この本はタチヨミ版です。
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〈ゲストコラム〉
電子雑誌トルタル編集長 古田靖
トルタルという電子雑誌をやっております、古田と申します。本業は雑誌やムック、書籍などの文章を書く、いわゆるライターです。
ご存じない方もおられると思いますが、電子雑誌というくくりにおいて、トルタルは群雛と同じカテゴリーに入ります。弊誌は創刊して2年が経ちますが、不定期刊行なので5号までしか出ていません。群雛は創刊1年ちょいで16号ですか。ふうん。ただ、そのせいか、近頃は「ライバルにどんどん置いて行かれて不安じゃないですか」なんて言われる始末なのは困りモノです。そんなことはちっともありません。この稿では、出版業界でライター業をしてきた自分がどうして電子雑誌を始めたのか。そして、後発の群雛なんかちらっとしか読んでないし、まるっきり全然怖がってなんかいないんだぞということを改めてご説明しようと思います。
電書に興味を持ったのは2010年1月で、きっかけは知人から米国Amazonで購入したKindle端末を見せてもらったことでした。とくに衝撃だったのは、端末そのものではなく、個人での出版が可能なKindleダイレクトパブリッシング(当時はKindle Digital Text Platformという名称でしたね)の存在です。アメリカではコストのほとんどかからないセルフパブリッシングのツールがすでに用意されていたのです。
さっそく米国Amazonにアカウントを作り、出版関係の友だちに声をかけ、英語の電書を制作しました。ほとんど売れませんでしたが、それはびっくりするくらい新鮮な体験でした。なにしろ「Publish」というボタンさえ押せば、出版社や取次業者などを経由することなく、ホントに本が出せてしまうのです。もちろん同人誌や自費出版、カスタム出版(制作費を著者やスポンサー、出版社で折半するスタイル)といった手法は当時からありました。でも、それにはお金がけっこうかかったり、通常の出版流通にのらなかったりといった制約が付き物だったのです。十数年来、依頼された原稿を書くことで生計を立ててきた身としては、この手の本に対し、ぶっちゃけ「出版社が出す通常の本より劣るもの」というイメージしか持っていませんでした(ごめんなさい)。出版社や編集プロダクションを経由しないで「好きなモノを書いて出す」ということに、最初は後ろめたさすら感じていました。
でも、この電書をつかうセルフパブリッシングを体験して考えが変わりました。ここには、従来のような制約がまったくありません。個人も、出版社とまったく同じ立場で、誰でも「本」を流通させることができちゃうのです。やるじゃん、これはすごいことになるかもじゃん、とわくわくしたのです。
個人の電書出版は、今ではだいぶ当たり前になりつつあります。でも、初めて体験したときはホントにびっくりしたんですよ。まだほとんど開拓されていない、誰でも飛び込めそうな、新しい本の荒野が広がっているとか思っちゃったのです。いずれかの未来には、この荒野もきちんと整備され、普通の街というか、市場に変貌してしまうのかもしれません。かもしれないけれど、今なら、好きなことができるんじゃないかと考えたのでした。
タチヨミ版はここまでとなります。
2015年4月28日 発行 第2版
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