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もう、嘘しか信じない。

日本言語開発研究所 編

JALDEL(日本言語開発研究所)



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   もう、嘘しか信じない。

                  日本言語開発研究所 編


 皆さん、嘘ってどう思われますか?

 不快、不愉快、不毛、不憫、不埒…

 すぐにそんな言葉が浮かんでくるような、ネガティブな印象を持たれている方、多いんじゃないでしょうか?
 反面、嘘も方便等と言って、人を傷つけないためや、争いごとを避けるために、敢えて道具として活用される場面もあって、この時ばかりは、嘘も積極的に、活きた言葉として人々に迎えられているような気がします。

 嘘です。

 一度そう口に出せば、それまで話してきたこと、紡ぎ上げてきたことが、一瞬でひっくり返ってしまう魔法の言葉、それが「嘘」です。

 嘘です。

 こうして、嘘です。を二度繰り返せば、本当になるのか?
 これを証明するために続け様に使ってみました。

 「    」

「    」の中に何という言葉が書かれていたか、懸命な読者の方ならもうお分かりでしょう。

 一つ確実に実感を伴って言えるだろうことは、「嘘」と言われる側に、何がしかのストレスを与える言葉であるということです。そしてこの言葉には、皆さんが特殊な訓練を積んでいる訳でもない限り、事前にある程度分かっていても、また何度言われても、慣れることは出来ないのではないでしょうか?

 これは、「嘘」に、元々人々の感情の開放をセーブする機能があるためです。

 何か学習で培った知識かと言われれば違うので、そういう意味では、これもまた嘘の一つなのかも知れません。

 どうでしょう? そろそろ慣れたでしょうか?

 逆に、もうウンザリしているのではないでしょうか?

 ここまで付き合ってくださってありがとうございます。いよいよここからが本題です。

 もちろん、嘘です。

 どうでしょう? 
 
 実は今、あなたの心に渦巻いている苛立ちこそ、いわゆる「夢オチ」と言われている作品と向かい合った時にあなたの胸中を去来する失望、虚脱感、怒り等の感情と全く同じ物なのです。

 It 's a lie.

 文字だと先まで見えてしまうので、英語で表記したのです。
 だからと言って本エッセイは、最後までこうしたはぐらかしをするために綴られている訳ではありません。

 その証拠に、嘘しか信じないと決めている方、或いは、そこに書かれている全てが、結局は誰かの想像の産物に過ぎないことに思い当たると、それ以上読み進めるのが困難な方にとっては、「嘘」という言葉が、まだ全体に対してかろうじて興味を持続するための、重要なフックになっているのではないでしょうか?

 要点を早めに取り出したい方、更には物語作品を読む時でさえ、修辞・修飾部分を出来る限り飛ばし、何がどうなったのかだけを把握したい方、そういう方にとっては、本当に何を読まされているのか、一向に意味が分からないことと思われます。


 笑福亭笑瓶さんという、落語家で、お笑いタレントをされている方が居ます。

 どうでしょうか?

 そこそこ形式的に読まされてきた文章上で、このタイミングで固有名詞が出て来た時の、ご自身の心の動きを確認するチャンスを作ってみました。




 怒りましょう。怒って下さい。怒った方がいいのです。 

 世の中の9割以上の新書が、この手法で書かれているのですから。

 嘘です。



            世界一受けたい授業(完)











































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































「…今まで、エッセイにシークレットトラックがあった事ってあるんですか、桐谷美玲さん?」

「…何故、わたしに聞くんですか? 」

「何か、聞いてみようかなあ思て。」

 チュートリアル・福田が言った。

                    (つづく)

もう、嘘しか信じない。

2015年10月23日 発行 初版

著  者:日本言語開発研究所 編
発  行:JALDEL(日本言語開発研究所)

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UNO千代

初めまして。 薄い本をいっぱい出したいです。

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