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ノベルズ
上士幌町上士幌東3線259
延與雄一郎さん(36)
十勝ハーブ牛は、黒毛和種とホルスタインを掛け合わせた交雑種(F1)という牛です。F1は、黒毛和種の質の良い霜降りとホルスタインの肉量の多さという特徴を合わせ持っています。ノベルズでは、1度出産を経験しているF1のメスに17種類のハーブを餌に混ぜ与え、通常の肉牛より長い32カ月以上肥育しています。「ハーブを与えると胃が活性化され、整腸作用もあり、主食の牧草やわらをもりもりと食べ健康に育ちます」とノベルズ社長の延與雄一郎さんは話します。肉については「脂身が多すぎず程よい霜降りで、赤身が黒毛和種に比べて多く、食べていて脂っこくないと思います」と説明してくれました。
メスにこだわるのは、肉のきめが細かく舌触りが良いからです。そしてオレイン酸の割合がオスに比べて多いことから脂の口どけが良く、長期肥育することで赤身のアミノ酸成分が増加しうま味が増した牛肉になるそうです。
長期肥育すると肉はおいしくなりますが、コストは上がってしまいます。ノベルズでは、F1に黒毛和種同士の受精卵を移植し、生まれた子牛を販売することで肥育のコストを抑えています。
牛本来のうま味を持つ肉牛を作りたいとスタートしたノベルズは、現在、十勝ハーブ牛を約6300頭飼育しています。毎月250頭ほどを出荷しています。延與さんは「肥育期間が長い分、肉にうま味と味に深みがあります。脂の質も良くあきがこない牛肉だと思います。十勝ハーブ牛で好きな部位は、内臓系ですね。ホルモンは脂がたっぷりで、食べるとその脂が溶けていく感じです。どの部位もおいしいですよ」と笑顔で話してくれました。
十勝ハーブ牛の焼き肉とユッケです。さん臓代表の堀川雄三さんは「ホルモンは口の中でとろけるようなジューシー感で、他のホルモンと比べて臭みがないですね」と話します。極上生レバー焼はコクのある甘みが特長で、「あまり焼きすぎず、塩味で食べるのがお薦めです」。
ホルモンダイニング さん臓
帯広市白樺16条西5丁目1(ドリームタウン・ゲオ裏)
TEL0155・66・6642 営:17時~24時(LO30分前)
休:月曜(祝日の場合は翌日休) P:5台
(写真左、下から)●十勝ハーブ牛特上ダイヤモンドカルビ 1480円(税別)●十勝ハーブ牛脂付Wホルモン小腸&シマ腸(みそ、塩) 630円(税別)●十勝ハーブ牛極上生レバー焼 890円(税別)●十勝ハーブ牛塩ユッケ(たれ、塩) 990円(税別)(写真右上)
十勝ハーブ牛の牛肉100%のハンバーグです。ソースは蜂蜜を使ったデミグラスソースなど5種類から選べます。店長の斉藤達也さんは「十勝ハーブ牛は、赤身と脂身の割合がバランスよくおいしいので、赤身と脂身を一緒にひき肉にしています」と薦めています。
鉄板焼きレストラン tobachi(トバチ)
上士幌町居辺東15線229(旧東居辺小学校)
TEL01564・2・5183
営:11時~17時(LO30分前)、17時以降は完全予約制
休:火曜 P:あり
Tobachiハンバーグセット
1300円(税込)
北十勝ファーム
足寄町美盛3
上田金穂さん(55)
「牛が幸せだと、肉もおいしくなると思っています」。短角牛を育てている「北十勝ファーム」(足寄町)社長の上田金穂さん(55)は、そう話します。脂身が少なく赤身が特徴の短角牛について上田さんは「肉に臭みがなく、かむほどに味に深みを感じることができる」と説明してくれました。
北十勝ファームでは、多いときで約500頭の短角牛を育てています。母牛は3~6月に出産、子牛は母牛とともに過ごして、5月ごろから一緒に放牧され、秋に牛舎に戻ります。
通常、家畜としての牛は、生まれると、すぐに子牛と親牛は別々に飼育されます。小さいころは病気にかかりやすく、1頭が病気になると伝播する可能性が高くなるためです。上田さんは「(北十勝ファームで)生まれた牛の8割は親と一緒に放牧しています。愛情をたっぷりと受けながら、母牛と子牛が一緒に過ごすことは自然な姿だと思います。うちの牛は、生まれてから3カ月間病気にかからなければ、その後は病気になりませんし、ほとんどが出荷するまでに一度も病気治療の注射を打つこともないですね」。上田さんが牛を健康に育てていくためやってきた研究と努力の結果です。
ほかにもなるべく牛にストレスがかからないよう配慮しています。肥育牛の餌は100%国産です。配合飼料は、混ぜ合わせる素材を個別に購入し、牛に合わせて独自に配合していますが、肉質や味がどうなるかを上田さん自身が研究、確かめながら混ぜ合わせる割合を確立しました。上田さんの熱意が結集した短角牛の肉は、十勝をはじめ、本州のレストランで使われ、うま味成分が増加する「乾燥熟成(ドライエイジング)」の素材にもなっています。
北十勝ファームの短角牛のばら肉を赤ワインでじっくりと煮込み、十勝の野菜が添えられています。料理長の高橋光彦さんは「赤身がおいしくて、脂にもうま味があります。煮込んだときのおいしさもまた短角牛の楽しみの一つです」
millionsante(ミリオンサンテ)
帯広市西13条南8丁目1(帯広競馬場内とかちむら)
TEL0155・66・6778
営:11時30分~17時(LO)、18時~22時(LO)
休:木曜、第2水曜 P:帯広競馬場共用
足寄産短角牛の赤ワイン煮込み
2,000円(税込)
短角牛のウチモモ肉を使ったステーキです。店長の伊藤隆之さんは「短角牛を初めて食べたとき、味が濃くて驚きました。赤身の肉なので食べていてあきません」。ステーキは、肉本来のしっかりとした味が楽しめます。
ヒツジ堂
足寄町南1条1丁目14
TEL0156・25・6810
営:12時~14時30分、18時~21時(季節によって延長あり)、日曜12時~19時 休:水曜(月に1回、水・木曜休み) P:6台

短角牛のタリアータ
1,200円(税込)
トヨニシファーム
帯広市豊西町西4線9︱3
小倉修二さん(42)
「愛情を持って育てると、表情が優しく穏やかな性格になっていきます。牛も人間と同じです。それが健康でおいしい牛肉づくりにつながっていると思います」。帯広市内「トヨニシファーム」の社長・小倉修二さん(42)は大事に育てることの意義をそう話します。
同ファームは5haほどの敷地内で、地元十勝の酪農家で生まれた雄の子牛(初生)を中心に、生まれてから20カ月の間、牛にとってできるだけ良い状態で育つことに気を使い、一頭一頭の表情や動作、食欲など健康状態を記録しながら、清潔な環境の中で飼育しています。「牛のストレスを最小限にするため、1つのマス(集団)の入れ替えはしていません」。それも小倉さんの牛の気持ちに寄り添った姿勢です。粗飼料は地元(道産)の牧草、麦わら、デントコーンを中心に使用し、配合飼料はメーカーに指定して3つのオリジナルブレンドを牛の成長に合わせて食べさせています。
1988年(昭和63年)、小倉さんの父・豊さん(65、会長)が同ファームを設立しました。小倉さんは大学卒業後、食肉専門学校を経て、肉の卸し会社に就職。2012年(平成24年)2代目として跡を継ぎ、13年(同25年)4月に、『豊西牛』を立ち上げました。「牛肉の流通や売り方、飲食店のニーズなどを学ぶことができ、生産者となった今、フィードバックした形になりました」と胸の内を明かし「帯広のブランド牛として日本中に広めていくのが夢。国産牛の中ではお求めやすく、食べたときに得られる満足感が大きい、ちょうどいいぜいたくのできるお肉です」と小倉さんは自信を持って薦めます。
「トヨニシファームの良質なお肉をメニュー化できてうれしい。おいしい肉を気軽に食べていただきたいです」と話すオーナーの赤川貴士さん。肉の厚みがあり、適度な脂肪分を含む豊西牛のきめが細かく、うま味と風味が良いのが特長です。
かくれんぼ伊酒屋 じろう
帯広市西2条南9丁目14(小枝二条ビル2F)
TEL0155・26・6466
営:日~木曜18時~24時(LO30分前)、金・土曜17時~翌2時(フードLO1時間前、ドリンクLO30分前) 休:なし P:あり
豊西牛ステーキ串
(1本) 518円(税込)
トヨニシファームから直に仕入れている豊西牛を成形して低温で焼き上げたローストビーフ。オーナーの鈴木邦彦さんは「赤身肉の深い味わいを楽しめます。和風ドレッシングとポンズジュレのさっぱりとした味付けでどうぞ」と話します。
旬彩酒房 海彦山彦
帯広市西2条南9丁目14(小枝二条ビルBF)
TEL0155・21・5511
営:17時30分~翌1時(LO1時間前)、日曜~22時30分(LO30分前) 休:月曜(宴会予約のみ営業) P:なし
豊西牛のローストビーフサラダ
1,080円(税込)
吉田育成牧場
清水町熊牛85
吉田哲郎さん(37)
「十勝若牛」は生産者とJA十勝清水町が、18年ほど前から生産に取り組む約14カ月肥育のホルスタイン雄。通常の肥育期間は20カ月近いが、14カ月は赤身肉のおいしさが一番ピークになる時期で、きめ細かでやわらかい肉質や牛肉独特のクセや香りが少ないのが特徴です。
現在は町内6農家で飼育し、年間出荷頭数は5000頭ほど。酪農が盛んな清水町で、副産物のホルスタイン雄を活用し成功、軌道に乗ったのは最近。同牧場4代目となる吉田さんは「当初は父親たちがJAと試験的に始めましたが、ここまで来るのは平たんではありませんでした。その頑張りがあって今があるのだと思います」。
近年は、脂肪が少ない低脂肪・低カロリーの赤身肉を求める需要が増え、沖縄や関西圏など牛肉文化が浸透する地域を中心に販路を広げています。また同JAの子会社である「JA十勝清水フードサービス」では加工製造や販売流通を行い、消費者にダイレクトに商品を届けるのも強みの一つ。十勝若牛を使った「十勝清水牛玉ステーキ丼」もヒットし、牛肉消費量の比較的少ない北海道でも認知度が高まってきています。
吉田さんは組合長として営業に回ることも。「消費地で生の声を聞くのはとても貴重で励みにもなります。生産現場からも、もっと若牛の魅力を伝えていければ」と凛としたまなざしを向けていました。
肉のうま味をじっくり楽しめるステーキ重は甘さを抑えたタレで上品な味わい。食べ応えある150g。和食料理長の鈴木善久さんは「若牛は脂っぽくなく、とてもやわらかいので食べやすいお肉です。幅広い世代の方に人気ですよ」。
レストランバイプレーン
帯広市西1条南11丁目19(帯広天然温泉 ふく井ホテル2F)
TEL0155・23・7171(レストラン直通)
営:11時30分~14時(LO)、17時~21時30分(LO) 休:なし P:あり
十勝若牛サーロインステーキ重
(みそ汁、小鉢付き) 1,580円(税込)
最もやわらかいフィレをぜいたくに使い、そば粉などは全て清水町産。他にも〈十勝若牛サガリ丼〉や〈十勝若牛会席コース〉など独自メニューが多彩。「脂身が少ないので和食に最適な牛肉。気軽に若牛を味わってください」と代表の坪井一樹さん。
韋駄天(いだてん)
清水町南2条3-9-2
TEL0156・62・4947
営:11時~14時30分(ランチ)、17時~20時(ディナー)
休:月曜 P:あり
十勝若牛のせいろそば
1,450円(税込)
十勝和牛振興協議会肥育部会長
山川克之さん(50)
十勝の大地の恵みを十分に受けて育つ「十勝和牛」。北海道で生まれた黒毛和牛の子牛を十勝和牛振興協議会の会員(農家)が肥育し、ホクレン十勝枝肉市場に上場された黒毛和牛が「十勝和牛」です。十勝で飼育されている肉用牛は、ほとんどがホルスタインと、黒毛和種とホルスタインを掛け合わせた交雑種(F1)です。十勝で肥育されている黒毛和種は5%に過ぎません。
黒毛和牛を育てている農家は子牛を10カ月ほど育て素牛(もとうし)として主に道外に出荷する「繁殖農家」と、さらに20カ月肥育して肉牛として市場に出荷する「肥育農家」の2種類に大きく分けられます。十勝和牛振興協議会肥育部会長の山川克之さん(音更)は、繁殖から肥育まで一貫して黒毛和牛を飼育しています。生後3カ月までは母乳を、10カ月までは乾草と子牛専用飼料で、まず、しっかりと育っていける体作りをします。その後、稲わらと栄養価の高い配合飼料を中心に与えます。生まれてから体重が約800㎏になる30カ月で出荷されます。ホルスタインや交雑種と比べ肥育期間は長くなっています。山川さんは「体重の増え方がゆっくりで、脂肪分を蓄積させるために肥育期間は長いですね」と話します。
山川さんは、十勝和牛の肉について「脂の質が良く、うま味が凝縮されています。特にロースやヒレは肉の味が一番分かり、口に入れると脂が溶けてうま味を感じられます」と話していました。「十勝和牛」は、地域名と商品名を組み合わせ名称を商標登録する「地域団体商標」に2011年に登録。十勝の名とともに、さらに肉質を高め十勝和牛を全国に広げるよう農家の人たちは努力しています。
総料理長の馬渕善範さんは「十勝和牛は繊維質が細かく口の中でほどけるようです」と表現します。輸入肉は6~8時間煮込むそうですが、十勝和牛は「1時間30分ほどで十分軟らかくなり、肉の味が抜けないので肉の味を楽しめます」と話しています。
十勝農園
帯広市西1条南9丁目6
TEL0155・26・4141
営:17時30分~23時30分、金・土曜、祝日前日~24時(各LO1時間前)
休:日曜(祝日の場合は営業、翌日休)
とろとろ、十勝和牛のビーフシチュー
1,380円(税別)
十勝和牛は、適度な霜降りで、赤身の味をしっかりと感じられ、軟らかく肉のうま味、質の良い脂の甘味がじわっと染み出てきます。
レストラン 煉瓦亭
帯広市西15条南9丁目4
TEL0155・33・2700
営:11時30分~14時30分、17時~21時30分(LO30分前)
休:第2・第4水曜 P:あり
十勝和牛サーロインステーキ
5,400円(税込)
この本の内容はフリーマガジンChai2015年2月号掲載時の情報です。営業時間や価格、消費税等は変更になっている場合があります。
●十勝のニュースは
十勝毎日新聞電子版
http://kachimai.jp/
●フリーマガジン
十勝の生活応援マガジンChai
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●企画制作
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2016年3月1日 発行 初版
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