── 第一話からずっとギソウしてました。
〈連載小説・第4回〉
「技術創造クラブ」、略して「ギソウクラブ」という怪しい名前のサークルに所属する高校生の青春群像劇です。ギソウクラブなだけに、みんながちょっとずつ何かを偽装しています。
一話ずつ語り手が変わる『ギソウクラブ』、第四話の主人公はもう一人のギソウクラブ一年生、芝渚です。
実は、渚は第一話からずっと○○をギソウしていたわけですが、この第四話でそれが明らかになります。第一話からその辺がバレないように細心の注意を払って渚の描写・セリフを書いてきました。というわけで、これ以上書くとネタバレになるのでここには詳細書きません、ぜひ本編の方でご確認ください!
◆第一話 理想の ……山桜りるは (『月刊群雛』2015年03月号 掲載)
技術創造クラブことギソウクラブの会長、向ヶ丘恭一と山桜りるはは学校でも有名なカップルだったが、その実態は付き合っているフリをしているだけのギソウカップルである。
◆第二話 本音の ……崎守美羽 (『月刊群雛』2015年05月号 掲載)
そんなギソウカップルに苛立ちを隠せないのが、ギソウクラブ一年生の崎守美羽。美羽は二人の動向が気になって仕方がない。そしてとうとう、りるはのことが好きなんだとカミングアウトする。
◆第三話 一緒の ……戸越歌奈 (『月刊群雛』2015年06月号 掲載)
ギソウカップルに美羽の告白、ギソウクラブは今日もおもしろおかしく過ぎていく。家でもギソウクラブでもいつも一緒なのは、双子の歌奈と紗奈。
二人で一人だと思ってきたのに、そんな歌奈を同じクラスの波野がかき乱す。波野のせいで、歌奈は紗奈と自分が別個の人間なんだと自覚させられるのだった。
うちの学校の屋上は出入り自由である。
というのは公然の事実だけど、本当のところは鍵が壊れているだけの話。新入生は、大抵部活の先輩などから屋上がそういう場所なのだと教えてもらうものらしい。自分の場合も、ギソウクラブに入ってから会長──向ヶ丘先輩に教えてもらった。中学校は屋上の出入りが禁止だったし、高校って自由なところなんだなぁと変な感動の仕方をしてしまった。
屋上は空が広い。見上げれば視界を遮るものは何もなく、空のずっと奥、遠くの方に白くて小さな半月が浮かんでいた。わりと現実的な考え方をする方じゃないかと自認していたはずなのに、あの青い空の向こうには宇宙が広がってるんだ、なんてロマンチックな考えが自然と浮かんだ。どこまでも解放的な空間。自分はどうして重たいものを抱えていたような気持ちになっていたのか、と疑問すら浮かんでしまう。
そういうわけで、ほかの生徒の例に漏れず、すっかり屋上が気に入ってしまった。
とはいっても、昼休みや放課後の屋上はわりと人がいた。そうなると落ち着くものも落ち着かないので、人が滅多に来ない朝が自分だけの屋上タイムになった。少なくとも、梅雨になるまでなら快適に読書でもできるんじゃないかなーと思っていた。のに。
階段塔の影から予想だにしていなかった光景を目にしてしまい、完全に固まってしまった。
※サンプルはここまでです。続いてインタビューをご覧ください。
晴海まどか(はるみ・まどか)です。
「女子力」が低いと言われ続けて早××年。「女子力」なんていうものは幻想であり、この世の中には存在しないんじゃないかという結論に達しつつあるここ最近です。最近好きな言葉は「大人女子」です。便利な言葉なので多用しています。
好きなものはムーミンと椎名林檎(しいな・りんご)、趣味は音楽活動です。
二〇一四年三月に、『明日が雨でも晴れでも』という作品で、ライブドアブログ×impress QuickBooks主催の『ライトなラノベコンテスト』にて特別賞をいただきました。
◆『明日が雨でも晴れでも』:
http://suny-or-rainy.tumblr.com/
また、同じくimpress QuickBooksから、ヤング・アダルト小説『髪の毛探偵 石神くん』シリーズが発売中です。1巻は国内主要電子書籍ストアにて無料配信しているのでお気軽にぽちってください!
◆『髪の毛探偵 石神くん』1巻:
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◆公式サイト:『白兎ワークス』
http://whiterabbitworks.wordpress.com/
◆ブログ:『原点回帰―Running possible―』
http://mfineocean.blog98.fc2.com/
◆Twitter(@harumima)
https://twitter.com/harumima/
この第四話では、まじめな顔して冗談言ってる、みたいなものが書きたいと思いました。今作は全体的にいわゆるラノベチックな文体ではないし、第四話は特に柔らかい文体にはしていません。ですが、津田沼×ロリータとか、絵を想像していただけるとなんだこれっていう感じになるかと思います。
ちなみに舞台に津田沼を使っているのは、千葉市近郊では千葉駅に次ぐ第二繁華街だと私が思っているからです。
中学・高校時代に自分のアイデンティティで悩んだことがある人とか、外見的なコンプレックスを少なからず感じたことがある人でしょうか。十代の頃って、そういうの結構考えちゃいがちな気がします。ある年を越えるともうどうでもいいかな! となりますが。
あとは千葉市界隈の地理に明るい人ですね。津田沼。
作品全体としては三カ月程度ですが、かかった時間は章によってバラツキがあります。この第四話は比較的すんなり書いた方だと思うんですが、絵にしたときに一番インパクトのある章だと思うので、ロリータファッションとか津田沼の地理とかそういうものを調べる時間がそこそこかかった気がします。
最近読んだ本ですが、安東みきえ(あんどう・みきえ)さんの『ゆめみの駅 遺失物係』という作品がものっすごくよかったです。久しぶりに琴線に触れる作品に出会ったと思いました。ヤング・アダルト作品なのですぐに読めると思います。自分はなんで小説を書いているのか、なんで物語を読むのか、そういう疑問を感じたことがある人にはぜひぜひオススメしたい一冊です。
毎度毎度変わってませんが、日々小説を書きたいです。夏頃には、友人たちと作っているアンソロジー短編集の第五弾を出すつもりでいます。このほかに個人出版で出したい作品もあるんですが、そっちはちまちま進めているので多分冬近くです。
色々勉強したいことや手を出したいことがあって、優先順位をどうつけていくかに頭を悩ませてます。
最新情報はブログや公式サイト、Twitterでアップしています。よかったら覗いてみてください。
気がつけば次が最終話。全五回の連載でしたがあっという間でした。最後はいよいよギソウクラブ会長の登場です。
最後までお付き合いいただけましたら嬉しい限りです。
NPO法人日本独立作家同盟は、文筆や漫画などの作品を、自らの力で電子書籍などのパッケージにして世に送り出している、インディーズ作家の活動を応援する団体です。伝統的な出版手法である、出版社から取次を経て書店に書籍を並べる商業出版「以外」の手段、すなわち、セルフパブリッシング(自己出版)によって自らの作品を世に送り出す・送り出そうとしている方々をサポート対象としています。
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2015年6月29日 発行 初版
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