───────────────────────
───────────────────────
この本はタチヨミ版です。
カバー写真=京ノ紅猫
デザイン=幸坂かゆり
深夜に
なぜタイトルに『哀しみ』という言葉を入れたのか。
それはこの五つの物語すべてが哀しみに起因しているからです。冬だった季節はやが
て春を迎える。暑すぎる夏が来る前にどこか遠くへと旅立つ。哀しみはその場に立ち
尽くすのみ。私はこの五つの物語の主人公である哀しみのためにレクイエムではなく
ノクターンを捧げようと思った。なぜなら哀しみはいつもそばにいるのだから。
夜想曲は哀しみを包み、登場人物たちのこれから歩む一歩を妨げず、静かに流れる。
目次
月と踊る猫
埋葬
深く長いため息
灰色の町のピエタ
コーヒーカラー Couleur café
あとがき
書き下ろしの解説
二○十四年九月 第五十四回「Mistery Circle」投稿作
男は明らかに女の言葉に戸惑っていた。
「とっととお帰りになって」
女は男に向かって吐き捨てるようにこう言い放ったのだ。その様子を隣の二階のベランダから顔をひょっこり出して覗く、まあるい瞳があった。
やれやれ。お隣がまた口論をしている。原因は男にある。それだけはわかる。だって決めつける言葉が多いんだもの。わたしが言われたとしても同様に帰れと言うわ。だけど、あの大きく白いお屋敷の玄関口で話すものだからとても声が響いて外にまで筒抜けになっている。お隣の娘さんは見目麗しく、お年頃。名前も『アンナ』なんて外国人のようだった。艶やかなボブスタイルの髪型に細い体。ファッションはハイカラ。帰れ、と叱咤された男性は彼女の迫力ある黒い瞳に凄まれ、すごすごと戻ったようだった。
ふと、彼女がわたしのいる方向に顔を向けた。
「あら! きこちゃん、見てたわね」
気づかれた! わたしはベランダで首を縮こませたけれど、相変わらず好奇心旺盛なんだから、と言って彼女が楽しそうに笑ったのでほっとした。
わたしはそんな彼女、アンナちゃんが大好きだった。
あの男の人はアンナちゃんに向いていない。もちろん性格はまったく知らないけど確信している。わたしはアンナちゃんを昔から知っているもの。つきあいも並じゃないもの。
それなのにあの男の人はアンナちゃんの許婚なのだ。信じられない。もちろんご両親が決めた相手だ。アンナちゃんも最近は煩わしさを隠せないのか彼に冷たい。彼との結婚をそろそろ、と迫られているのだ。アンナちゃんは週二回、お稽古に通っている。花嫁修業と言うやつだ。いつも華やかな洋服に身を包み、所作も美しく運転手付きの車に乗る。華道なのか茶道なのか、はたまたピアノ? 何もわからない。乗り気ではない結婚なのにそうしたお稽古ごとに通わなければならないなんて。本当に嫁いでしまうの? そんなの哀しいわ、アンナちゃん。
ある日の深夜、わたしはベランダで月を見ていた。三日月が見事な輝きで辺りを銀色に照らしていた。すると、かちりと小さな音を立て、滑らかにお隣の窓が開くとそこから白い足がにょきっと出てきた。美しきおみ足の主は長く重そうなスカートの裾を大胆に太腿までたくし上げ、その窓を乗り越え、屋根の上に来た。アンナちゃんだ。わたしは目で声をかける。
「あら、きこちゃん。いたの? 嬉しいわ。お話しましょ」
もちろん。わたしはアンナちゃんの前まで、ぽん、と跳ねていき、隣で寛ぐ。アンナちゃんはきれいな透明なグラスにこれまたきれいな色のお酒を注いできたようで氷がからん、と音を奏でる。
「私ね、結婚しないの。でももう後戻りできないところまで進んでる。どんなにお断りしても話を聞いてと訴えても聞く耳を持ってくれなかったから。お父様もお母様も私を好きではないのね。体面ばかり気にして。私にだって感情があることを忘れているのよ。私、生まれてきて良かったのかしら」
なんてことを言うの。生まれてきて良かったに決まっているじゃない。
「そうよね。きこちゃんがいてくれたから私、決断することができたのよ」
決断?
「そう。明日にはわかるわ」
そう言って、ぐいとグラスのお酒を飲む。細い首。けれど姿勢良く意志の強そうな首。
「……女は嫁がねば恥。行き遅れは死んでおしまいなさい、なんてお母様は仰るの。私、申し訳ないけれど馬鹿にしてしまう。お父様は家柄の良さでお母様に敵わないものだから何も言えないの。同じく馬鹿にしてしまう。私はいや。そんな機械のような人生を歩みたくないの」
そうね。でも一体どうやって別の人生を歩むの? 花嫁修業までしているのに。
「そう見えて? 行っていた場所は違うのよ」
アンナちゃんはうふふ、と、悪戯っぽく笑う。
「住むお部屋とお仕事先はもう見つけて話をつけてあるの。小さい出版社の編集部よ。都会は華やかだけど華やかさなら私も負けない。絶対臆したりしない」
探し回っていたっていうの?
「そうよ。運転手だって何も知らずにいる。毎回習っている“はず”の、お料理教室の入り口で私を降ろしてくれていたから。入ってすぐに入り口をすり抜けて裏口から出ていたの。私の人生は私が決める。この広い空に広がる星のように、結婚だけではなくたくさんの選択肢があると信じてる」
さすがだわ、アンナちゃん。
「でしょう?」
アンナちゃんはグラスを月にかざす。月はグラスの中に隠れ、気持ち良さそうに酒の海に泳ぐ。ゆらゆらと揺れ、更に星たちを輝かせるように。
さてと、と何かを決意し、アンナちゃんは、すっくと立ち上がる。
「きこちゃん」
なぁに?
「私、行くわ。夜明け前に汽車が出るの」
え?
「黙っていてくれる?」
そうわたしに告げるアンナちゃんの眼球は、まるで燃えているようだった。そんな炎の眼差しを一度こちらへ向けたと思うとすぐに踵を返し、アンナちゃんは部屋に戻った。
しばらくすると、外出の支度をしたアンナちゃんが玄関をそうっと開けて外へ出てきた。昼間、既に詰めていたのであろう大きな荷物をひとつだけ持って。わたしは屋根から地上へと木を伝って降り、アンナちゃんを追った。一声鳴くとアンナちゃんは気がついて歩み寄り、わたしの前に屈んで話してくれた。
「きこちゃん。あなたの名前、私がつけたのよ。知らなかったでしょ。あなたのお母様はあなたを産んだあと、高齢だったためにすぐに死んでしまった。それでも死の直前まであなたを舐めて毛繕いをして元気に育つようおっぱいをあげていた。私もあなたのように愛情溢れるお母様が欲しかったわ。産まれたあなたを一目見た瞬間、希望の光を放っているように見えた。だから希望の希に無垢なあなたでいて欲しいと願いを込めて子供の子を合わせたの。私、あなたが大好きよ。いつも味方でいてくれてありがとう」
アンナちゃんは優しくわたしの頭を撫でる。
彼女の手の柔らかさでわたしは自分がどれほどしなやかな身体を持っているのか理解する。アンナちゃんは立ち上がる。そしてわたしに、にこりと明るい笑顔を向けるとそのまま振り向かずに夜明け間近の駅へと歩き出した。
アンナちゃん、何処へ行くの? また会える?
わたしの問いかけにアンナちゃんは一瞬、足を止めた。
「忘れないわ」
アンナちゃんはもう振り返らなかった。けれどその何の確証もない返事をわたしは信じようと思う。わたしも忘れない。大好きよ、アンナちゃん。幸せになってね。また会えるかなんて聞いたけど、アンナちゃんが幸せになるのなら会えなくてもいい。どこにいてもアンナちゃんはアンナちゃんのまま突き進んで。あなたは煌く月そのもの。
後日、お隣は静かに騒いでいた。
わたしはその様子を二階の窓からじっと見る。小さな虫が自分よりも大きな虫から逃げるようにうろちょろしている様を思い浮かべた。つまり、滑稽。時折聞こえる声、その内容は。
ドウシタライイノ、セケンサマニ、カオムケデキナイワ、ナンテハズカシイノ。
ココマデソダテテヤッタトイウノニ、ナンテ、オヤフコウナムスメ。
体の芯まで凍えてしまいそうな冷たい言葉。アンナちゃん、がんばって。あなたは間違っていない。わたしはアンナちゃんの母親に向かって威嚇する。
そのまた数日後、戻らないままのアンナちゃんの屋敷では興信所から人間が来ていた。興信所。探偵だ。わたしはわくわくする。屋敷の前に想像よりもオンボロな黒い車が止まり、ドアを開け、そこから一人の男が降りてくる。その姿を認めた瞬間、わたしは、かくんと首をうなだれる。だってその探偵ときたら、薄い髪を不自然に横に撫でつけた頭に、よれよれのジャンパー、灰色のズボンなんて履いて、膝の裏にくちゃくちゃの皺ができている。しかも裾が足の長さに合っていない。裾上げをし過ぎてつんつるてんになっている。
ああ、なんてこと。以前アンナちゃんが教えてくれた本に出てきた登場人物の探偵は、背が高くてトレンチコートにソフト帽を斜めに被り、タバコを咥え、コロンが香るようなハンサムマンだった。まあそれも期待し過ぎではあったけど。
しかしあんな風情でもアンナちゃんの捜索を仰せつかって来たのだ。なかなかに敏腕なのだろう、なんて思ったが、ものの数分で帰されてしまった。何事だろうと思ったら、ああそうか。アンナちゃんがどこかの男と駆け落ちしたのでは、と疑われてご両親のプライドが、がちゃと刺激されたらしくご立腹あそばされたのね。探偵さんなんて職業である以上そう考えることもあるでしょうに帰しちゃうなんて。アンナちゃんが心配じゃないの? 世間体がそんなにも大事なの? 探偵さんの思考は至極全うだとわたしは思うの。もちろん見つかって欲しくはないし、見つからないと思うけれど。
まあ、どちらにしても気が強いアンナちゃんが先ほどの格好悪い探偵を見たら、可憐な顔に似合わないようなひどい悪態をつきながら両頬に手をあて、大げさに嘆いてみせるでしょうね。
二○十四年二月 第五十二回「Mistery Circle」投稿作
彼は本を開く。日記帳を。彼は文字というものを知ってから欠かさず綴ってきた。
心持ち俯き、その長い骨ばった指でこめかみを押さえる。彼、ライが思い出すものはいつもひとつ。薄手のシャツに薄手のスカートを纏った十六歳の少女、エリ。彼女だけ。
「ブルーが死んだんだ」
ライはその日、この一言で隣に住むエリを驚かせた。
エリは、今すぐそっちに行っていい? と言った。ライは頷いた。言葉の通りエリはすぐに隣のベランダから部屋にやってきた。挨拶もせずライの部屋の窓を開け、部屋に入った。
「ブルーが? 本当に? どうして?」
「年だった」
「ブルーは今どこにいるの?」
「まだ家にいる」
「見せて。ううん、会わせて」
「おいで」
ブルーは、ライが飼っていたセキセイインコ。鮮やかで印象的な美しい青い羽を持っていた。それだけの理由で「ブルー」と名づけたがとても可愛がっていた。人懐こくてエリもブルーを愛でていた。動かないブルーを見てエリは眉間に皺を寄せる。小さな手のひらにその亡骸を乗せ、口づけた。
「手厚く葬ってあげましょう。ブルーはたくさんの幸せをくれたもの」
「そうだね」
その言葉に大げさだな、と思いながらも本音ではエリの言葉に安堵した。ライ自身、ブルーの死を一人で受け止めるのは辛かった。待ってて、と言うとエリは素早く立ち上がり、ベランダから一端、自分の部屋に戻ったようだった。
ライは煙草に火をつけ、吸いながら待った。時間が過ぎてエリが戻ってきた。煙草を灰皿に押し付ける。エリは手に箱を持っていた。ちょうどブルーの体が納まる程良い大きさで、色も柔かい青色をしていた。ライも見たことのあるその箱。有名な宝石店の箱だ。
「いいの? そんなにきれいなのに」
「きれいだからよ。ブルーによく似合うでしょう? それからこれも」
そう言ってエリの部屋に飾ってあったという数本の切り花を胸元から出した。むりやり服の中に挟んできたのか首の下の皮膚が赤くなっていた。そしてスカートのポケットからも何かを取り出した。アイボリーの色をしたハンカチ。エリは、鋏を貸して、とライに言いつけた。鋏を受け取ると最初にその鋏で花の茎を切り、花の首の部分を集めた。それから青い箱の蓋を取り、ハンカチを敷き詰め、ブルーをそっと丁寧にその上に乗せた。細かな花はブルーの体の周りを飾った。とても美しかった。皮肉な事に美し過ぎてブルーがこの世にいない事を現実としてライにはまだ実感できていなかった。
「どこかにブルーを埋めに行きたいんだ。できればエリにも来て欲しいんだけど」
「もちろん行くわ」
「どこがいいだろう」
ふたりは、様々な場所の案を出し、最終的にエリが言う場所に決めた。エリいわく、そこは森の中の霊園の側にある空き地で、静寂に溢れており、霊的な印象で穏やかな場所だと言う。決定だ。その場所がいいね。とライも賛成した。明朝、ライが運転する車でエリと家を出発する予定を立てた。
当日、エリは薄い生成りのシャツにくすんだ色の青いスカートと言ういつもの井出達にブルゾンを羽織っていた。いくら花の咲く季節とは言え、朝は冷える。ライは暖かそうな革のブルゾンを着てファスナーを首まで上げていた。ブルーはエリが持ってきたクラシックなトランクの中に入っていた。ライは車を出発させた。寒くない? 平気よ。互いに顔を見ずに会話をする。雰囲気はやはりいつもとは異なる。
二時間ほど走った頃、空き地に着いた。風は強かったが天気が良く、景色がよく見渡せた。ライは車を停め、エリと一緒に車を降りた。ブルーを連れて。エリはずんずんと突き進んで行き、ライはエリの後ろを歩く。どの辺りに埋めようか。ライがエリの背後から尋ねる。そうね、柔かい土をまず探しましょう。それからお昼になったら今日のように陽が当たるような、そんな場所を。ふたりが走ってきた道の途中、その道路の端、ちょうど良い場所を見つけた。エリはブルゾンを脱ぎ、車の中に置いた。
トランクを開け、中から小さなガーデニング用のスコップを二本取り出し一本をライに手渡した。ライと共にその辺りの土を触る。土は柔らかく温かだった。途中、思いがけず木の根が張った部分もあったが何とかブルーを入れた箱が納まるほどまで穴を掘った。エリはそっと箱を取り出し、ふたりが掘った穴の底に丁寧に乗せた。目を閉じて祈りを十分に捧げた。ふたりで土を被せた瞬間、可愛らしかったブルーの姿が蘇った。ふたりは抱擁し、ライもやっと現実なのだ、と受け止め、エリの腕の中で嗚咽した。
儀式は終わった。後は帰るだけ。しかし、ふたりは動こうとしなかった。まだ太陽は輝き、ふたりの薄い瞳の色を照らしていた。エリは草むらの上を何の目的もなく歩き出し、ライは何となく不安で後をついていった。ふと、エリが見えなくなった。
エリ? どこ? ここよ、エリの声はライの足元からすぐに聞こえた。彼女は草の中に横たわっていた。ゆっくりしましょう、ブルーがくれた時間よ。その言葉にライは微笑んだ。
「君の言葉は詩的だな」
「してき?」
「ポエムのように美しいってことさ」
「ああ、そういうこと。でも、何の意味もないわ。わたしはただ感情を表しているだけ」
「だからすごいんじゃないか。そんな言葉、言おうとしたって言えない人間はたくさんいるんだよ」
「例えば、すごいことだとしてどんないいことがあるの?」
突発的に返され、ライは少し戸惑う。
「それは……」
エリが目でライの言葉の先を促す。
「僕のように言葉を書く人間には、心底羨ましく感じる」
「何か書いているの?」
エリにならわかってもらえるような気がして、ライは頷く。
「文字というものが書けるようになってから、ずっと日記を書き続けているんだ」
「ずっと? 毎日?」
「そう、毎日」
「すごいわ。わたしなんていつも日記は三日坊主よ」
ライは笑う。エリらしい。
「だけど、日常生活の中にいつも事件なんて起こるものじゃないし、時折、想像の物語を書くこともあったよ」
「おもしろいわ。後から読み返したらどこからどこまでが想像か判らなくなりそうじゃない。素敵」
エリは腹ばいになってライの話を笑顔で聞いてくれる。しかしライが言う想像の物語にはエリへの不謹慎なものも混ざっているので詳しく聞かれたら困ってしまうのだが。
「今日のことは、本当のことね」
「うん。なんだか書くのがせつないよ」
ふと見ると、エリはブルゾンを脱いだままでいたのに気づいた。
「エリ、寒くないの? いつも薄着だよね」
「締め付けるものはなるべくない方が好きなの」
「そう」
沈黙がふたりの間に流れた。エリの言う事はよく理解できるのだが男物のようなシャツに裏地も付いていないような、布を巻いただけのようなスカートなのだ。
「何かおかしい? わたしの格好」
エリは上体を起こして言う。
「いや、好きな格好なら構わないと思うんだけど、いつもあまりにも薄着だからさ」
「理由があるのよ。何だかここでなら話せそうな気がする」
「話して欲しいな」
「笑わないでね」
「もちろん」
ライも体を起こして、エリの目を見た。
「わたし、母の着せ替え人形だったの。わたしが幼い頃、母は父親と離婚したんだけど、それ以来、わたしが大人の女に成長することを許せなかったみたいでいつまでも少女のままでいさせようとしていた。今考えると酷い抑圧ね。そのせいでわたしの普段の服装は、首の上まで隠れたひらひらとしたフリルがついたブラウスで、ボタンひとつも外すのを許されなかった。頭には大きく蝶々結びがついたビロードのカチューシャ。おかしな膝丈の歩きにくい分厚いスカート。その下には生まれたばかりの赤ん坊が身につけるような、これまた分厚いだぶだぶの白いタイツ。靴にはヒールなんて全くなくてストラップのついたゴムの上履きのようなものだった。そんな格好ばかりさせられていた。もう十六歳で体型だって変化を起こしているって言うのに。半袖なんて、なかなか許してもらえなかったわ。夏の暑さで何とか勘弁してくれたけど。それが表向きのわたしの姿。夜になって母が眠ると、すぐにその服を剥ぎ取るように脱いで洗濯籠に投げつけて湯船に浸かった。すべてを消し去るように。そして湯を出たらリネンや自然な素材のむしろ男が身につけるようなだぼっとしたシャツを好んだ。色も、灰色、白、黒、ベージュ、今日のような暗めの青、地味過ぎるほどシンプルなのが好き。さっきも言ったけど、わたしにとってスカートは締めつける物がない、という感覚なの。ほぼスカートとしての役割を果たしていないけど、あくまでも裸でいたら世間的にまずいというだけの理由よ。ズボンは面倒。それだけ」
タチヨミ版はここまでとなります。
2019年1月5日 発行 2版
bb_B_00137275
bcck: http://bccks.jp/bcck/00137275/info
user: http://bccks.jp/user/131717
format:#002t
Powered by BCCKS
株式会社BCCKS
〒141-0021
東京都品川区上大崎 1-5-5 201
contact@bccks.jp
http://bccks.jp
1969年北海道生まれ。ウェブを中心に小説、エッセイ、コラムなどを寄稿。言葉を紡ぐことで色々な可能性を見出したいと考えております。なだらかな文章の美を追求中。