── 兄上は今日も胃が痛い。
豊臣秀吉の仲介により、真田昌幸と徳川家康は和議を結んだ。その条件の一つが、昌幸の嫡男信幸の徳川出仕であった。
徳川重臣・本田忠勝の娘を正室とした信幸は、家康の居城・駿府に登城する。
徳川譜代の家臣達が居並ぶ中、巨躯を縮こまらせる信幸。
漸く下城の時を迎え、一息吐いた信幸の前に現れたのは、大久保彦左衛門。先の戦で散々に嬲られたと文句を言う彼に、信幸は「見間違い」であると告げ、退散したのだが……。
胃痛に悩まされながら家の存続のために奮闘する真田の若君の物語。
※この短編は同人誌『真田大石』に掲載されたものです。
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豊臣秀吉の仲介により、真田昌幸と徳川家康が和議を結んだのは、天正十四年(一五八六)のことであった。
真田は徳川の与力大名として、名目上その勢力下に組み込まれた。
但し実情を言えば、昌幸は秀吉から羽柴姓を下賜される程度に重要視されており、もっぱら豊臣家直臣として動いている。その働きぶりはと言えば、京・大阪に在って、本領上田に戻ることがほとんどない程であった。
さて、争っていた武家の間で和議が成ったという場合、おおよそ証人、即ち人質を取り交わすものだ。
徳川から真田への証人は、徳川家臣・本多忠勝が娘の稲姫であった。彼女は家康の養女・小松姫として、真田昌幸の嫡男・源三郎信幸に嫁ぐことになった。
そして真田から徳川への証人は、その信幸自身である。
信幸は昌幸の元を離れ、徳川家康の居城・駿府に出仕することになった。
『胃が痛い』
まだ木の香りが残る真新しい駿府城内で、真田信幸は周囲の者にはそれと知れぬようにため息を吐いた。周囲の者とは、即ち徳川譜代の家臣達だ。
※サンプルはここまでです。続いてインタビューをご覧ください。
神光寺かをり(しんこうじ・かをり)ともうします。
時々、銀凰恵(ぎんおう・めぐみ)だったりもします。
都合により銭澤惠み(ぜにさわ・めぐみ)なこともあります。
ネット上でラノベチックなネタを時代劇チックな文体で書くファンタジーや、もろに時代劇だったりする小説を発表しています。
かつてTRPG『Bea-Kid’s』のノベライズを書いたり、ゲーム「お姫様舞踏会」のシナリオのお手伝いをしたことがあります。
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以前書いた、真田信幸を主人公とした中編の、後日談的な作品を書きたい、と考えていた時、偶然「真田信幸が大久保彦左衛門に絡まれた」という史実(?)を知り、一気に書き上げました。
有る程度戦国時代の知識がある方に読んで頂けると、最後の落ちがすとんと決まるかと存じます。
ネタ出しから自己校正まで合わせて一カ月弱ほど。
私としては、大変スピーディーにできあがった作品といえます。
主にTwitterと、メールマガジン。
最近pixivのアカウントを取ってみました。
特に歴史物で、実在の人物や実際に起きた事件などを扱う場合は、大きく間違ったことを書く訳には行きませんから、資料・史料の裏を取る作業が大変です。
また、歴史物・完全創作に限らず、世界観や設定をどこまで説明すべきかという点も、悩みどころではあります。
あまり熱心に説明すると、物語のリズムが崩れてしまうのですが、予備知識のない読者さんを置いてきぼりにする訳にも行かず、で。
酒見賢一(さけみ・けんいち)先生や池波正太郎(いけなみ・しょうたろう)先生の影響を受けているのは間違いないと思います。
酷くずぼらで、遅筆なのですが、一年に中編を一本仕上げるか、一冊同人誌が出せる程度の創作スピードを保つという大望を抱いております。
諸般大目に見てください。
よろしくお願い致します。
日本独立作家同盟は、インディーズ出版分野で活動する会員相互の協力により、伝統的手法では出版困難な作品の企画・編集・制作支援などを通じて品質向上を図り、著者の育成と知名度向上・作品の頒布を促進し、読者と著者のコミュニケーションを活性化することで、多種多様な出版文化の振興に貢献します。
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2015年2月19日 発行 初版
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