── なんでギソウせなあかんのや。
〈連載小説・第2回〉
「技術創造クラブ」、略して「ギソウクラブ」という怪しい名前のサークルに所属する高校生の青春群像劇です。ギソウクラブなだけに、みんながちょっとずつ何かを偽装しています。
一話ずつ語り手が変わる『ギソウクラブ』、第二話の主人公はギソウクラブの一年生、崎守美羽です。
ギソウクラブの二年生、向ヶ丘先輩とりるは先輩がギソウカップルであることを知っている美羽は、日々苛立っています。とにかくイライラです。美羽がなぜこんなにも二人にイラついてしまうのか、を描いたお話です。
◆第一話 理想の ……山桜りるは (『月刊群雛』2015年03月号 掲載)
山桜りるは、高校二年生。技術創造クラブことギソウクラブの副会長。
誰もがうらやむ整った容姿を持つ彼女だったが、そのことが原因でコンプレックスを抱いたり嫌な目に遭ったりしてきた。
そんなとき、彼女に手を差し伸べたのが向ヶ丘恭一、のちのギソウクラブ会長である。りるはは恭一のおかげで、周囲とうまく折り合いをつけられるようになっていく。
一見すると理想のカップルに見える二人。だがその実態は付き合っているフリをしているだけのギソウカップルだった。
俺、ポッキー食べたい。食べたいなら自分で買いなさいよ。なんて会話が部室のドア越しに聞こえ、遠ざかっていった。
なんとなく、沈黙。と、我がクラブ一の気配リスト、渚が立ち上がる。
「じゃ、お茶淹れてきます」
部室には大きな急須と湯呑みが完備してある。向ヶ丘先輩が百円ショップで買い揃えたモンだ。百円ショップ超便利。
「「さすがなぎちゃーん」」と双子のカナサナ先輩の声が重なった。ツインテールの方がカナ先輩で、ポニーテールの方がサナ先輩。二人はなんやオモロイことでもあるんかわからへんけど、顔見合わせてクスクス笑ってはる。
「なんだかんだで、あの二人、いつも仲良いよねぇ」
「ねー」
『あの二人』とは、もちろんりるは先輩と向ヶ丘先輩のことで。
「そないですか?」
思わず突っ込んでもうた。カナサナ先輩が揃って首を傾げる。
……この二人に言うんやなかった。
「渚、ちょい待ってぇや、手伝うわ」
カナサナ先輩たちの視線から逃げるよぉに立ち上がり、一人でお茶セットを持とうとしとる渚んとこへ向かう。
「助かるよ」
※サンプルはここまでです。続いてインタビューをご覧ください。
晴海まどか(はるみ・まどか)です。神奈川県生まれの千葉県育ち、東京都在住で関東から出たことがありません。これまでの人生で一番関東を離れていたのは、大学時代にアメリカにホームステイに行っていたときくらいです。関東引きこもりです。
好きなものはムーミンと椎名林檎(しいな・りんご)、趣味は音楽活動です。
二〇一四年三月に、『明日が雨でも晴れでも』(http://suny-or-rainy.tumblr.com/)という作品で、ライブドアブログ×impress QuickBooks主催の『ライトなラノベコンテスト』にて特別賞をいただきました。
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◆公式サイト:『白兎ワークス』
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◆ブログ:『原点回帰―Running possible―』
http://mfineocean.blog98.fc2.com/
◆Twitter(@harumima)
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今回はどうしてこういう形式の作品になったのかという部分を少し。
私は一人称形式の作品を書く方が好きなのですが、それだとどうしても物事を一面的にしか捉えられないというデメリットがあります。そこで、章ごとに語り手を変え、かつ少しずつ時間軸をダブらせる、という手法をある時期から好むようになりました。
というわけで、複数視点で同一時間軸を描いた作品を好んで書いてまして、今作もその一環でもともとは書きました。
第二話は関西弁です。というわけで関西弁を考えるときに影響を受けている作品として、青山剛昌(あおやま・ごうしょう)さんのマンガ『名探偵コナン』を挙げます。浪速の高校生探偵、服部平次(はっとり・へいじ)くんを脳内に発動させていつも関西弁は考えてます。
とはいえそれだと色々難しい部分もあるので、ほかにも関西弁のマンガを読んだりサイトで調べたりもしました。
昔高校生だった人、甘酸っぱい青春を送りたかった人、あとは学生時代に女子のコミュニティにうんざりしていた人。
別に女友だちもたくさんいますしそういうのを否定するわけじゃないんですが、学生時代の女子のコミュニティってなんであんなにめんどくさいかな、というようなことを思い出したりしつつ書きました。逆に言うと、そういうのを気にしないで付き合ってこられた子とは長く仲良くできている気がします。
作品全体としては三カ月程度ですが、第一話の校正をしていただいた際に関西弁周りで色々コメントをいただいたので、第二話に限って地の文を一新して提出し直しました。実はもともとは台詞以外の美羽の独白部分は標準語で書かれていたんですが、思いっきり関西弁に直してみました。
というわけで、一カ月くらい関西弁に触れつつ、ちまちまと修正したんですがどうでしょうか……。
第一話に引き続きですが、本当に関西弁が使えればいいのになーと思いました。方言ってなんか文字にすると雰囲気出ていいのですよね。
ちなみに私は前述のとおり関東生まれ関東育ち関東在住なので標準語をしゃべっているつもりなんですが、どうでしょうかね。知らずに使ってる千葉弁とかありますかね。あと小学生の頃に『ちびまる子ちゃん』の口調を真似ていた時期があるんですが名残があったりしますかね?
ちょっと前に山田詠美(やまだ・えいみ)さんの新刊、『賢者の愛』を読みました。中学生の頃から好きな作家さんではありますが、毎度毎度読み終わると圧倒されます。今作も何がよかったのか問われても答えられないくらいよかったんですが、読み終わった瞬間にちょっと放心しました。どうしたらあんなに入り込める文章になるのか。
とにもかくにも日々小説を書ければいいなと思います。個人出版で出したい作品もいくつかあるんですが、そっちは多分夏か秋ぐらいになります。
最新情報はブログや公式サイト、Twitterでアップしています。よかったら覗いてみてください。
連載の残りはあと三話です。高校時代の狭い世界やコミュニティの空気感だとか、千葉市界隈の雰囲気だとか、何かしら引っかかる部分があったらいいなーと思います。
次話もぜひよろしくお願いします!
日本独立作家同盟は、インディーズ出版分野で活動する会員相互の協力により、伝統的手法では出版困難な作品の企画・編集・制作支援などを通じて品質向上を図り、著者の育成と知名度向上・作品の頒布を促進し、読者と著者のコミュニケーションを活性化することで、多種多様な出版文化の振興に貢献します。
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2015年4月22日 発行 初版
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