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  この本はタチヨミ版です。

 目 次

僕がセルフパブリッシングできてない理由 まつもとあつし

星空とカレイドスコープ 倉下忠憲

僕がセルフパブリッシングできてない理由

まつもとあつし

僕がセルフパブリッシングできてない理由

フリージャーナリスト・コンテンツプロデューサー
まつもとあつし

自虐的なテーマを選んだ背景

 群雛に載せて頂くコラムなのに、このタイトルで良いのだろうか?
 あるいは自虐的に過ぎるか? ──正直、迷いがないわけではない。
 いま世の中的にもセルフパブリッシングへの関心が高まっている。僕自身も、鷹野氏はじめ様々な取り組みを行っている人たちを取材している。このあたりでこの問題の棚卸しをすることが、もしかすると群雛を読んでいる人たちに、逆説的に参考にもなるかも知れないと考えて、つらつらと書いていきたい。
 フリーになってから約五年間、インタビューや取材を行い、ネット系の媒体に連載し、それを起点にして、これまで約十冊の本を刊行してきた。テーマは、ITガジェットやサービスの使い方から、電子書籍やソーシャルゲームなど、コンテンツビジネスを読み解くものが多い。そんな中、当然セルフパブリッシングにも言及してきたし、そのメリットも取り上げてきた。しかし、自分自身それに取り組んだことがない。書籍刊行をTwitterで告知するたびに「電子版はないんですか?」とか、「有料メルマガをやらないのか?」と質問されることもある。なんとも居心地が悪い。
 どうしてセルフパブリッシングに取り組んで来なかったのだろうか?「時間がない」と言ってしまうのは簡単だが、よくよく考えると「書く」こと自体は日々相当な時間をかけている。要はその「投資」をどこに振り分けるかの問題だ。自分は技術者ではないが、ITをメイントピックに記事を書いている以上、電子書籍作りもできないわけではないはずだ。そのためのプラットフォームも次々と生まれている。
 つまり、他の多くの事と同様に、そこに必然性があればやれないはずがない。逆に言えば合理的にやりたい、やらねば、というところまで至ってないのであり、多くの物書きが同じような状況にあるのではないかと思う。それがどういう構造を伴ったものなのかを考えることは、セルフパブリッシング(本稿では有料メルマガなども含め、既存流通を介さない広義の自主出版を指している)を自らの活動の中にどう組込むのかを検討する一助になるはずだ。



  タチヨミ版はここまでとなります。


インディーズ作家の生きる道

2016年3月15日 発行 初版

著  者:まつもとあつし 倉下忠憲
イラスト:伊富魚
デザイン:0.9Gravitation
編  集:鷹野凌
発  行:NPO法人日本独立作家同盟

こちらのURLから、DRMフリーEPUBがダウンロードできます。
http://bit.ly/2ppeABG
ミンナニハナイショダヨ。

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NPO法人日本独立作家同盟

 NPO法人日本独立作家同盟は、文筆や漫画などの作品を、自らの力で電子書籍などのパッケージにして世に送り出している、インディーズ作家の活動を応援する団体です。伝統的な出版手法である、出版社から取次を経て書店に書籍を並べる商業出版「以外」の手段、すなわち、セルフパブリッシング(自己出版)によって自らの作品を世に送り出す・送り出そうとしている方々をサポート対象としています。

◆NPO法人日本独立作家同盟公式サイト:
http://www.allianceindependentauthors.jp/

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