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  この本はタチヨミ版です。

 目 次

群雛なんて怖くないやい 古田靖

── 電子雑誌トルタル編集長の矜持〈ゲストコラム〉

夢を継ぐ 芦火屋与太郎

── 我が子へ、自分の夢を継がせる残酷さ〈連載小説・後編〉

芦火屋与太郎さんインタビュー

ギソウクラブ 晴海まどか/合川幸希(イラスト)

── なんでギソウせなあかんのや。〈連載小説+扉絵・第2回〉

晴海まどかさんインタビュー

合川幸希さんインタビュー

未来からの贈り物 幸田玲

── 未来からの贈り物は、何が望ましいですか〈既刊小説・再録〉

幸田玲さんインタビュー

デリヘルDJ五所川原の冒険 ハル吉

── DJ vs 新興宗教〈連載小説・最終回〉

ハル吉さんインタビュー

Le COQ 青海玻洞瑠鯉

── 気まぐれちゃん。〈読み切り詩集〉

青海玻洞瑠鯉さんインタビュー

ふたりのブルベ 神楽坂らせん

── 自転車マラソンに挑戦した乙女の奇跡〈読み切り小説〉

神楽坂らせんさんインタビュー

迷作ミステリー傑作選 初瀬明生

── 存在自体がミステリー〈読み切り小説〉

初瀬明生さんインタビュー

パレード 平乃ひら

── 今の居場所は本物ですか〈読み切り小説〉

平乃ひらさんインタビュー

表紙画像 米田淳一

── 未来の雛の騎行〈新作CG・表紙画像〉

米田淳一さんインタビュー

あとがき

日本独立作家同盟について
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セミナー・勉強会について
『群雛ポータル』始動!

群雛バックナンバー

編集後記

感想をお願いします

── 電子雑誌トルタル編集長の矜持

群雛なんて怖くないやい

古田靖

〈ゲストコラム〉

群雛なんて怖くないやい

電子雑誌トルタル編集長 古田靖


 トルタルという電子雑誌をやっております、古田と申します。本業は雑誌やムック、書籍などの文章を書く、いわゆるライターです。
 ご存じない方もおられると思いますが、電子雑誌というくくりにおいて、トルタルは群雛と同じカテゴリーに入ります。弊誌は創刊して2年が経ちますが、不定期刊行なので5号までしか出ていません。群雛は創刊1年ちょいで16号ですか。ふうん。ただ、そのせいか、近頃は「ライバルにどんどん置いて行かれて不安じゃないですか」なんて言われる始末なのは困りモノです。そんなことはちっともありません。この稿では、出版業界でライター業をしてきた自分がどうして電子雑誌を始めたのか。そして、後発の群雛なんかちらっとしか読んでないし、まるっきり全然怖がってなんかいないんだぞということを改めてご説明しようと思います。

セルフパブリッシングの荒野へ

 電書に興味を持ったのは2010年1月で、きっかけは知人から米国Amazonで購入したKindle端末を見せてもらったことでした。とくに衝撃だったのは、端末そのものではなく、個人での出版が可能なKindleダイレクトパブリッシング(当時はKindle Digital Text Platformという名称でしたね)の存在です。アメリカではコストのほとんどかからないセルフパブリッシングのツールがすでに用意されていたのです。

 さっそく米国Amazonにアカウントを作り、出版関係の友だちに声をかけ、英語の電書を制作しました。ほとんど売れませんでしたが、それはびっくりするくらい新鮮な体験でした。なにしろ「Publish」というボタンさえ押せば、出版社や取次業者などを経由することなく、ホントに本が出せてしまうのです。もちろん同人誌や自費出版、カスタム出版(制作費を著者やスポンサー、出版社で折半するスタイル)といった手法は当時からありました。でも、それにはお金がけっこうかかったり、通常の出版流通にのらなかったりといった制約が付き物だったのです。十数年来、依頼された原稿を書くことで生計を立ててきた身としては、この手の本に対し、ぶっちゃけ「出版社が出す通常の本より劣るもの」というイメージしか持っていませんでした(ごめんなさい)。出版社や編集プロダクションを経由しないで「好きなモノを書いて出す」ということに、最初は後ろめたさすら感じていました。
 でも、この電書をつかうセルフパブリッシングを体験して考えが変わりました。ここには、従来のような制約がまったくありません。個人も、出版社とまったく同じ立場で、誰でも「本」を流通させることができちゃうのです。やるじゃん、これはすごいことになるかもじゃん、とわくわくしたのです。

 個人の電書出版は、今ではだいぶ当たり前になりつつあります。でも、初めて体験したときはホントにびっくりしたんですよ。まだほとんど開拓されていない、誰でも飛び込めそうな、新しい本の荒野が広がっているとか思っちゃったのです。いずれかの未来には、この荒野もきちんと整備され、普通の街というか、市場に変貌してしまうのかもしれません。かもしれないけれど、今なら、好きなことができるんじゃないかと考えたのでした。



  タチヨミ版はここまでとなります。


月刊群雛 (GunSu) 2015年 05月号 ~ インディーズ作家を応援するマガジン ~

2015年4月28日 発行 第2版

著  者:鷹野凌(編) 芦火屋与太郎(著) 晴海まどか(著・編) 米田淳一(著) ハル吉(著) 青海玻洞瑠鯉(著) 神楽坂らせん(著) 初瀬明生(著) 合川幸希(著) 古田靖(著) 平乃ひら(著) 幸田玲(著) 筒井由紀(デザイン) Yuki TANABE(デザイン) 宮比のん(群雛ロゴ) 西野由季子(編) 竹元かつみ(編)
発  行:日本独立作家同盟

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日本独立作家同盟

日本独立作家同盟は、インディーズ出版分野で活動する会員相互の協力により、伝統的手法では出版困難な作品の企画・編集・制作などのサポートを通じて品質向上を図り、著者の育成と知名度向上・作品の頒布を促進し、読者と著者のコミュニケーションを活性化することで、多種多様な出版文化の振興に貢献します。
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