作品概要

　『井の頭cherry blossom～restart～The Blue Marble』の表紙イラストと挿絵です。
　表紙はもう、連載当初からずっとこれを描きたいと思っていて、これが描きたいが為に表紙を描いていたと言っても過言ではないくらい、この小説の集大成を表現できたと自負しております。表紙のテーマは、慧の今までの人生とこれから。
　この一枚に慧という人間を込めました。
　そして挿絵ですが、こちらは瑞樹の感情をメインに描きました。いよいよ夢を叶えようとしている慧を嬉しく思う反面、事故などの現実的な心配が頭から離れない瑞樹です。マイナス思考は彼の魅力だと思っています。
　対する慧があまり緊張していないのがモニタから見てとれますが、これは本当に緊張していないのではなく、あまりに強い緊張状態で体の反応が追い付いていないのです。きっと後からどっと来ます（笑）
　慧はそういう子だと可愛いなという僕なりのアレンジです。

　挿絵の背景にFlickrのSteve Jurvetsonから
　https://www.flickr.com/photos/jurvetson/8146561877/
　NASA on The Commonsから
　https://www.flickr.com/photos/nasacommons/9460252694/
　二点を使用させて頂きました。

魅上満さんインタビュー

── まず簡単に自己紹介をお願いします

　魅上 満（みかみ・みつる）と申します。
　ゲーム原画・ご当地キャラのキャラクターデザイン・イラストレーションなどをやっています。
　３２６（ナカムラミツル）さんの展覧会『３×２＝６ ～１９年目の３２６展～』に、コラボレーション作品を出展しました。

◆代表作：
東京都港湾局様（マスコットキャラクターデザイン・パッケージイラスト）
いわき市様（マスコットキャラクターデザイン・パッケージイラスト）
ニコニコ公式チャンネル様（芸能人似顔絵イラスト）
Ustream Asia株式会社様（番組内使用イラスト）
歯科系総合サイト　デンタルン様（イラスト素材）
コスプレキングダム実行委員会様（販促グッズイラスト）
つくば兄弟プロジェクト様（キャラクターデザイン・イラスト）
年賀状ボックス様（イラスト素材）

◆公式サイト：『イラストレーター 魅上満』
http://mikami326.wix.com/mikami326
◆Twitter：
https://twitter.com/mikami326

── この作品を制作したきっかけを教えてください

　前回もご覧になって下さった方には繰り返しになってしまいますが、くみさんの小説のキャラクターデザインを僕が担当しているため、毎回表紙を描かせて頂いています。
　今回は特にやっと描けた！　と僕自身が喜んでいる状態です。というのも、いよいよ慧が宇宙に飛び出したことが、自分の子供のことのように嬉しいからです。現実的には、僕は慧より年下ですが（笑）

── この作品の制作にあたって影響を受けた作家や作品を教えてください

　人物／新海誠（しんかい・まこと）監督
　映画／『アナと雪の女王』（原題：FROZEN）、『宇宙兄弟』（実写版）、『ゼロ・グラビティ』（原題：Gravity）
　音楽／Let It Go(Idina Menzel)、Clarity ft. Foxes(Zedd)、Don't Wake Me Up(Chris Brown)、Good Time(Owl City & Carly Rae Jepsen)、Starships(Nicki Minaj)
　展覧会／『宇宙ミュージアム TeNQ（テンキュー）』
　など。特にLet It Goの歌詞は、宇宙に飛び出した後の慧の気持ちにぴったりで強く影響を受けています。

── この作品のターゲットはどんな人ですか

　ありのままの自分を受け入れられない方です。僕自身もそうですが、慧も今までそうでした。
　強すぎる自己犠牲心を持ち、常に他人に優しく生きてきましたが、その優しさは周りの人間を幸せにしても、自分のことは幸せにしませんでした。
　僕には自己犠牲心が無いので、慧を知る為に優しい人に話を聞きましたが、優しい人はそれに自覚が全く無いんです。
　慧もまさにそんな人で、ところが宇宙飛行士という選ばれし人間になったことで、人に与えてばかりの人生だった彼が、いわば人類の宝となった。
　慧は瑞樹を心から愛していますが、同性愛者である＝多くの人と同じでないことに罪悪感を覚え、その軋轢に苦しんでいました。
　優し過ぎる彼は、地上に居るままではありのままの自分を認めてあげられなかった。
　宇宙に飛び出したことで、宇宙飛行士に選ばれたことで、やっと自分を認め、自分に優しくしてあげられるようになったのです。

── この作品の制作にはどれくらい時間がかかりましたか

　線画完成まで２０分程度、彩色や仕上げに８時間。
　今回はもう、とにかくひたすら慧が着用している宇宙服、船外活動ユニット（ＥＭＵ）を描くのに必死でした！
　メインはこの宇宙服と言っても過言ではありません。８時間のうち半分以上は宇宙服を描いていた時間です。
　僕は普段、彩色なしの原画の仕事が多いせいか線画を描くのは早いのですが、彩色は恐らく人より遅い方なので……。
　描いても描いても満足のいくものにならず、何度もやり直しましたが少しも辛くありませんでした。
　宇宙服って見ているだけで惚れ惚れします。描いてる間じゅうにやけっぱなしでした。気持ち悪いですね（笑）

── 作品の宣伝はどのような手段を用いていますか

　ツイッターや公式サイトなどで宣伝をしていますが、複数の締切に追われると抜けてしまう時もあります。
　応援して下さる方に告知をして頂くことも多く、デザインしたご当地キャラ商品の発売日には現地に駆けつけて下さった方が居て取材に来ていたテレビのインタビューに答えて宣伝して頂きました。上がり症の僕にはとてもできません。
　そうして応援して下さる方々に頭が上がらないです。

── 作品を制作する上で困っていることは何ですか

　キャラクターの顔立ちに対するこだわりが強く、追求し過ぎてしまうことです。
　もちろんその追求が無ければそれは僕の絵ではなくなってしまうので、一生付き合っていく困りごとです。

── 注目している作家またはお気に入り作品を教えてください

　浦沢直樹（うらさわ・なおき）さん、３２６（ナカムラミツル）さん、redjuiceさん。永遠の憧れです。

── 今後の活動予定や目標を教えてください

　ご当地キャラの産みの親は続けていきたいと思います。
　ニコニコ公式チャンネル様、Ustream Asia株式会社様などの配信系のお仕事は今後より増える見込みです。
　また、キャラクターデザイン・パッケージイラストを担当させて頂いた、いわき市様の梨６次化商品が市内だけでなく、東京都の百貨店などでも販売され、取材を受けたようです。
　来年公開される仕事もあったりで、これからも少しずつ、僕の絵が皆様を楽しませることが出来ればいいなと日夜必死にペンを走らせています。
　どこかで僕の絵を見かけたら、是非可愛がってやって下さい。

── 最後に、読者へ向けて一言お願いします

　小説の作者であるくみさん共々、どんなことでも良いのでご感想を頂ければ幸いです。
　今後の参考にし、いよいよ次回の最終章に向けて、より良い作品を造っていきたいと思います。

日本独立作家同盟

　日本独立作家同盟は、インディーズ出版分野で活動する会員相互の協力により、伝統的手法では出版困難な作品の企画・編集・制作支援などを通じて品質向上を図り、著者の育成と知名度向上・作品の頒布を促進し、読者と著者のコミュニケーションを活性化することで、多種多様な出版文化の振興に貢献します。
http://www.allianceindependentauthors.jp/