── 私は君の中で生まれた。
〈読切小説〉
夜、寝る前とかに、色々な想像や空想をして遊びませんでしたか? 自分を主人公にして、物語を作ったり。好きな漫画とかアニメとかの登場人物と共演したり、アイテムや武器とかを使ってみたり。
そんなことをしていた男の子が大人になります。小説を書き始めたりします。でも、空想の中のヒロインが、まだ時々話しかけてくるんです。大人になりきれていないのでしょうか。そんな「頭の中の妖精さん」が、このお話の語り部(?)です。
私が生まれたのは、キミの世界の中。
キミが中学生のときだったような。
何月何日に生まれたかは判らない。けれど、気が付いたら私は、キミの中にいた。
子供の頃から、眠り方が判らなかったキミ。
キミは毎晩、空想の中で戦っていた。目を閉じて、とにかく目を閉じて、空想の世界の主人公になった。戦って戦って、世界を救ってきた。そうやっていると、いつの間にか、眠れたから。
キミは、スターウォーズのライトセーバーに似た武器を振り回して、ときには瀕死になりながら、仲間の裏切りにも自分の非力さにも立ち向かってきた。核爆弾や細菌兵器、邪悪な魔術師やアンドロイドの反乱。それらにも最後には打ち勝ち、世界の平和を守ってきた。
私はそれを、いつもキミのそばで見ていた。
キミは私のことを、ルルと呼ぶ。
力が及ばなくて、死なせてしまったヒロイン、リリィの妹。
それが私。
正直に言えば、二十代半ばを過ぎて、いまだにポケットの中の戦争ならぬ、頭の中の戦争を繰り広げているキミを心配したこともあった。もうホントいい歳して、嘘だと言ってよ、バーニィ状態。でもキミは、マンガを読み、アニメを見て、たくさんの刺激を受けながら、私の世界を彩ってくれていた。キミの、キミによる、キミのための世界。そこで私は、これ以上ないってくらい、楽しいときを過ごしてきた。
でも最近は、キミが私のいる世界に現れることが少なくなった。キミもやっと、大人になったのかな。少し寂しいけれど、それで良いような気がする。
ごめん、嘘。
超さみしい。
キミがなんで寝る前の空想をやめたのかを知っている。
キミがなんで自分に都合の良い妄想をやめたのかを私は知っている。
既存の作品の中から、自分の好きな要素を抜き出して、自分を主人公にして、自分の世界の危機を救う。そんな空想をしながら、眠りについていたキミだけど。最近は、そんな暇もないまま、家に帰って、ちょっと横になったら最後。そのまま朝まで眠ってしまうような生活。忙しい仕事。仕事。仕事。
毎晩毎晩、遅くまで会社に残って。一番下っ端だったはずなのに、いつの間にか部下も増えて、立場が変わって、前みたいに悪ぶって辛辣なジョークも言えなくなって、品行方正になっているキミ。部下が全員帰ってから、明日とか来週とかのスケジュールを確認して、常に進捗を見ながら、ひとりオフィスの照明を落とすキミ。夜空なんか見る余裕もなくて、時々、夜間飛行の遠ざかるジェット機の点滅するランプを眺めるキミ。
※サンプルはここまでです。続いてインタビューをご覧ください。
王木亡一朗(おうき・ぼういちろう)です。
セルフパブリッシングで、小説を発表しています。最近はBCCKSのストア配信を利用して、Amazon Kindleストア以外のストアにも少しずつ進撃しています。進撃?
◆公式ブログ:『Category of Happiness』
http://ouki-bouichirou.hatenablog.com/
◆Twitter:
http://twitter.com/OUKI_Bouichirou
『kappa』という作品を創ったときに、他にも妖怪や異形のモノ、架空の生物を題材にして、何かを書こうと思いました。『月刊群雛』2015年03月号に載せてもらった『サイクロプス』も、その一つです。今回のテーマは「妖精さん」です。
ガンダム、スターウォーズなどなど。あと、これは書いてから気付いたのですが、某電書界のアイドル(?)の方に、少し口調が似ているかもしれません(意識したわけではないのですが)。
重力子放射線射出装置! 本文では「大きな銃」としか形容していませんが、知らない方も漢字が十文字も並ぶこの字面で想像してみてください! そう違わないと思います(笑)。
弐瓶勉さんの『BLAME!』は高校生のときに、友達に薦められて初めて読んだんですけど、もう「オルタナティヴ!」って感じで衝撃を受けました。同じ友達に吉富昭仁(よしとみ・あきひと)さんの『EAT-MAN』も教えてもらいました。
妄想や空想をして、楽しんでいた人たちに!
休みの日に、四時間くらいで一気に書きました。その後、寝かせて二週間くらいかけて直しました。
主にブログとツイッターですが、最近は『でんでんアドネット』という広告サービスにも参加しています。
最果タヒ(さいはて・たひ)さん。詩集や小説を発表されています。若い世代の書き手で一番注目しています。
一年くらいだらだらと書き続けて来た『ティアドロップ』という長編小説を、そろそろ出そうと考えています。また、『サイクロプス』と今回の『ライトセーバー』を含む短編集も計画中です。
自分自身との対話って、案外難しかったりしませんか。そんなことありませんか?
日々の中で、自分の声って無視しがちになったりしませんか?
この作品がきっかけで、そんなことを思ってもらえると作者冥利に尽きます。
NPO法人日本独立作家同盟は、、文筆や漫画などの作品を、自らの力で電子書籍などのパッケージにして世に送り出している、インディーズ作家の活動を応援する団体です。伝統的な出版手法である、出版社から取次を経て書店に書籍を並べる商業出版「以外」の手段、すなわち、セルフパブリッシング(自己出版)によって自らの作品を世に送り出す・送り出そうとしている方々をサポート対象としています。
当法人の活動目的は、誰もが情報発信者になれる時代における、作家や作品の知名度向上(Promotion)、作品の品質向上(Quality)、作家と読者のコミュニケーション活性化(Communication)などを促進することにより、多種多様な出版文化の振興に貢献することです。情報交換や交流などを目的としたコミュニティの運営、インディーズ作家を応援するマガジン『月刊群雛』の発行、ウェブメディア『群雛ポータル』によるセルフパブリッシング関連の情報発信、勉強会やセミナーの運営などの事業を行っています。詳細は、公式サイトの[法人概要]をご覧ください。
◆NPO法人日本独立作家同盟公式サイト:
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2015年6月23日 発行 初版
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