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KCICアートマネジメントラボ2015
ドキュメント

かごしま文化情報センター (KCIC)

KCIC BOOKS



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2015.6.20 SAT > 12.5 SAT
全8講座
主催:文化薫る地域の魅力づくり実行委員会、鹿児島市
企画制作:かごしま文化情報センター アートディビジョン
助成:一般財団法人地域創造


CONCEPT

PLAN
企画意図
昨今、地方での芸術祭が数多く開催され、地域でアートを活用したイベントが地域活性化の役割 ( 地域の情報発信、交流人口の増加など ) を果たしつつある。しかし、首都圏のやり方をそのまま地域に適応させることは難しいこともわかってきた。そこで、主催者と地域の双方がメリットを得られるような文化イベントが開催されるよう、地域でアートを活かしたイベントのビジョンづくりや企画立案、資金運営など、マネジメントの必要性があると考えた。

PROGRAM
実施内容
かごしま文化情報センター (KCIC) の拡張したスペースを利用して、新しいアートマネジメントの形を模索する座学(レクチャー)と実践(ワークショップ)のシリーズを企画。ここでは、各地で独自の活動を展開するアートマネジメント、発信(告知)活動、教育普及など、いまの社会で必要なアートマネジメント(企画・運営)の在り方を、参加者と一緒に模索した。

SESSION 1
「混浴トーク~アートと社会の蜜な関わり」
山出 淳也 JUN’YA YAMAIDE

会 期:2015年6月20日(土)
時 間:14:00〜16:00
会 場:鹿児島市役所みなと大通り別館
    市民アートギャラリー
参加者:32名


第1回目のゲストは山出 淳也さん(NPO法人BEPPU PROJECT 代表理事/アーティスト/混浴温泉世界 総合プロデューサー)。2015年をもって一時休止する別府現代芸術フェスティバル「混浴温泉世界」のことを中心にお話いただいた。

レクチャーでは、山出さんが活動の拠点としている大分県別府市の特徴や魅力、「混浴温泉世界」を始めるまでの経緯、最終回となった2015年の「混浴温泉世界」、フリーペーパーによる発信やお土産プロデュースなど観光への展開などについて語っていただきながら、地方都市におけるアートプロジェクトの可能性や地域への広がりについて知ることができた。

会場の様子

「行政に頼むより、自分でやろうと思った。」「アートと街を同時に楽しんで欲しい!」「イベントが打ち上げ花火で終わらないようにプロジェクトをつくっていく。」といった自主性や持続性、街への波及に関する発言が印象に残った。

参加者の声

「今まではイベント参加のみでしたが、企画する側からの話がとても興味深く聞けて勉強になりました。」

「アートと社会との関わりをいろいろと考えるきっかけになった。」

「他の地域の事例を実際に行っているアーティストに聞けるよい機会だと思う。鹿児島も盛り上がるとよいなぁと感じた。温泉や食、まち歩き等、他のコンテンツとコラボしていくのはさまざまな可能性があって良い。」

「タイトルからは内容が想像もつかなかったが、とても面白かった。自分はやはりアートが好きなんだなと思った。」

「山出さんのお話は様々なテーマ(編集、ファンドレイズ、マネジメントなど)で分けて、お聞きしたいと思いました。また機会をつくっていただきたいです。」



当日のグラフィックレコーディングはこちら
※グラフィックレコーディングとは、会議での議論やカンファレンスの流れを視覚化し、参加者へ共有する手法のこと。

山出 淳也 氏

Profile
山出 淳也JUN’YA YAMAIDE

1970年大分生まれ。NPO法人BEPPU PROJECT代表理事/アーティスト。アーカスプログラムによるレジデンス ( 茨城県、1996-1997)、ACCによる助成を受け NY、PS1でのインターナショナルスタジオプログラム参加 (2000-2001)。ポーラ美術振興財団の助成による欧州滞在(2002)。文化庁在外研修員としてパリに滞在(2002-2004)。帰国後、地域や多様な団体との連携による国際展開催を目指して、2005年にBEPPU PROJECTを立ち上げ現在にいたる。

SESSION 2
「身の丈アートプロジェクトのすすめ」
小山 冴子 SAEKO OYAMA
原田 真紀 MAKI HARADA

会 期:2015年7月4日(土)
時 間:14:00〜16:00
会 場:かごしま文化情報センター(KCIC)
参加者:18名


第2回目のゲストは、地域を拠点にオリジナルな活動を企画し、継続している小山 冴子さん(とんつーレコード/art space tetra)、原田 真紀さん(元 田川市美術館学芸員/ママとこどものアートじかんプロジェクト代表)をお呼びし、おふたりがどのようにして現在の活動を立ち上げ、続けているか、“身の丈”から始めるプロジェクトについてうかがった。

小山さんのプレゼンテーションからは自らの活動の源が「?」「怒」「!」など、自分自身の欲求から出発していること、続けていく理由として「自分にとっても社会にとっても必要な場所である」と認識しているから続けられるなど、自分とアートプロジェクトとの関係性について聞くことができた。
原田さんからは、学芸員時代のこと、自分が企画者として実践していること、キュレーターとしての視点など、さまざまな立場を経験したなかで見えてきたアートプロジェクトの意義や課題について話を聞いた。

会場の様子

後半のトークセッションでは、「それぞれにとって関わっているアートプロジェクトは自分にとってどんな存在か?」などの抽象的な議論や「(身の丈で運営するために)お金はどうしているか?」といった具体的な議論が交わされた。

参加者の声
「女性の視点にたったものだったり、とても身近に感じられとてもよかった。」

「アートプロジェクトへの関わり方、自分がどうあるべきかを改めて考えられました。」

「小山さんの「自分が見たい、知りたい」という気持ちから始まるというお話が本当にそうだなと感じました。アートが社会に効くかなどよく議論されると思いますが、単に表現したい人が表現できる場所が大事だと感じました。」

「自分も「何かをしたい」とふつふつとしている中、具体的に活動されている方の貴重な体験談をお伺いできたので良かった。」

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※グラフィックレコーディングとは、会議での議論やカンファレンスの流れを視覚化し、参加者へ共有する手法のこと。

Profile
小山 冴子SAEKO OYAMA
とんつーレコード/ art space tetra。2007年より有志による共同運営のスペース art space tetra(福岡市)を拠点に、展覧会や実験的な音楽イベント等を多数企画。同時に外部のアートプロジェクトや美術家の制作現場にも関わる。2012年よりNPO法人BEPPU PROJECTに参加。様々な業務を担当した後、2014年よりフリーランス。2015年、鹿児島県にて文化庁メディア芸術祭鹿児島展でディレクターを務める。編集者・ライターとしても活動。現在、あいちトリエンナーレ2016にコーディネーターとして関わっている。編集者・ライターとしても活動。
※プロフィールは2015年度現在のもの

小山 冴子 氏(写真 左)、原田 真紀 氏(写真 右)

原田 真紀MAKI HARADA
元 田川市美術館学芸員。企画展:「立石大河亞展」(1999)、「山出淳也-記録・gradual increase」(2000)、「描かれた<筑豊>」(2002)他。キュレーション担当:「はじまりはここから」(九州芸文館、2013)、博多阪急ARTCUBE(2013~)、「“直観”のジオラマ展」(福岡市美術館特B、2014)他。執筆に岡林洋編著『川俣正 アーティストの個人的公共事業』(美術出版社)。2008年「ママとこどものアートじかんプロジェクト」を立ち上げ、現在同代表。「筑後アート往来:景色のそこへ、そこの景色へ」(九州芸文館、2015)他。

SESSION 3
「点と点を結ぶ〜アーツ前橋での取り組み」
小田 久美子 KUMIKO ODA

会 期:2015年7月18日(土)
時 間:10:00〜12:00
会 場:かごしま文化情報センター(KCIC)
参加者:17名


鹿児島県立霧島アートの森、鹿児島市立美術館職員、NPO法人PandAコーディネーターとして地元・鹿児島での活動を重ね、また鹿児島市の文化薫る地域の魅力づくり実行委員会美術部会員としてかごしま文化情報センター(KCIC)の立ち上げに関わった小田久美子さん(アーツ前橋学芸員)をゲストに招き、学芸員として勤務しているアーツ前橋の地域に根ざすアート活動について伺った。

レクチャーでは、アーツ前橋において「教育普及」「地域アートプロジェクト」に関わっている小田さんから、地域とアートスペースの関わり方について、「地域とは?」「関わり方とは?」「なぜ地域なのか?」「コーディネーターなどのスタンス」といった切り口で、現在の取り組み(事例としてワークショップ「あーつひろば」、ギャラリーツアー「こどもアート探検」、地域アートプロジェクト「駅家の木馬祭り」など)について話を聞いた。

会場の様子

後半はグループワークを行い、アートプロジェクトと地域の連携について参加者同士で考えた。会場からは「アートプロジェクト×高齢者」をテーマに社会とのつながりを持ち続けることを目的とした提案や、「アートプロジェクト×政治」で政治のイメージを変えることを目的とした提案などがなされた。

参加者の声

「とってもおもしろくて、2時間短かった!!3時間ききたかった・・・。刺激になりました。」

「アートプロジェクトの流れを詳しく知れたこと。やる側、参加する側がそれぞれの、考えも知ることができました。」

「アートは鑑賞する側だけではなく、人と人をつなぐもの、コミュニケーションの一部なのかなぁと思いました。コミュニケーションの一部としてのアートの使い方、関わり方を考えていきたいです。」

「ワークショップで意見交流ができたのがとてもうれしかった。身近にこのようなこと(地域について)を話せる人がいないため、思いを共有できて気持ちが明るくなったように感じます。」

「アーティストと市民の対話という視点が自分が憧れている考え方なので、とても勉強になりました。また、予算や行政との関わりなど、ベタな部分も聞くことができました。」

「既存のやり方にとらわれない自由な発想での取り組みは素晴らしいと思い、参考になりました。アーツ前橋の取り組みを今後も注目していきます。」


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※グラフィックレコーディングとは、会議での議論やカンファレンスの流れを視覚化し、参加者へ共有する手法のこと。

小田 久美子 氏

Profile
小田 久美子 KUMIKO ODA
1985年姶良市出身。鹿児島県霧島アートの森、鹿児島市立美術館職員、NPO法人 PandA コーディネーター、及び、鹿児島市の文化薫る地域の魅力づくり実行委員会美術部会員を経て、アーツ前橋学芸員。現職では、主に教育普及や館外で行う地域アートプロジェクト事業に携わる。

SESSION 4
「これからのパブリックリレーションズ」
兼松 佳宏 YOSHIHIRO KANEMATSU

会 期:2015年8月23日(日)
時 間:14:00〜15:00
会 場:鹿児島市役所みなと大通り別館
    市民アートギャラリー
参加者:22名


「ほしい未来は、つくろう」をキャッチコピーに全国各地のグッドアイデアを発信しているウェブマガジン「greenz.jp」の編集長(2015年度現在)・兼松 佳宏さんをお招きし、活動を広めるためのパブリックリレーションズ(よい関係づくり)について伺った。

レクチャーでは、パブリックリレーションズは、いわゆる広報ではなく、「信頼関係の構築」であり、そのためにはライターがプロジェクトに寄り添うこと、編集長がコミュニティの温度をあたたかくすること(「らしさ」をつくる、「可能性」をつくる、「居場所」をつくる)が大事であるなど、兼松さんの編集長としての仕事を中心にお話しいただいた。

会場の様子

レクチャーの中で、兼松さんの考える「これからのパブリックリレーションズ」として「価値ある暗黙知をシェアする」「道半ば感をオープンに伝える」「ステップアップの瞬間を祝福する」「継続する」といった今後のパブリックリレーションズを考えるキーワードを聞くことができた。

参加者の声

「パブリックリレーションズを越えた生き方論や兼松佳宏とは何かという深い議論を拝聴でき、大変有意義な時間でした。」

「とても興味深い話で、参考になりました。自分の弱さを出していいというのは共感しました。」

「問題を楽しく解決する。発想の楽しさを感じました。」

「信頼って大切ですね。」

「PRということばだけでなく、何かことを起こして、人とつながって育てていく上で大切なことを考えるきっかけを頂きました!」

「問いとアクションプランが生まれました。」

「幅広い話を聞かせて頂きありがとうございます。今日の話を活動に活かしたいと思います。」


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※グラフィックレコーディングとは、会議での議論やカンファレンスの流れを視覚化し、参加者へ共有する手法のこと。

兼松 佳宏 氏

Profile
兼松 佳宏YOSHIHIRO KANEMATSU
greenz.jp 編集長/ NPO法人グリーンズ理事 1979年生まれの勉強家 兼 お父さん。2004年よりウェブデザイナーとして NPO支援に関わりながら、「デザインは世界を変えられる?」をテーマに世界中のデザイナーへのインタビューを連載。 CSRコンサルティング企業に転職後、2006年クリエイティブディレクターとして独立し、ウェブマガジン「greenz.jp」の立ち上げに関わる。2010年より編集長。秋田市出身、京都市在住。一児の父。2016年より京都精華大学人文学部の特任講師として「ソーシャルデザイン・プログラム(社会創造演習)」を担当予定。 ※プロフィールは2015年度現在のもの

SESSION 5
「文化政策、アートマネジメントの近年の潮流」
大澤 寅雄 TORAO OSAWA

会 期:2015年9月26日(土)
時 間:14:00〜16:00
会 場:鹿児島市役所みなと大通り別館
    市民アートギャラリー
参加者:10名


民間の立場から政策提言や政策課題の論点などを提供する政策研究機関ニッセイ基礎研究所の芸術文化プロジェクト室で国内の文化活動を視察し研究する大澤 寅雄さん(ニッセイ基礎研究所芸術文化プロジェクト室准主任研究員)をゲストに招き、国内各地の文化政策の現在がどのようになっているのか、事例とともに紹介いただいた。

講義では、文化と社会とのつながりを考える大澤さん自身の仕事や、これまでの文化政策を振り返り、文化政策と社会背景の変化、文化・芸術における政策評価・事業評価、アーツカウンシル(芸術文化に対する助成を基軸に、政府と一定の距離を保ちながら文化政策の執行を担う専門機関)、ポリシーミックス(政策横断)などについてお話しいただいた。

会場の様子

また事業評価に関して、誰にとっての「成果」なのか?ということから、ロジックモデル(ある施策がその目的を達成するに至るまでの論理的な因果関係を明示したもの)などの参考となる評価方法について提示していただいた。

参加者の声

「文化政策の流れが学べてよかった。いっぱい疑問や質問したいことがでてきて、これからロジックモデルのつくり方や評価の仕事など本格的に学べたらおもしろいとおもいました。入り口でしたので、続けて2回目、3回目があればいいと思います。」

「これまでの文化政策の流れなど、わかりやすく参考になりました。」

「普段聞けないような話をしていただき、ありがとうございました。あまり考えてこなかった内容でしたので、これから活動していくときに参考になることばかりでした。」

「私は行政に関して無知でしたが、わかりやすく興味深かったです。」


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※グラフィックレコーディングとは、会議での議論やカンファレンスの流れを視覚化し、参加者へ共有する手法のこと。

大澤 寅雄 氏

Profile
大澤 寅雄TORAO OSAWA
芸術文化プロジェクト室准主任研究員、NPO法人アート NPOリンク事務局、NPO法人STスポット横浜監事。慶應義塾大学卒業後、劇場コンサルタントとして公共ホール・劇場の管理運営計画や開館準備業務に携わる。2003年文化庁新進芸術家海外留学制度により、アメリカ・シアトル近郊で劇場運営の研修を行う。帰国後、NPO法人STスポット横浜の理事および事務局長、東京大学文化資源学公開講座「市民社会再生」運営委員を経て現職。       ※プロフィールは2015年度現在のもの

SESSION 6
「教育普及(ミュージアムエデュケーション)ブートキャンプ」
会田 大也 DAIYA AIDA

会 期:2015年10月8日(木)〜12日(月・祝)
時 間:講 座     8日(木)   14:00〜16:00
    個別相談会   9日(金)   10:00〜18:00
    ワークショップ 10日(土)、11日(日) 14:00〜16:00
    成果報告会   12日(月・祝) 14:00〜16:00
会 場:かごしま文化情報センター(KCIC)
    鹿児島市役所みなと大通り別館
     市民アートギャラリー
参加者:講座17名、ワークショップ16名、成果報告会18名


第6回目のゲストはコロガルパビリオンやcocoiku(ココイク)など柔軟な企画を生み出す会田 大也さん(ミュージアムエデュケーター)を招き、企画発案から実践までのシミュレーションを行うワークショップを開催した。

初日のレクチャーでは、山口芸術情報センター(YCAM)でのエデュケーションチームの取り組みを中心に作家・作品と鑑賞者の関係づくりやワークショップの組み立て方(エッセンスの抽出、スクリプトの作成など)について話を聞いた。なかでも「オーディエンスの頭を活性化しておくこと」「良い鑑賞者がいれば、良い作品が生まれる」など、鑑賞者の横に立って、一緒に鑑賞して共感する場を生みだす発想が印象的だった。

会場の様子

2日目以降は、実際にワークショップを経験しながら、参加者が普段から考えているテーマをもとにワークショップを組み立てる時間を設けた。
最終日の成果報告会では、参加者が自ら考えたワークショップが提案され、普段サッカーに興味のない人がサッカーに興味を持ってもらうことを目的とした「地元プロサッカーチームに所属する選手と同じメニューを食べてみるワークショップ」や失敗しても発言しやすく安心感を得られる場をつくるための「一歩踏み出すためのワークショップ」など、様々なアイデアがあがった。

参加者の声

「ワークショップのサポート専門でしかやってこなかったのですが、自ら作っていく楽しさのような希望も見えてきた気がします。」

「様々なワークショップについて紹介して頂いたり、作り方など聞けて、すごく細かく決めていることに驚きました。」

「教育普及ということに初めてふれました。日頃、自分がワークショップのスタッフとして心がけている事の共通点やまだまだ足りない部分が見えました。」

「YCAMの謎がとけた。」

「作品をこどもとつくるとき、見るときに活かせそうと思いました。」

「調査やスクリプト、写真について具体的にわかった。」


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※グラフィックレコーディングとは、会議での議論やカンファレンスの流れを視覚化し、参加者へ共有する手法のこと。

会田 大也 氏

Profile
会田 大也 DAIYA AIDA
1976年東京生まれ。 2000年東京造形大学造形学部デザイン学科造形計画専攻卒業。2003年情報科学芸術大学院大学 [IAMAS] 修了。2003年開館当初より 11 年間、山口情報芸術センターの教育普及担当として、メディアリテラシー教育と美術教育の領域を横断する形で、オリジナルのワークショップや教育コンテンツの開発と実施を担当する。一連のワークショップは、第6回キッズデザイン大賞を受賞。担当企画展示「コロガルパビリオン」が、第17回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品受賞。2014年より東京大学大学院ソーシャル ICTグローバル・クリエイティブ・リーダー [GCL] 育成プログラム特任助教。

SESSION 7
「価値を伝えるプロジェクト記録術」
橋本 誠 MAKOTO HASHIMOTO

会 期:2015年11月21日(土)
時 間:14:00〜16:00
会 場:かごしま文化情報センター(KCIC)
参加者:14名


さまざまなプロジェクトのプロデュースや企画制作を手がけ、現在は”TARL(Tokyo Art Research Lab)”を推進するアートプロデューサーの橋本 誠さん(アートプロデューサー)をゲストに招き、企画を実行する際に必要な記録の仕方、またその重要性などについてお聞きした。

レクチャーは、「記録や評価の性質を理解する」「アーカイブすることの意義について考える」「使う観点に立ってみる」などをテーマに行われ、記録≠記憶であり記録はあくまで情報資料であることや、アートマネジメントのサイクルにおいて「推進すること」と「残すこと」の両立が求められることからアーカイブが必要であり、そのためにはデータ、ビジュアル、エピソードが重要であることなど、アートマネジメントに必要な記録術についてお話しいただいた。

会場の様子

後半では、実際に開催されている展示について記録する方法を考えるグループワークが行われ、記録するべき「内容」「手法」「ポイント」「活用方法」などをワークシートにまとめ、その時に心がけるポイントを参加者同士で考えて発表した。

参加者の声

「大学のレポートでさえ大変なのにプロジェクトのレポートはもっと大変なんだなぁと思いました。」

「アートマネジメントは全くの素人で楽しそうと単純に思ってましたが、マネジメントする側にはお仕事で、特に記録の部分は普通の会社の仕事とも重なるところも多いということがわかって興味深かったです。」

「アートアーカイブキット?すごくほしいなー!と思いました。情報の整理の仕方によって、プロジェクトのコンセプトがより明確になっていくようにも思いました。」

「今の私がさっそく実践できそうな内容もあってうれしかった。どのように整理したらいいか悩んでいた、迷っていたことが少し解決した。」

「記録のためのプロジェクト、プロジェクトのための記録、しっかりと区別して考えていかないといけないですね。楽しい記録のためのプロジェクトがどんどんやれるといいですね。」


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橋本 誠 氏

Profile
橋本 誠 MAKOTO HASHIMOTO
1981年東京都生まれ。横浜国立大学教育人間科学部マルチメディア文化課程卒業。2005年よりフリーのアートプロデューサーとして活動をはじめる。2009~2012年、東京文化発信プロジェクト室に所属しプログラムオフィサーとして「東京アートポイント計画」の立ち上げを担当後、一般社団法人ノマドプロダクションを設立。様々なプロジェクトのプロデュースや企画制作を手がけている。TARL(Tokyo Art Research Lab)事務局長。 主な企画に都市との対話(BankART Studio NYK/2007)、KOTOBUKI クリエイティブアクション(横浜・寿町エリア/2008~)など。

SESSION 8
「成果報告会〜やわらかい社会のために〜」
藤 浩志 HIROSHI FUJI

会 期:2015年12月5日(土)
時 間:14:00〜16:00
会 場:鹿児島市役所みなと大通り別館
    市民アートギャラリー
参加者:20名


最終回となる第8回目のゲストは、かえっこバザールなどでおなじみの鹿児島出身の美術家であり、青森県の十和田市現代美術館の館長(2015年度現在)でもある藤 浩志さん(美術家)。春からのKCICアートマネジメントラボを振り返りつつ、アートプロジェクトの多様なマネジメントのあり方について藤さんに伺った。

レクチャーでは、鹿児島をはじめとする全国各地での藤さんの活動を振り返り、ご自身の作品の8割を占める「場づくり」においてマネジメントが重要であること、アートマネジメントがないと(活動が)「つながらない」「残らない」こと、アートマネジメント≠アーティストマネジメントであることなどについてお話いただいた。

会場の様子

アートの力で街をオモシロくしたい参加者が集まり、ともに学んできた6ヶ月間。これまでを振り返り、今後の地域におけるアートプロジェクトの可能性を話し合った。
講座の最後には藤さんから規定の回数を満たした出席者へ「修了証書」が手渡された。

参加者の声

「マネジメントについてはアートだけでなく、様々な方面でも同じことが言えると感じました。かたすぎるところがあるので、やわらかくを心がけたいと思います。」

「アタマの中でモヤモヤとイメージしていたことを明確なコトバで伝えて下さったので、大変腑に落ちました。」

「これまでのまとめとして、面白い話を聞くことができました。KCICアートマネジメントラボで得られたことを自らの分野で何らかの形で生かしていきたいと思います。ありがとうございました。」

「かたい社会の中ではある意味守られてるので安心感はありますが、自由な幅広い考え方ができなくなる。そのしばられた社会の中でいかに自由に生きるか思想を持つか。年齢を重ねていても常にやわらかく生きていけたらと思います。」

「広い視野を持つきっかけになりました。」

「やわらかい社会になるようにやわらかい私になりたいと思いました。とても興味深い話でした。」


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※グラフィックレコーディングとは、会議での議論やカンファレンスの流れを視覚化し、参加者へ共有する手法のこと。

藤 浩志 氏

Profile
藤 浩志 HIROSHI FUJI
1960年鹿児島生まれ。京都市立芸術大学在学中演劇活動に没頭した後、地域社会を舞台とした表現活動を志向し京都情報社を設立。京都市内中心市街地や鴨川などを使った「アートネットワーク’83」の企画以来全国のアートプロジェクトの現場で「対話と地域実験」を重ねる。同大学院修了後青年海外協力隊員としてパプアニューギニア国立芸術学校勤務。都市計画事務所勤務を経て92年、藤浩志企画制作室を設立。各地で地域資源・適正技術・協力関係を活かしたデモンストレーションを実践。福岡県糸島市在住。NPO法人プラスアーツ副理事長。十和田市現代美術館館長。秋田公立美術大学教授。            ※プロフィールは2015年度現在のもの











KCIC アートマネジメントラボ
番外編

KCICアートマネジメントラボ
かごしま文化情報センターKCIC × 鹿児島ユナイテッドFC 特別企画

「こどもサポーター」

会 期:2016年3月19日(土)
時 間:12:30〜15:30
会 場:鹿児島県立鴨池陸上競技場
    (鹿児島ユナイテッドFC vs 大分トリニータ 試合会場)
主 催:文化薫る地域の魅力づくり実行委員会、鹿児島市
共 催:鹿児島ユナイテッドFC
監 修:会田 大也(ミュージアムエデュケーター)
参加者:3名

会田 大也氏を講師に行った教育普及の企画を作るワークショップ「教育普及(ミュージアムエデュケーション)ブートキャンプ」内で、参加者の提案を基に作られた企画。地元のプロサッカーチーム 鹿児島ユナイテッドFCの広報やサポーターから提案された「スポーツに興味のない人にどうやって興味をもってもらうか」をテーマに、試合会場をスポーツ以外の要素で楽しむ方法を考えた。

自分たちのオリジナルグッズを作る様子

2015年10月の「教育普及ブートキャンプ」では、スポーツとアートの協働についてさまざまな手法が考えられた。そこで、2016年の年明けに、再度、会田 大也氏の監修と鹿児島ユナイテッドFCの協力のもと、ラボ生と実践にあたり可能な手法を練り直した。企画は、「父親との時間を楽しみたい母親」を想定した、託児機能をも兼ね備えた子ども向けワークショップに発展。サポーターとしてこどもを預かり、アートを通してこどもの豊かな想像力を育むワークショップをする一方、親がこどもから解放される時間を創出することを目的とした。

応援中のこどもたち

ワークショップ当日は、事前にスタジアム前のスペースでメガホンやフラッグなどの応援グッズをオリジナリティあふれる発想で制作。その後、それらをもってスタジアム内へ。こどもサポーター用に準備された席で、自由にかけ声やリズムを考えて応援した。また、試合途中にフラッグを発展させたり、応援の衣装(帽子)を作り始めたりするなど、試合中もグッズ制作が始まり、こども同士が互いに切磋琢磨しながら豊かな想像力を発揮した。

告知用チラシ

KCICアートマネジメントラボ

会 期:2015年6月20日(土)〜12月5日(土) 全8講
企 画:かごしま文化情報センター(KCIC)アートディビジョン
主 催:文化薫る地域の魅力づくり実行委員会、鹿児島市
助 成:一般財団法人地域創造

KCICアートマネジメントラボ2015ドキュメント

2016年3月31日 発行 初版

企画編集:かごしま文化情報センター(KCIC)
発  行:KCIC BOOKS

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かごしま文化情報センター(KCIC)

アートを軸に、ジャンルを超えた表現活動を発信する鹿児島市のアートセンター。 http://www.kcic.jp/

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