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この本は、おはようの挨拶をくりかえす本です。
これは英会話のページで読んだことだが。
アメリカのお友だちは朝、
「グットモーニング」とかあまり言わないらしい。
なんでかっていうと、丁寧すぎるいい方だからみたい。
だいたいは、「ハイ!」「ハロー」
あとは挨拶のうしろに相手の名前をつけて。
「ハロー、〜〜さん」って言うのが良いそうな。
あらま、だ。

突然ですがお話を書きます。タイトルは「おはよう」
おどろおどろしい門があって顔の形。その口は云った。
「我をくぐる者、汝一切の望みを捨てよ」
私は躊躇して引き返した。が、次の日にはまた門の前にいた。門はまた言った。
「我をくぐる者、汝一切の望みを捨てよ」
私は、また引き返した。そんなことを一万回もくりかえした。一万回の「我をくぐる者、汝一切の望みを捨てよ」を聞いたことになる。すっかり顔馴染みになった私にとって門の言葉は本来の意味を失い、おはよう、とか、こんばんわ、とかいう挨拶と同じように響いていた。私的翻訳を告白すれば。
一昨日の「我をくぐる者、汝一切の望みを捨てよ」は「やあ、元気?」
きのうの「我をくぐる者、汝一切の望みを捨てよ」は「いつも、ごくろうさま」
いずれ門はこう述べるだろう。「きみのこと、けっこう好きかも」
春眠暁を覚えず、っていうけど。
暁って日の出の前のことらしい。
春じゃなくても、ぼくは見てなかった。
2015年11月11日 発行 初版
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