池本コーイチ
岡山県生まれ。
これといって特筆すべきことはない。
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この薄い本に納められているのは「詩」というよりは「詩のようなもの」あるいは「改行文」といったところである。「詩」ということにすると話がややこしくなるからである。と、いうことにしてお茶を濁しておきたい。濁したお茶も時にはおいしいかもしれない。
なお、この薄い本にはあまり上品とは言えない作品も少なからず含まれている。致し方ないことである。
泣かないで
海を見ている
あなたの指先から
夜が始まる
死なないで
風に吹かれて
あなたの肩先まで
星がこぼれる
言わないで
きのうのことを
訊かないで
あしたのことは
泣かないで
海を見ている
あなたの指先から
夜が始まる
はからずも為にならない
もので育った
少年たちは
あやうくmoralにおぼれる
ゆうぐれを逃れ
ふがいない星々をだいて
ひと知れず泣いた
夜や
夜の
毒々しい孤独が
思いがけず
苦笑をさそった
スカートのおくまで忍び寄るぬるい黄昏
とめどないあくびの
なまぐささよ!
言おうとして
言えなかった言葉が
胃の腑のあたりにつかえて
地面が急に
ちかくなる夕べ
水中でもがくみたいに
思いのやり場が
どこにもない
ただただ凄い西日に照らされ
きみの猿のような手を
想い出してる
ゆうぐれ
屈辱をいっぱい溜めて帰る
Rolling Stonesを聴きながら
言おうとしていえなかった
気持ちを掻き乱すみたいに
言わずもがなだった言葉に
追い立てられるみたいに
デコボコの愛車を駆って
明日は頭髪を刈って
夜になれば
ウイスキーを飲みつつ
屈辱を少しづつ溶かす
言おうとして言えなかった言葉が
鮮烈に蘇る
生まれてきたから
生きている
死ぬ理由もないから
生き続けるだろう
過失や
嘲笑の恐怖に
おびえながら
ひとの顔や
ひとびとの声に
おののきながら
しかもなを
五感を駆使して
体験のなかから語るだろう
想像力のゆくところまで
ひとつの想念が俺を誘発する
ひとつのリズムが俺を駆り立てる
死すべき一個の
意識体として
ほかに意中のひとがいる
と聞かされた時に
おれの足は地面に
10cmばかりめり込んだ
だから それから
おれはひたすら
しがないシガーを口に咥えて
ただただ青い空を見ている
あなたが お互いの劣等意識
を共有できる
唯一の女性に思えたんだ
あなたの健気な横顔をいまでも忘れない
ひとづてに聞いたんだ
もうしつこくしないでくれと
おれの顔は敗れた
破れた
今夜も橋のうえに暗い風が吹き
とおく白いお城のようなものが視える
正直言って
おれはやつの死を
期待していないのでは
なかった
精神分裂病と
本気で戦う気のないやつに
内心イライラしていたのだ
それに
身近な者から自殺者が出るなんて
ちょっと刺激的だ
たとえおれが
やつの葬式の日に
十秒ばかり涙を流した
としてもだ
自嘲 諧謔 揶揄 嘲笑
ああ おれの血が責められる
誹謗 中傷 罵詈 雑言
ああ おれの血が責められる
直射日光 脳天直撃!
直射日光 脳天直撃!
どこかの広場で茫然自失
ああ おれの血が責められる
夏なのに
夏なんか
夏にしても
兎に角まわりが夏なので
一切合切夏なので
ああ おれの血が責められる
中学生は残酷だ
高校生ほどのためらいもなく
小学生ほどの無邪気さもなく
言いにくいことをズバリと言う
中学生は恐ろしい
高校生よりももっと鋭敏で
小学生よりも知恵があり
とたんに嘘を見抜いてしまう
ある日、学習塾で教えていると
「先生、鼠ににているね」
と 突然
可愛らしい女生徒がのたまわった
一瞬の殺意
を 覚えながら
たじろいで
二の句が継げなかったのである
ゆうがたになって子供が泣く
なにも知らず
だれにも知られず
おのずと流れる涙もぬぐわず
ゆうがたになって子供が行く
土手の草むら
ガレージの裏
流れる涙をこらえ切れずに
父さん 母さん
なんにも知らない
兄さん 姉さん
むかえにこない
ゆうがたになって子供が泣く
なにも知らず
だれにも知られず
じぶんも知らない涙のわけで
ある日のま昼
とある公園で
たがいの母親の 悪口を言っている
一組の
兄弟を視た
天気雨が
降っていなかった
ライトバンが通りすぎてゆく
かのじょは
わたしにとって、
全世界だった。
そして
わたしは、
全世界から拒絶された。
わたしは
世界のなかに、
立場をうしなった。
で わたしは
いまでは、
それから、
世界の外で生きている。
紙のうえに「私」と書くとき
その「私」は すでに
私ではない
つまり
私ではない「私」が哀れにも
詩と呼ばれる
むえきな騙りを
語りはじめるのだ
悲しいだとか
苦しいだとか
愛しいだとか
寂しいだとか・・・
紙のうえに「私」と書くとき
その「私」は すでに
私ではない
そして私も
むかしある女の娘に
「なぜ私にそんな義務が
あるのですか」
と 言われた
ただデートに誘っただけなのに
「イイヤそんな権利は
僕にはありません」
と 答えて
僕は
下宿に帰って泣いた
どちらへとひと言尋ねると
ちょっととひと言返ってくる
誰をとまたひと言尋ねると
ちょっととまたひと言返ってくる
返ってくるんだが
その後のひと言を持ち合わせない僕なのである
見あげれば空である
見おろせば足なんだがこの足は
別段どこにも行きたくない風な足なのである
爪先からたどって前を視ると後ろ姿である
しだいに小さくなってゆく彼女である
僕はちょっと
ちょっとという名の方角や人物を想ってみる
えいえんの空間のなかのこの場所
むげんの時間のなかのこの時
この時 この場所に
こうして二人でいるということは
なんという驚きだろう
ぼくたちふたり
格別話すこともないけれど
ぼくたちふたり
特別行きたい所もないけれど
ここに こうして
ふたりで同じ景色を眺めてる
と 世界がまわりで沈黙し
景色が運命のようにながれだす
ぼくたちふたり
なんの取り柄もないけれど
ぼくたちふたり
美男美女でもないけれど
あなたが笑えば
世界が明日に向かって走り出す
ぼくたち ふたり
わたしは娼婦
カラダを売って生きている
だれかに強制されて
イヤイヤやっている訳じゃない
少しばかり
少しのあいだ
男達にカラダを貸して
お金をもらう
文字どおり
カラダが資本の商売
だから
ホーリツはわたしたちを
「罪」にできない
だから
誰もわたしを非難できない
誰もわたしを
泣くケンリはない
悲しむケンリがあるのはわたしだけ
プリティウーマン
プリンスなんかはどこにもいない
おねがいだから
君のそのかわいい声に
さわらせておくれ
君のその長い髪を
風に
さらわさせておくれ
悲しくって
腕も脚もちぎれる夜には
思い出させておくれ
君の瞳に映った僕の瞳
に映った君の瞳
みんなが貴女を愛している
かも知れないし
でないかも知れない
にしてもやはり
硝子よりはみずみずしい貴女の瞳
語り掛ける言葉にはいつも ?
だから気をつけておくれ
瞳の奥から昨日の夜が
零れ落ちそうだ
コップ一杯飲み干す間に
流れ星はもう遠のいてしまった
あとは祭り
とどのつまり
ある日
おもい扉の
無言に背を向け
行くへのない
路線バスに乗って
靴をながめ
芋虫のような地下鉄と
真昼の亡霊たちの
ガランとした電車にゆられて
未来をあきらめ
だれかが通った
気配ののこる
路地裏をぬけ
いつのまにか
ああ
いつしか
みしらぬ街の みしらぬらぬ路上で
ふいに青空にかこまれる
俺のオヤジは酒乱だったので
中学の頃までは
毎晩
いつかぶち殺してやろうと思っていた
でもよく考えたら
そんな奴のために(尊属)殺人犯になって
自分の一生をボーにふるのはアホらしい
ということに
高校生の頃になって気付いた
で 考えたのは
できれば金持ちのクルマかなんかに轢かれて
交通事故かなんかでくたばってくれたら
保険金や慰謝料が入るはオヤジは消えるはで
一石二鳥だと
思うようになった
我ながら発想の転換の巧みさに
高校生らしくセブンスターをふかしながら
少し悦に入ったものだ
ところがオヤジはその後
一向にクルマにも轢かれもせず
当然保険金も残さず
微々たる財産さえも残さず
定年後
あっさり酒のやり過ぎでくたばってしまった
病院に駆け付けた俺は
内心怒っていたのだ
これでせっかくの土日が潰されてしまった
「せっかくの仕事のない土日が!」
それを聞いた弟が嫌な顔で俺を視た
愚にもつかない
昭和の悲劇である
ウチの母さんの口癖は
「ヒトに笑われる!」で
死んだ父さんの口癖は
「馬鹿にするな!」だった
その度に俺は
「内容がないから
ヒトの目ばかり気にするんだ!」
とか
「よく馬鹿にされる人だねえ」
とか
腹を立てたり
揶揄したりしていた
が
もう八十に手がとどきそうな母さんは
人材シルバーセンターの
派遣仕事にはげんだり
老人会の女性部長をこなしたり
今日は
今日とて
化粧をして近くの目医者にいっている
少年たち
そんなに早くから
自分について
絶望する必要はない
そのうち分かる時が来るから
ロクデモナイってことがね
少年たち
それほど急いで
自分について
悲嘆する必要はない
いつかは分かる時が来るから
オオウソツキだってことがね
ひとは現実にぶつかって
その時の
自分の振る舞いやもの言いで
しだいに
自分というものを知ってゆく
だから少年たち
あんまり焦って
自分について
決めつける必要はない
いやでも分かる時が来るから
サイテイだってことがね
トンデモナイってことがね
慟哭はどこから来たか?
慟哭は胃の腑の裏のあたり
身体の奥の奥の方から
何度も何度もやって来て
何度も横隔膜を突き上げた
決して心なんかじゃなかった
慟哭はなにゆえ来たか?
それは父の遺骸を荼毘にふそうと
棺を焼却炉に入れようとした時
慟哭は不意におとずれた
決して悲しみなんかじゃなかった
私はおえつと涙を堪えきれずに
誰かに支えられて
辛うじてやっと立っていた
父の遺影を抱きしめて
ともすれば崩おれそうになりながら
私は父を憎んでいた?
そう 確かに私は父を憎んでいた
だが私は父を愛していた
そう 確かに私は父を愛していた
憎み そして 愛していた
世にも心配症のジョーディが
世にも麗しいメアリー・スーに恋をして
昼も夜も悲嘆に暮れている
というニュースは
とおくジブダルタル海峡を越えて
悲劇として 或いは 喜劇として
ロイター通信の手によって
瞬く間に 世界中に配信された
なんてなんて素晴らしいこの世界!
クソが付く程スバラシイ!
で 世界中が大騒ぎ
うえをしたへの馬鹿騒ぎ
が 誰ひとり恋の成就を信じなかった
ばかりか
著名な海運王のモー・ジョーは
その全財産の半分を
満面の笑みを湛えて
ジョーディの悲運に賭けたのだと云う
なんてなんて素晴らしいこの世界!
クソが付く程スバラシイ!
で 恋の結末は? あわれな男のゆくすえは?
あるひメアリー・スーガやってきて
「わたしもあなたが好きだった
ずっとまえから好きだったの」
これには世界中が驚いた
勿論モー・ジョーは毒づいた
いちばん驚いたのはジョーディで
そのあと3日間寝込んだと云う
なんてなんて素晴らしいこの世界!
クソが付く程スバラシイ!
生きてゆくためには
微量の毒がひつようだ
なぜなら
多すぎると死んじまう。
だから という訳でもないが
おれは
禁煙する気は毛頭ない。
ちかごろでは
どこもかしこも禁煙で
息苦しくてしようがない。
「健康」やら「環境」やら
「清潔」やらその他諸々が
デカイ面をして
誰も反対出来ないような「正しさ」なんだから
とばかりに
徐々にこの国を侵蝕している。
どうせ欧米に右ならえしたんだろうが
うかうかしていると
たぶんそのうち
あのあまりに晴れ渡りすぎた 青空の
緊張のはりつめた糸が切れるみたいに
どこかの 見知らぬくらがりで
だれかが そっと
気がふれる。
死んで楽になりたい
なんていう言い方を
時々するひとがいるけど
死んだって楽になんかならないさ
だって
「楽」を感じる主体自体が
この世から無くなっちゃうんだから
消えてしまうんだから
どこにもいなくなるんだから
それが死というもので
だから
苦も感じないかわりに
「楽」も感じようがないんだよ
〈なんだか屁理屈を言っているような気がする〉
だから自殺なんてしないで!
なんて
実感のないコトバを吐くつもりはないけれど
こんな僕にも危うい時期があってね
〈ほんきで自殺を考えたことはないけれど〉
そんな時には自作のこんな冗談を
まるで呪文のように呟いてみるのさ
自殺するくらいなら死んだ方が増しだ!
っていうんだけど
笑えるかな? 笑えないよね
じゃあ
なんだか知らないが
兎に角 最初の一行が出来あがる
なんだか知らないが
次の行は誰も知らない
もちろん自分も
なんだか知らないが
行と行の間には
深い深い溝がある方がいい
つまり驚愕と無関係が
君と僕みたいに
なんだか知らないが
手術台の上のミシンと蝙蝠傘の邂逅
(ちがうか?)
そうだ確か
吉本隆明さんも言っている
表現すると同時に
内面が出来るのだと
だから僕が君のことを
好きだと詩に書いたら
僕は君のことが大好きなのだ
ということを
君は知らない
君と僕みたいに
空は今日 気がふれている
雲がそしらぬ顔で流れていく
幼い少女が殺されたのだ と
埃まみれのテレビが言ってる
殺人者は心せよ あとになって
お前は決して反省などするな
心からの反省などするな
少女のために心からの涙を流すな
たとえお前のせいではない
不遇のためにお前が孤独になり
孤独は狂気の温床であり
狂気は時として凶行に走るとしても
われわれが捏造した神とやらに救いを求めてはならぬ
覚者とか呼ばれる禁欲者の慈悲とやらにも
そうして最期にお前は
世界中の怨嗟と無理解と好奇の視線を一身に引き受けて
死の待つ十三階段を昇れ
死の待つ十三階段を昇れ
死の待つ十三階段を昇れ・・・
に しても
空は今日 気がふれている
そして
窓のそとはあの世のように明るい
マグダラのマリア
最愛の良人に裏切られて
いく多の男を渡り歩いた
いくつもの欲望を受け入れて
くわえ煙草で
バチンコの玉を弾きながら
鉛のような絶望と
砂地に染み込んだ一滴の血
のような悦び
それがあなたの生きる動機だ
Raison D'etreだ
たしかにあなたは
「物語」の渦中にいたのだ
そこであなたは泣き 愛し
笑いさえした
そのころ僕は
フランツ・カフカのKみたいに
見知らぬお城の周りを走り回っていた
おお マグダラのマリア
俺をたすけてくれ
俺をたすけてくれ
私はこのひろい地球の上の
とある小さな町の
しがない場末の路地裏で
息をしていた
ムルソウ あなたは一枚の澄み切った鏡のように
事件の渦中にありながら
しかも周囲をあまねく映し出す
そして そうした自分を
遠く はるか遠く
この世とも思えぬ場所から視ていた
愛と憎悪の危うい均衡
あなたの沈黙には
鋭い叫びが隠されている
あの老婆の顔の皺をつたい落ちる
弔意の涙を凝視するあなたの視線は
いまにも壊れそうだ
引き金をひくあなたの指
死にたがっている
あの滑稽な判決を袖にして
君はそのうち泣くだろう
こらえ切れずに泣くだろう
来る日も来る日も不運か押し寄せ
対処しきれず泣くだろう
かまえても企んでも
不幸はどこからかやってくる
藪から棒に顔を出す
君の死角から突いて来る
君はそうして泣くだろう
あなどられ軽んずられ
隠微な誹謗中傷の嵐のなかで
床にひれふして啜り泣く
オオ 今日もふいに訪れる
冷たい女のつれない告知
君の失敗がなじられる
君の迂闊が責められる
君の不注意が段々君の信用を無くす
君の不甲斐なさがいつの間にか君を孤独にする
君の優柔不断が君をおいてけぼりにする
君の弱さが益々君をOUTSIDERにする
オオ 彼等が今日も企んでいる
どことも知れない密室で
君を効率よくコントロールするために
彼等なりの符牒で
そして最後まで君は泣くだろう
自嘲しても諧謔をとばしても
揶揄や嘲笑が君を追い立てる
アア いつ果てるとも知れない地獄の悦楽!
あさりとしじみなら
あさりをとる
あさりとはまぐりなら
はまぐりをとる
たぶん
だが
はまぐりとあわびとなると
まよってしまう
こまってしまう
はまぐりにはまぐりの
ぐりぐりがあるし
あわびにはあわびの
わびさびがある
ほんとうに
まよってしまう
こまってしまう
ぬれたかいそうまでそえて
なにを
いいたいのか
よくわからないけれど
なにについて
いっているのかも
はっきりしないけれど
なんだかひどくひきつけられる
なんだかとてもみりょうされる
そんなしが
たぶん
よいんじゃないか
しゅつじふしょうのいんゆもなく
みだらないめーじのらんようもなく
ただ
かんぺきにちかい
ひでんたつせいと
かんぺきにちかい
ひしじせい
つまり ことばがものになる
そんなしが
2014年、30歳の夏に
彼女は
こころの半分を、お空にもっていかれてしまった
未婚のまま
卵巣がんと子宮体がんのため、子宮と
卵巣全摘出手術をうけたのだ
生きることに必死だった
もともと痩せ気味ではあったが
治療中の体重は36キロくらいまで落ち
すべてが恐怖に感じられた
経過観察にはいってからは
なかなかこころが平安にならなかったけれど
病気になって出会ったひと
そして詩を書いていて出会ったひと
それらの人々との繋がりを糧に
辛い思い出も宝物にできる日がいつか必ずくる
と固く信じている
暗い内容の詩も多いけど
自分のことは好きではないけれど
自分が書いた詩の中には好きなものもあり
それをひとつの個性として捉えてもらえたら
うれしいな
彼女について知っている2・3の事柄
もっていかれた こころの半分もほら
もうすぐもどってくる
ししゅんきに
少年たち、少女たち
秘密をはぐくむ
親友にも打ちあけない
まして 親なんか話さない
大事な秘密をそだてる
それは
生きてゆくために必要な秘密
けっして
解かれることを望まない謎
その痛みとひそかな悦び
を
一生かかえて生きてゆく
生きてゆけ
少年たち、少女たち
朝は希望をはぐくむ時間です
ひとは誰でもその胸のおくの さらに
横のほうの暗がりに
誰にも触らせてはならないものを
もっている
誰も触ってはならないものを
かくしている
それをいのちとよぼうが
それをこころとよぼうが
ジンケンとよぼうが
どうでもよいことだけど
しんにそれを実感しそれを畏れないならば
なにをいおうが
どんな運動をしようが
たとえば「いのち」というコトバは
その記号としてのせいしつを露にし
記号は単なる記号としての記号の死を死ぬ
ひとは誰でもその胸のおくの さらに
横のほうの暗がりに
誰にも触らせてはならないもを
もっている
そこに土足で踏み込むものは必ず罰せられるだろう
じぶん自身のそれによって
表通りの公道を
なにかに反対しているらしい
葬列のような賑わいの
長いデモ隊の列が通り過ぎたあと
裏通りの廃屋の
無人のビルディングの暗がりで
なにも反対していない少年と少女の
秘密の恋が成就する
ひっそりと
ふるえる氷の胸と胸をあわせ
暗がりのなかで
たがいの燃える頬に触れる
そして
わななく真っ赤な唇で
何度も何度も
痛々しいくちづけをする
やがて少年はめくらになるだろう
やがて少女はつんぼになるだろう
とおくで デモ隊の
力ないシュプレヒコールが
力ない抗議声明が
かすかに聞こえていた
格別なこともない
特別な日に
ななめに笑い
或いは おもむろに悲しむ
おお 彼女は
ゆるぎない場所で
ゆるぎない愛を成就した
成就した
成就した
成就した
上手にした?
・・・・・・
格別なこともない
特別な日に
ななめに笑い
或いは おもむろに悲しむ
「パンティ」というシーニュのシニフィアンは
つまり
「パンティ」という記号のそのひびきは
多くの男たちになにかしら希望を与える
明日も生きていこうという勇気を与える
ただしその場合の「パンティ」は
若い娘のそれに限る
バーサンの「パンティ」は男たちにゲンナリを与える
自殺したくなる
下手をするとホンモノの鬱病に追い込まれる
それはとても危険なことだ
選択をあやまってはいけない
世の中には
「パンティ」というシーニュのシニフィアンに
つまり
「パンティ」という記号のそのひびきに
飽き足らず
パンティそのものを欲しがる男たちもいる
なかには何千枚というコレクションを誇る男もいる
だがそれはこの国では御法度になっている
それはとても危険なことだ
なかにバーサンの「パンティ」が
混じっている可能性があるからである
ところがどうだ
このごろは
「パンティ」というシーニュのシニフィアンを
つまり
「パンティ」という記号のそのひびきを
嫌って
「パンツ」などという記号をつかう女達がいる
ゆるせない
パンツというのは一昔前だったら男のしたぎを意味した
お前たち女は男のしたぎを穿いているのか
ブリーフでも穿いていろ!
と 男たちはゆゆしき義憤を感じる
が 憤懣をどこにむけてぶつけていいかわからない
だから
男たちはその滾るおもいを胸深く秘めて
今日もいやいや仕事に出かける
今日もしぶしぶ仕事に出かける
いつかそのうち
ふたたび娘たちの唇からあの甘い
「パンティ」というシーニュのシニフィアンが
つまり
「パンティ」という記号のそのひびきが
聞かれることを固く信じて・・・・・・
俺の書くのはギャグ小説
ギャグ詩
ギャグ文
ギャグコピー
ギャグファンタジー
ギャグミステリー
ギャグポルノグラフィー
ギャグ思想
ギャグSF
ギャグ ギャグ ギャグ ギャグ
毎日がギャグ
最もギャグになりにくいことを
ギャグにしたいのだ
最も詩になりにくいことを
詩にしたいのだ
俺はギャグ男
彼女の薄い尻
彼女は美人だ
猿の手を持っている
失礼ですが
キスさせて下さい
よろしかったら
アレも
アラレもなく
顔を歪めて
瞳のおくから
声を発してくれ
アアアアアイイイイイ
ウウウウウエエエエエ
オオオオオオオオオオオオオオオオ
れいめいのしじまを砕いて
おろかなおんなが、
しゅうきょうにたよる。
すてられたおんなが、
しゅうきょうにおちる。
ふこうなははおやが、
しゅうきょうにはしる。
ふしょうのむすこが、
それをいかる。
じぶんのいのち
より、
たいせつなじがを、
まもるためにしゅうきょうにすがる
地獄、極楽、ニューヨーク
いつ行く、ニューヨーク?
なんて
とある異邦の一都市のキャッチコピーを
いくら考えてみても重ねてみても
おれら貧乏人にはなんの縁もないし
まして
世界の課題の中心を射抜くことはできない
それでもニューヨーク
中学生の頃の優等生だったちょっと可愛らしい女の子が
嫁にいって生活しているという
ニューヨーク
ニューヨーク
今生で足をふみいれることはもうあるまい・・・・・・
が
地獄、極楽、ニューヨーク
いつ行く、ニューヨーク?
シャカイやセカイ
あるいはセイジやケイザイ
などのことについて
もっと知らなくてはならない
といつも心の隅の方のさらに
横の方で思ってはいる
のだけれど
どうも
どうもそういう方面には乗り気
になれない自分がいて
どうも
どうにもこうにも
どうしようもない
でもやはり
そういうことを心得ていないと
たとえば戦争
などという大波が来たとき
戦中の文学者や詩人たちのように
足元から根こそぎさらわれる
危惧もあったりしたりする
のだけれど
どうも
どうもそういう方面にはその気
になれない自分がいて
どうも
どうしようもなく
どうしようもない
夏である
労働者はおおむね真面目に労働していたし、じぶんの与えられた作業には真剣に取り組んでいたが、しかし、責任の及ぶ範囲はそこまでで、というのも、それは当然で、最下級の働き手である彼等は、直属の上司に責任を負っても、会社自体には責任を負ってはいなかったし、取引先には無論、なんの責任も負っていなかった。
だから上司には、犬猫のように扱われ、単なる道具、将棋の歩のように動かされても、文句は言えなかった。実際彼等は、いい歳をして、年下の上司に「馬鹿」だの「阿呆」などと平気で罵倒されても、唯々諾々として、彼等に従うしかなかった。「おっつあん、いい加減にせえよ、つまらん失敗ばかりしやがって」などと言われても、黙ってヘラヘラしているしかなかった。
時には事務員の女にも、虫けらのような扱いを受けていたが、反論も出来なかった。だから、それらおっつあんやおばちゃんや、アンちゃんやネエちゃんは、いわゆる頭脳労働者に意識してか、無意識にか、底知れない憎悪を孕んでいた。ことあれば、殺しかねないほどの殺意と、卑屈な憎悪にまみれていた。
だが、お目出度い連中の中には、彼等、ホワイトカラーに阿り、阿呆の親近感を持っている者もいた。が、敬愛、しかし彼等は彼等から名前も知られていなかったのである。
この頃は本は読まない
特別の主義や信念があってのはなしではなくて
ただソノキニナラナイ
ただそれだけ
それだけのはなし
残ったものは少しのエッセンス
と その他は全部ナンセンス
なんて
戯れの韻を踏んだりしても
あの頃の友達の声と
あの頃のあの娘の瞳は
もう二度とかえってこない
<学んだことはすべて
ありふれた理由で砕けて散った>
なんて
ありふれた感傷に耽っていたら
むかしの大学教授から
よく分からない
長い手紙が届いた
「リビドーの衰退とともに
知的好奇心も減退する」
分かるひとには分かるだろうが
それはまったくの真実だったので
礼儀としての返事は出さずにおいた
特別の主義や信念があってのはなしではなくて
ただソノキニナラナイ
ただそれだけ
それだけのはなし
彼らのことを
かわいそうだと
心の中で思う青年は
センエツである
彼らのことを
社会的弱者などと
呼称するインテリゲンチャは
酷薄である
〈―名づけることは
権力ではないのか―〉
彼らのことを
「かわいそうネ」と
口に出して言う若い娘は
残酷である
言葉が ひびわれて 落ちる
きょう
わたしはまた
ひとつの あるいは
無数の憐憫を扼殺する
私達の望むものは
犯罪についての詩ではなく
犯罪としての詩である
私達の望むものは
悲劇としての戦争ではなく
祝祭として戦争である
私達の望むものは
不愉快なる善意ではなく
快楽としての悪意である
私達の望むものは
真面目、労働、有効性ではなく
戯れ、遊び、無効性である
私達の望むものは
虐殺する陶酔であり
虐殺される陶酔である
私達の望むものは
勝ち取る自由ではなく
与えられる自由かも知れない
私達の望むものは
そんなものでは決してなく
あんなものである
私達の望むものは
私達の望むものは
ジョン・レノンが死んだと聞かされた時
ぼくは漕艇部の部室にいて
着替えをしていた
目の前に灰色のコンクリートの壁があった
目の前に灰色の無機質なコンクリートの剥き出しの壁があった
ジョン・レノンが死んだと聞かされた時
ぼくは漕艇部の部室にいて
着替えをしていた
窓の外に茶色のだだっぴろいグラウンドがあった
窓の外に茶色の霞んだだだっぴろい荒廃したグラウンドがあった
ジョン・レノンが死んだと聞かされた時
ぼくは漕艇部の部室にいて
着替えをしていた
窓の外に真っ青に晴れわたった青空があった
窓の外に真っ青につめたく晴れわたった平たいだけの青空があった
ジョン・レノンが死んだと聞かされた時
ぼくは漕艇部の部室にいて
着替えをしていた
着替えをしていた
疲労がたまって
過労になり
過労がたまったら
死んでしまう
マズイ
それは
マズイチャーハンのように
あなたの「詩」はたいてい
心療内科かなんかの 清潔な壁に
清潔に飾られている
そして心の弱った人達がやって来ると
そのもったいぶった毛筆で書かれた言葉で
かれらの弱った心を慰撫する
それはまるで そ知らぬ顔で
若い娘の尻を後ろから撫で上げる手付きそのままに
弱った人の弱った心を撫で上げる
シッパイシタッテイイジャナイカ
ニンゲンナノダカラ と
それはまるで甘いトラップ
心の弱った人々を共犯に誘うあぶない言葉だ
あるいはまた
その意味ありげな毛筆の筆使いは別にしても
あなたの「詩」は意味ばかりで成り立っている
弱い心は自分に都合のよい意味に縋る
無意識にしろあなたは其のことを充分承知している
承知していながら弱い人の弱った心につけ込む
そう あなたはヒューマニズムという悪臭を放つ
ことばのペテン師
弱った心をターゲットにした狡賢い釣り師だ
ああ 今日もあなたの「詩」が
どこかの白い清潔な壁にうやうやしく飾られている
おどろいた
あなたのそばを
時間が通り過ぎてゆく
たじろいだ
ぼくのそばを
群集が通り過ぎてゆく
頭上にひろがる
無限の青空
足元にひろがる
永遠の地面よ
(ちろりちろり
苦い過去がよみがえる)
そして
そうして
みひらいた
あなたの瞳に
寝ぼけたぼくの顔が映っていた
だれもが日々薄々感じてはいるが
まだ言語化できていないこと
だれもが無意識では分かっているが
言語化しようとはつゆ思ってもいないこと
そんなことどもを 深く察して
的確な語彙の選択と結合で言語化出来たならば
それはひどい妄想かも知れないけれど
それは単なる夢かも知れないけれど
コトバはその本来の力を発揮して
あの名高き「実践」に拮抗できるかも知れない
それはわたしには無理かも知れないけれど
それはわたしの力の及ばぬことかも知れないけれど
その時だけ たぶん
そんなときだけ
コトバがその本来の力を発揮して
意識の地平をすこし拡げる
私があなたに恋していたとて
それはあなたには
なんの関係もないことだ
あなたが私に恋していたとて
それは私には
なんの関係もないことだ
そんな二人が
腕を組んで
無表情に
同じ舗道の上を歩いてゆく
あたかも恋人のように
ガッと照りつける
焼ける日光のなかに
いっぴきの蛇が
とぐろを巻いて
じぶんの尻尾を咬んでいる
徐々にかれは
尻尾から腹へと
じぶんの肉を食んでゆくが
それによって
かれが息耐えることはあるまい
もしかれが
息耐えるとしたら
かれ自身の
無意識の
その行為自体の毒によってである
君達は知らないんだよ
十七歳で
まともなSEXも知らずに
死んでいった
筋ジストロフィーの
少年のこと
SEX SEXと
しょっちゅう言っていたっけ
俺は本気で保母さん達が
やらせてやればいいと思った
まさかスポーツをやれとは言えまい
頑張ってやれとは言えまい
しかたがないから
本でも読んだら と言った
そして彼は「次郎物語」と「クオレ」を読んだんだ
それとも君達は知っているのか
なにもかも
こういう戯文の欺瞞についても
こころの底から
ありがとうと
言いたい時があった
こころの底から
スミマセンと
謝りたい時もあった
こころの底から
頭を下げたい
そんな人がいた
こころの底から
好きだよ と
言いたいひとがあった
ビッグバンの
それ以前には何が在ったの?
宇宙が膨張している
その先には何が在るの?
それは
時間と空間に対する無知による
愚問である
と 彼は言った
別にどうでもいいけど
あなたの苦しみを目の前にして
わたしは何も言うことができない
憐れみや慰めの言葉
あるいは
勇気づけの言葉さえ
そんなものがいったい何になろう
あなたの苦しみを目の前にして
わたしに出来ることはただ
黙って視つめること
あなたの苦しみをじっと視つめることだけだ
デクノボウとして
阿呆のように突っ立って・・・
わたしの想像の触手はあなたの魂に触れ
わたしの想像の耳は
あなたの魂の響きを聴いたような気がする
だがわたしはあなたを救う術をもたぬ
いかなるスペシャリテも持たぬ
かくして
わたしの非力は打ち上げられたナマコのように
ぶざまにも
白日のもとに露呈するのだ
月が出ている
心のように
かがやいている
孤独のように。
いかがわしい
界隈の
いやらしい曲り角で
片手に
手斧をもった
ドストイエフスキーにであった
「もう何年も
誰とも話をしていないんだ」
「へえ そうかい」
奇遇というものはあるもんだ。
月が出ている
闇をあつめて
橋のうえに いっぽんの
外灯が立っている。
あるひ大学の便所に
しゃがんでおもむろに
ダップンしようとしてふと
目の前の壁を見ると
お前は詩人なんかじゃない!
という縦書きの落書きが
黒々と細字で書かれてあった
これはいったい
如何なるものの策略なのか?
或いはまた
誰かにあてた信号なのか?
しばらく私はたじろぎもせず
ダップンしながら
その意味する処を考えていた
お前は詩人なんかじゃない!
その言葉が頭の中を駆け巡って
しばらく何にも考えられなかった
ともすれば
ダップンするのも忘れていた
ダップンするのも忘れていた?
いいや 私は忘れていなかった
私はちゃんとダップンし終わり
丁寧に紙で拭いて
ズボンを上げてベルトを締めて
ぬかりなく手も洗い
のろりのろりと建物の外に出た
外は明るく 空に雲ひとつなく
行き交う学生等の声もして
涼やかな五月の風が吹いていた
そして私は・・・・・・
私はとても幸せだった!
雨のあとの木々が
手首をいっぱいぶらさげている
真夜中
静寂に耳をつかまれる
今夜は 星も
月も風も犬もない
どこかの
高い塔の
窓の暗闇から ひっそりと
花びらを撒くひとがある
それは恋をするむすめ
それとも
もう愛を妊まない石女?
そしてとおく
ちんもくした獣たちの森の
内蔵のなか
いっぽんの
無意味の川が流れている
すでに叫ぶものも
たえはてた
盲目のさかなさえ棲まない
いっぽんの運命の川が流れている
神がなかったので
運命もなかった
われわれは 偶然
この世に産み落とされた
ただのうたかた
きのうも明日もない
つかのまの
たわむれ
よるべない この胸
だから
君
むしろ
君のあわれな荒れ果てた大地に
絶望の
真っ黒い絶望の種子をうずめよ
深く 深く うずめよ
あわい希望の種子はすぐ枯れる
から
赤の他人が
赤の他人を
殺したとて
私に何の関わりがあろう
真っ赤な他人が
真っ赤な他人を
惨殺したとて
なにを非難するいわれがあろう
戦争のなかにも慰安があり
平和のなかにも
子殺しがあり
親殺しがあり
嬰児殺しがある
だれも知らない
かたすみの
もの言わぬ憤死がある
サヨナラとは言わなかった
じぁあなと言った
またなと言った
ともだちの顔をのせて
電車は行ってしまった
曲がり角で消えてしまった
駅舎のそとは明るかった
なにもかもが明るかった
燃える夏がくる前に
いやな夏がくる前に
ともだちは行ってしまった
もう二度と交わることのない
それぞれの明日をのこして・・・
サヨナラとは言わなかった
じゃあなと言った
またなと言った
うれしかったので
なみだがこぼれた
かなしかったので
なみだをこらえた
ぱせりせいじ
ろーずまりあんたいむ
あいしていたので
だまっていた
これまで無造作に書き散らしてきた詩のようなもののうち、かろうじて手元に残ったものの中で、ひと目に触れてもまあまあ恥ずかしくないだろうと思えるものを集めて、一冊の詩集(のようなもの)を作ってみた。見るからに貧弱な冊子であるが、ご一読頂ければ幸いである。
私の詩の読書体験はほぼ戦前の詩人までで終わっている。したがって戦後詩をリードした例の「荒地」一派の詩集を耽読したという経験はほとんどない。故に私は暗喩の使い方がよく分からない。が、もういい歳だがこれからでも解ろうとおもっているのである。
一時期、三枚目主義ということを考えていたことがある。私のように私小説的な詩を書く人間はとかく勘違いの二枚目気取りの深刻路線に走りがち、或いは、独り悲愴感に陥りやすいので、精神的な心の構えとしては三枚目とか二枚目半程度で書くべきだと思ったのである。ところが実作してみるとなかなか巧く行かない。致し方ないことである。
平成二十四年三月十六日、吉本隆明氏が亡くなった。年齢が年齢だから亡くなる日もそう遠くはあるまいと思っていたが、本当に死なれてしまうと軽い動揺を禁じ得なかった。吉本さんの本は難しい。私などはその十分の一も理解できているか怪しいものだ。しかし、しつこく読んでいると所々分かるところがあって、そのラジカルさに度肝を抜かれたりする。そこら辺の良識的知識人などが絶対いわないようなことを、言ったり書いたりしている。
喩えを使って言うと、そこら辺の知識人や文化人が、頭脳の手先の器用な人々だとすると、対して吉本氏はあまり手先が器用だとは思えないが、頭脳の腕力のとても強い人と言えるのではないだろうか。その腕力で問題をどこまでもほってゆく。
兎に角、吉本氏の文章は、他のものと比べて迫力が違う。真の思想家なんだと思う。
最後に、この本をかけがえのない母と、とあるひとりの女性と、「文学とは意識の地平を拡げる行為である」という大切なことを教えて下さった旧仏文の故M先生に(僭越ではあるが)捧げたいと思う。
平成二十六年八月 池本記
2014年9月1日 発行 初版
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