── 疑惑を秘めた恋。イヴの夜に何かが起きる?
〈読切小説〉
大学生の「僕」には恋人がいる。新山環──。黒く深い瞳を持つ女の子だ。
二人の関係は良好だった。だがある日、友人からの密告が舞い込んでくる。彼女と付き合うのはやめた方がいいよ、と。
その理由は環の過去にあった。彼女は一年前のクリスマス・イヴに、恋人の死に関わったのではないかと噂されていたのだ。
そしてその噂には、僕も心当たりがあった。誰も知らない彼女の秘密を、僕はひとつだけ知っていたのだ。一年前のイヴに、僕は駅の改札口に佇む彼女を偶然見ていたのだった。
「君は前の恋人を殺したのか?」そして迎えるクリスマス・イヴ。果たして、芽生えた疑惑の行方は。
ひとつの恋とひとつの謎が描かれる、青春恋愛ミステリ。
東北の冬。無言でたくさんのものを分かち合う季節。
美しさだけじゃない。厳しい寒さ、雪の恐ろしさ、春を待ち侘びる忍耐──。僕たちは黙ってそれらを受け入れ、共有する。だから東北にはいくつもの冬がある。関わる人の数だけ冬がある。
そして今年の僕は、全てを環と分かち合う。クリスマス・イヴの今宵、僕は山形駅の構内を駆けていた。手にしているのはプレゼント。約束の時刻までまだ少しあるが気持ちは逸る。
(新山さんはやめた方がいいよ)
そこでふと、密告の言葉が胸に蘇った。
環。──君は、前の恋人を殺したのか?
新山環を紹介された時、すぐに気付いた。去年のイヴに駅にいた娘だった。
「環はさ、前に本屋でバイトしてたんだって。本読むの好きらしいよ。話合うかもね」
と、僕に説明したのは、高校以来の友人である香織である。香織と環は、大学のオリエンテーションで知り合ったという。
別に改まった「紹介」ではなかった。香織はただ食堂で僕を見つけ、挨拶したなりゆきで連れについて説明しただけだ。しかし僕の眼差しは環に釘付けだった。間違いない。確かにあの娘だ──。
その視線の意味を、香織は勘違いした。数日後、彼女と別の場所で話した時にこう言われた。
「皆川、あんとき環に一目惚れしたでしょ。良かったら連絡先教えるよ。環もせっかくだから話してみたいって言ってたし」
突然のことに驚いたが、提案に乗ることにした。異性と特別な交際をしたことはないし、童貞だった。もちろんそういう交際に憧れはある。一目惚れうんぬんは曖昧にごまかして連絡先を教えてもらい、その夜から環とのやり取りが始まった。
同い年なのもあり親交はスムーズに深まった。車もお金もない貧乏学生の僕らは、派手な遊びもできない。でも環と本の話をしていると時間を忘れた。一緒にいるだけで楽しくなれた。付き合い始めるまで時間はかからなかった。その頃は、まだ彼女の過去も気にしていなかった。
※サンプルはここまでです。続いてインタビューをご覧ください。
・名前:きうり
・ウェブサイト(ブログ):『文藝yaminave』(ただし更新停滞中)
http://yaminave.blogspot.jp/
・ツイッターアカウント:@q_ridaisensei
https://twitter.com/q_ridaisensei
・代表作:『イタコに首ったけ!』『光速文芸部』『学園祭』
いずれも青春ミステリ小説。Amazonその他で電子書籍として販売中です。
タイトルと同名の、谷山浩子(たにやま・ひろこ)の歌を聴いてイメージが湧きました。ネタとして十年以上温めてきて、今回の『月刊群雛』への参加を機に形にすることにしました。
前述の通り、まず谷山浩子。あと作風には関係ありませんが、ヒロインの容姿については、押切蓮介(おしきり・れんすけ)の作品の影響を受けています。
ミステリ風味のライトな小説を読みたい方はどうぞ。邪魔にならないBGM向けの音楽、みたいな作品だと思います。
構想を固めて仕上げるまで、約10日間。
ブログとツイッターが主です。複数の媒体に手を出すよりも、作品をコンスタントに世に出していくことが一番の宣伝なのでは、とも最近思います。頑張ります。
体力と時間が欲しいです。頑張ります。
最近は綿矢りさ(わたや・りさ)の未読の本を潰しています。野中柊(のなか・ひいらぎ)の新作『波止場にて』も早く読みたい。ジャケ買いした藤野恵美(ふじの・めぐみ)の『初恋料理教室』も良かったです。
なんかもう仕事その他で体力も時間もギリギリなのですが、とにかく両者の許す限り『月刊群雛』への参加を続けて、余力があれば個人的にももっと活動したいです。
頑張ります。
NPO法人日本独立作家同盟は、、文筆や漫画などの作品を、自らの力で電子書籍などのパッケージにして世に送り出している、インディーズ作家の活動を応援する団体です。伝統的な出版手法である、出版社から取次を経て書店に書籍を並べる商業出版「以外」の手段、すなわち、セルフパブリッシング(自己出版)によって自らの作品を世に送り出す・送り出そうとしている方々をサポート対象としています。
当法人の活動目的は、誰もが情報発信者になれる時代における、作家や作品の知名度向上(Promotion)、作品の品質向上(Quality)、作家と読者のコミュニケーション活性化(Communication)などを促進することにより、多種多様な出版文化の振興に貢献することです。情報交換や交流などを目的としたコミュニティの運営、インディーズ作家を応援するマガジン『月刊群雛』の発行、ウェブメディア『群雛ポータル』によるセルフパブリッシング関連の情報発信、勉強会やセミナーの運営などの事業を行っています。詳細は、公式サイトの[法人概要]をご覧ください。
◆NPO法人日本独立作家同盟公式サイト:
http://www.allianceindependentauthors.jp/
2015年6月23日 発行 初版
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