さんは「伊藤さんと村田さんは、うちの肉の良さを引き出してくれている」と信頼している。

バラ肉、スネ、ネックなどをじっくりと煮込み、うま味が凝縮されている〈羊の焼きカレー〉900円(ディナーメニュー)

〈羊肉のカルパッチョ〉1,000円(ディナーメニュー)は、入荷状況によりマトンかラムを使う。どちらも軟らかく石田さんいわく「マトンのほうがうま味が強い」という

ヒツジ堂
TEL0156・25・6810

足寄町南1条1丁目14
営:12時~14時30分、
18時~23時(日曜12時~19時)
休:水曜(月に1回連休あり)
P:6台

中札内村

ファームレストラン
野島さんち

レストランの食材用のキャベツを早朝に収穫します

野菜の本当の味と
おいしさを求めて

 とかち帯広空港に程近い耕作地で、キャベツやジャガイモを中心に畑を作っているファームレストラン野島さんち代表の野島利美さん(65)は、20歳ころから畑作をなりわいにしてきた。
 そして20年ほど前から、微生物を培養した肥料を使い、土にこだわる野菜づくりを目指した。「微生物は野菜が必要とする栄養素をゆっくり補給し、野菜が自然な状態で育つ助けをしてくれるんですね。それによって健康でおいしい野菜づくりができるのです」と熱い思いを語る野島さん。その後、〈五目の具〉〈ごぼうの佃煮〉などの加工品などを手掛け、「道の駅なかさつない」でも販売。生産、加工、販売という6次産業的な経営に踏み出し、ある一定の評価もいただいたという。

こだわって育てた「グリーンボール」と「レッドキャベツ」を手に笑顔を見せる野島さん
お孫さんの好きなトラクターのミニチュア模型が食器と一緒におしゃれに並んでいる

 60歳を目前にした時、「今までの経験の積み重ねを次のステップにし、もうひと踏ん張りして、人生の足跡を作ってみたい」と、レストランの経営を思いつき、2010年の3月にオープンさせた。「生産者と消費者とがじかに結びついたものを作りたかったんです。料理を食べているお客さまの姿を見られるのがうれしい」と野島さんは顔をほころばせる。
 「今年で5年目。あっという間でしたね。多くのお客さまと家族の大きなバックアップのおかげです。お客さまと接する場面を大切にし、笑顔で喜んで帰ってもらうために、さらに気を引き締めて野菜本来の味を提供していきたい」と語った。

野菜本来の味と目を楽しませてくれる創作家庭料理〈オムキーマカレー〉(スープ付き)785円

土足厳禁の店内の大きな窓から眺められる農村の風景。吹き抜けの高い天井と木造の柱がゆったりとした雰囲気を演出してくれる

ファームレストラン
野島さんち
TEL0155・67・2880

中札内村新生東1線199
営:11時~17時 休:木曜(不定)
P:10台

芽室町
大野ファーム.

COWCOW Cafe
(カウカウ・ カフェ)

安心・安全な餌にこだわり、健康な牛づくりがモットー。ストレスの少ない環境で育て、牛舎からは特有のにおいをほとんど感じない

農場の魅力伝える
ショールームに

 見渡す限りの芽室の農村風景の中、モダンな建物がひときわ目を引く。牛肉料理専門のレストラン「COWCOW Cafe(カウカウ・カフェ)」だ。運営するのは肉牛生産と畑作を手掛ける大野ファーム。4代目の大野泰裕さん(50)が、家業を継いだ20代の頃から「チャンスがあれば」と描いてきた夢を結実させ、6月にオープンした。
 大野さんは「生産する側としては、やっぱり自分が育てたものを食べてもらって『おいしい』という声を聞くのがやりがい。その言葉を身近で感じたかったんです」と語る。これまでは生産が忙しくて実現できなかったが、子供3人が大学生や高校生になって親元を離れたことで、妻のみゆきさん(45)が協力できる態勢に。昨年から準備を進めてきた。

家業を継いだ当初は畑作が中心で、肉牛は30頭だったという。今は畜産がメーンとなり、頭数は4,000頭にまで増えた。「牛肉の輸入自由化など苦労が多い分、努力が報われる気がしておもしろくなって」と大野さん

 使っている牛肉は全て、遺伝子組み換えの飼料や成長促進の抗生物質を使わず、安心・安全にこだわった自社の牛の肉。肉のおいしさを知る生産者だからこその自慢の牛肉メニューが並ぶ。自家製のパンやケーキなどもそろえた。
 奥行きをあえて狭く取った店内は、どの席も目の前に広がる畑を一望できる特等席。小麦やひまわり、大豆と四季ごとに移ろう十勝らしい畑作風景を実感できる。レストランには食肉加工場も設け、今後は牛肉加工品も増やしていきたいという。「目指すのは農場のショールーム」という大野さん。夢はまだまだ広がりを見せている。

すっきりとして、甘みのある赤身が特徴の牛肉。新メニューの〈Lボーンステーキ〉(パンかライス、日替わりデザート、コーヒー付き、要予約)600g7,000円は、北海道内でも珍しい骨付きの牛肉を堪能できる

ガラスの先に見える景色もインテリアの一部のよう。外にはテラス席もある
十勝らしい農村風景の中に映えるモダンなお店

COWCOW Cafe
(カウカウ ・ カフェ)
TEL0155・62・4159

芽室町祥栄北8線23
営:11時~17時
休:月曜 P:あり

帯広市上清川
K's FARM

K's FARM
カフェ ふわふわ畑

「小麦畑では耳をすますと『ぱちぱち』と音がするんですよ」と宗徳さん

畑と人がつながる
農場への“入り口”

 真っすぐに伸びる道。広大な畑が両脇に広がる道を進み、日高山脈が目の前に近づくと、K's FARMが見えてくる。刈り取り前の小麦畑を見回っているのは代表の梶宗徳さん(40)。35haの畑で小麦、ビート、大豆、小豆、馬鈴薯、ニンニク・カボチャ・タマネギなどの野菜を栽培する。
 「農場は当たり前にあるのですが、消費者にとっては当たり前ではなかった。そのことが分かってから“信頼関係でつながる農業”がしたくて」と「K's FARM カフェ ふわふわ畑」を始めたきっかけを話す。
 20代半ばに帯広の家電販売店で勤務。その頃、大型電器店が近くに建っても逆に売り上げを伸ばした店で、「お客さまとの信頼関係でつながる」ことの大切さを実感。その後、妻の由加さん(40)との結婚を機に実家の梶農場を継ぐ。プレッシャーを感じたが、「サラリーマン経験があったので、農業を別の角度から見ることもできた」と言う。

子供を3人育てながら二人三脚で経営する梶夫妻。「周囲の方々の協力があったからこそ。とても感謝しています」と話す2人
カフェで使う分の小麦は自分で乾燥させている

 農場を法人化した4年後「K's FARM カフェ ふわふわ畑」をオープン。由加さんがオーナーとなり「生産、加工、販売を行う農場」として二人三脚で夢を実現させる。
 カフェでは、収穫した小麦を使ったピザやパン、ワッフルの他、野菜を使った「素材が主役」のメニューばかり。「幸せで心地良い空間にしたくて」と由加さん。「畑の素材を食べてもらえるカフェを開き2年。お客さまとつながりを実感できる 気軽な“農場への入り口”として着実に進んでいます」と2人は笑顔を見せた。

旬食材の料理は優しく大地を感じる味。使う野菜は季節によって変わる〈季節の野菜ピザ〉1,296円
畑の緑と青い空に映えるかわいいカフェ。手作りのテラスがあるので外でゆっくり、子供も喜びそう

K's FARM
カフェ ふわふわ畑
TEL0155・60・2282

帯広市上清川町西2線157
営:11時~17時
休:月曜(祝日の場合は翌日休) P:あり

この本の内容はフリーマガジンChai2014年9月号掲載時のものです。営業時間や価格、消費税等は変更になっている場合がありますのでご了承ください。


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のんびりいこうよ、農家レストラン。

2014年9月16日 発行 初版

著  者:Chai編集部
発  行:CMC,INC. Tokachi Mainichi Newspaper,INC.

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