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 目 次

静かな森・風車 蘭泥

青葉色キッチン 味玉

春に咲く花 志野きき

桜咲く君と赤色の縁 877

さようならの日 藤井カスカ

最後の数尺 橋爪朝寿

旅路 ハルキ

不語ノ御伽噺 ~ Rabbit & Turtle ~ 風理

好きと嫌いのワンちゃん戦線 コスミ・N・タークァン

孵化 やっさん

泥の顔 二三竣輔

悪友と哲学者の行進曲 第九話「鈍痛」 二三竣輔

表紙イラスト タリーズ

あとがき

不均一な、自然のリズム

静かな森

風車

蘭泥

<新作読み切り・詩>

静かな森

 ビルのすきま のぞく三日月
 瞳のなかで  シルエットに
 流れる点   塵になり
 星空へと   落ちては消える

 ねむいからだ 草色のベッド
 冷たい渦に  溺れて昇る
 かじかんだ手 外へ伸ばす
 空気の色   底なしのブルー

 鳴りやまない コールのざわめき
 ノイズの波が 森を飲み込む
 残像残して  アリはうごめく
 果てないモーション ゆれる海原

 データの風が 悲鳴をあげる
 太った脳みそ 引き裂きながら
 鉄筋の樹々  あまいオイル
 照る日光   腐臭が湧く

 真四角の上  僕は寝そべる
 僕らの忙しい 鼓動をきくため
 バイブレーション 虚しく
 虫を地面に  叩きつける

 夕焼けの死骸 つもる悲しみ
 絡まった電線 緑に染められ
 張り巡らした 無数の根っこ
 葉っぱは発光 夜空を犯す

 口々に噂する 可哀想な
 AIの色恋  その結末を
 深い溜め息は ドアを吹き抜け
 ゆらゆら湿る 陽炎みたい

 クリック音は 息をひそめ
 静かな森は  瞼をとじる
 点滅する夢  そののちに
 絶えない波が 朝日を覆う


風車

 僕らの風車 風に煽られ
 舞いあがる 僕らの風車
 群青空へと 飛び立った

 今もどこかで 風車は回って
 舞っているよ 君の肩にある
 おおきな翼が 教えてくれた

 そして風車は 旅をしたのち
 雲にぶつかり 落ちていくよ
 どこか遠くの 異国の屋根に

 僕らの風車よ 飛んでゆけよ
 僕らの風車よ 淋しいのなら
 手紙を書いて よこしてくれ

 二人ぼっちの 僕らのために

先輩は変人料理家である

青葉色キッチン

味玉

<学内発表作品・小説>

青葉色キッチン

 懐かしい夢を見た。家族全員で食卓を囲んで、母さんお手製の具沢山野菜炒めの大皿をつつく夢だ。夢だから味はわからないが、その野菜炒めが美味しいことはよく知っている。幼い頃から幾度となく食べてきた、おふくろの味というやつだ。コショウをきかせた味付けは白米によく合い、茶碗と大皿だけの夕飯でも十分に腹を満たせた。次々と麦茶のおかわりを要求してくる弟の野菜嫌いは、なおっただろうか。キノコ類が嫌いだった妹は、シイタケを食べられるようになっただろうか。拝啓母さん。私は弟たちの好き嫌いの心配をできるほど、学校生活に余裕が出てきました。近いうちに手紙の返事を書きますので、どうかどうか、週に五回も手紙をよこすのはやめてください。せめて一枚に留めてください。一度に十枚も読み切れません。どうかどうか。
「悪霊退散! 私のルームメイトの夢から出ていけ手紙おばけめ!」
「いてっ」
 ぽかんとなにか軽いもので頭を殴られて、私は意識を浮上させた。朝日の眩しさのなか目をぱちぱちさせて部屋を見渡すと、赤毛のルームメイトがベッドの前で仁王立ちをしていた。手には映画監督が持っていそうなメガホン。私はこれで殴られたに違いないだろう。心配そうに私の顔を覗き込んだ彼女はほっと胸をなでおろした。
「よかった、手紙が一枚、手紙が二枚と言って苦しそうにしていたから起こしたんだが……」
「え、私、うなされてましたか」
「それはもう。ごらん、ひどい寝汗だ。着替えるといい」

サンプルはここまでとなります

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私達だけは、永遠でいよう。

春に咲く花

志野きき

<新作読み切り・小説>

春に咲く花

 冬が好きだ。
 ピンと張りつめた痛いくらいに冷たい深夜の空気とか、神聖なくらい澄んだ空気とか、いつまでも残る真っ白な息とか、凍った湖とか、目の前いっぱいに広がるきらきらした星空とか、風に吹かれたときおでん食べたくなる、あれとか。
 うちの家のおでんにはじゃがいもが入るのだけれど、それがまた格別で、母さんの作ったおでんに勝てるものはいなと思う。煮崩れするからと別の鍋に作ったじゃがいもは箸で切れ目をいれればほくっと割れ、白い蒸気を立ち上らせる。一口サイズに切り分けて口に入れれば、出汁の優しい香りと味がひろがる。
 実家に帰って、母さんのおでんを食べたくなってきた。
 バイト終わり、アパートへ帰りながら寒いなあと吐いた息が白かった。今日は特に寒くて、指先が固く冷えていた。
 だから、母さんのおでんなんて思い出した。
 来週には実家へ帰るし、おでんが食べたい、と連絡しておけばそのうち作ってくれるだろう。
 東京へ出て来て一年。夏に実家へ帰らなかったから、私が故郷の風景を見るのは、同じくほぼ一年ぶりだ。
 昔からずっと、人付き合いが苦手だった。自分の気持ちを上手く他人に伝えられない。相手の言葉を何度も反芻して、自分の言葉を何度も反芻して、やっと私は声に出せる。中学三年生のときのあるできごと以来、私はもっと、喋るのが苦手になってしまった。
 そんな後ろ向きな自分を変えられないかと意を決して東京へ出てきたものの、期待と不安で塗り固められた大学はとても億劫な場所へと変貌を遂げていた。
 人は、そう簡単に変われない。
 大学生の春休みは異様に長くて、一月末に後期が終わったかと思えば、前期は四月の中旬に始まるという。ほぼ三ヶ月あるこの長期休暇を春休みと呼んでいいものか否か少し引っかかるところではあるけれど、一ヶ月半はバイトに勤しみ、残りの半分は実家へ帰ることにした。
 バイトは深夜帯のコンビニをやっていた。来る客数が昼間と比べたら少ないことと、それに伴って店内の整理整頓や清掃が主な仕事内容だからだった。実際、強面で刺青が入っていて、なんて人も何人か来たことがあるけれど、大体くるのは、遅くまで働いてきたのであろう眼鏡をかけたサラリーマンと、若いOL、ひきこもりっぽい二十代半ばくらいの男性だった。
 常連客と仲良くなる、なんてことは無理だけれど、あ、今日は来たんだ。とか、あ、今日もいるんだ。とは認識し合う意識は、なんとなくお互い、持っていた。現に、ひきこもりの煙草の銘柄も、彼の喫煙ペースも私は把握してしまっていた。新しく黒マルを買っていった三日後にはまた新しく買いに来るのだ。
 実家は写真屋で、七五三や証明写真、家族写真、成人式の前撮りなんかを父さんは撮っていた。時代の波に逆らわず、デジタルプリントの機械も数年前から導入されている。お客さんが自分でデータを持ってきてどれを印刷するか決めて注文する、というあれだ。
 店の奥には扉を挟んで小さなスタジオがあって、そこで写真を撮っていた。同じ通りにある美容院でヘアメイクや着物の着付けをして、うちで写真を撮る、というのがよくある光景だった。
 店の二階が住居になっていて、そこには両親と弟の名幸なゆきが住んでいる。名幸は高校二年生で、俺も東京に行きたい、と騒いでいるらしい。早々に実家を出ていった私が羨ましいのだという。東京に憧れる気持ちと、一人暮らし、という響きは、高校生にとってかなり魅力的だろう。
 私は名幸となら、唯一まともに話せた。名幸は私と違って性格も明るいし人付き合いが上手いし、私の言葉をゆっくり聞いてくれる。そして私に過度の期待をしていない。私の出来る最大限を知っていて、それ以上は求めてこなかった。勉強の面倒はみるけれど、友人関係の相談は出来ない。そういう具合に、彼は私によく合わせてくれる子だった。
 それから、名幸はバレーボールが上手かった。身長は私に似てあまり伸びなかったけれど、リベロとして部活に貢献していた。しかもだいぶセンスがいいらしい。部活で推薦がとれるんじゃないか、という噂だ。
 レギュラー入りしたのは二年生からだから、私はまだ彼が活躍する場を見ていない。三月に近隣の高校が合同で行う試合があるらしいから、一度くらいは雄姿を見ておくべきかなとは思っている。
 母さんは少しだけ厳しい人で、どもる私によく腹を立てていた。どうしてあんたは上手く話せないの、と頬をぶたれたこともあるし、それに対して私はいつもごめんなさいと謝るのだけれど、正直、なにに謝っているのかも分からなかった。
 こういうと母さんのことが嫌いなように見えるかもしれないけれど、私は母さんのことが好きだった。母さんの作る料理は多分、世界で一番美味しいし、私のことを考えてくれているんだろうなとも、なんとなく分かる。私が東京へ行くのを決めた時、一番反対したのは母さんだった。
 父さんは寡黙で、笑った顔を見たことがないけれど、シャッターを押す一瞬だけは、とても優しそうな顔をする。私の上京を後押ししたのは父さんだった。正直、父さんが何を考えているのか分からなかった。でも少し離れてみて、父さんも私と同じで話すのが苦手なんじゃないかと、なんとなくそう考えるようになった。だから多分、私が東京へ行きたがる本当の理由も、分かっていたんじゃないかな、なんて考えていた。
 父さんがあまり話さないから、店番はほとんど母さんがやっていて、父さんがやるのは撮影と現像くらいだった。
 地元自体は、田舎、というほどの田舎ではないと思う。駅の大きな待合室にはコンビニがあって、奥にはドトールがあるし、家とは反対の方へ歩けば居酒屋も塾もある。駅前のロータリーはタクシーがずらっと並んでいて、観光客への対策はバッチリだった。
 それでも、都会から見たら十分田舎なんだろうな、とも思う。電車は三十分に一本しか来ないし、昼間は二両編成が当たり前。上りと下りのホームは陸橋を渡る必要があって、車社会だから歩行者用の信号が青色になる時間はやたらと短い。
 少し歩くと大きな湖が近くにあった。冬になると雪がよく降って、湖は凍っていた。その上を鴨が歩き回って、たまにサギやカラスがちょっかいを出しに来る。それはみんなで遊んでいるようにも、なにかを争っているようにも見えた。


 二月二十八日まできっちりバイトを終えて、三月一日、特急に乗って実家へ帰った。
 実家では何をするでもなくだらだらと一日を過ごした。ストーブの前で丸くなりながら本を読んだり、こたつで猫と昼寝したり、雪かきを手伝ったり。
「ねえ花梨。そういえば、中学校なくなるらしいわよ」
「……中学校」
「あんたが行ってた中学」
「そう、なんだ」
 近所に中学校は二つあって、それが少子化の影響で統合するらしい。
 別に興味はなかった。私は中学校が大嫌いだったし、思い出したくもなかった。でも、やることがあまりにもなさすぎて、私は暇を持て余していた。部屋の本は何十回も読んだことのあるものだし、東京のアパートに置いているものは荷物になるからと置いて来てしまった。適当に名幸と遊ぼうかと考えていたのに当の本人は毎日部活へ行っている。
 中学校へは卒業してから一度も行っていないし、まあちょっと見に行くくらいなら、とこたつと同化しかけていた体を引きはがして行ってみることにした。
 長いチェスターコートを羽織って、マフラーをぐるぐる巻きにした。分厚い手袋をはめてムートンブーツをしっかり履き、家を出た。
 中学校まで向かう通学路は、思い出が徐々に湧き出てくるようですごく嫌だった。道端にある小さなお地蔵さん、なだらかな登坂、街灯の少ない路地、コンビニの光。
 イヤホンを携帯につないで耳に押し当て、目線を足元に移した。
 視覚も聴覚もシャットダウンして、思考も止めた。思い出さないように、思い出さないように。
 そうしているうちに足元のアスファルトの色が変わって、パッと目線を上げた。
 目に入ったのは中学名が書かれた銅のプレート。あ、やっぱり来なきゃよかったかも、と一瞬で考えが変わった。
 中学校は時間が時間で人気はなかった。まだ日の落ちきる前だから先生のひとりやふたりならいるだろう、と思ったのだけれど、その予想はどうやらハズレらしい。この時期、部活も早々に切り上げていたのをなんとなく思い出した。
 一年生の時だけ入ったバレーボール部は楽しかったけれど、なかなか上手くならない自分に嫌気がさして辞めてしまった。よくよく考えれば、人一倍練習していたわけでもないのだから当たり前なのに。
 帰ろうかとも思ったけれど、せっかく来たのだし、いっそここで見て回って二度とこないことにしよう、と思って軽く校舎を見て回ることにした。手袋をコートのポケットに突っ込んで、適当にスリッパを拝借する。ムートンブーツは脱いだまま、昇降口に置いていった。下駄箱はどれも上履きが並んでいて、中に人がいないことを示していた。
 人のいない校舎は不気味で、しん、と静かで、私の恐怖心をかきたてた。日が落ちて、辺りはもう暗く、月が顔をのぞかせている。やっぱり今日は帰れば良かったかもしれない。
 だから、心臓が跳ねた。
 三年生の教室に人影があった。電気がついていない。ストーブもついていないようだった。怖いもの見たさでそろそろ、と教室に近付いて、ドアの透明な窓から覗く。こんな時間にいる人影なんて、もう答えはひとつだろう。足がなかったらどうしよう。
「……」
 人影は窓辺にひとり佇んでいて、その姿が月光に照らされていた。顔は私より幼くて、中学生くらいに見えた。黒い学ランを着て、足も見えた。多分、生きている人だ。
 白く照らされた横顔がすごく神秘的で、思わず眺めてしまう。
 そのとき足に何かがふわっと当たって、私はぎゃっという可愛げのない悲鳴とともに転んだ。
 転んだ衝撃でドアがガタガタっと音を立てて揺れて、廊下はまた静かになった。
「誰かいるの?」
 教室のなかからそう声が響いて、それは多分、あの音の子だ。
 私は顔が赤くなった。この状況で、どもらずにうまく説明できるだろうか。そもそも、あなたの横顔が素敵で、なんて言えるわけない。
 教室の電気がパッとついて、ドアが開いた。目に電気の光が痛い。
「大丈夫?」
 私はほとんど半目で彼を見た。彼は私の様子を伺って、察したのか教室の電気を消した。私はやっと目を開いて、すみません、とだけ小さな声で言った。
「怪我はない? 俺の手、どうぞ」
 彼はそう言いながら私の手をとって、引っ張り上げた。彼の手は大理石のように冷たかった。
 手を引かれて教室のなかへ入ると、彼はドアを静かに閉めた。月の光に照らされた教室はとても寒くて、見慣れたはずの机や椅子や、黒板がいつもとは違う風に見えた。とても幻想的で、まるで違う世界にでも飛び込んだかのようで、少しそわそわした。
 彼は先ほどのように窓辺へ座り、私はその近くの席に座った。
「俺はシラン、あなたは?」
「あ、二蛄にけら花梨かりん、です」
「素敵な名前だね」
 彼――シランはそう言って笑った。目を細めて、小さな口の口角をきゅっとあげて、とても綺麗に笑った。
 先ほどは分からなかったけれど、シランは細身で、学ランの袖から出た手首や、襟から見える首がとても細かった。黒髪はしっとりと艶やかで、前髪が少し長い。長いまつ毛に大きな目。
「花梨はなにをしていたの?」
 声は鈴のように軽やかで凛としていて、それでいてチェロのような低音と厚みも兼ね備えていた。
「あ……ここ、が……その、」
「大丈夫、ゆっくり話して。あなたの声はとても綺麗だから、ゆっくり聞きたい」
 上手く言葉の繋げられない私に、シランは優しく言った。
 そんなことを言われたのは初めてだった。私はいつだって、早く話すことを求められてきた。
 私だって、そんなに早く話せるならやっているのに。なんでそんなにちんたら話すの、と何度も言われてきた。話したくても、言葉が上手く出てこないのに。
 誰も、分かってくれない。
「私の母校、で、ここ。廃校になるって、聞いたから……きてみたく、なって」
「ああ……うん、なくなっちゃうみたいだね、ここ」
 シランは私の言葉をきちんと聞いて、咀嚼してから答えたように見えた。こんなに丁寧に言葉を聞き取る人は、初めて見たといってもいいくらいだった。
「シラン、は」
「人を待っているところ。……花梨、今日はもう遅いから、あなたは帰った方がいい」
 それはあなたもじゃ、と言いかけたところで、シランはまた私の手を取った。
 冷たく硬い手に引かれ、昇降口まで連れていかれる。
「次は、もう少しだけ早い時間に来て。そうだな、三十分くらだいけ、早く」
「……うん」
「それじゃあ」
 シランに手を振られ、私も振り返した。昇降口を出ると風が一層冷たくなっていて、私はマフラーに顔をうずめた。ポケットに突っ込んでいた手袋を出す。
 中学の男子の制服は、学ランだったろうか、と考えながら帰った。

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春に別れ、春に出会う

桜咲く君と赤色の縁

877

<新作読み切り・小説>

桜咲く君と赤色の縁

 大切なやくそくをした。はらりはらりと散る桜の花びらが舞うのに合わせて、私の目からも雫がこぼれていたから、景色はどこまでもぼやけていた。上を見上げれば、咲き誇る桜の隙間から晴天の青が覗き、まるでピンク色の雲が浮かんでいるような、そんな不思議な空間だった。桃色と水色ばかりのそこには赤い鳥居が一つだけあって、やけにその存在を主張していた。ちょうどそんなところで、私は叶いそうもないやくそくをしたのだ。




 春は、嫌い。ポカポカとした日向の暖かさも、お日様の香りも、咲き誇る色鮮やかな花も、儚く散りゆく桃色の桜も、全部大好きだけどやっぱり春は嫌いだった。出会いの季節なんて言われているこの季節は同時に別れの季節でもあるのだ。私の中で春は、哀しみの季節だという印象が根深くあった。これには勿論理由がある。桜咲く穏やかなこの季節は私から多くのものを奪って行った。よく餌を与えていた渡り鳥、近くに住んでいた年寄りの犬、真っ白な雪、卒業していく先輩、友人、そして家族まで。もう朧げなそれらの記憶。ただ、満開の桜の下ですすり泣いていたことだけはハッキリと脳に焼き付いて残っている。だからだろう。春は、どんなに好きなことがあっても、嫌いなままだった。

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もう哀しくない、もう寂しくない。

さようならの日

藤井カスカ

<新作読み切り・リレー小説>

企画「リレー小説」について

「飛行機」、「オムライス」、「AT」。藤井カスカさんの『さようならの日』はこの三つのワードを取り入れたリレー小説の第一弾の作品です。
 まだ『澪標』の制作に携わって日の浅い新入生が企画立案したのが、この三つのワードを取り入れたリレー小説です。全く関連のないワードを出した方がおもしろいな、と選んだのが「飛行機」、「オムライス」、そして「AT」でした。
 この「AT」はなかなかのキーワードだったりします。人のイニシャルだったり、何かの略語だったりと解釈は無限にあります。藤井さんはATを自動車のオートマチック車として三つのワードをストーリーに自然に取り入れています(スゴイ!)。ぜひもう一度読み返して三つのワードを探してみてください。
 さて、次回のワードは「ココア」、「傘」、そして引き続き「AT」です。また共通点のないワードを選びましたので一読者としてどのように取り入れてくるのか楽しみです(笑)。
 やってみたい企画がまだまだあれやこれやあるので、澪標を盛り上げる企画をこれからもどんどん立案していきます。お楽しみに!

身を尽くす会編集者 ジョリー

さようならの日

 カーステレオは、同じ曲をくりかえし再生し続ける。聞きなれた歌、聞きすぎた歌。そんな終わりのない旋律と同じように、窓の外を流れる海岸線にも終わりはない。
 私たちはどこへ行くのだろうか。それは誰にも、そう、私にも助手席に座るノノにも分からない。あてもなく、さまよい歩く濡れた野良犬みたいに、どこまでも車を走らせる。
 だけど、行く場所は分からなくても、やるべきことは分かっている。ずっと遠くの知らない場所――そこへ、私は捨てに行かなくてはならないのだ。

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本当のこと

最後の数尺

橋爪朝寿

<新作読み切り・小説>

最後の数尺

「たかしくん」
 真悠子がそう言って手を広げた。Tシャツから覗く彼女の胸元は少し汗ばんでいて目を逸らしそうになってしまった。この光景をきっと僕はずっと望んでいたのだろうけれど、やっぱり少し違う。僕の名前はたかしじゃないし。
 アダルトビデオを見て、こんなにも機材や人に囲まれてそんなに興奮したり、行為に集中できるのかと疑問に思ったことがある。だが、実際そういった状況に立たされると、いやでも体は興奮するし、それ以上に胸の内にアブノーマルな、不思議な動悸が動き回っているのを感じた。
 僕は周りを見回した。僕の正面には真悠子がいて、その肩ごしにカメラマンがカメラを構えている。その脇には智樹がいて眉をしかめながら、僕に表情で合図する。真悠子と僕の中間地点、カメラの死角になった上方には音声スタッフが構えているガンマイクがある。その横で疲れた顔のアシスタントがぼんやりと立ち尽くしている。
「たかしくん」
 真悠子が、もう一度違う名前を呼んだ。
「ちさと」
 僕も、違う名前を呼んだ。


「なあ、洋一」

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なんでか思い出すのは、なんでもないことばかりなんだ。

旅路

ハルキ

<新作描き下ろし・イラスト>

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それは御伽噺の淵源。語られ不、忘れ去られた本当の物語。

不語ノ御伽噺
~ Rabbit & Turtle ~

風理

<新作読み切り・小説>

不語ノ御伽噺 ~ Rabbit & Turtle ~

 昔々、気の遠くなるくらい遠い昔、空は今よりずっと蒼く、水は澄み、草木は生い茂り、世界は夢と奇跡と大いなる魔法で煌めいていた、そんな輝かしい時代のこと。西の果てにある王国が、魔物の脅威に苦しめられておりました。

「お前たちをここに呼んだ理由は、言わずとも分かっておるな?」

 心優しきその国の王は、嘆き苦しんでいる民の声を聞き、二人の戦士を城に招いたのです。

「存じ上げております、王よ。かの村に魔物が巣食い、民たちが住処と食物を奪われたとの噂、私めの耳にも届いておりますゆえ」

 一人の名は、ヴェローリオ。速さにおいて右に出る者はなく、幾千の戦いを乗り越えて無傷。一撃離脱で徐々に敵の体力を削り、弱ったところを確実に仕留める、神速の剣士。通称、ウサギ。

「……魔物らは王都を目指し、更に侵略を進めていると聞いております。奴らを蹴散らし、王都を守ると共に村を取り戻す……それが我々の、成すべき使命でありましょう」

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バウバウバウッ!

好きと嫌いの
ワンちゃん戦線

コスミ・N・タークァン

<新作読み切り・エッセイ>

好きと嫌いのワンちゃん戦線

 何の気なしに好きだと思っていたものが、好きか嫌いかの天秤にかける前であったことに気付かされた、そんなエピソードである。
 私は、某不動産会社のポスティングスタッフとして週に一度、同じ区域で戸建専門にチラシを投函している。
 バイトの初日。
 住宅地の一角。瓦屋根の家に、一匹の犬。白い毛並みの健康的な顔の雑種犬であった。
 じっとこちらを見ている。かわいらしいとその時は素直に思っていた。
「こんにちは」
 と、私は小さく口を動かし、犬に挨拶をした。
 動物と会話できるような超能力は使えない。当然のことである。ただ単に、電車で見ず知らずの赤ん坊と目が合って、つい笑顔になってしまうようなたわいのない行動である。
 依然としてこちらを凝視しているワンちゃんを愛らしく思いつつ、私はチラシをポストに入れた。
 バウバウバウッ!
 前傾姿勢で鼻息荒く、琥珀めかした光沢の牙剥き、吠え立てる。鎖はジャラジャラと鳴る。
 仰天した私は、後退る。
 番犬の役割を果たし、敵意を私に向けていたのである。

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ほんの些細な驚きと恐怖

孵化

やっさん

<新作読み切り・小説>

孵化

 あれは確か十一月の初めくらいだっただろうか、晴れだったか曇りだったかも覚えていないがとにかく寒かったとだけは覚えている。
 覚えている限りでは、あの時の私は昨日の疲れもあってぐっすりと眠っていた。なぜか全く関係ないような、どうでもいい事だけは覚えているというのも不思議ではあったが、それくらいに強烈な体験を経験したのだと思って欲しい。
 覚えている限りでは、あの日はどこからか聞こえる囁き声で目を覚ましたのだった。囁くというよりかは風の音というか虫の息と言った方がいいような、音なのか声なのかも分からないような弱いものだったはずだ。まだ眠気の残っていた私はそのまま二度寝に入りたい気持ちもあったが、それ以上にこの声の持ち主が誰なのか気になった。そして私はゆっくりと体を起こして、声が聞こえた方向、ちょうど私の枕元らへんに目を向けた。確かにそこにはあるものが転がっていた。まあ面白いものではない、何の変哲もない一匹のゴキブリだ。しかもそれはぴくりとも動かず、死んでいるように見えた。
「なんだぁ、ゴキブリじゃないか」
 ぴくりとも動かないそれを見て、私の中に何とも言えない失望感が漂った。また眠りに付きたい気分の中で期待に身を任せて確認し、いざ分かった正体は事切れたゴキブリ。メルヘンチックなことは期待していなかったとは言え、そのショックは大きなものだった。だが、この後に起こることを考えると、私の予想は半分は正しかったのかも知れない。

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暗く冷たい泥の底で、ただただ貴女を嘲笑う

泥の顔

二三竣輔

<新作読み切り・小説>

泥の顔

 冷たい。
 むしろ痛いとすら表現してもいいような、そんな、どうにも苛つく刺激が私の体を貫こうと、必死にぶつかってくる。
 最初はいちいちそれを振り払っていたのだが、途中から億劫になってしまい、私はそれを放っておくことにした。
 この苛立ちを受け入れたわけではない。断じてない。ただ妥協しただけだ。そうしなければどうにもならないと思ったから、私は、私の中でどうにか折り合いをつけたのだ。
 さっきから忙しなく動いているせいか、ひどく喉が渇いてきた。
 かといって、黒い轟々とした空からこれ見よがしに降っている雨粒は、私の渇きを潤すのには役立に立たず、腰のポケットに無理矢理差し込んでいたペットボトルの水は、ついさっき空になったばかりだ。結局、私が我慢するという以外に選択肢は無いらしく、ち、と舌打ちだけして、堪えることにした。
 作業に没頭していくうちに、私の頭の中では様々な記憶が少しずつ掘り起こされていった。埋める作業をしているのに、その傍らで、掘り起こされているというのも、ずいぶんと滑稽な気がするが、ともかく私は自分の中の記憶と対峙しては、見送る作業を繰り返していた。
 それは、子供がガラクタを一生懸命に詰め込んだ宝箱をのぞき込んでいるような、そんな気恥ずかしさと、情けなさが同居した、なんとも珍妙な体験だった。

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大丈夫、全てが大丈夫だ。

悪友と哲学者の行進曲
 
第九話「鈍痛」

二三竣輔

<新作連載作品・小説>

悪友と哲学者の行進曲 あらすじ

 不気味な悪夢にうなされていた男。
 陰湿な雰囲気に憑りつかれているようなその男は、自分の暗い過去と、過去に囚われている自分に決着をつける覚悟を決める。
 その矢先、訪れてきた急な来客。
 それは隣に引っ越してきた、藤堂慶介という風変わりな男だった。
 彼との会話に混乱していく男だったが、藤堂はそんな男に何かを感じていた。
 物語は、動き出す。

第一話「魔窟」
澪標 二○一五年七月号
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第二話「理由」
澪標 二○一五年八月号
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第三話「受信」
澪標 二○一五年九月号
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第四話「決断」
みおつくし 二〇一五年十月号
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第五話「悪友」
みおつくし 二〇一五年十一月号
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第六話「悪夢」
みおつくし 二〇一五年十二月号
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第七話「隣人」
澪標 二〇一六年一月号
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第八話「視線」
みおつくし 二〇一六年二月号
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第九話「鈍痛」

 今朝のあれは、一体何だったのだろう。
 急に僕の部屋の隣に引っ越してきたという青年のことが、頭から離れない。
 なんだかこのフレーズだけ聞くと、恋する乙女のようだが、実際に僕が考えていることは、いかに彼と関わらずに過ごすかだ。
 初対面だというのに、僕の頭の中の警報は彼を見た途端痛いほどに鳴り響いていた。きっとこれから彼に関わっていくとろくなことにはならないのだろう。あまり関わりたくはない。
 どうにかして彼とのマンション内での遭遇率を下げられないものだろうか、そんなことを考えていたが、不意に意識が引き戻された。
「あのう、どうかなさったんですか、小林先生」
 後ろから、若干高めの綺麗な声が聞こえてきた。
 振り返ってみればそこには、すらっとした長身の女性がいた、長い髪を後ろで一つに結び、あまり化粧をしておらず、それでも綺麗な顔立ちをしている。
 ただ僕は、気が強そうな細い目だけがどうにも苦手だ。
「いや、なんでもありません、大丈夫ですよ。荻原先生」
「小林先生の大丈夫はあてにならないんですよ。なにか問題があるのなら、私なり、他の先生方なりにきちんと相談してくださいね」
 優しい言葉に軽く感動してしまうが、同時に随分と男らしい発言だなあ、とも思った。きっと本人にとっては不本意なのだろうが。
 相談しろと言われても、まさか、新しい隣人に獣並みの警戒心を抱いていて、どうすれば一切関わることなく日常生活が送れるのか考えていました、なんて言えるはずもなく、とりあえず適当に、はあ、とだけ返しておく。
 荻原先生の気遣いは嬉しいし、有難いのだが、今考えていることは誰かに相談するほどのことではないだろう。
「あれえ、どうしたんですか。小林先生、荻原先生」
 急に横から無理矢理割り込んできた声を聞いて、ぞっとした。
 この声は、僕にとって、なるべくなら聞きたくない声だ。
 腹の中を揺さぶるような重低音。
 聞いている者に不快感を与える為にわざとそうなっているのではないのだろうかとすら思える、かすれた音。
 媚びるような、自分はあなたに気を遣っていますよ、とわざとらしくアピールするかのような甘ったるい感じ。
 ただ、残念なことに外見がいいだけでこの声が好きだという人は多いらしい。特に女子生徒たちの間では有名だ。
 顔がいいだけのこいつを、まるでモデルかなにかのように崇めている連中もいるらしい。狂気の沙汰である。
「いや、別になんでもありませんよ」
 荻原先生は軽く顔をしかめた。荻原先生も、この声とあの顔が嫌いらしい。
 男はどうやら、僕のデスクのすぐそばまで来たらしい。
 教師とは思えないような、きつい香水の匂いが僕の鼻を刺激してくる。気分が悪い。
 こいつの顔を見たくなくて、僕は顔を俯けたまま、乱暴に立ち上がった。
「では、僕は授業がありますので失礼します」
 早口で捲し立てて、僕は出席簿や授業で使う書類をひっつかんで、職員室を出た。ちらりと見えたあいつの横顔は、嫌らしく笑っていたような気がした。
 その横顔を見ると、頭が痛む。
 僕の頭の中を、誰かが好き勝手に荒らしているかのような、そんな気がする。
 だが、この鈍痛とももうすぐお別れだ。
 大丈夫。すべてが大丈夫だ。
 僕は自分にそれを言い聞かせながら、教室へと向かった。

〈続く〉

表紙イラスト

タリーズ

<新作描き下ろし・イラスト>

あとがき

編集後記

二三竣輔




 皆さんこんにちは。『澪標』編集長、二三竣輔です。
 この度は『澪標』二〇一六年準備三月号を読んでいただき誠にありがとうございます。
 今回の準備三月号では、今までやっていたミニ版の『みおつくし』をとりやめて、四月に発売する予定の『澪標』二〇一六年四月号の準備号として、四月号に掲載する予定の作品のサンプルを掲載することにしました。
 突然このようなことをして、読者の皆様には大変なご迷惑を犯してしまいました。申し訳ありません。
 これも、読者の皆様に少しでも楽しんでいただくための我々なりの試行錯誤なのです。どうか温かい目で見ていただけると幸いです。
 前述のとおり、今回の準備三月号はサンプル公開ということで、一部の作品を除いて範囲を限定して公開させていただいています。
 これにご不満な方もきっといるでしょう。申し訳ないです。
 それだけ我々は次回の四月号に力を入れていて、それを皆様により一層楽しんでいただけたら、と考えた結果です。
 次回の四月号は、掲載する書き手の方、皆さん気合が入っていて、仕上がった作品はどれも素晴らしいものばかりでした。そのおかげで四月という季節を飾るにふさわしい作品が作れたと自負しております(あまりハードルを上げ過ぎると怖いですが)
 四月という門出の季節に新鮮な気持ちなっていただけるような、そんな作品になりました。この三月号でその片鱗だけでも感じで頂けたら幸いです。
 改めまして皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、我々『澪標』関係者一同これからも精一杯努力していきますので、何卒応援のほどよろしくお願いします。
 では、またお会いしましょう。


 平成二十八年 春雷

二三竣輔

身を尽くす会 作品紹介

◆『澪標』二○一五年四月号 小桜店子(編・著) 二丹菜刹那(著) 尋隆(著) 高町空子(著) 藤井カスカ(著) 篠田らら(著) 青空つばめ(著) 朝霧(著・表紙イラスト) あちゃびげんぼ(著) 吉田勝(表紙撮影)

◆『澪標』二○一五年四月号 ランディングページ
 http://miotsukushi1504.tumblr.com

◆『澪標』二○一五年六月号 小桜店子(編・著) 藤井カスカ(著) 二三竣輔(著) 青空つばめ(著) 二丹菜刹那(著) 古布遊歩(著) 矢木詠子(著) 松葉クラフト(著) 朝霧(イラスト) 逸茂五九郎(著) 篠田らら(著) 櫻野智彰(著) ひよこ鍋(著・表紙イラスト) 咲田芽子(著) 尋隆(著)

◆『澪標』二○一五年六月号 ランディングページ
 http://miotsukushi1506.tumblr.com

◆『澪標』二○一五年七月号 小桜店子(編・著) 青空つばめ(著) 逸茂五九郎(著) 松葉クラフト(著) 篠田らら(著) 南波裕司(著) ZOMA(著) 藤井カスカ(著) 尋隆(著) 二丹菜刹那(著) 高町空子(著) 毒蛇のあけみ(著) 二三竣輔(著) タリーズ(表紙イラスト)

◆『澪標』二○一五年七月号 ランディングページ
 http://miotsukushi1507.tumblr.com

◆『澪標』二○一五年八月号 小桜店子(編) 朝霧(著) 三角定規(著) 二三竣輔(著) ヨシ(著) 二丹菜刹那(著) 海風音(著) ひよこ鍋(著・表紙イラスト) コスミ・N・タークァン(著) 篠田らら(著) 青空つばめ(著) 藤原翔(著)

◆『澪標』二○一五年八月号 ランディングページ
 http://miotsukushi1508.tumblr.com

◆『澪標』二○一五年九月号 小桜店子(編) 高町空子(著) 二三竣輔(著) 尋隆(著) 二丹菜刹那(著) ひよこ鍋(著) テトラ(著) 朝霧(表紙イラスト) 吉田勝(表紙撮影)

◆『澪標』二○一五年九月号 ランディングページ
 http://miotsukushi1509.tumblr.com

◆『みおつくし』二○一五年十月号 小桜店子(編) 青空つばめ(著) 尋隆(著) 二三竣輔(著) 二丹菜刹那(著) ZOMA(表紙撮影)

◆『みおつくし』二○一五年十月号 ランディングページ
 http://miotsukushi1510.tumblr.com

◆『みおつくし』二○一五年十一月号 小桜店子(編) 二三竣輔(著) 青空つばめ(著) 松葉クラフト(著) 二丹菜刹那(著) 三枝智(表紙撮影)

◆『みおつくし』二○一五年十一月号 ランディングページ
 http://miotsukushi1511.tumblr.com

◆『みおつくし』二○一五年十二月号 小桜店子(編) 尋隆(著・表紙撮影) 二三竣輔(著) ヨシ(著) 二丹菜刹那(著)

◆『みおつくし』二○一五年十二月号 ランディングページ
 http://miotsukushi1512.tumblr.com

◆『澪標』二○一六年一月号 二三竣輔(編・著) 小桜店子(編) 風理(著) 志野きき(著) 肉馬鈴薯(著) コスミ・N・タークァン(著) CO2(イラスト) 大久保智一(著) やっさん(著) 味玉(著) k氏(表紙イラスト) 野秋智(表紙撮影)

◆『澪標』二○一六年一月号 ランディングページ
 http://miotsukushi1601.tumblr.com

◆『みおつくし』二○一六年二月号 二三竣輔(編・著) 小桜店子(編) 野秋智(著) 松葉クラフト(著) 二丹菜刹那(著) タリーズ(表紙イラスト)

◆『みおつくし』二○一六年二月号 ランディングページ
 http://miotsukushi1602.tumblr.com

◆『別冊澪標』七夕号 小桜店子(編) 柊藤花(著) 青空つばめ(著) 藤井カスカ(著・イラスト) 二丹菜刹那(著) 篠田らら(著) 二三竣輔(著) 尋隆(表紙イラスト)

◆『別冊澪標』七夕号 ランディングページ
 http://miotsukushi-tanabata.tumblr.com

◆『別冊澪標』クリスマス号 小桜店子(編) ひよこ鍋(著) 尋隆(著) 二三竣輔(著) 青空つばめ(著) おふぃう(表紙イラスト)

◆『別冊澪標』クリスマス号 ランディングページ
 http://miotsukushi-xmas.tumblr.com

◆『春夏秋冬』鈴原鈴(著) 爽燕(著) 藤井カスカ(著) 小桜店子(編・著)

◆『春夏秋冬』ランディングページ
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◆『永久のように長く、一瞬のように短いものだとしても』二丹菜刹那(著) タリーズ(表紙イラスト) 小桜店子(編) 霊魂吐息(編)

◆『永久のように長く、一瞬のように短いものだとしても』ランディングページ
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澪標 2016年準備03月号

2015年3月27日 発行 初版

著  者:二三竣輔(編・著) 小桜店子(編) 蘭泥(著) 味玉(著) 志野きき(著) 877(著) 藤井カスカ(著) 橋爪朝寿(著) ハルキ(イラスト) 風理(著) コスミ・N・タークァン(著) やっさん(著) タリーズ(表紙イラスト)
発  行:身を尽くす会

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身を尽くす会 説明
二三竣輔


身を尽くす会は、電子書籍と同人誌をメインに文章表現作品の製作、販売を行っている団体です。主にアマチュアの方の作品を外部に向けて発信し、将来のプロ作家の発掘と輩出、それによる文学界のより一層の進化、これらを目的とした活動を行っております。

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