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── 古典が紐解く『ヱヴァQ』の混沌と力学

供犠を巡る物語~ヱヴァQ編~
(サンプル版)

有坂汀

日本独立作家同盟

作品概要

 僕が『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』を観た後に最初につぶやいた言葉は
「内ゲバじゃねーかよ……」
でした。その「心のしこり」を抱えていた時に、聖書やドストエフスキーに記された言葉がヒントになりました。「想念に取り憑かれた人間たち」が引き起こす悲劇を『ヱヴァQ』の中に見ました。

供犠を巡る物語~ヱヴァQ編~

 この論評には作品の冒頭から結末までのネタバレが含まれます。また、DVDから書き起こして引用した台詞はすべて「」でくくりました。

(※編注:ネタバレ防止のため改ページを入れてあります)

供犠
くぎ
sacrifice

 供物やいけにえを神霊に供えること。人身供犠の場合もある。一般には動物や人間の犠牲と供物とは区別されており,その歴史的な前後関係などの論議もなされてきたが,両者を一括した呼称として供犠という用語がある。
本文は出典元の記述の一部を掲載しています。
(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説より)https://kotobank.jp/word/%E4%BE%9B%E7%8A%A0-55023


 実のところを言いますと、僕はこの文章を書くときに、この作品が興行収入52億円を叩き出したのを初めて知りました。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』4部作の3作目であります。
 本編が始まる前には精妙を極めた特撮技術を駆使して製作された、宮崎駿監督のアニメーション映画『風の谷のナウシカ』のオープニングにあたる「火の七日間」を描いた『巨神兵東京に現わる 劇場版』が終わり、本編が始まるわけですが、これを劇場で観終えたときには
「またやりやがったか……」
と言いたくなるほどのあまりに衝撃的な展開で、しばらくの間呆けて席を立てなかったことを覚えております。
 もしもこの映画について一言で説明してくれと言われたなら、
『崩壊寸前の世界を舞台に繰り広げられる壮大な内ゲバ闘争劇』
と答えることでありましょう。

 物語では主人公・碇シンジ君は前作の『破』でエヴァンゲリオン初号機を覚醒させ、その代償として14年間もの長きに亘って、初号機の中で眠り続けていた、という衝撃的な事実を告げられるのです。
 目覚めたのは、かつて所属していたネルフを脱退した基幹メンバーが「反ネルフ」を掲げる武装集団ヴィレ(ドイツ語の「意思」の意)の旗艦ヴンダー(ドイツ語で『希望』)。以前は同居までした葛城ミサトたちクルーに恨みと敵意の目を向けられ、もう何もするなと忠告されるシンジ君は、首輪式爆弾DSSチョーカーを課せらる……。
 そして、アヤナミレイ(仮称)の駆るエヴァMark.09がヴンダーを急襲、制止を振り切るシンジ君を連れ去ります。
 DSSチョーカーを作動できないミサト。毒づく式波しきなみ・アスカ・ラングレー。この一連の展開を見て、僕はドストエフスキーの小説『カラマーゾフの兄弟』の劇中劇である『大審問官伝説』を連想してしまいました。


※サンプルはここまでです。続いてインタビューをご覧ください。

有坂汀さんへのインタビュー

── まず簡単に自己紹介をお願いします

 有坂汀(ありさか・みぎわ)。北海道釧路市にて生を受け、札幌のある私立大学に入学するも、「ぼんやりとした不安」に苛まれ学業を放擲。スーパーマーケットでの精肉加工、施設警備員、塾講師やイベント会場の什器設営などのさまざまなアルバイトをし、中退後就職を機に上京。商品先物取引会社の営業を皮切りに、現場作業員、ドライバーなどさまざまな職業を経験した後に執筆生活に入る。

── この作品を制作したきっかけを教えてください

 自分の人生の中でこの作品における主人公、碇シンジ君と(詳しくは書けませんが)ほぼ似たような経験をしたため。

── この作品の制作にあたって影響を受けた作家や作品を教えてください

・『カラマーゾフの兄弟』1~5巻(光文社古典新訳文庫)ドストエフスキー 亀山郁夫訳 光文社
・『国家論―日本社会をどう強化するか』(NHKブックス)佐藤優 日本放送出版協会
・『ロシア 闇と魂の国家』(文春新書)亀山郁夫・佐藤優 文藝春秋
・『中核VS革マル』上下巻(講談社文庫)立花隆 講談社
・『悪霊』1~3巻・別巻(光文社古典新訳文庫)ドストエフスキー 亀山郁夫訳 光文社
・『内田樹の大市民講座』内田樹 朝日新聞出版
など。

── この作品のターゲットはどんな人ですか

 大体20代以上の男女の方で週に最低1冊でも読書習慣のある人だともっといいのかなと。

── この作品の制作にはどれくらい時間がかかりましたか

 すでにあるブログを加筆訂正したものなので2~3日程度でしょうか?

── ブログに書くときにはどれくらい時間がかかりましたか

 本編を見るのは1時間半ですが、関連資料や文献を読み込み、一度、紙にも下書きをしておりますので約半年といったところでしょうか。

── 作品の宣伝はどのような手段を用いていますか

 自分のサイトやブログに加えて、ツイッターやフェイスブックなどのSNS。メールマガジン。

── 作品を制作する上で困っていることは何ですか

 時間がうまく取れないことと、一切を「間借り」の状態で行っているのでそこを何とかしたいです。

── 注目している作家またはお気に入り作品を教えてください

 純文学ですと平野啓一郎(ひらの・けいいちろう)氏の『ドーン』。大衆文学ではなかにし礼(なかにし・れい)氏の『赤い月』です。

── 今後の活動予定や目標を教えてください

 書評活動をメインに電子書籍を年に2冊から4冊程度刊行し、紙媒体にも発表を行っていきたいです。

── 最後に、読者へ向けて一言お願いします

 かなり難しいかとは思われますが、こういう解釈もあっていいのではないかなと……。

日本独立作家同盟

 日本独立作家同盟は、インディーズ出版分野で活動する会員相互の協力により、伝統的手法では出版困難な作品の企画・編集・制作支援などを通じて品質向上を図り、著者の育成と知名度向上・作品の頒布を促進し、読者と著者のコミュニケーションを活性化することで、多種多様な出版文化の振興に貢献します。
http://www.allianceindependentauthors.jp/

供犠を巡る物語(サンプル版)

2015年3月25日 発行 初版

著  者:有坂汀
発  行:日本独立作家同盟

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