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UNO千代インタビュー2

UNO千代 編

UNO千代出版



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 【UNO千代インタビュー・2】

                UNO千代 編


 UNO千代書房で取り扱いのある著作の作者に、UNO千代自らがインタビューを行うというこの企画、今回で2回目です。

 今日は10月29日、先日の『読者プレゼント!』にて告知した、例の赤瀬川源平氏の快作『超藝術林みなほアナウンサー』のパスワード配布予定日から1日あけた所で、予定より1日遅れて先ほどようやくアップが完了したところなのですが、何と、事件が起きました。
 というか、これをお読みの方の中にはその一部始終を当方よりご存知の方が多いのではないかと想像しますが、それによって作者の赤瀬川さん、相当なダメージを負われたようでして、現在こちらにまだいらっしゃいますので、もともと予定していたシケインさんへのインタビューを、急遽三名での鼎談という形に変更してお届けすることになりました。ではどうぞ。

UNO千代(以下・U)「というわけでよろしくお願いします。」
赤瀬川源平氏(以下・赤)「どうも。」
シケイン氏(以下・シ)「どうも。」

U「シケインさん、すいませんね、こんな形になってしまって。」
シ「いや全然。」
赤「…いやあ、まいりましたね。」
U「うーん、何と申し上げてよいか… 」
赤「概要説明お願いしてよろしいですか? 」
U「はい。ええと、実は昨日(10月28日)アップ予定の新作について、UNO千代書房的には既に玉稿賜っていたものの、急遽赤瀬川さんの方から打診を受けまして、曰く、致命的な欠陥があるから直したいということで、一旦ペンディングすることにしてたんですよ。ところが、サイトの投稿欄には下書きの形で以前の状態の物がすでに入っていたんですね。でもまあ、発行さえしなければステータスは非公開のままでいけるだろうとそのまま赤瀬川さんの新しい原稿の到着を待っていたんです。そしたら、あれは何時頃でしたかね… 」
赤「今日の午前中ですね。(29日)到着してすぐに気付いたので。」
シ「どうされたんですか? 」
U「まだシケインさんには詳細お伝えしてませんでしたが、何と、非公開の状態のまま、閲覧数が30名前後になってたんです。」
シ「え? 」
U「ただまださっき赤瀬川さんの修正版をアップしたばかりでわたしも状況を把握出来てないんで、憶測で物を言ってもしょうがないんですが、そうなんですよ。」
シ「そんなことがあったんですね。」
U「びっくりしました。…まあその、若干挑発的な運営方針というか、告知を本にしたりですとか、取り扱い作品をパスワードつきにして反応を見ようとか、セコいことをやってたのは事実としても、まさかここまで大胆にそういうのを踏み越えてくるのかって、結構驚いてるんですよね。」
赤「いや、もう私にしてみれば不本意もいいとこですよ。作品を未完成な状態で見られてしまったんだから。」
U「んー、まあでもそれは、約束の日を1日過ぎて何にも告知しなかったこちらにも落ち度がないとは言いませんし、本当はわたし的には最初にいただいた状態でOKしてたので、赤瀬川さんも当日の朝直したいって言うのは正直きつかったです。」
赤「それは大変申し訳なかったけど、でも本来は(公開を)踏み止まることも出来たわけだからね。しかも利用者のアカウントの中に運営側が勝手に入ってるってことなんでしょ? 」
U「いやそこはまだ何とも言えません。私、こういうののシステムとか全く分からないので、誤作動かも知れませんし。わぁ! 」
シ「どうされました? 」
U「ほら! 閲覧者が68名になってます! 」
赤「…本当だ。」
シ「え、でも公開されたんでしょ? 」
U「本来パスワードが必要なはずです。そう設定させて頂きました。」
シ「申請者はいたんですか? 」
U「まだ一人にも送ってませんよ。ちょっと待ってくださいね。(PCを確認する)gmailは… 一件も来てないですね。」
シ「bccksの運営に確認とったりされたんですか? 」
U「いやあ、今日の今日でそこまではとても。」
シ「本当にこの数覗いてるんでしょうか? 」
U「どうなんでしょう。まあ、中の人たちが本気で面白がってくれて、予定日過ぎてるのに中々出さないから耐えられなくなって見ちゃったとかいうんなら、多少は張り合いもありますけど…、でも私一人でやってることではないですし、そもそも告知でも28日配本「予定」とあったわけですから、勝手に見ちゃうのは… 」
シ「まあでも、本当に見られているのかは分からない訳ですよね? 」
U「それはそうなんですけどね。…何なら見て頂きたい訳ですし。それに私は前のバージョンの時点で既にOKしてた訳ですからね。」
赤「いや、でもそれはちょっと待ってよって話なんですよ。」
U「ただ何て言うんでしょう。それでも生理的な恐怖感と言いますか… いきなり着替えを覗かれたような感じではありますね… 」
赤「そうですよ。そういうことですよこれは。」
シ「えー… お千代さん何か凄い傷ついてますね。」
U「今頃になってジワジワ来ました。…嬉しいんですけどね。もしこの予想が当たってるとしたら、気にかけては頂いてるってことじゃないですか? 」
シ「確かに。でも、もしかするともしかするんじゃないですか? 普通『ビッグ君』とか『シケイン』とか言われてもシカトしますからね。」
U「ねえ。ありがたい話なのかも知れないんですけど、ただやっぱりちょっと怖いといえば怖いんですよね。そりゃあ私はシステムを利用させてもらっている側で、じゃあそういう事言うなら今後使っちゃダメとか、じゃあもう見ないよって言われたら何も言えないんですけど… 」
シ「事実を確認してから言われた方がいいんじゃないですか? こういうことは。」
赤「…まあね。でも見られてたんならたまらんなあ。」
U「やっぱり念のためにこの場を借りて言わせてください。今回の赤瀬川さんのケースでは一時彼も丸ごと辞退するまで行きかけてるので、今後はgmailを通してパスを正式に受け取って頂くか、事情説明を何らかの形で私に通達して頂くか…ご面倒だとは思うんですが、ご覧の方でそれが可能な方は是非お願い致します。」
シ「お千代さん、凄い傷ついてるよね。」
赤「あんたそればっかだな。」
U「…いや実は、今回のこととは直接関係はないということなんですが、もう一つ大変残念なお知らせがありまして、11月3日深夜に配本を予定していたayaさんの『AV親バレ大作戦』は、急遽、配本無期限延期となりました。」
シ「ええ!? 」
U「本当に。大変残念です。」
シ「じゃあ3日はなしですか? 」
U「このままだとそうですね。」
赤「やっぱり嫌だって言い出したの? 」
U「ayaさんから、先ほどメールを頂きまして、辞退を告げられました。」
シ「じゃあこの件全く関係ないでしょ。ayaさんこのこと知らないんだから。」
U「理屈はそうなんですけどね。何か私には無関係とは思えなくて。」
シ「だって知らないんでしょ? 」
U「いや、言ったらシケインさんだって赤瀬川さんだってそうなんですけど、私、皆さんの個別の個人情報ってほとんど知らないんで、ayaさん、bccksさんの中の人って可能性もなくはないじゃないですか? 」
赤「ああ、そうか! だったらあるかもな。」
シ「…そうなります? 普通その考えにたどり着くかな… 」
U「いやあ… ちょっと混乱してるかも知れませんけどね、確かに。色々重なってショック過ぎて… 」
シ「ayaさんは理由についてメールで伝えてくれてないんですか? 」
U「理由は書いてないんです。」
シ「そうなんですか…分かりませんけどね。いやあ。波乱が続いてますね。」
U「せっかく文化の日で、何か濃い体験をお届け出来るかなと張り切ってたんですけどね。」
シ「そうですか… あの、僕やりましょうか? 」
U「…え? 」
シ「せっかくの機会ですもんね。何か書き下ろしますよ。」
U「本当ですか!? 」
シ「ただし、今この場で3~5分で書ける物に限りますけど(笑)」
U「いいですいいです! このインタビュー出すわけですから、関連性だけでバッチリです! 」
赤「大丈夫なの? そんな安請け合いして。」
シ「分かんないですけど。何かお千代さん元気付けたくて。大体、ここ(UNO千代書房)でそんなシビアなこと、求められないじゃないですか? 」
赤「だけど自分で納得出来るものそんな短時間で書けるの? 」
シ「僕はここに上げさせてもらってるの、どれも2時間までかかってないですよ。見直さないからどれも内容あまり覚えてないですけど。」
赤「すごい自信だな。」
シ「自信ていうか、本業があって中々じっくりとりくめないのもあるし、後はちょっと作品づくりについて持論がありまして… 」
赤「どんな持論ですか? 」
シ「これもしかすると、今回赤瀬川さんが配本前に急遽内容を修正したかったっていう話にもあてはまっちゃうかもしれないんで微妙なんですけど… 」
赤「いいですいいです。せっかくだから聞かせてくださいよ。」

シ「えーと、どこから話せばいいんだろ。物語的な作品の作り手がはまる罠っていうか、そういうことなんですけど、いいですか? 」
U「お願いします。」
シ「とにかく最初はアイデアがあったりして、作るぞ! って燃えてるわけですよ。このときは意気揚々とプロット(大筋)を作ってるわけですが、ダメになる作品ていうのは、あるプロットを敷いて、計画道りに細部を書き込んでいってるつもりが、いざ全体を見た時にガタガタになってることに気付くっていう、このパターンなんですよ。」
赤「あー… まさにそうでしたね。今回。」
シ「で、そこからあそこ足してみようとか、引いてみようとかになるんですけど、これが上手く行かないっていうわけじゃなくて、例えば何かを足した瞬間は新鮮だから、自分でも足したことで上手く行ってるって感じちゃうんですね。実は全然そうじゃないのに。」

U「確かに、いきなり物作り論的なことになってきましたね。しかもかなりディープな。」

シ「いや、そうですよね。大丈夫かな… で、最終的に作品は訳の分からない物になってるんだけど、訳の分からない物の方が書いてる本人的には恥ずかしさが消えてるから、いいんじゃないかとか思いがちなんですよ。」
U「…そういうものなんですか? 」
赤「うーん… 確かにそういう所があるかも知れない… 俺も今回冒頭にビッグ君2って言うのを急遽足して、凄い、瞬間道が開けた気がしたんだけど、読み返すだにそこがいらないことに気付いてきちゃって、実は今、はずそうと思ってます(笑)。」
U「え、そうなんですか?! (この時点ではまだ冒頭に『ビッグ君2』があった。現在修正済み)」
赤「すみません。」
U「しかも『ビッグ君』てご自分の作品じゃないですもんね。」
赤「面目ないです。」
シ「…話し戻りますけどこれ、多分日本映画とかに多くて、怒られそうだけど、僕は映画版のエヴァとかはその典型だと思ってます。とくに破とQは。」
U「いきなりぶっこんで来ますね。」
シ「いじくり倒し過ぎてワケが分からなくなる。しまいにはわけが分からない方がかっこいいって思っちゃうってこと。過去にありません? 」
赤「耳が痛いね。」
U「だからって一般の作品にまで勝手に当てはめないで下さいよ。しかも完全な想像じゃないですか… 」
シ「別に考えを述べるだけならいいかなと。最終的にまずいとお千代さん的に判断されたらカットしてもらえばいいだけですからね。載ったらOKと判断されたと考えますから。(笑)」
U「うーん、今回編集してる時間が多分無いんですよね… まあいいです。続けてください。」
シ「絶対最初に考えた大筋は捨てちゃダメなんですよ。ただ、そこに固執し過ぎるのもダメで、そのための編集であり、プロデューサーなんですよ。ちなみに最初の考えを意地でもそのままにしてしまうのの代表が多分ジブリの高畑監督でしょうね。作品の体感尺が長い。」
U「もう… 実名バリバリじゃないですか。憶測で物を言い過ぎるのは良くないですよ… 」
シ「いや、こんなことは影響力のない匿名の人間だから言えるんです。別に出鱈目だとしても蚊ほども影響力はないから(笑)。ただ胸がスーッとする偉い人とか、案外ご本人の近くにいるかも知れませんが(笑)」
U「笑えないなあ… 」

シ「実はさっき待たせてもらってる間、赤瀬川さんの作品の、修正前の物と、発行バージョンとを両方読ませてもらう時間があって、読んで感じたんですよね。そうしたさっき僕が言ったようなことを。」
赤「…そうだった? 」
シ「ええ。で、ただ僕はこの修正は良かったんじゃないかと思う派です。そんな派あるか分かりませんが。(笑)」
赤「ありがとうございます。」
シ「いえいえ。修正前の物はパートパートのアイデアの単なる数珠繋ぎになっていて、エンタテインメントサインカーブ、つまり起承転結の人間の生理にあわせた起伏みたいな物がガタガタで、個人的には非常にリーダビリティが低かったと思うんです。」
赤「うお(笑)。言い切りますね(笑)。」
シ「すみません。(笑)」
赤「…ただそこは結構悩みどころでね、結局その、人間の生理も移り変わって行く訳じゃないですか? だから現状の気持ちよさだけにこだわってしまうと、どこかで見たことがあるような物にしかならなくなってくるっていうのはありませんか? だから違和感を何処までOKにするかっていうのは常に悩みどころではあるんですよ。」
U「そういう意味では、それを超越しようと思ったら、頑固にやりぬくべきだというお話になりませんか? 初志貫徹みたいな。」
シ「ただいくら試みとして新しくても誰も読めないのはダメじゃないですか。特に長くてたるいっていうのはキツイと思うんですね。」
赤「長くてもその長さ自体にコンセプトがあればいいと思うんですけどね。」
シ「そうですね。その場合多分、普通に中身が面白くなってると思いますよ。それこそエンタテイメントサインカーブみたいなものがしっかりしてれば実時間が長くても長さを感じないです。」
U「何か、長さを感じさせるものはダメって話になってますけど、そんなことはないんじゃないでしょうか? 」
シ「まあ確かに、一概には言えないかもしれませんが。でも現状読者を獲得しようと思ったら、気をつけなきゃいけない点かなとは思ってます。」
U「すごい話になってしまいました…。」
シ「また映画畑ですけど、塚本 晋也監督も同じようなことつぶやかれてたことあるし、核心部なんじゃないかと思うんですけどね。」


職業・八百屋

U「先ほどシケインさん、本業があるっておっしゃてましたが、差し支えなければ何をされているか教えて頂いてもよいですか? 」
シ「唐突ですね(笑)。それいりますか? 情報として。」
U「いや、作品論的なものばかりだと重いかなと思って(笑)」
シ「なるほど、既に編集が入ってる訳ですね。」
U「はい(笑)すみません。」
シ「青果業です。家業をついでやってます。」
U「青果業って…八百屋さんですか? 」
シ「はい。」
赤「ええ!? そうなの?! 」
シ「そうなんです。普通に結構大変なんです(笑)。朝早いですし。」
U「ええー… で合間に執筆されてると。」
シ「執筆っていうか、そんな大層なもんじゃないです。はい。だから早く上げなきゃなのは宿命なんですね。」
U「でもシケインさん、UNO千代書房ではもっとも出典数が多い作家さんなんですよね。『シケイン』『SIKEIN Ⅱ』『SIKEIN Ⅱ(2)』そして最新タイトルの『豊かな文章』が公開をひかえています。(この時点では公開前)」
シ「いやいや、どれも素人の手慰みの域は出てないですし、自分でも何か出来てるってつもりはさらさら無いんです。本当、お千代さんと出会えてラッキーでした。こういう趣味を解放出来る場に誘ってもらえて。」
U「それはもう衝撃的な出会いでした。何でもない路上でいきなり売られてたんですよ。コピー本を。」
シ「お恥ずかしい。」
赤「え、そうなんですか?! 自分で書いたものを? コピーして? 」
シ「そう。で、ビニールシート敷いて、その上で売るみたいな。」
赤「八百屋さんをしながらですか? 」
シ「オフの日に。でも今はやってないですけどね。」
赤「何か詩集みたいなのとか、その場でハガキ大の紙に相田みつをさん的なちょっとした言葉を書いてくれるみたいな人とかいますよね。路上で。あれ、でも最近そういう人あんまり見なくなった気もするけど… 」

シ「まあ、実はあれが最初で最後の出店だったんですけどね。」
U「そうおっしゃってましたよね。」
シ「だから、これはもう、運命でしょうね。」
U「それは本当にそう思います。あの時はどちらかというとこのUNO千代書房でも最初に取り扱わせてもらった『シケイン』的な内容の作品ばかりを売られてましたよね。」
シ「そうですね。一番好きです。」
U「何か、イングレスのポータルの隣で売られてたんで、それでその場を訪れた人たちに買ってもらったとか? 」
シ「それは狙ったんです。そういう比較的新しい遊びに興じてる人って、こういうのに興味持ってくれるんじゃないかなって。」
U「あーイングレスについてはググって下さーい。スマホの位置情報を連動させたゲームでーす。」
赤「編集は大変だよね(笑)。」
シ「でも、買ってくれたんですよね。案の定。凄くないですか? 」
U「凄いです。」
シ「ねえ。どこの誰とも分かんない奴の、あんなくだらないコピー本。10円とはいえ、買わないでしょ普通。」
赤「10円だったの? 」
シ「ええ。儲けることが目的じゃなかったので。」
U「それは本業できちんと賄ってらっしゃいますもんね。」
シ「そうなんですよ。」
赤「八百屋って儲かるんですか? 」
シ「他の商売と比較したことないから分かりませんけど、うちの家族養うくらいは何とかなりますよ。普通に。」
赤「え、結婚してるの? 」
シ「はい。子供が2人います。」
U「ねえ。その辺もまたお話伺ってびっくりしたんです。見た感じが…こう言っては失礼なんですけど、学生さんかなって(笑)」
赤「そうだね。え、歳幾つなの? 」
シ「48です。」
赤「は!? オレより上?!。」
U「見えないですよね。」
シ「いや、言われますけど、それで何かあるかっていうと、何もいいことあったためしがないんで… 」
赤「えー、いいなあ。キャバクラとか行きゃいいじゃないすか。楽しいんじゃないの? 」
シ「え、赤瀬川さん行かれるんですか? 」
赤「行かないけど。何かモテそうじゃん。」
シ「ないでしょ。ていうか自由になるお金、持ってないですね。」
U「お小遣い制なんですか? 」
シ「いや、欲しいものがあるときだけ奥さんに言って、それもほとんどネット決済なんで。」
赤「つまらなそう… 」
シ「え、でも最近物欲なくないですか? 僕欲しいものなんて一つもないですよ今。」
赤「そういう若い人増えてるらしいよね。ていうか自分おっさんじゃない(笑)。何、若ぶってんの? 」
シ「いやあ… そういうつもりはないんですけど… ひとしきりやっちゃったっていうか、欲しいなって思う物を書き出して、少しづつヤフオクとかで見つけて落としてたんですけど、一昨年そのリストが埋まっちゃったんですよ。つまり、欲しいものが一通り手に入っちゃったんですね。一部の激レアな物を抜かして。」
赤「へえ。」
U「何か新たに欲しい物とか出て来ないんですか? 」
シ「多分歳と関係してると思うんですけど、ないんですよね。欲しかった物も古い物ばっかりで。昔聴いてたけど売っちゃったCD買い戻したり、古本だったり。」
赤「でも何かそれは少し分かるかな。私は特にネット時代になってからの物には本当に興味が薄くて、食指が動かないもんね。並んでる商品もさ、使い勝手とか合理性にのみ傾いてる感じがして、あってもいいけどなくてもいいもんばっかりっていうか。」
U「それは感じますね。」



 我ら、匿名

赤「UNO千代さんて幾つなの。」
U「…秘密です。」
シ「秘すれば花ですか(笑)。」
U「失礼な(笑)。」
赤「えーでも… まいいや。」
U「何ですか? 」
赤「…いや、お若いですよ。あの人に似てるかな… 」
U「はい、やめ、やめ、ストップです。今芸能人とかの名前あげようとしませんでした? そういう悪戯にハードルあげる行為、本当、迷惑防止条例か何かで禁止して欲しいですよね(笑)。」

赤「でもさ、全員匿名なんだよね、このサイトの作家はさ。」
U「…まあ唯一、大貫さんが… 」
シ「あ、彼は本名なんですか? 」
U「でも若干文字ってるみたいです。朝井リョウさんみたいに。」
シ「へー。それはここでは言えないですか? 」
U「確認とってないので… 」

赤「匿名って本当、一般市民に残された最後の武器だったのにね。」
シ「過去形ですか? 」
赤「マイナンバーがさ。」
シ「ああ… 」
U「そんな話出ちゃいます? 」
シ「でもそれでも主体の強弱出ちゃうっていうか、匿名の一般市民が匿名の多くの人たちを弄ぶっていう構造が強化されてるだけってとこないですかね? 」

U「…何ですか… また嫌な予感が(笑)。まさか特定の人攻撃しようとしてないですよね? 」
シ「まさかですよ。DJあおいさんっているじゃないですか? 」
U「うってつけ過ぎでしょ。この流れでその名前出しますか? 止めてくださいよ。」
赤「誰? 」
シ「いや、別に攻撃なんか出来ないです。攻撃力こちらが1だとしたらあちらが5万くらいです。そんな不利な戦い挑む奴なんています? 」
赤「え、何、何の人? 」
U「私は何も聞かない。知りません。」
シ「あの人ってサブアカもあって、で、主に女性の悩み相談とかやって、本も出されてるんですけど、でもあれって岡田ぱみゅぱみゅさんっていう有名なIT社員か何かの方の成りすましなんでしょ? つまりネタなんですよね? 」

赤「ごめん、あんたが何喋ってるのか全く分からんわ。」

シ「ですよね? お千代さん。」

赤「天の岩戸に入られました(笑)。」

シ「うん。あれ、知らずに読んでる人もいるわけじゃないですか、信頼して。でも蓋を開けたら本物ぶってることが面白くてやってる知識人未満の素人の方な訳じゃないですか? 」

赤「天の岩戸中(笑)。」

シ「…じゃ、これをそのまま掲載したら受理されたと理解します(笑)」

赤「いや、でもね、今の聞いて大体分かった。人の本気の相談をネタでまじめに応えてるフリして、そこに心は本当はないっていう人がいるっていうことでしょ? 」
シ「あと、相談と回答、全てが自作自演か、ガチと自作を混ぜてる可能性もありますね。ただまあ、平たく言うと赤瀬川さんのおっしゃる通りです。」

赤「UNOさん、完全に目が怒ってるよ。」
シ「ごめんなさい(笑)。」

赤「…うーん、でもそれ、多分そういうことじゃないんじゃないかな?… 」
シ「何か知ってるんですか? 」
赤「いや、全く知らないけど、ただ人生相談っていうことでいえば、人気のある人生相談の人って色々いるけど、別に元々人生相談のプロではないでしょ? 北方謙三さんだって、ジェーン・スーさんだって。」
シ「赤瀬川さんの口からジェーン・スー出るとは思わなかった(笑)。」
赤「出るでしょ。ヘビーTBSラジオリスナーですよ。」
シ「そうでした。忘れてた(笑)。」
赤「だったらそもそも人生相談にプロはないわけだから、誰がやってもそれを素人とか成りすましとは言えないんじゃないの? 」

シ「…まあ。え、でもそれは…」
赤「ちょっと待って、例えばタモリさんも別に、テレビタレントのプロとして出てきた訳じゃないでしょ? ヨルタモリの最初の方で、僕は成りすますの上手いし、好きだって言ってたし。」
シ「それとこれとは話が別な気が… 」
赤「いや、でもさ、タモリさんは最初の動機はそうだったかも知れませんよ? テレビタレントでもなんでもない俺をみんながそうだと思って普通に見ている、面白いと思っているということが、面白い。みたいな? でもそんな動機でこんなに長い活動維持できたとはとても思えない。どっかで目的がシフトしてるんですよ。はぐらかしから本気に。」
シ「ああ… それはそう言えるかも知れないですね。」

赤「ね? 納得したでしょ? 根っこは一緒だと思うから言ってるんであってね。だから、そういう、動機、入り口として、本業としてやってないからこそ燃えられる、みたいな? 力出る、みたいな人って多分いるんですよ。言ったらセレンディピティ中心主義みたいな人が。」

U「セレンディピティっていうのは『何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけること』(by google)ですね? 」

シ「あ、帰ってきた(笑)。」
赤「だから、それでどうこうイチャモンつけても、損するだけですよ。」
シ「いや、違うんですよね。多分相談者を遥か下に見てるんですよ。あの人は。創作だとしてもね。そこが問題な気がするって言ってるんです。」

赤「…結構読んだりしてるの? その方の書いた物っていうか… 」
シ「いえ、ツイッターで流れてくるのは初期から目にしてますが、それくらいです。」
赤「おいおい、それでそこまで言うのは危険だよ。ていうかなしですよ。完全にあなたが間違ってます。」
シ「いや、あー丁度いい。丁度いいなあこの話の流れ。確証ないことは問題定義のレベルですら口にしちゃいけないっていう自主規制、本当なんなんですかね? だって今なんて、そのあおいさんて人について、僕がどのレベルの確信でどれくらいのこと言ってるのか、根拠があるのか無いのかもつまびらかに全部ここで明確にしてるんですよ? そういう言語活動がこの世に存在する以上、表現の自由とかいうならそれを公にテーマにするのはありなはずだし、それを最初から自己検閲するのがスタンダードに成ってしまったら、後発の? そういう原理が今目の前でしている話の水面下に埋まってるって分かってない人にとっては、全てが存在しないことになって、思考停止の蔓延を強化しちゃうんじゃないかって思うんですけど、どうでしょうか? 」

赤「…あんた、言い回しがややこしいな。もっとシンプルに言ってくれよ。」

シ「えーと… 『憶測ですが、って前置きしてから憶測を公に喋ってもいいじゃないか』って感じでどうでしょうか? 」
赤「いや、だってさ、火のないところに煙は立たないって言うじゃない? だから、あんたの根も葉もない勘繰りを公にされたせいで、そこに何にもなくはねえんじゃないかって考えて動き出しちゃう人もいるかも知れねえんだったら、それが実在の誰かについての発言である限り、本人に迷惑をかけるかも知れない憶測の類は伏せるよね。そういうこと考えられるならさ。」

シ「…それは確かになあ… 」
赤「そうだろうよ? 」

U「もう終わりました? 」

シ「いやあ…。すみません。」
U「ちょっとすみません。一旦引き取らせてください。何と1万字越えてしまいました。個別の作品についても是非お伺いしたかったんですが、それは、次回、次々回にお一人づつやりましょう。録りは今日やっちゃいます。」

シ「ああ、すみません。」
U「じゃあ告知を。」
シ「へ? 」
U「約束してくださいましたよね? 」
シ「ああ、3日深夜のアップでしたっけ?。っていうことは実質4日ですか? 」
U「そうですね。まあでも早めの時間でもいいです。もはや。」
シ「だそうです。」
U「こんなのですとか、内容固まってるんでしょうか? 」
シ「いやあ… 全部これからですけど。まあジャンル物が好きなので、ジャンルで行こうかなと今思いました。推理小説やろうかな。」
U「またそんな時間がかかりそうな(笑)。」
シ「だから、5分で書ける推理小説(笑)。」
赤「そんなの無理に決まってんじゃん。」
U「今日はシケインさんがいらぬ敵を作る天才だっていうことがよく分かりました(笑)。でもとにかく、お仕事忙しい中ご協力ありがとうございます。」
シ「いえ、楽しいですよ。」
赤「趣味だもんね。オレたち。」
シ「そうそう。ボケ防止です。」
U「いやあ… 手が付けられないジジイにリーチって感じがしないでもないですけどねえ(笑)。」
シ「ジジイも悪くないですね。お千代さんに言われると。」

U「…うーんそれ…お千代さんて呼ぶのシケインさんだけなんですよね… 」
赤「本当は嫌なんだ(笑)。」
シ「うわー、まじへこむ奴ですよこれ。」
U「ごめんなさい(笑)。慣れます。」
シ「いやあもう遅いです。耳に入った時点で。うわー聞かなきゃよかった。一週間は響くわー 思い切ってつけた呼び名、受け入れられてると思ってたのに実は嫌がられてたってへこみませんか? 」

U「もうきりがないので、続きは個別インタビューでやりましょう。それでは、スペシャルパスワードつき最新配本は11月3日、UNO千代書房サイト上http://bccks.jp/store/145196で行います。ご希望の方は下記メールアドレスまで、空メールでいいので送ってみてください。パスワードを返信いたします。unochi4@gmail.com 」

シ「無駄だと思うけどなー。こっそりの閲覧もなくなって、きっと閑古鳥ですよ。」
U「でもやります! 」
赤「こういう人が地道に道を作っていくんだよ。」
シ「まとまりました? 」

U「そんなわけで、色々ありましたが私は元気です! 今後ともよろしく~ 」

       2015年 10月29日 
       UNO千代自宅件オフィスにて収録

UNO千代インタビュー2

2015年11月3日 発行 初版

著  者:UNO千代 編
発  行:UNO千代出版

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UNO千代

初めまして。 薄い本をいっぱい出したいです。

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