── 3Dプリンター活用法!
〈小説・後編〉
魔物があらわれた! どうする?
誰を使う? どれを使う? どう使う?
勇者とは。
剣とは。
盾とは。
魔法とは。
王国とは。
そして、3Dプリンターとは。
ライトノベルに登場する、これら頻出オブジェクトの「本質」を問う。
あと、粉の使い方も問う。(NEW!)
……有識者に。
どうも、私です。フィエロ王国の王です。この世界に、突如魔物が発生し、各国が大混乱に陥っているらしい。同盟国からの伝聞だけど。有識者さん達に中期的対応を検討してもらう一方、短期的対応も必要じゃない? なので、国中から勇者を募った。招集に応じて城にやってきたイケメン勇者が、やたら頭が回って困るんだが。その割には、語学力が「ほこらはどちらですか?」とか「これは剣ですか? いいえ、宝珠です」程度しか使えない状態。筆談でどうぞ!
イケメン勇者の仲間である、モーゼス老が、古文書から、伝説の3Dプリンターを開発した。この3Dプリンターで盾と剣を作って、近衛団とイケメン勇者一行とに配備させた。当然ながら、盾はぶっ叩くための武器であり、剣はいなすための防具なんだけど、攻撃用の盾に対して、別室でモーゼス老が炎の魔法をかけたら、なんと「熱くて持てない」ことが発覚。モーゼス! ちゃんとやって! じゃあ次は、熱くても持てるように、熱伝導率の低い篭手も、伝説の3Dプリンターで作ろうぜ! ってなったんだけど……。
私 フィエロ王国の王。
イケメン勇者 前記参照。なぜか、大きな盾と剣を持つことができる。
モーゼス 城下町の発明家。伝説の3Dプリンターを開発。別室で炎の魔法が使える。
ドンガス 大男。見た目通り。岩も叩き割る。魔物より力が強いかは不明。
イレーヌ 長身細身の女性。イケメン勇者と飲み屋で知り合った。剣による打ち払いが上手い。
森田 背広に丸いグラサン、事ある毎に特製ストラップを渡そうとする、王国の一般男性。
経理担当官 声が特徴的な可愛い系。城の床石につまずいて「んがっ!?」って言う。
更新登録担当官 毛筆の美しさにこだわりがある美人。秘密のアダ名は「書き損じ姉さん」。
近衛団長 近衛団の団長。イケメン勇者一行の訓練を(渋々ながら)担当した。
伝説の3Dプリンター どんな物でも、例えば武器や防具も作れる、『魔法の箱』とでも言うべき存在で、人の背丈を超える程大きな、ミスリル製で箱状の機械。物のオリジナルと、材料の粉さえあれば複製物を作ることが可能。完成品の強度は使う粉次第。
ミスリル製ミキサー 我が国の秘宝。はがねの粉を作成するのに使用した。
さて、翌朝。王国には青空が広がり、暖かで、絶好の篭手作成日和。モーゼス老が使った別室も、しっかりと掃除済みでキレイ。魔物の群れも攻めてきている。
ええええええ!?
準備できてねぇよ! そっちから来んの? なにそれ!? かなりの数の勇者一行達が、隣の国とか海の向こうとかに冒険の旅に出ていて、今は不在なんですが?
北の山の向こうの強力な剣だとか、西の砂漠の盾だとか、南南東の特殊な生地だとか、手に入ったとしても、あと1ヶ月はかかるよ? 間に合わないじゃん!
しょうがない。国を守るために、戦わなくちゃ! 魔物と。今の戦力で。
という訳で、近衛団と、王国内でまだモタモタやっていたイケメン勇者一行と共に、魔物の襲撃地点である、城の西側へと急行することにした。
モーゼス老は、自身が開発した3Dプリンターを置いて行きたくないと愚図った。持って行ってもしょうがなくね?
なんか、「私が現世に甦らせた3Dプリンターで作った武器防具の使用権は……」とか言い出した。めんどいなあもう。わかりましたよ。持って行って、本陣の後ろにでも置いておけばいいよね? 伝説の権利関係なんぞ検討してる時間は、今はないんだって。すぐ行かないと、魔物による犠牲者が増えるでしょ?
鼻声の経理担当官と、書き損じの多い更新登録担当官は、当然ながら城に置いて行く。彼女達は、武官じゃなくて文官だから。あと、危険に巻き込みたくもないし。
※この作品のサンプルはここまでです。続いて作品情報&著者情報をご覧ください。
3度目の登場、にぽっくめいきんぐです! お世話になります!
まずは謝罪から。
「Q:6月号には出ないって言ったじゃん!」
「A:ごめんなさい。来ちゃった……」
今年一番のアウトプット。それは、息子です。ニューモデルが遂に日本に登場!
顔丸い! 泣く! ミルクを大量に飲む! の3拍子です。
◆公式サイト『にぽっくめいきんぐ』
http://nipockmaking.com/
「作り履歴」タブで、拙作(公開されているもの)がリスト化されております。恥ずかしげもなく公開! 今後も増え続けます。PDCAサイクルぶん回し中。
BOOK SHORTS様主催『ブックショートアワード』2月期優秀作品に選ばれました! やったぜ!
作品名:『時皿』(古典落語『時そば』『猫の皿』)
また、小説投稿サイト・カクヨムで、超短編『マナー侍』を公開中。
キャッチフレーズは「斬られて覚える名刺マナー」。
現代ドラマ部門、最高12位(2016年4月19日)です。
ACジャパンさん、オファーをお待ちしております(笑)(いただいたご感想に基づくコメント)
◆ブログ『にぽブロ』
http://nipock.sblo.jp/
◆Twitter(@mamantick)
https://twitter.com/mamantick
昨年度の次世代知財システム検討委員会を傍聴したら、3Dプリンターと知財との関係が論点に。意匠登録物品を3Dプリンターで個人的に作る行為は、意匠権侵害なの? だとか、四星球をご家庭で3Dプリントしたら、鳥山明(とりやま・あきら)先生の著作権を侵害するの? とか、疑問でモヤモヤしてました。そこに、電撃文庫の元編集長・三木一馬(みき・かずま)さんが講師の日本独立作家同盟のセミナーが。「今、ラノベが熱いのか!」と思い、ラノベに寄せてみました。後編で、ようやくバトル展開です。
・知的財産戦略本部次世代知財システム検討委員会(内閣官房)
・私が中高生当時の『月刊ドラゴンマガジン』掲載の諸々の小説(今で言う「狭義のラノベ」)。吉岡平(よしおか・ひとし)先生の『ユミナ戦記』とか、冴木忍(さえき・ しのぶ)先生の『道士リジィオ』シリーズとか。
・黒桃将太郎(くろもも・しょうたろう)さんの『咀嚼夫人』(『月刊群雛』2016年04月号掲載)。オノマトペの効用を学びました! 早速、自分なりに活用してみたのが、今回の後編! 黒桃さん、ありがとうございます!
3Dプリンターに興味がおありの方(笑)
その他、著作権、アニメ、漫画、ラノベ、ゲーム等に興味がある人向けです。
作中のくすぐりが噛み合いそうな方としては、ハリウッドザコシショウさんとか、伊集院光(いじゅういん・ひかる)さん(UP'Sリスナーでした)とか、バカリズムさんとかの笑いが好きな方。
全くわからないです。主に電車の中など、隙間時間をかき集めてやっております。囲碁の対局時計とかがないと、どうにもこうにも(笑)
『月刊群雛』2016年03月号の時と同様、ブログ、ホームページ、Twitterなど。
その他としては、献本は、宣伝カテゴリーに入れてもいいですか?
Yesであるならば、前記の『月刊群雛』2016年03月号について、何人かの方に、紙本や電子で献本済です。
「基礎がない」ことです。WEBの投稿サイトに短編を投稿しまくった結果、思ったのは、「私は、アイディアを上に載せるための土台がない」という点。
その旨をツイートしたその日に、日本独立作家同盟の鷹野凌(たかの・りょう)編集長から、とても良い本をご紹介いただきました。今、それを吸収しているところです(後述)。
最近読んで良かったのは下記です。
・『電子出版、独立作家の執筆・出版手法-日本独立作家同盟 第一回セミナー〈藤井太洋 講演録〉』
前述の、鷹野編集長からご紹介いただいた本がこちら。書きっぷりから、理系の匂いを感じます。大学の数学科出身の私の感覚に、合わない訳がない。また、「写経」についてこの作品情報に書いた(後述)途端に、講演録に「筆写」の話が出てきてびっくりしました。なんというタイミングの同期っぷり! 渡りに船、一体何艘出てくれば気が済むんですか? (笑)これを幹の1つにして、行動の枝葉を伸ばしていく予定です。
・保坂美羽(ほさか・みう)『読み切り2000文字劇場』
小説投稿サイト・カクヨムの現代ドラマ部門で、2016年4月19日現在、第1位のこの作品。
作者の保坂さんは、小説コンテンストサイト「時空モノガタリ」で、毎度のように賞を受賞なさっておられる方。
すごくキレイに、ショート・ショートとしてまとまっているんですよね。しっかりした描写。そしてしっかりしたオチ。写経始めました。
ここ数ヶ月、色々活動してみて感じたのはやはり、「結局、作品に実力がにじまないと、お話にならない」ということ。カクヨムのランキング上位に、例の3文字だけの小説がきちゃった事件とか、そんなのはとりあえずどうだっていい。私の作品をお読みくださった方に「お? 結構おもしれーじゃん」と思っていただけるかどうか。それが一番の肝。
ですので、ここらで、基礎トレをしたいと思います(写経など)。
お読みくださりありがとうございます! 感想お待ちしております。「フィエロの続編読みたい」な感想がもしおありの場合は、是非お寄せください。また、だめ出し歓迎します。
ゲストコラムはジャーナリスト・まつもとあつしによる、ウェブ小説の現状分析『ウェブコミュニティは「共創」と「競争」で物語を紡ぐ』。クリエイターがプロデューサーとしても読者と向き合わねばならない時代です!
このほか、磨きあげた六篇の投稿作品を収録した「インディーズ作家と読者を繋げるマガジン」2016年06月号をお届け。雨の多い季節は読書が捗ります!
お求めはこちらのリンク先から!
http://www.gunsu.jp/2016/05/GunSu-201606.html
2016年6月8日 発行 初版
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