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私立校・中高一貫校生
高校生の勉強の仕方

栄冠ゼミ

栄冠ゼミ出版



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  この本はタチヨミ版です。


 私立校・中高一貫校生 高校生の勉強の仕方

  ~全般編~

  ~数学編~

  ~英語編~

  ~国語編~

  ~物理・化学・生物編~

  ~現代社会・政治経済・倫理・世界史・日本史編~

  ~副教科編~

 その他コラム

  授業で『わからない』を見える化する

  習慣にしていることに新しい習慣をつける

  演習不足

  5分、10分、30分でできること

  一学期の赤点は最後まで足を引っ張る

  定期テストは実力を図るものでなく、努力を図るもの

  家で勉強・宿題ができないのなら

  勉強する姿勢

  忘れない予防

  物理的な勉強量を考えて勉強する

  成績は能力ではなく、努力を反映したもの

  身近なところから完璧を目指す

~全般編~

各教科の勉強の仕方の話を始める前に

高校生の勉強の仕方~全般編~

まず初めに言っておきます。

中学生と高校生とで決定的な違いが、『義務教育』ではないということです。

『義務』ではありませんので、当然『高校に進学する』ということは、高等学校で学ぶべきことを『学ぶ』意思を持っていることを示しているということです。

学校から進学を言い渡されたから、なんとなく進学した。『むしろ』学校がぜひ『進学・入学』してほしいと言ってきたので、『進学・入学』してやった。

というような意識を、少しでも持っていると、高校ではやっていけません。その先の大学受験、大学進学は『大きな壁』となって、立ちふさがることになります。

まずは、この意識を取り去って下さい。

中高一貫校生の場合、この意識が非常に強い、あるいは、そうは思ってはいないつもりでも、その行動が、態度が、そう物語ってしまっていることが多いです。そのため、あえて書きました。

自分はそんなこと微塵も感じていないし、高校進学が決まった後、三学期も、今までとは変わらずに、むしろ、高校に向けて、中学の集大成として、より一層、勉強に励むつもりだと、豪語されますか。

少し厳しいことを書きますが、『言葉』や『思い』で、なんとかなるのは、中学校までです。

多くの先輩に聞けば、わかると思いますが、高校からは、そうそう自分の思い通りに、思い描く通りに、うまくいかないことが多くなってきます。

それは『勉強』以外のことでもです。おそらく勉強以外のことのほうが、多くなってくると思います。

そういったことを踏まえて、『意識』を意識的に、作為的に変えてみないと、高校からは、いえ、高校以降の、その後の人生も、なかなか好転しないことになります。

長々と書きましたが、この意識を変えることのできるできないで、意外なことに、中学時代、勉強のできている方が、高校に入って大幅に成績を落したり、その逆に、中学時代、全然勉強のできなかった方が、コツコツと成績を伸ばしたりすることがあります。

中学時代までは、『興味』があれば、『勉強が捗った』かもしれませんが、高校からは『興味があろうがなかろうが』『やった分だけ』『やりきった分だけ』が、テストの点数、成績に反映されます。

中学時代、余裕で進学できた、要領よく進学できた、なんとか進学できた、ギリギリ進学できた、どんな形であれ、『進学』できたのであれば、スタートラインは皆同じとなりますので、もう一度『意識』して下さい。

高校3年間の、定期テストの点数は、成績は、『大学』への進学、受験に、関わってきます。

中学1年生の時には実感が薄かった『記録される』テストの点数、成績も、この中学3年間で、苦しい、苦い思い出として、刻み込まれたと思います。

その『記録』されることが、『高校』でもまた『新た』に始まることを意識して、中学時代の経験をよく思い出して、活かして、高校3年間の定期テスト、成績をどうするか、よく考えてみて下さい。

さて、ここまで言われても、中学時代と高校時代、それほど変わらない、変えない、別にどうでもいいと勘違いされる方に一つ、アドバイスを言っておきます。

高校からは『毎年』進級できるかできないかの、『審査』があります。それは中学3年次の進学できるかできないかが最終的に決まる二学期の時のような感じです。

一つ違うのは、『学校の先生』はそれほどうるさく言ってきません。『義務』教育ではないからです。『進級する・しない』は皆さんの自由です。

しかし『進級したい・したくない』は皆さんの勝手です、思い込みです。

『進級できる・できない』は学校の進級要綱の基準によって、『機械的』に決定します。

高校以降は、『毎年』審査があることを自覚して、早めの対応をしておくようオススメします。

ウザイ説教・小言となりましたが、それほどまでに、意識を変える、身構える必要があるのが、高校進学時です。

中学時代に習ったことは当たり前として授業が進み、テストは『学年の平均的な学力の方』に合わせるのではなく、平均点が20、30点になるようなテストでも、平気で作ってくる先生もいるのが、高校の定期テストとなります。

そういった授業に、テストに対応できるように、次の勉強の仕方を提案したいと思います。


①授業中寝ない、ノートを書く、プリント等の書類は無くさない

②わからない、わかったつもりを必ず復習する

③教科書、問題集の全ての問題を必ず2回以上解く(演習をする)

④毎回のテストごと、毎学期成績をもらった時、進級・進学要綱を確認する

⑤テストで、捨てる(勉強しない)教科を作らない

⑥名著の参考書、有名な勉強法に、安易に頼らない

⑦何事もやり切る、やり通す

⑧時間の作り方、使い方をよく考える

⑨部活動、趣味、友達との付き合い方を考える


①は『当たり前』のことですが、『高校の授業』で寝る、ノートをとらなかった、プリントを出さなかったは、平常点が引かれるどころか、テストでも点数が取れないと思って下さい。『仮に』これらは『平常点』にならないとしても『意識的に』やるようにして下さい。

②、③は『中学』を卒業した自信、『高校』に進学した実力を勘違いされる方が、多いので、『改めて』書かせて頂きました。

④~⑥は高校の『進級・進学対策』です。定期テストにおける、『学校での勉強』における、心構えのようなものですが、意外にできない方が多いです。

『最終的に』進学試験で、受験で、受験勉強で『挽回』すればいいと考えていればいるほど、その『借金』に苦しむことになります。

その状態に、その状況に『なってから』焦って、⑥のような参考書、勉強法に頼っても、効果、効率は上がりません。

⑦~⑨はいわゆる、勉強に関係ない『ウザイ』根性論・精神論です。やろうがやらまいが、別に誰に文句を言われるわけでもなく、強制されるものではありません。

ですが、『やらない』『やれない』ことによって、ウザイ・うるさい説教を、小言を、言ってくる人たちが『増えて』きます。

『最終的』には、『誰』も言ってこなくなりますが、その時は『言って』こないのではなく、『近づかなく』なって、『遠ざかって』いくことになります。

高校からは、少し突き放されるように感じるかもしれませんが、それが大人、それが自立としての第一歩となります。高校生になったら、学校の先生は、親御さんは、『もう』助けてくれません。

というよりも、手取り足取り『助ける』ことができませんし、皆さん自身も、『そんなこと』恥ずかしいと思う頃だと思います。

高校生以降は、自分で考え、そして、その考えを『実行し』、失敗・成功を重ねて、結果を出し、学校に、先生に、親御さんに、そしてゆくゆくは、赤の他人に、社会に認めてもらう、『評価』してもらうことになります。

もう、レールは『用意』されていません。

『進級・進学要綱について』『受験について』『進路について』の『標識』が立っているだけです。その標識を読むか読まないか『すら』、皆さんの自由となります。

読んだ上で、どうするかも、また皆さんの自由です。

1年後、2年後、そして3年後、『なってみないとわからない』のかどうか、『どうなっていたいのか、考える・思うだけで終わる』のかどうか、そういった選択『すら』、皆さんの自由です。

冒頭にも書きましたが、高校からは『義務』ではありませんので、学校は、先生は基本的に『何でもかんでも助けてくれる・許してくれる』わけでは『ない』と思って下さい。

都合の良い時だけ、自分勝手な都合を他人に押し付けるような考えでは、高校以降も苦しむことになりますので、気をつけてみて下さい。

~数学編~

高校生の勉強の仕方~数学編~

基本的に、積み重ねの勉強が必要な英語、数学に関して、高校『から』、高校で習う数学『から』始めるというは、不可能に近いと思います。

中学時代に習った『基礎』が『当たり前』のこととして、身についていなければ、授業ではついていけません。

そして、おそらくどんなに詳しく解説の載っている『教科書』や『参考書』を見ても、点数に反映されにくいのが、高校で習う数学だと思います。

特に、中学時代、『例題問題』をちょこちょことやれば、ほとんどの問題も解ける、と思っている方、そして実際にそれでそこそこの点数がとれて『しまった』方は、気をつけて下さい。

高校の数学では、その『例題問題』すら、『途中式の行間』で戸惑うことになることが、多々あります。その『途中式の行間』に略されているほとんどのことは、『中学時代の数学』の『当たり前』の知識です。

授業の時の、先生の板書もそうなります。

上の途中式から、なぜ下の途中式のようになるのか。それがわからなくなっていきます。

さらに高校の数学のテストになると、すでに経験済みかもしれませんが、『問題の意味』すらわからない、『解法の糸口』すら考え付かないということが増えてきます。

そこでほとんどの方が、この高校数学の点数を落していき、20・30点が当たり前、ひどいと数点といった、1ケタ台の点数を取ることになります。

全般編でも書きましたが、嫌だろうが、不得意だろうが、苦手だろうが、高校からは義務教育ではありませんので、『単位』を、『成績』を、『テストの点数』を取らなければなりません。

先生の教え方が悪い、用意された教科書・問題集がわかりにくい、テストが難しすぎるなど、『どんな』言い訳をしようと構いませんが、『それ』で、駄々をこねて、『進級・進学』がまかり通るほど、高校は、いえ、高校以降の大学、社会、会社でも甘くないです。

受験がなかった中高一貫校生は、この傾向に陥りやすいので、少し厳しめに、きつめに書かせて頂きましたが、それほど、この高校からの数学の勉強は、きちんとやらなければならないものだと、再認識してほしいです。

その認識も無く、高校数学で『要領』や『効率』を求めることは、ほぼ不可能だといえます。

もちろん、『中学時代の数学』の知識が当たり前のこととして、さらに、それらを応用するのも慣れていて、その上、高校でも気を抜かずに、一定量の『問題数』をこなしている方であれば、テスト前にそれほど焦ることなく、『要領よく』『効率よく』、点数を、成績を取れます。

さて、皆さんは、自分の胸に手をあててみて、『自分はそうだ』といえるでしょうか。

個人的には、『数学』の勉強は、中学時代から、物理的な『問題を解いた数』が大きく関係していると思います。

わからない、苦手、面倒、嫌だ、不得意、関係なく、解いている問題数に応じて、テストの点数が、成績がついていると思います。

何の根拠もない理屈ではありますが、ただこれから書くことに関しては、経験則という根拠で『絶対』といえます。

数学において、一部の天才を除き、『問題』を、一定量の『問題数』を解かずして、テストで点数をとることは不可能です。

例題問題が解けるからOKOK、大丈夫大丈夫。あとは少し『応用する』だけの問題で、『別に』解かなくても、頭の中でやり方はわかっているから、わざわざ時間をかけてまでやらなくてもいい。

中学時代まで、数学がちょっと得意、まぁまぁ好き、嫌いだけど点数はとれる、問題集の問題も解けないことはないけど、面倒だからやらなかったという方が、この感覚で、高校の数学を受けると、『確実』に点数を落していきます。

それでも、高校1年次の1学期の単元の内容は、中学数学の『ちょっとした応用』程度だったりしますので、そこそこの点数を取れるかもしれません。

しかし、ここでいっておきますが、『この時』に取れるだけの点数を取っておくことをオススメします。そこから先は、前回の点数の8掛けとなっていきます。つまり、60点の方は、48点、40点となっていきます。

と、ここまでが、中学時代に、数学がちょっと得意、好き、嫌いだけど点数は取れるといった方向けに書いたことです。

すでに嫌い、不得意、点数が取れないという方は、『要領』や『効率』は論外で、画期的な勉強法などを期待したり、望んだり、求めたりしないで下さい。

その『行為』が、『思い』が、最も数学の勉強の妨げになります。

もはや中学時代3年間という『時間』を借金として溜め込んでしまったのですから、その『時間』を取り戻しつつ、高校からの数学に『対応』しなくてはならない、泥臭い、面倒な勉強をコツコツとやらなければ、高校数学に、いえ、数学のテストの点数、成績に、対応できなくなってしまいます。

高校数学に関しては、自分の能力を過信せず、また自分の学力を卑下して、ねたんだり、ふてくさったりとしている暇もなく、ただただ、『対応』することに、重点を置かなければ、伸びるものも伸びません。

他の教科と違って、『数学の勉強』は、何ヶ月で偏差値アップ、どんどん問題が解けるようになるということがありません。

ただただ、『やった分だけ』『解いた分だけ』『解けた分』だけ、テストの点数に反映されると思って下さい。

その上で、次の勉強をしてみることを提案します。


①例題問題は3回以上、問題集の問題は2回以上解く

②わかる問題は完璧に、得意な問題はどんな問題が出ても解けるようにする。どうしてもできない問題は、答え・やり方丸暗記でもいい

③答えから、解法を導き出してみる

④どんな問題でもかまわないので、毎日問題を解く、勉強する前に、単純な計算問題の暗算を行ってみる

⑤先生に聞きに行く前に、友達に聞く

⑥数学検定、模試を受けてみる、受験問題に触れてみる

⑦長期休み中は『中学時代』にまで遡ってでも、わかっていない・自信のないところ『から』復習する

※もちろんのことではありますが、全般編で書いた、授業中寝ないなどは『当たり前』のこととして、省いております。



  タチヨミ版はここまでとなります。


私立校・中高一貫校生 高校生の勉強の仕方

2015年9月5日 発行 初版

著  者:栄冠ゼミ
発  行:栄冠ゼミ出版

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