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この本はタチヨミ版です。
はじめに
1.部下指導は、大変!
2.なぜ、そういう部下がいるのか?
3.それは、部下の行動特性があるからです。
4.部下指導を諦めていませんか?部下と戦っていませんか?
5.9つの行動特性
6.部下の行動特性と自分の行動特性を調べて比べてみる。
7.部下指導の為、自分の行動を変えてみる。
8.部下の「思考スタイル」結果を基に指導方法を考えてみる
9.部下の行動特性を掴んだ後の部下指導
10.部下の特性を知った上でのコミュニケーション
11.部下の特性を知った上での部下指導
12.仕事への興味を活かした仕事配分
あとがき
この本は、会社を経営する方々やマネジメントするマネジャの方々にとって社員を指導する場合、アセスメントをして社員の特性等を理解してからの指導の重要性を書いたものです。
マネジャの方々は、部下指導、管理、営業部長ですと部下の売上予算管理に日々ご苦労されていると思います。
営業のプレーイング・マネジャの方々は、更ご自分の営業成績も上げなくてはならないとご苦労されていらっしゃると思います。
仕事の中でマネジャの方は、「なぜ、あいつは、仕事をやらないのか?」
「あいつにいくら言っても言う事を聞かない」と思って、自分でやるか、はたまた、いつもやってくれる部下に頼むかと思い重い気持ちになられているのではないでしょうか?
実は、私自身もそのように考えて、今まで毎日、営業のマネジメントや仕事をしてきました。
人には、「思考スタイル」「行動特性」「仕事への興味」があります。
それは、自分にも自分の部下にもあります。
人それぞれ考え方や行動が違います。
「思考スタイル」「行動特性」「仕事への興味」は、その人を見ただけでは、目に見えない場合があります。
仕事をしていく上では、部下の見えない部分も少し見えてきたりすることもあります。
自分が、素直に部下の状況を見れる時なら、優しく部下に接することも出来ますが、会社で問題が発生していたり自分の上司からの厳しい要求もある時は、そんな余裕がなく部下に厳しく対応していたことを思い出します。
あなたは、部下の思考スタイルや行動特性、仕事への興味分野がわかり自分の部下に対する言い方で部下は、どの様に考えるか、
どういう対応にでるかが事前にわかり、
自分がそのように対応する部下に対してどの様に対応したらうまくいくかがわかっていたらどうでしょうか?
それを知った上で、部下と仕事をするのと知らないで仕事をするのでは、仕事の効率も結果も違ってくるはずです。
「思考スタイル」「行動特性」「仕事への興味」を知った上で仕事をすることによって合理的な仕事が出来るはずです。
部下に無理に力ずくでやらせる仕事ではなく、部下の「思考スタイル」に合わせて言い方や聞き方を変えた方が自分にも部下にもストレスなく効果的な仕事が出来るはずと考えています。
また、適材適所という観点からも部下の「行動特性」「仕事への興味」を知り、今後の効率の良い配置転換や、優秀な社員からその業務にマッチしたモデルが出来ると思います。
そして、その業務にマッチした自社のモデルが出来上がりますと今後の採用活動に活かせていけます。
採用してから、面接で言っていた事とやっている事は違うじゃないかということが少なくなると思います。
マネジャとしてあなたは、こんな事がありませんか?
部下の中には、指示してもなかなか動かない部下と直ぐ対応する部下がいて、直ぐに対応する部下は、良い部下と考えて直ぐに対応しない部下は、悪い部下と思っている。
そして、直ぐに対応する部下にいつも仕事を依頼している。
直ぐに対応する部下の仕事がいっぱいになると直ぐに対応しない部下に仕事を依頼する必要が有るが、依頼するのが嫌になる。
その日のK社のS営業部長もそうでした。
S営業部長には、部下がいます。
年代層も違います。
S営業部長が、20代の担当の頃、自分にも上司がいて上司は、営業の仕事を一から教えてくれました。
S営業部長は、一生懸命に上司の言う事を聞き、営業の仕事を覚えていきました。
営業なので、自分の同期の社員とも競争しながら仕事をしてきました。
同期の何人かは、辞めていきましたが、S営業部長は、早く一人前の営業員になる様に努力してきました。
その甲斐があって、50歳代で営業の部長職に抜擢されました。
しかし、最近は、営業部を任されていますS営業部長は、毎日、イライラのし通しです。
それは、最近世に中の状況が変わってきたと感じているからです。
インダストリー4.0(第四次産業革命)の時代と言われIoT、モノのインターネットと言われている時代、先が見えない事と、業績が下がってきた事、どの様に部下を指導していけばよいかわからなくなってきてしまってきたからです。
最近、世の中の状況が変わってきたと同様に今まで時代の部下指導では、部下が動かなくなってきたからです。
S営業部長は、部下に指示をしますが、部下は、以前自分の指示通りに動いていましたが、営業活動が上手くいかなくなってきて、だんだん自分の指示では、動かなくなってきてしまったからです。
S営業部長は、どうしていけば良いかわからなくなってきています。
自分の部下は、まさに仮面をかぶっているようでした。
S部長が所属するK社は、IT機器関係の部品製造のメーカーで半導体メーカーから半導体を仕入れて部品を製造して販売しています。
毎年、展示会にも出展しています。展示会の責任者のS営業部長は、展示会実行委員会の委員長でもあり、展示会の準備のスケジュールの取りまとめもしています。
担当者も決めて実行していましたが、展示会出展会社からの入場証の申し込みの封筒を見過ごしていて、開封すると今日が申込みの締切りだと気づきました。
担当の営業員は、本日、出張していて不在でした。
仕方なく、手の空いていそうな、いつも仕事を指示すると不満げな顔をするD君に直ぐ調べて入場証を手配するように指示しました。
するとD君は、不満げな顔をして考え込んでいました。
その顔を見て、S営業部長は、「もういい。俺がやる」と強い言い方でAに言いました。
Aは、ふてくされた様な顔をして、席に戻りました。
S営業部長は、何で直ぐやりますと言わないのか?俺なら、直ぐやりますと言ったものだと思いました。
S部長は、D君の評価をまた、下げました。
二度とD君なんかには、頼まないと思いました。
展示会の入場証だけでなく、マネジャの方々が会社のビジョンに合わせながら、部門目標を達成させる為に部下指導をしていくのは、大変な事です。
S営業部長は、マネジメントをしていて、部門目標を達成させる為に部下を指導して一番困るのは、部下が自分の指示になかなか気持ちよく動かない事でした。
仕事の経験があるマネジャから見て、何でこちらの言うことがわからないのだろうと思う事が良くありました。
部下の表情を見ていると明らかに指示や指導に対して、不満の表情を取る社員がいます。
中には、マネジャの指導に対して、反論してくる社員もいます。
部下の不満な表情をマネジャは、感じます。
どの様にマネジャが部下に対して動くかは、マネジャの経験や指導に対する考え方、過去の学び、そして、マネジャ自身の上司の指示や考え方によって決まります。
マネジャの対応に対して部下は、反応します。
大抵の部下は、指示には従いますが、あからさまに嫌な顔をして反抗的な態度を取られるとマネジャ自身のモチベーションも下がります。
ある若手社員は、スマートフォンを時々いじっています。
まさか、仕事時間にゲームはやっていないのでしょうが、S営業部長には気になります。
部下に対してS営業部長は、「スマートフォンをいじっていないで、お客様を訪問したり電話したらどうか」とよく言いましたが、若手社員は、S部長に何の反応もせず何も言わずに嫌な顔をして、スマートフォンをポケットにしまいます。
その時に部下との会話は、ありません。
最近では、S営業部長は、部下がスマートフォンをいじっていても何も部下に言わなくなりました。
部下は、部下で部長のことを気にせずスマートフォンを時折いじっています。
こんなことが、ありました。
会社の営業研修が大会議室で行われています。
40名の社員が参加しています。
研修の始め社員は、三人掛けの横長テーブルで、プロジェクターで前面に映し出されている研修を受けていました。
講師は、「グループワークをするので、40名のメンバーで近くにいる人と8人ずつのグループを5個作ってください。テーブルを組み合わせて8名が座れてコミュニケーション出来るようにして下さい」と言いました。
講師は、事前にどの様に机の配置をするかを考えていませんでした。
そのため、どの様な机の配置にするかも受講者に対して、伝えませんでした。
すると、受講者の中でこの様な場面になりました。
「なかなか動かない人」
「すぐに自分からテーブルを動かしてしまう人」
「不満そうな顔をしている人」
「指示する人」の人達が40名の中に出てきました。
そして、講師は、テーブルの並べ方を指導しなかった為参加者は、このようなテーブルの組み合わせをしました。
その研修にオブザーバーとして参加していたS営業部長は、部下を見ていて、「なかなか動かない人」は、やる気のない人達と感じました。
「すぐに自分からテーブルを動かしてしまう人」は、やる気のある人達と思いました。
「不満そうな顔をしている人」は、不平不満を持っている人達ではないかと思いました。
「指示する人」は、リーダーシップを持っている人達だと思いました。
S営業部長は、直観的にそう感じてしまいましたが、果たしてそうでしょうか?
S営業部長は、オブザーバーとして研修を後ろから見ていて次のように手帳にメモをしました。
A:「なかなか動かない人」は、やる気のない人達(部下の名前)
B:「すぐに自分からテーブルを動かしてしまう人」は、やる気のある人達(部下の名前)
C:「不満そうな顔をしている人」は、不平不満を持っている人達(部下の名前)
D:「指示する人」は、リーダーシップを持っている人達(部下の名前)
その研修以降、S営業部長は、自社のホームページからの部品の御問合せや電話での部品の引き合いの案件を全て研修でメモしたBグループの「やる気のあると感じたメンバー」に渡しました。
Bグループのメンバーは、直ぐに渡した案件をやるので、案件に取り組み一か月後に渡した案件の20%を受注しました。
その後、Bグループに案件を渡していきましたが、またも受注率は、約20%という結果でした。
前年のホームページからの引き合いの受注率は、約30%だったので、Bグループは、直ぐに対応はしましたが、受注率が低かったので、S営業部長は、怒って今度は、違うグループのA「なかなか動かない人」とC「不満そうな顔をしている人」に思い切って案件を渡してみる事にしました。
そして、一か月後にAとCに渡した案件の受注率を調べた結果、約40%受注していることがわかりました。Bグループと比べると約倍の受注になりました。
S営業部長は、案件の内容もあり一概に比較は、出来ないと思っていますが、自分が良いと思って渡したすぐやるBグループよりもすぐ動かなかったA、Cグループのメンバーでも受注出来る事に気づきました。
受注確率が高いことにも気づきました。
B:「すぐに自分からテーブルを動かしてしまう人」は、やる気のある人達
A:「なかなか動かない人」は、やる気のない人達
C:「不満そうな顔をしている人」は、不平不満を持っている人達
そこで、S営業部長は、どうしてそうなったのかを考えました。
顧問にそのことを話してみました。
顧問は、「それは、興味深い事ですね」と言いS営業部長に「どうしてそうなったかA、B、Cのメンバーに聞いてみてはどうですか」と言ってきました。
S営業部長は、どうしてそのような結果になったか分析してみる事にしました。
まずは、A、B、Cグループのメンバーに案件の対応や状況を聞いてみる事にしました。
するとわかった事は、Bグループのメンバーは、案件が与えられると直ぐに対応していました。
直ぐに対応しましたが、お客様との営業が上手くいかないと直ぐに諦めてしまっている事が多いことに気づきました。
その点、行動は遅かったのですが、Aの「なかなか動かない人」“やる気のない人達”とCの「不満そうな顔をしている人」“不平不満を持っている人達”と考えたグループは、お客様の会社をインターネットでお客様の業界や会社の事を良く調べてからお客様を訪問して、お客様の話を聞いて、お客様の状況を理解してお客様と意見のやり取りをしながら対応していき、受注に繋がっていったことがわかりました。
タチヨミ版はここまでとなります。
2016年5月28日 発行 初版
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