── クラシックなのに新しい。
〈読切コラム〉
現代のクラシック音楽であるミニマル・ミュージックを中心としたディスクガイド『現代音楽ディスクガイド350 ~旋律と律動~』を昨年上梓しました。取り上げた作曲家は伊福部昭(いふくべ・あきら)、佐藤聰明(さとう・そうめい)、久石譲(ひさいし・じょう)、佐村河内守(さむらごうち・まもる)、吉松隆(よしまつ・たかし)、和田薫(わだ・かおる)、スティーブ・ライヒ、マイケル・ナイマン、フィリップ・グラス、ギャビン・ブライヤーズ、デビッド・ラング、ミロスラフ・カベラーチ、カムラン・インスなどなど、約150名。今回は簡単な現代音楽の解説を新たに書き起こし、その350枚から選んだベスト5を紹介しています。
現代音楽とは新しいクラシック音楽です。すみません、いきなり結論を言ってしまいました。「新しい」のに「クラシック」、矛盾しているじゃないか、えぇ、えぇ、確かにそうなんですけども、まぁ、まぁ、落ち着いて話を聞いて下さい。皆さんも中高生時代に音楽の時間にバッハとかベートーヴェンとか習ったと思います。曲は忘れても名前ぐらいは覚えてますよね。あぁあの、西洋の昔の音楽ね、そうなんです。あの昔の音楽がですね、皆さんの知らない間にひっそりと流れ流れて、現代まで続いていたんです。ビックリですね。まだ生きてたのか! みたいな。ゲンガクシジューソーキョクって舌の噛みそうな曲を今でも作ってる人いるの? います! 今はもうロックの時代でしょ? エレキギターのクラシック曲も有ります! オーケストラ曲を作ってる人だっています!
失礼、興奮してしまいました。ただですねぇ、正直言うと、現代音楽の八〇パーセントはゴミなんです(当社比)。ですから皆さんの中には現代音楽を既に聞いた事があって、
「現代音楽? あぁ、あのピーーとかブーーとか鳴ってて、ヴァイオリンが深夜の歯軋りみたいなやつ。何枚か聴いたけど、全然つまんなかったよ」
という経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれない。えぇ、全くその通りなんです。現代音楽界では「メロディ、リズム、ハーモニーが有れば音楽ではない!」と言うイカレた時代が第二次世界大戦以後あたりからずっとあってですね、まぁ、今でもその傾向は強いんですが。そういうのはゲンダイオンガク(ゲンオン)と片仮名で書かれる事が多いですね。でも残りの二〇パーセントはまともで凄く良いんです。
それと、実は日本人は既に現代音楽を聴く下地が出来ているんです。これはちょっと世界的に見ても珍しいです。と言うのはですね、皆さん、まぁ、世代にもよると思いますがゴジラのテーマ「ドシラ、ドシラ、ドシラソラシ、ドシラ」聴いた事ありますよね? あれは作曲家の伊福部昭(あえて超先生と呼ばせてもらいますが)が作ったんです。でも中には聴いた事が無い人もいるかもしれない、そういう若い世代でも宮崎駿アニメを観た事無い人いますか? いませんね。宮崎アニメの音楽を担当してるのは久石{譲)(じょう)です。北野武映画のサントラも一時やっていました。それで、もしも、もしもですよ、先頭バッターいきなり満塁ホームランってくらい、あるいは富士山頂が曇ってたってくらい有り得ないと思いますけど、ゴジラも宮崎アニメも知らない日本人がいたとしましょう。そういう人でもワイドショーとかNHKは観てますよね、そう、佐村河内ですよ。実態は新垣隆だった訳ですけども、あの曲なんかは不協和音も取り入れた、いかにも現代音楽って感じでした。あるいは大河ドラマ『平清盛』の音楽は吉松隆でした。みんな現代音楽作曲家です。
まぁそんな訳でですね、知らず知らずのうちに現代音楽の洗礼を浴びているわけです。せっかく下地は出来てるんだから、もう少し幅を広げてみませんか。かと言っていきなりCDショップの現代音楽コーナーに行っても、大体「ぴーぷ~キィィィ」みたいなのばっかりですから、転ばぬ先の杖って事で拙書『現代音楽ディクガイド350 ~旋律と律動~』から選りすぐったベスト5を紹介します。なにせ三五〇枚全部お勧めですから、絞るの大変でしたよ。もっと知りたい方はぜひ拙書をお買い上げ頂ければと思います。
※サンプルはここまでです。続いてインタビューをご覧ください。
自称猫漫画家のハル吉(はるきち)です。野良猫を見かけると反射的に「にゃ~~」と言ってしまいます。海外漫画の翻訳、音楽ガイド本、猫漫画などの同人誌を販売しています。
◆ブログ:『ハル吉とゴッシー』
http://gosshie.blogspot.jp/
◆ショップ:『峠の地蔵出版』
http://jizo.cart.fc2.com/
◆海外ウェブ漫画『デリア』の翻訳始めました。
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現代音楽には大きく分けてメロディ・リズム・ハーモニーの「無いもの」と「有るもの」があり、「無いもの」の文献は多いのですが、「有るもの」の文献やディスクガイドがほとんど無いので自分で書くことにしました。
たった一人で巨大な『管弦楽法』を書き上げた、ゴジラのテーマ作曲家でもある伊福部昭(いふくべ・あきら)超先生。曲は「リトミカ・オスティナータ」。
現代音楽を知らない人と現代音楽に良い印象を持っていない人。
拙書は一年くらい、このエッセイは二時間くらいです。
ブログで書くくらいです。あとは神社でお賽銭して神様に宣伝を依頼してます。
CDを買うお金が足りません。
ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲『四季』をリミックスした作曲家マックス・リヒター。
漫画『猫DJゴッシー短編集 4』を年内に出したいです。警戒心の強い猫に警戒されないようになりたいです。猫カフェにも行ってみたいです。
一緒に現代音楽を盛り上げましょう!
NPO法人日本独立作家同盟は、文筆や漫画などの作品を、自らの力で電子書籍などのパッケージにして世に送り出している、インディーズ作家の活動を応援する団体です。伝統的な出版手法である、出版社から取次を経て書店に書籍を並べる商業出版「以外」の手段、すなわち、セルフパブリッシング(自己出版)によって自らの作品を世に送り出す・送り出そうとしている方々をサポート対象としています。
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2015年9月24日 発行 初版
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