spine
jacket

───────────────────────



あずき好き(上)

Chai編集部

CMC,INC. Tokachi Mainichi Newspaper,INC.



───────────────────────


全国の菓子メーカーで、人気が高い十勝の小豆。

国内生産量の6割が

十勝で収穫されています。

お菓子だけでなく、

いろいろな物に変身している小豆。

これから収穫が本格化する

おいしい十勝の小豆に

Chaiが注目しました!

国内生産の
6割が十勝!

2012年産は、全国の収穫量は6万8200tで、
このうち、道内産が約9割に当たる6万3000t。
十勝は4万1256tと、全国の約6割を生産しています!
十勝管内の収穫量(13年産)でみると
最も多かったのが音更町の6530t、次いで芽室町の6010t、
帯広市が5540tと続きます。

エリモショウズが
主流

小豆と一言で言っても、いろいろな種類があります。
十勝で主に栽培されているのは粒が小さめの「エリモショウズ」です。
ほかに大粒な「大納言(だいなごん)」という品種もあります。
大納言は、煮たときに皮が破れにくいのが特徴で、
俵のような豆の形が大納言がかぶった「烏(からす)帽子」に似ているためなど、
名が付いた説がいくつかあります。
「白小豆(しろあずき)」と呼ばれる白系統で、岡山県の「備中白小豆」、
北海道の「きたほたる」などの品種がごくわずか生産されています。

十勝開拓の礎を築いた小豆。
小説「赤いダイヤ」の題材にも

十勝が「豆王国」となったことは開拓の歴史と密接に関係しています。
1883年(明治16年)、依田勉三ら13戸の農業者が現在の帯広に入植し、
豆類や麦類など40種類の作物を栽培し、試行錯誤の中から十勝の風土に合う作物として、
大豆や小豆などの豆類が最も適していることを見つけ「豆王国」となる基礎を作りました。
その後、第一次世界大戦で、ヨーロッパが食料不足になり、豆類の輸入を始め、
この価格高騰の波にうまく乗ったのが十勝。
豆の特需で十勝は潤い、帯広市内は豆の商いで活気にあふれ、「豆成金」と呼ばれる言葉も
生まれました。豆商人の中には足袋を留める金具を純金で仕立てるなどの逸話が数多くあります。
第二次世界大戦後は、先物取引の市場で豆に人気が集中。
小豆は1953年(昭和28年)、54年(昭和29年)に、
2年連続で凶作に見舞われたことで暴騰。「赤いダイヤ」の異名が付きました。
62年(昭和37年)に出版され「赤い魔物と恐れられる小豆相場」を描いた
梶山季之の小説「赤いダイヤ」の題材ともなりました。

小豆はほとんどが
餡や菓子の原料に

小豆のほとんどは、
和菓子、冷菓、菓子パン、
汁粉、ゆであずきなどの
餡(あん)や菓子の
原料として使われています。
中国などから、餡に加工されて
輸入もされています。

縄文時代の
遺跡から種子

日本では、縄文時代の遺跡から
小豆の種子が見つかっていて、
「古事記」や「日本書紀」に小豆の名が登場します。
日本や中国、朝鮮半島では、
小豆の赤色に魔除けなどの神秘的な力があると信じられ、
行事や儀式などに使われてきました。

1013日は
「豆の日」

旧暦の8月15日の「十五夜」、
9月13日の「十三夜」に月見の風習があります。
月見のお供えといえば月見団子ですが、
昔は、このころ収穫される作物として十五夜にサトイモを、
十三夜には豆をお供えして食べる風習がありました。
十五夜は「芋名月」、十三夜は「豆名月」とも呼ばれ、
「豆の日」は、豆名月に豆をお供えして食べていた風習にちなんだものです。
旧暦の9月13日は、新暦にするとその年によって
日付が変わるために、1013日を「豆の日」としています。

愛情込められて育つ
十勝の小豆

店頭で見る小豆は、もちろん粒の状態です。

どうやって育っているのでしょうか。

種を植え、何度も雑草を取ったりするなど

手間暇かけて育てられています。

小豆の成長の概要を紹介します。

◎播種

5月〜6月に
畑に直接、種まき


 北海道では、小豆の種まきは5月中旬〜6月上旬に行われます。トラクターに付けた播種機で、肥料を投入して種をまき、土をかぶせて、土を押さえる一連の作業をトラクターがゆっくりと畑を走り行います。

◎出芽

10日〜2週間
程度で出芽

 種をまいてから出芽するまでには、10日〜2週間程度かかります。種をまいてから1カ月前後は、雑草取り、土の通気性や排水性を良くするために畝の間を浅く耕します。(写真は生育初期の小豆です)

◎開花

初夏から夏に
黄色い花

 7月下旬〜8月下旬に株の下から上に向かって黄色い花が咲きます。

◎収穫

さやが緑色から
乾燥して褐色に

 収穫時期は、さやが緑色から褐色に変わって乾燥する9月〜10月ごろです。以前の収穫は、刈り取った後、乾燥させるために株を畑に積み上げる「ニオ積み」で、秋の農村風景を代表する風物詩でした。現在は、植えている状態で完熟、乾燥させて、コンバイン(刈り取りする機械)で収穫します。株を刈り取り、機械の中で茎、さや、実を分けます。

◎検査・選別

粒の大きさや
色合いなどで選別

 生産者から買い付けられた小豆は、機械に通し粒の大きさや色などによって細かに選別します。

写真は丸勝での作業風景

一部の小豆は、さらに人の手と目で検査、選別します。ベルトコンベヤーで小豆が流れ、手の感触と目で傷がある豆や異物を取り除きます。

菓子職人さんに教えてもらいました!
手間暇かけて小豆の
風味を生かす〈きんつば〉

小豆と言えば、思い浮かぶのは「餡(あん)」。

菓子職人が作るおいしい餡を使った菓子を求め、

創業約60年の豊頃町の「お菓子の豊月」を訪れ、

昔から変わらぬ人気の〈きんつば〉作りの

現場を見せていただきました。

(取材/平田幸嗣 撮影/辻博希)

今も人気の〈きんつば〉(1個140円)
一つ一つ丁寧に焼き上げる立野さん
銅鍋でじんわりと炊く小豆

炊いて、砂糖を混ぜ…
餡作りに3日間


 「20年ほど前から、きんつばを作っていますが、小豆はずっと豊頃産です。ほかのところの小豆を使ったことがないので、比較できませんが豊頃の小豆は風味がいいですよ。材料は地元の素材を使うようにしています」と、豊月の2代目・立野武夫さん(65)。22歳のときから菓子職人となり、43年間、和菓子や洋菓子を作ってきました。



豆の形崩れないよう
銅の鍋でじんわり


 〈きんつば〉の餡作りは、3日間かかります。まず、小豆を洗い、銅鍋を使い、たっぷりの水でゆでます。「銅鍋は熱の伝わり方がやさしいです。小豆は煮崩れしやすいので、水の中で豆が動かないよう静かに炊きます」。沸騰したら水を差し、再び沸騰したら小豆を取り出し水をかけ、渋みを抜きます。そして、また煮ます。小豆の状態にもよりますが、約40分煮た後、温かいうちに砂糖をまぶし一晩置きます。「餡作りで加えるのは砂糖だけ。20年前、初めてきんつばを作ったときは、小豆の風味を生かすために砂糖の量をどの程度にするのか苦労しました」と当時のことを話してくれました。

再沸騰後に一度上げ、水をかけて渋みを抜きます
砂糖をまぶし、一晩置いた小豆

昔から変わらぬ
甘さ控えめ素朴な味

 翌日、煮詰めた寒天と、一晩置いた小豆を混ぜて練り、型に入れて冷蔵庫で、再び一晩冷やして固め、ようかんのようにします。次の日、固まったものを四角く切り、白玉粉や小麦粉、上南粉、砂糖を水で溶き、1面、1面に付け焼いていきます。6面すべてを焼いて完成です。衣はもちっとしていて、適度な硬さの粒の食感と甘さ控えめの餡は、食べると、なぜかホっとしてしまいます。立野さんは「きんつばの作り方、味は昔から変わらず、遠くから買いに来てくれるお客さんもいます」と話し、その人気も変わらないようです。

一面一面、衣を付け手際よく焼いていきます

Shop Data

お菓子の豊月

豊頃町茂岩本町127
tel 015・574・2150
営:8時30分〜19時
休:不定

この本の内容はフリーマガジンChai2014年10月号掲載時のものです。営業時間や価格、消費税等は変更になっている場合がありますのでご了承ください。


●十勝のニュースは
十勝毎日新聞電子版
http://kachimai.jp/

●フリーマガジン
十勝の生活応援マガジンChai
https://ja-jp.facebook.com/chaimagazine

●企画制作
CMC,INC.
http://www.tokachi.co.jp/info/cmc.php

あずき好き(上)

2014年10月14日 発行 初版

著  者:Chai編集部
発  行:CMC,INC. Tokachi Mainichi Newspaper,INC.

bb_B_00129115
bcck: http://bccks.jp/bcck/00129115/info
user: http://bccks.jp/user/127278
format:#002t

Powered by BCCKS

株式会社BCCKS
〒141-0021
東京都品川区上大崎 1-5-5 201
contact@bccks.jp
http://bccks.jp

CMC,INC.

北海道・十勝(とかち)から地元ならではの情報を選りすぐってお届けします。

jacket