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かごしまアートナビ 副読本

かごしま文化情報センター(KCIC)

KCIC BOOKS



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はじめに

 ある日の会議でのこと、夏の休暇をヨーロッパで過ごしたKCICメンバーのジェフリー・S・アイリッシュが、「こんなツールが鹿児島にほしい。」と、モノクロコピーの紙を一枚、見せてくれました。
 それは、上のほうに「Firentze Card」と書かれ、何やら美術館やギャラリー、教会の名前らしき文字が細かく何軒も載っているリストのようなものでした。(ほぼイタリア語で書かれているので、同席しているメンバーはだいたいの内容を憶測で判断。)そして、記載されたURLにアクセスすると、各々のスポットを写真付きで紹介したり、フィレンツェの街の地図(Google Map)とつながってスマホでアクセスしたときの“現在地”からMap上にたてられたピンの場所までナビゲーションをしたりするものだとわかりました。
 地域の文化スポットを厳選して、紙・webの双方向で見せるシンプルなもの。会議に出ていたメンバーは、全員一致で、これはいい、と。そして、鹿児島バージョン作りたい、と動きだしました。


アート&カルチャー好きの旅人のためのガイドを作ろう。
 たくさんのスポットをゆっくり巡りたい人に邪魔にならないペラ一枚の紙。小さくたたんでポケットに入るし、スマホで見ながら歩くこともできる。「紙では、一覧で見やすいから、歩きながら見るよね、きっと。」「スマホで見るときは、ナビゲーションを使うから、行き先とスポットの外観がまず目立つように。」「webをパソコンで見るなら、行きたい施設を検索したときにわかりやすく——。」と使うときのことを想像しました。
 ツールとしてシンプルなものであり、持ち歩きしやすいこと。教えたい場所はたくさんあれど、心を律して整理をする。そして必要なメディア(=紙かwebか?)に、必要な量の情報を格納すること。鹿児島を訪れた方がふと立ち寄ったその場所で、地域の人が企画したイベントや現代のクリエイティブに触れあえること、歴史や創造性といった地域の財産を伝える建築であること。いつ訪れても「鹿児島はおもしろい!」と思える場所であること。そんな指針をたてて、掲載内容を厳選・編集しました。

 実際に、フィレンツェでこの紙を使って旅したジェフリーは、行きたいところにはペンで大きく丸をつけ、折り目を表に裏に折り返して、と、使い倒したそう。夏期休暇を過ごして海外旅行から帰ってきたこのぼろぼろの紙から、旅をこよなく愛するジェフリーが、フィレンツェの街を、あちらこちらと歩き回って文化都市を楽しんだのだろう、と、容易に想像ができました。そしてさらに、持って帰って来ることのできる「紙」は、旅人がその地を満喫した痕跡(記憶)を残し、次の旅への欲求をかきたてます。
 国内各地にある多くの文化スポット。日々変わるコミュニケーション・ツール。いまの生活に、いまの私たちに、最適なモノを日々生み出していく中で、「地域に根付く文化の魅力をきちんと伝える」というたった一つのテーマから、まず第一歩としてこの「かごしまアートナビ」が誕生しました。

その地に住む人だからこそ知っている、地域の魅力。
 前置きは長くなりましたが、本書「<地域×アートシリーズ> かごしまアートナビ副読本」は、Firentze Card“鹿児島バージョン”として、その地に暮らす人、または、その地を愛する人と一緒に、かごしまアートナビで紹介したスポットの魅力を個人の視点で少しずつ紹介します。
 旅先にその地で暮らす友人がいたら、もっとたくさん、あなたにぴったりの“行くべき場所”について聞くのにな…なんて思ったことはありませんか? そんな読者の方々に話しかけてくるように、11人の執筆者が、鹿児島のアートスポットの魅力をお伝えします。(また、執筆者・内容は、いつでも記事を追加できるという電子書籍の特徴を活かして少しずつ増えていきます。)
 それでも、まだまだ地域のコトを知りたい、という方は、鹿児島に到着したら、まず、かごしま文化情報センター(KCIC)へ。地域を愛するスタッフがお待ちしています。

四元朝子 かごしま文化情報センター(KCIC)チーフ

世界各地を訪ね歩いた民俗学研究者のジェフリーさんへ質問

Q1:フィレンツェ・カードとの出会いは、どうでしたか?
A1:去年の夏、家族でヨーロッパに行き、いくつかの街のまちづくりを見学・視察したところ、フィレンツェの美術館、教会など、全ての観光スポットが載っている一枚の紙・ビラに出会いました。軽くて、使いやすくて、タダで手に入って、とても気に入りました。そして、鹿児島にもこんなものがあればと思いました。

Q2:それを使った旅はどうでしたか?
A2:折りたたんでポケットに入れて、特に休日と開いている時間を確認するために使いました。それで安心して計画をたてました。
もちろん、見ていて、美術館や博物館の存在を初めて知ったのもありました。

Q3:ジェフリーさんのアイデアでかごしまアートナビができました。できてみていかがでしょう?
A3:かごしまアートナビができたことによって、鹿児島に住んでいる人や鹿児島に来ている人が普段なら思いつかない行先に行きたくなり、その計画をたてるのに役に立てればと思います。できてとても嬉しいです。
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ジェフリー・S・アイリッシュ(鹿児島国際大学 准教授)
ノンフィクション・ライター、民俗学研究者。ハーバード大学大学院と京都大学大学院で民俗学を専攻。1998年より鹿児島県川辺町に移り住み、日々の生活や田舎暮らしなどを南日本新聞に9年間連載。地域創生、まちづくりなどについて教えている。2010年度南日本文化賞受賞。

かごしまアートナビ一覧(2014年12月時点)

◎地区
施設名 [カテゴリー ]【かごしまアートナビ番号】

◎鹿児島中央駅~市役所
高見馬場シーズギャラリー [ギャラリー]【1
ホワイトギャラリー [ギャラリー]【24
陽山美術館 [美術・博物館]【9
鹿児島市立美術館 [美術・博物館]【17
かごしま近代文学館・メルヘン館 [美術・博物館] 【18
鹿児島県歴史資料センター 黎明館 [美術・博物館] 【19
マルヤガーデンズ [複合文化施設]【3
グッドネイバーズ [複合文化施設] 【4
レトロフトチトセ10
鹿児島カテドラル・ザビエル記念聖堂 [建築]【2
山形屋 [建築] 【5
鹿児島銀行本店 別館 [建築] 【6
鹿児島県産業会館 [建築] 【7
南日本銀行本店 [建築] 【8
鹿児島市庁舎 本館 [建築] 【12
鹿児島県立博物館 [建築] 【13
鹿児島県立博物館考古資料館 [建築] 【14
鹿児島県教育会館 [建築] 【15
鹿児島市中央公民館(旧鹿児島市公会堂)16
旧鹿児島県庁舎正面門 [建築] 【20
県政記念館(旧鹿児島県庁舎本館)[建築] 【21

◎その他市内
Mizuho Oshiro ギャラリー [ギャラリー] 【38
壷中楽[ギャラリー]【39
コーヒーギャラリー蒼 [ギャラリー] 【42
ギャラリーNOGLE(ノイル) [ギャラリー] 【43
桜島ビジターセンター [美術・博物館] 【23
尚古集成館 [美術・博物館] 【30
長島美術館 [美術・博物館] 【32
三宅美術館 [美術・博物館] 【44
鹿児島市立科学館 [美術・博物館] 【37
中村晋也美術館 [美術・博物館] 【41
児玉美術館 [美術・博物館] 【45
平川動物公園[美術館・博物館]【46
しょうぶ学園 [複合文化施設] 【40
鹿児島旧港北防波堤灯台[建築]【22
南州神社電燈一対 [建築]【25
Café潮音館(旧重富島津家住宅米蔵) [建築] 【26
磯工芸館 [建築] 【27
異人館(旧鹿児島紡績所技師館) [建築] 【28
磯珈琲館(旧芹ヶ野島津家金山鉱業事業所) [建築] 【29
旧鹿児島刑務所正門 [建築] 【31
イイテラス [建築] 【33
鹿児島大学稲盛会館 [建築]【34
鹿児島大学総合研究博物館[建築]【35
ゼロのいえ [建築] 【36

◎市外
スターランドAIRA47
霧島アートの森48
上野原縄文の森 [美術・博物館] 【50
せんだい宇宙館 [美術・博物館] 【52
薩摩伝承館 [美術・博物館] 【53
JAXA 種子島宇宙センター54
田中一村記念美術館55
霧島国際音楽ホール(みやまコンセール) [建築] 【49
輝北天球館 [建築] 【51

  鹿児島を旅する人のポケットにこの1枚を、お手軽な1枚の紙があなたの旅を手助けします。
  WEBの案内機能とリンクしているので、スマホと一緒に使ってもっと便利に。
かごしまアートナビ 紙版 表面 (A4サイズ)

かごしまアートナビの使い方(紙版)

①凡 例
 開館時間、休み、入場料、カフェ、授乳室、多目的トイレを記号で表記
②エリア 
 【鹿児島中央駅〜市役所】【その他市内】【市外】、3つのエリアを表記
③分 類 
 用途別にギャラリー/美術・博物館/複合文化施設/建築、4つの分類を表記
④番 号
 施設ごとに番号を表記
⑤施設名
 各施設の正式名称を表記
⑥情 報
 基本情報と付属設備の有無を表記
A 表紙
 地図の方位磁針とArtの"A"をかけ合わせたデザイン
B 広告スペース
 広告を募集しています
C お問い合わせ
 かごしまアートナビに関するお問い合わせ先はコチラ
D QRコード http://www.kcic.jp/kan
 かごしまアートナビ ウェブサイトへアクセスできます
E 折り目
 点線で4つ折りにするとコンパクトに持ち運べます

  鹿児島のアートスポットをウェブでさくさく検索できます。スマホ版もあります。
かごしまアートナビ ウェブサイト トップ画面

かごしまアートナビの使い方(WEB版)

①ピン
 施設の位置を番号付きで表示します
②バルーン
 施設の画像と簡易情報を表示します
③ルート案内
 施設までのルート案内がご利用いただけます
④地図切り替え
 地図と航空写真の切り替えができます
⑤ストリートビュー
 Googleの機能を画面上で利用することができます
⑥拡大・縮小
 地図の拡大・縮小を行うことができます
⑦エリア表示
 県全域/薩摩・大隅/鹿児島市/鹿児島中央駅〜市役所のエリアを表示できます
⑧分類
 用途別にギャラリー/美術・博物館/複合文化施設/建築、4つの分類を表記
⑨番号
 鹿児島中央駅から近い順に施設ごと番号を表記
⑩詳細へ移動
 各施設の詳細情報ページへ移動します
⑪紙版をダウンロード
 かごしまアートナビの紙版(PDFファイル)をダウンロードできます
⑫SNSボタン
 開いているページをリンクとしてシェアすることができます





かごしまアートナビ 施設ガイド




その地のスポットをくまなく網羅した観光ガイドとちょっぴり趣向を変え、本書では、テーマを絞って、スポットをチョイス。
実際に、その地に住み、そこに足を運ぶ愛好者だからこそ知る魅力をお見せましょう。

その地を愛してやまない“カゴシマ・ラヴァーズ”が、あなたに鹿児島の旅をおすすめする理由、お伝えします。

レトロフトチトセ


◎施設概要  

 昭和25年創業のビルを改装し、オーナーが厳選したショップやカフェを併設するコンプレックスビル。1Fは絶妙な品揃えの古書店と自然食レストランにカフェ。2Fには、様々なクリエイティブを紹介するギャラリーとパリで修行したパティシエによるふくれ菓子屋がある。階上に住むクリエイターたちによるイベントも随時開催。

用途 ギャラリー・ショップ・カフェ

◎かごしまアートナビ [10]:http://www.kcic.jp/kan/retroftmuseo
詳細は コチラ (レトロフト URL)


 それぞれイタリアで学んだ経験を持つ造園家のご主人と織り作家の夫人が運営するビル。先代から引き継いだ古いビルを、経済効率ではなく「文化」を優先させて内容を作り変えていった。ご自身たちの審美眼と美意識で、外からの良きものを受け容れる柔軟さと真摯な姿勢で、レトロフトというひらかれた「場」を作った。そこに近くから遠くから、ここを訪れた人々が、いつの間にか二階の専用ギャラリーのみならず、ビルに共鳴するようにあちこちで自由に、多様な「表現」を起こし始めた。ビルの屋上でコンテンポラリーダンスと即興演奏のセッションパフォーマンスイベントが行われたり、ビルの外壁にワークショップで作られた巨大な草のタペストリーが飾られたり、半地下のスペースでは音楽ライブが行われたり。
 画像はこのほど結成された楽団「イ・レトロフチ」の公開練習風景。団員の中にはオーナー夫妻の姿も見える。公開練習が行われた平日の昼下がり、隣の農園レストランの順番を待つ人、本棚から古書を選ぶ人、それぞれに自分の時間を過ごしながら、たまたま居合わせた楽団の演奏に耳を傾ける。場所発信の文化が、表現が、ごく自然にあたり前に共存する稀有な場所。

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文:平川 渚(Nagisa Hirakawa)
大分生まれ、鹿児島在住。かごしま文化情報センターのスタッフであり、アーティスト。2012年、レトロフトMuseoにて約3週間のアーティスト・イン・レジデンスを行い、個展を開催した。翌年、鹿児島へ移住、レトロフトの住人となる。かごしま文化情報センターでは主にワークショップを担当。鹿児島に住みながら各地へ出かけ、並行して制作を行っている。

鹿児島市中央公民館
(旧鹿児島市公会堂)


◎施設概要

 昭和天皇のご成婚記念事業として大正15年8月に起工、昭和2年10月に完成し「鹿児島市公会堂」として発足。昭和48年4月より、社会教育施設また地域公民館としての役割も受け持つ。686席のホールをはじめ、6つの中会議室・小会議室・和室・調理室・陶芸窯などがあり、広く市民に愛されている施設である。設計:片岡 安

用途 公共施設

◎かごしまアートナビ [16]:http://www.kcic.jp/kan/chuokouminkan
詳細は コチラ (かごしまデジタルミュージアム内)

 鹿児島市には14の地域公民館があり市民に親しまれているが、その中でも異彩を放っているのが、ここ中央公民館だ。「かごしま文化ゾーン」と呼ばれる鹿児島市中心地エリアに位置し、観光客のほとんどが訪れる西郷隆盛像の目の前にどっしりと構えた石造りの外観は、そんじょそこらの公民館とは一味違う風格を感じさせる。
 もちろん公民館として市民向けの各種講座や講演会、研修会等も開催されているが、大きな特徴として鹿児島市内のアマチュア劇団のメッカとも言える場所であることが挙げられる。最近では、芝居を上演出来るホールを備えた施設も増えたが、音響、照明設備を持ち、格安で借りられるここのホールは、長い間、台所事情の厳しいアマチュア劇団にとってなくてはならないものとして存在してきた。
 一時期、鹿児島のアマチュア演劇界は、劇団数が減り風前の灯という状況にあったが、中央公民館のおかげで、「劇団風見鶏」「劇団WAZZE」「鹿児島大学演劇部テアトル火山団」等の公演が定期的に行われてきた。現在は新たに旗揚げした劇団も増え、鹿児島演劇協議会が発足する等、ようやく息を吹き返してきた感がある。そして、それらの劇団のほとんどが、中央公民館での公演を経験している。
 鹿児島中央公民館の前身は、公会堂であったという。公会堂とは、公衆が集会を行うための建物を指す。まさに人々が集い、想いを表現し共有する場として、今も昔も存在しているのだ。

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文:平野トシミ(Toshimi Hirano)
鹿児島生まれ、鹿児島在住。かごしま文化情報センター スタッフとしての顔の他、スポーツのNPO法人スタッフ、子どもの芸術支援のNPO法人理事、盲導犬使用者の支援ボランティア団体の会長、ワーク・ライフ・バランスについての啓発団体の主宰等の顔を持つが、その原点は20代~30代の頃に経験したアマチュア劇団での演劇活動。座右の銘は「なんとかなる」。

壷中楽


◎施設概要

 鹿児島市吉野町の竹林の中に、静かにたたずむギャラリー兼ショップ「壺中楽」。オーナーがセレクトした各地の作家の陶器、ガラス作品が丁寧にセレクトされ、陳列されている。竹林の前の大きなガラス窓が展示会場を包み込む環境、また作家のセレクト、ひとつひとつのこだわりに多くのファンをもつ。

用途 ギャラリー・ショップ

◎かごしまアートナビ [39]:http://www.kcic.jp/kan/kochuraku

 駐車場から竹の階段を上がり、大きく張り出した紅葉の枝を、文字通りくぐり抜けると、竹林の柔らかい木漏れ陽がどこまでも広がる「違う世界」に入る。時間の流れの変化を感じつつ一番奥のギャラリーへ進むと、店主の牧さんが出迎えてくれる。
 壺中楽と私の出会いは、20数年前、鹿児島に帰って来て通い始めた英会話学校で知り合った年上の友人が連れて行ってくれたのがきっかけ。Uターンと、人生における初めての岐路にいた私には、この「違う世界」に入る感覚に親近感を覚えたのかもしれない。
ここでは、本当に多くのモノに出会った。多様な作品や作家とはもちろん、そこから繋がる極上の音楽や楽器、食、舞踊、個性的な作家ファンの面々など枚挙にいとまがない。TABLATURAの追っかけは、県外遠征にまで及んだなぁ。楽しい日々と、友人・牧さんに深く感謝。
 その頃、会社員としての私の日常の中で、じっくりといいモノを生み出すためにひたすらこだわり、作り、積み上げて何かを完成させていく人たちの、違う時間の流れを楽しませてもらったおかげで、世の中の深さと広さ、そして可能性を知ったのかもしれない。
 壺中楽のさまざまな企画展は、作家の選定から交渉、作品の搬出入、会期中のお客様の対応にいたるまで、すべて牧さんがひとりでされている。
エントランスからギャラリーを深く静かに囲んでいる竹林も含めて、空間のすべてを、そこに展示するモノを活かすためのひとつの演出として企画展を作り上げる牧さん。作り手自身とその仕事への深い愛情が変わらないからこそ、30年近くにわたるギャラリーの風格と、根強いファンを獲得しているに違いない。

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文:早川由美子(Hayakawa Yumiko)
鹿児島生まれ、鹿児島在住。金融機関、化学製造メーカー、建設会社を経て、2004年3月、文化芸術支援NPO PandA(ピーアンドエー)を立ち上げ、2005年3月に法人化。PandAは、今年10年目。幼少の頃の環境や体験、好きだった事も含め、これまでのすべてがPandAで活かされている事を甚く実感する昨今。現在、KCICアドミニストレーション兼任。

平川動物公園


◎施設概要

 「楽しく学べる、楽しく遊べる動物公園」を基本コンセプトに、緑に囲まれた自然の中で、動物の生態を観察したり、動物と触れあったりしながら、自然保護や動物愛護の精神を学べる。来園者のための足湯があり、動物の飼育にも温泉が活用されている。ホワイトタイガーやコアラが人気。1916年、鹿児島市鴨池2丁目に開園。1972年、現在地に移転。

用途 動物園

◎かごしまアートナビ [46]:http://www.kcic.jp/kan/hirakawazoo
詳細は コチラ (平川動物園 URL)
 

 一般にはあまり知られていないが、動物園は博物館の一種だ。それゆえ、動物たちを見せることを、美術館などと同じように「展示」と呼ぶ。そして動物園では、動物をよりよく理解するための展示方法が日々考えられており、近年ではなるべく自然な環境で動物を見せる試みが広がっている。
 鹿児島市の平川動物公園でも、順次リニューアルをして、そうした試みを行っている。それを可能にしている要因の一つはその広い敷地だろう。歩いて見て回るだけでゆうに2時間はかかるほどだ。広さはなんと31ヘクタールを超える!筆者の職場の軽く2倍以上だ…。
 さて、動物の種類によっては、幸運にも非常に広い空間が割り当てられており、特に入口すぐのキリンやシマウマが一緒にいる「アフリカの草原ゾーン」では、動物たちがゆうゆうと歩いている。動物の気性や相性、人気などから選ばれたのであろうか。狭い檻に入っている動物とは待遇が雲泥の差だ。動物も格差社会である。異なるもの同士が一緒にいれば、時に衝突もあるだろう。筆者が見たときには、ワオキツネザルとハクチョウとの間に緊迫した空気が流れていた。
  個人的には、動物園では猿を見るのが楽しい。彼らはアクティブなものが多く、見ていて飽きない。それにひきかえ、ネコ科の猛獣は、獲物がいなければ大きなネコといった風体である。
 平川動物公園では、全部で約1000点の動物たちが展示されている。中心部から少し足を延ばすだけで楽しめるおすすめのスポットだ。

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文:植松篤(Atsushi Uematsu)
霧島アートの森学芸員
石川県に生まれ、関西に育ち、鹿児島在住。元々は生物を志すが、若気の至りで美術へと方向転換する。尼崎市総合文化センターや兵庫県立美術館、横尾忠則現代美術館などの職場を転々とし、流れ流れて昨年より鹿児島に移り住み、霧島アートの森で学芸員として勤務している。「横尾忠則の地底旅行」展などを担当する。

鹿児島旧港北防波堤灯台


◎施設概要 

 桜島と錦江湾を間近に望むウォーターフロントパーク内に位置する。昭和9(1934)年に建立。昭和61(1986)年からの本港区再開発で埋め立てられた。鹿児島港修築工事の代表的遺構のひとつであり、国土の歴史的景観に寄与しているとして、平成20(2008)年3月に登録有形文化財に指定された。設計:不詳

用途 モニュメント

◎かごしまアートナビ [22]:http://www.kcic.jp/kan/kita-toudai
詳細は コチラ (かごしまデジタルミュージアム内)

 30年くらい前の話だけど、それを僕たちは赤灯台と呼んでいた。まだまだ童貞の中学生。今日は赤灯台でタコを釣ろうぜという話になり、自転車に二人乗りして十人くらいが群れになって出かけた。そのうちのひとりが親に黙って持ってきたタコ壺をぶらさげているというちょっと本格的な、それでいてタコが釣れたらタコ焼きにしたいくらいのことしか考えていない捕らぬ狸の皮算用。赤灯台の真下にはテトラポットが沈められていて、そこからタコ壺をおろした。僕たちは待った。目の前の桜島や向こう側の魚市場を眺め、くだらない話をして。そして、捕獲の方はどうなったかといえば、もちろんゼロ。だってエサを入れてない。それ無理じゃん。そのうち一番スケベな奴がテトラポットから上半身裸で海に飛び込んだ。赤灯台の周囲をゆうゆうと泳いで見せる奴。野次る僕ら。と、海上保安庁らしき船がやってきて、マイクを通じて付近が遊泳禁止であることを告げ、どこの中学生かと尋ねてきた。そんなの答えるわけないじゃん。僕らは急いで防波堤を走り逃げた。
 今は海と接続していない赤い灯台。でもあの頃のことを鮮明に思い出させてくれる赤い灯台。この灯台が建っていた北防波堤は昭和9年に国の指定港湾改修工事に伴い誕生した。北防波堤の長さは約260mで、対をなす南防波堤は約450mだった。赤い灯台だけが、近年さらに改修された鹿児島港に残る。赤いから残ったのかなと思うくらいに、周辺の芝生とお似合いなところも素敵だったりする。タコが釣れなくても楽しかったように、赤い灯台は海に浮かんでいなくても存在感抜群なのだ。

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文:東川隆太郎(Ryutaro Higashikawa)
鹿児島生まれ、鹿児島在住。NPO法人まちづくり地域フォーラム・かごしま探検の会代表理事。歴史、温泉、音楽、映画も好きな、自他ともに認める「まち歩き」のプロ。まち歩きを地域資源の情報発信につなげたり、新たな価値づけとして提唱している「世間遺産」風にまちを眺めたりしながら、毎日どこかを散策している。

しょうぶ学園


◎施設概要 

「ささえあうくらし-自立支援事業」「つくりだすくらし-文化創造事業」「つながりあうくらし-地域交流事業」をコンセプトにした知的障害者の支援センター。人が本質的に備えている創造する力を引き出すことで、障害者施設そのものが「与えられる」側から「創り出す」側に立つことを目指している。
布や木などの各工房での作業は、創作活動であると同時に就労支援でもあり、利用者の自立を支援。生み出される作品は、工芸や現代アートの世界で高く評価され、国内外の展覧会等で好評を博している。

用途 複合施設

◎かごしまアートナビ [22]:http://www.kcic.jp/kan/shobu
詳細は コチラ 

「普通においしい」そんなふうに何かの感想を言うようになったのはいつからだろう。そしてその「普通」に対して、わたしたちはどれくらいの想像力を持っているだろう。
しょうぶ学園は、中心地から車で20分と少し離れた場所にあるが、そこには足を運ぶ理由がたくさんある。おいしいパン屋やカフェと、個性豊かな布や木などの工房からつくられるものたち。知的障害を持った利用者と、いわゆる健常者の職員が入り交じった園内は、ひとつの村のような空気が漂う。利用者の特性を引き出し、職員が協働することで展開するものづくりの多彩さは、彼らのパーカッションバンドotto & orabuの奏でる豊かな音からも感じられる。
しょうぶ学園にいると、多少でこぼこしながら、彼らが日常の小さな変化からいろんなものを受け取って生きている様子が、些細なやり取りから感じられる。そして、そんな彼らが目の前のことに素朴に向き合うことでつくりだすもののクオリティの高さに、背筋が伸びる思いがする。果たしてわたしは日々の「普通」の物事の機微に彼らほど反応できているだろうかと、はっとさせられる。
初めて訪れたとき、一枚の木皿を持ち帰った。ただ真っすぐに木と向き合ってつくられたそれは、そのままの姿で美しい佇まいをみせていた。彼らの作品はこれからも国内外さまざまなところで見られる機会が増えるだろう。けれど、彼らの感受性を受けとめ、つくることを後押しする包容力のようなものは、やはりあの環境に足を踏み入れてこそ感じられるものだと思う。
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文:田中みゆき(Miyuki Tanaka)
福井育ち、東京在住。デザインの領域で展覧会やイベントの企画、書籍や印刷物の編集に携わる。日本科学未来館に勤務し、2014年冬にしょうぶ学園 otto & orabuの東京初公演を担当。生活から生まれる表現に興味を持っている。

鹿児島大学総合研究博物館


◎施設概要

 南九州から琉球列島周辺を経て、東南アジアに至る太平洋西部域を研究の対象地域とし、学術標本資料の収集・保存、研究・教育資料としての活用を基本とする。その他、資料情報の交流センターとして重要な役割も有している

用途 博物館

◎かごしまアートナビ [35]:http://www.kcic.jp/kan/museum-kagoshima-u
詳細は コチラ (鹿児島大学総合研究博物館 URL)

 鹿児島大学総合研究博物館の常設展示室は、鹿大に伝わる膨大な学術資料の一部を展示公開する場として、2004年5月21日に開館し、現在まで鹿児島大学生のみならず、県内外の多くの人々の利用に資されている。
 特筆すべき点として、当館そのものが重要な建築資料であることが挙げられる。鹿児島大学の前身の一つ鹿児島高等農林学校の図書館書庫として、昭和3(1928)年に建設された建物を改装した、本学現存最古の建築物である。平成18(2006)年に、国の「登録有形文化財」に登録されている。
 大学博物館として専門性の高い資料を扱う当館だが、その展示には、実際に資料を触ることの出来るハンズオン展示や、海外からの利用者に対応した英文キャプションの追加など、利用者の鑑賞を手助けするための様々な方法が取られている。
 当館の資料は全て、それぞれに歴史を持つ貴重なものであるが、その中でもお薦めしたいのが、曾於郡大崎町の神領10号古墳出土の盾持人埴輪と、第七高等学校・高等農林学校時代の計算機である。人物埴輪が作られたのは6世紀の関東が中心であり、当館のように、西日本において発掘された5世紀前半の人物埴輪は全国的に見ても非常に希少なものであるという。また、多くの人が埴輪と聞いて想像するであろう、穴を三つ開けて表情をつくる“ハニワ顔”とは顔の造形が異なり、写実的でハンサムである。計算機はハンズオン展示が行われており、現在では使う機会のない器具の仕組みを自分の手で体感することが出来る。これらは利用者からの関心が特に高く、是非実際に足を運んでみて欲しい。

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文:松田佳奈(Kana Matsuda)
鹿児島生まれの鹿児島育ち。イラストレーターになることを夢見て日々お絵かきに励む幼少時代を過ごす。その後、漫画家、アニメ監督、動物園の飼育員、学校の先生など目指すものが頻繁に変わっていたが、夏休みの宿題のために訪れた鹿児島市立美術館で、黒田清輝の絵に感銘を受け、それを機に学芸員を志す。大の犬好き。

スターランドAIRA


◎施設概要

 1993年、鹿児島県北部の姶良市、北山地区の山村に開館した天文台。客席40のアットホームなプラネタリウムと口径400mmの天体望遠鏡がある。その立地から、星空が美しく、土日に観測会を行うほか、夏の星空キャンプや秋のお月見会なども行われ、地元に広く愛される場所である。

用途 天文施設

◎かごしまアートナビ [47]:http://www.kcic.jp/kan/starlandaira
詳細は コチラ (スターランドAIRA URL)

 夜空が美しいー「鹿児島は、大気のゆらぎが少ない。」と館長さんは教えてくれた。確かにふと夜空を見上げると、満天の星が見えていることがよくある。
 鹿児島県には、種子島宇宙センター、内之浦宇宙観測所、鹿児島市立科学館、輝北天球館、せんだい宇宙館など、宇宙や天体と関わる施設が数多くある。その中の一つ、スターランドAIRAは、山の中にあるプラネタリウムであり、天文台だ。天文台=研究者が観測している場所とイメージするかもしれないが、ここは天文教育に力を入れた施設で、実際に巨大な望遠鏡で宇宙を覗くことができる。いわばみんなの天文台である。姶良市の生徒は、ここまでバスに乗って課外授業に来るという。
 私は昼間に伺ったが、プラネタリウムでペガスス座を中心とした秋の星座の解説をみたあと、屋上の天文台に案内して頂き、太陽の黒点と、昼間でも見える星(ベガ)を観測することができた。週末は(なんと、あの山奥にも関わらず)夜21時まで開館しており、プラネタリウムの最終投影は19時半から。ひとしきり星座にまつわる神話で夜空に想いを馳せたら、いよいよ屋上の天文台が開き、大きな天体望遠鏡で夜空を観測することができるのだ。そんなプラネタリウムが全国にどれだけあるのだろうか。ここは忘れかけていた探究心を刺激される素晴らしい施設だが、何よりも、日常的に宇宙に、天体に想いを巡らせて働いている人々がいて、それを通して人を育てたいという情熱がある。
 天体観測はどうしても天候に左右されるので、行く前に電話で問い合せると良い。よく晴れた週末には、少し車を走らせて、スターランドAIRAで美しい星空に想いを巡らせてみてはどうだろうか。

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文:秋葉 俊宏(Toshihiro Akiba)
千葉生まれ、鹿児島在住。かごしま文化情報センター 広報スタッフ。広報担当以外に、ウェブや展示計画、施設整備など様々に担当する"KCICの何でも屋"。日頃は建築設計事務所に勤務し、住宅や商業施設の設計を担当している。

ゼロのいえ


◎施設概要

 1991年に竣工した、建築家 髙﨑正治による鹿児島シリーズ第1弾。髙﨑氏の「神聖なる磁場に耐え得る建築とは何かという命題を求めた、光といのちの建築。」という言葉に表現されるように、54の窓を持つスペースと地上階の円水庭園、最上階の空中庭園があり、水、緑、光に溢れる空間である。

用途 住居・アトリエ

◎かごしまアートナビ [47]:http://www.kcic.jp/kan/zero-cosmology
詳細は コチラ (高崎正治公式ホームページ内)

 通常、多くの建築が現実のしがらみの賜物として成立する。気候風土や土地の性状といった従前の自然環境だけでなく、予算や法律といったさまざまな枠組みが突きつけられる。我々建築家は、その実にさまざまな事象を一身に受け止め、その能力をもって最善の調和をつくりだすことに腐心する。
 ゼロのいえは、幾何学的に切抜かれた箱に、「ゼロの空間」と称される楕円形の空間が包まれた鉄筋コンクリート造の住宅・アトリエである。中央の楕円形の空間は、リビングルームとして機能し、その下に位置する池から水琴窟のように水音が響くそうだ。煩悩の半数である54の窓を設けるなど、この建築の成り立ちは、東洋哲学の空や無を形態化したとされる。設計者である髙﨑は、この住宅を「現代ではなく、永遠への着地という宇宙観」で説明する。
 時空を超えて存在することを目指すこの建築の前に立つと、その刹那を痛切に感じる。竣工当時コンクリート打放し特有の艶やかだった外壁は、時間の変化の中で緩やかに変化し、深く苔むしている。生い茂る木々もまた、強い対称性を為す正面ファサードに運動を与えている。屹然と立ち続けるその様は、これからも時代を超えた住宅の本質とは何かを教えてくれる原郷となるのかもしれない。

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文:根本 修平(Shuhei Nemoto)
第一工業大学工学部建築デザイン学科講師。建築家。1975年東京都生まれ。2004年九州芸術工科大学大学院博士後期課程単位取得満期退学。2004年NKSアーキテクツ。2005年東京電機大学理工学部助手。2005年SN2スタジオ設立。2011年〜第一工業大学工学部講師。2013年〜鹿児島大学工学部非常勤講師。

霧島アートの森


◎施設概要

 霧島連山の西にある栗野岳の中腹、標高700mの大自然の中に広がる野外美術館。自然の地形や樹林をできるだけ生かして整備された「野外展示広場」と「樹林ゾーン」には国内外の作家の現代彫刻が展示され、手でふれたり座ったりして鑑賞できる。アートホールでは、主に現代美術を中心に多彩な企画展を開催している。2000年10月開園。

用途 美術館

◎かごしまアートナビ [48]:http://www.kcic.jp/kan/open-air-museum
詳細は コチラ (霧島アートの森 URL)

 鹿児島市街地から車で1時間半。青々とした森の中をしばらく走ると、山道の脇にぽつんぽつんといくつもの彫刻が見えてくる。ここにも!あそこにも!と見つけているうちに、たどり着くのが、深い森の中にあるアートの聖地「霧島アートの森」。いざ、入口につくと赤や黄、青の鮮やかな色を放つ草間彌生の「シャングリラ」が出迎えてくれる。
 「霧島アートの森」は、2000年に、鹿児島県姶良郡湧水町にある「栗野岳」の中腹700メートルの高原にオープンした野外美術館。アントニー・ゴームリーやダン・グレアム、藤 浩志など23作品が広大な敷地内に点在している。それを探してあちこち移動し、霧島の自然の中で、発見するのが楽しい。作品の中には、触ったり、腰掛けたり、作品の中に入れるものもある。(同園はコレクションを少しずつ増やしていて、2012年は椿 昇の「RIGHT SHEEP」が仲間入り!)また、国内外の気鋭のアーティストを紹介するアートホール内での企画展も充実。初日のアーティストトークには九州各地からのアートファンが車で駆けつけるほど。さらに、アーティストの滞在制作も企画され、彼らと近い距離であうこともここの楽しみのひとつなのである。
 野外で世界のアーティストの作品を探して森を散策し、また屋内で企画展をじっくり鑑賞。一日たっぷり、大自然とアートを満喫できる極上のスポット。ぜひ足を伸ばして行ってほしい。

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文:四元朝子(Tomoko Yotsumoto)
鹿児島生まれ、鹿児島在住。かごしま文化情報センター アートコーディネーター。また、フリーでアート&デザインのPRを行う。教師を目指して上京したが、教育実習で自信をなくし、大学卒業後、複合文化施設スパイラルに就職。後、パリ地下鉄公団デザインチームやPalais de Tokyoでインターン。2009年山口情報芸術センターでパフォーミングアーツ担当。2012年より現職。

JAXA 種子島宇宙センター


◎施設概要

 鹿児島県の南、種子島の東南端の海岸線に面し、総面積970万平方メートルの日本最大で大型ロケットを唯一発射できるロケット発射場である。センター内には宇宙科学技術館がある。

◎かごしまアートナビ [54]:http://www.kcic.jp/kan/jaxa-centers-tnsc
詳細は コチラ (JAXA 種子島宇宙センター URL)

 JAXA 種子島宇宙センターは種子島の南、太平洋側の湾に面した場所にある。緑の山の中に施設が点在し、発射台はサンゴ礁に囲まれた岬の突端に設置されており、その絶景を誇る基地は『世界一美しいロケット基地』と言われている。
地球の自転を利用したロケットの打上げは赤道に近いほど有利になる。日本の最南端ではない種子島が発射場に選ばれたのには日本の歴史が大きく関わっている。設立前年の1968年は沖縄返還が実現しておらず、計画当時日本の主権の及ぶ国土で、宇宙センター設立条件にかなった場所として、種子島宇宙センターは最南端だったのである。
 施設案内ツアーでは、1時間15分をかけて、施設内を専門のガイドさんの説明を聞きながら見て回る。その際には、発射場を間近にみる事もでき、宇宙への玄関口である事を体感。宇宙科学技術館では、ロケット、人工衛星、国際宇宙ステーションの開発、地球観測、月、惑星探査などについての展示、紹介がある。また、ロケット打上げシアターでは日本の主力ロケットであるH−ⅡAロケットの打上げの模様を大画面と大音響で体験できるのである。
 年に数回行われるロケットの打上げは街が運営する4ケ所の展望台からみる事ができ、地球が宇宙の一部であることを体感するはずだ。
 大自然の中で宇宙規模の視座をもつ事は、未来を切り開く事になるのかもしれない。宇宙の玄関口「JAXA 種子島宇宙センター」は子供から大人までがわくわくする場である。

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文:宮之原綾子(Ayako Miyanohara)
株式会社しか屋 取締役部長/ NPO法人かごしまGIFT 理事
鹿児島生まれ、鹿児島在住。鹿児島の納豆等食品製造・販売を行う老舗企業 株式会社 しか屋の取締役部長。アートと宇宙を活かしたまちづくりとして、2009年の皆既日食の際に種子島で行われた「時の芸術祭」や日比野克彦「明後日朝顔会議」などのプロジェクトに参加。地域の文化振興に情熱を注ぐ。

田中一村記念美術館

◎施設概要

 展望台や多目的広場も備えた広大な奄美パーク内にあり、奄美の自然に魅了された天才画家・田中一村の数々の傑作を展示する美術館。約450点の作品を所蔵している。パーク内に隣接する奄美の郷で、奄美の自然や歴史を学び、その深い文化に触れてから鑑賞するとより作品の息吹を感じられる。

用途 美術館

◎かごしまアートナビ [55]:http://www.kcic.jp/kan/isson
詳細は コチラ (田中一村記念美術館 URL)

 奄美空港近く、笠利の地に建つ美術館。広大な敷地に佇む建築は、海を思わせる水盤に、高倉式の建造物が浮かぶ設計。外部の強い光を放つ空や亜熱帯の植物群も空間に取り込んでいて、心地よい。
 画家・田中一村は、明治末期に栃木で生まれ、千葉での青年期を経て、50歳で奄美大島へ移住。命尽きるまで一人描き続け、世に見いだされたのは没後という稀有な人だ。幼い頃は神童と呼ばれ、東京美術学校(現東京藝術大学)では東山魁夷らと同じ年に入学しながらも中退。その後、画壇に挑戦するも理解されず、自らの絵に専念するため奄美大島へ。大島紬工場で染色工として働き、わずかな賃金を糧に、絵に没頭するという生活を繰り返した。
 美術館の展示は、幼少期の作品から、千葉時代、奄美時代と一生を通して見ることができる。集大成とも言える奄美時代の作品は、島の自然に魅せられた一村が、精魂を注ぎ込んだ独自の美の世界が広がる。代表作「不喰芋と蘇鐵」は、大胆な構図や濃密な色彩に目を奪われるが、よく見ると植物の一葉一葉が丹念な観察の下に描き込まれており、鬼気迫る画家の情熱に触れることができる。今でも奄美大島を歩くと、日常の中で、生命力あふれる植物が家々を覆い、色鮮やかな花には蝶が舞い、魚屋には熱帯魚と、一村を刺激した島の美に出会うことができる。奄美を旅するなら、ぜひ一村に触れてから。きっと、目にする島の風景が一層鮮やかな輪郭で迫ってくる体験ができるはずだ。

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文:小谷さらさ(Sarasa Kodani)
鹿児島市生まれ。生活情報紙編集部に勤務後、フリーランスライターとして独立。食、アート、観光等をテーマに県内外での取材記事を雑誌・機関誌等へ寄稿。平成26年から奄美市在住。この地特有のゆったりした時間の中で、美しい自然風景、美味しい食、親切な人々との出会いを楽しみながら島暮らしを満喫している。





かごしまアートトリップ・オススメコース!




スタッフがオススメのコースを考えました。

例えば、飛行機で空港から鹿児島に到着したら、さあ、電車で、バスで、レンタカーで、どこまでいきましょう。
一日でなにができる?
そんな旅をシミュレーション。

お得情報も入手して、アートな旅をお楽しみください。

■ オススメプラン 1日目

▶空港からリムジンで、または新幹線で、鹿児島中央駅に到着。駅の観光案内所でかごしまアートナビを入手してGO!
 鹿児島中央駅出発
  ↓(シティビューで移動)
 西郷銅像前下車
  ↓(徒歩)
 鹿児島市立美術館
  近隣にかごしま近代文学館・メルヘン館、歴史資料センター黎明館も!
  ↓(徒歩)鹿児島市中央公民館、南日本銀行本店、鹿児島市役所を見ながら
 かごしま文化情報センター(KCIC) 各地のイベント情報を収集!
  ↓(徒歩)
 レトロフト
  ↓(徒歩又はバス)
 グッドネイバーズ
  ↓(徒歩又はバス)
 マルヤガーデンズ
  ↓(徒歩又は電車・バス)
 高見馬場シーズギャラリー
  ↓(徒歩又は電車・バス)
 鹿児島中央駅着

◎お得情報:市電・市バスシティビュー 一日乗車券 大人600円 小児300円
鹿児島市内の市電(観光レトロ電車含む。)、市バス及びカゴシマシティビューに一日中乗り放題!。(※民営バス、南国交通との共同運行路線の南国バスは利用不可。)
http://www.kotsu-city-kagoshima.jp/

■ オススメプラン 2日目

▶鹿児島市内を満喫した1日目。次は、のんびり遠出をしてみよう!
自然や町並み、鹿児島ならではの景色を楽しみながら、車でドライブの旅を楽しんで。


レンタカーを借りてGO!
 ↓
しょうぶ学園
 ↓
霧島アートの森
 ↓
鹿児島空港


お得情報1:鹿児島市 よかとこ かごんまナビ 
http://www.kagoshima-yokanavi.jp/
「交通情報」からレンタカー情報をご覧頂けます。

◎お得情報2:鹿児島コミュニティサイクル「かごりん」 
http://kagorin.net

かごしまアートナビ 副読本

2014年12月17日 発行 初版

著  者:小谷 さらさ、田中 みゆき、東川 隆太郎、
かごしま文化情報センター(KCIC)アートディビジョン(早川 由美子、宮之原 綾子、松田 佳奈、植松 篤、平野 トシミ、平川 渚、秋葉 俊宏、四元 朝子)

イラスト:篠崎 理一郎

発  行:KCIC BOOKS

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かごしま文化情報センター(KCIC)

アートを軸に、ジャンルを超えた表現活動を発信する鹿児島市のアートセンター。

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