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タロットの会へようこそ
~タロットの瞑想やタロット制作のお話~

mamanmiyuki



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  この本はタチヨミ版です。

はじめに

私がタロットカードに出会い、使い始めたのは高校生の頃でした。今ではすっかりマルセイユタロットばかり使っていますが、当時は日本でおもに出回っていたのがライダー版(もしくはウェイト版)と呼ばれるカードや、それに準拠した絵柄のカードが多かったということもあり、私が初めて買ったタロットカードも、近所の本屋さんに並んでいた、ライダー版に準拠した絵柄の大アルカナ22枚のカードと本がセットになったものでした。そして、「タロットカードってすごい!面白い!」と夢中になって使い始めたものの、な~んとなく絵が、すっごく好きっていうほどではなかったんですね。自分でも絵を描くので、そのあたりは特に気になってたのかもしれません。

でも、はじめのうちは世間にそんなにたくさんの種類のタロットがあることも知らなかったので、特にこだわりもなく、最初に買ったものだけを使っていました。その後、絵本作家になりたいなという夢も抱えながら、いったんOLで普通に仕事などもしていたんですが、やっぱり絵を描くことがあきらめきれずに、美術系の専門学校に行って勉強しなおしてみたりと生活も変化していきました。そのうちタロットや西洋占星術で占いの仕事をするようになって、手に入れやすく、各方面でお勧めと言われていたライダー版を使ってみたものの、なんだか絵が好きになれず、その後もカタログであれこれ違うカードを探して買っては試してみて・・・と、気に入るものを探し続けてるといった感じでしたが、それでもやはり絵柄はライダー版に準拠したものでした。それは当時の日本では、タロットカードならライダー版・・・という風潮だったという影響が大きかったのだと思います。

そのうち、結婚して子供が生まれたりといろいろあり、タロットのことは頭の隅にはあるものの子育てや家事に追われる日々になりました。ですが、そんな中で旦那を通じてマルセイユタロットとの出会いがあり、自分でも使ってみたいと思って、急に近所の本屋に買いに行ってみたんですね。そしたらこれが偶然にもちゃんと売っていて。(なんか売ってるような気がして行ってみたわけですが)。そのころはまだネットでの買い物などが今ほど手軽ではなかったですから、ここでマルセイユタロットがその本屋で手に入ったことも、また縁だったのかもしれません。そして、使い始めたらすごくしっくりきて使いやすく、心にダイレクトに響いてくる感じで、すっかり惹きこまれていきました。

けれども使い続けていくうちに、カードに描かれている象徴などで「これはどういうことを表わしてるんだろう???」と疑問に思うこともいろいろ出てきました。このころになると、だんだんと子供たちも大きくなってきて、自分用のパソコンでブログも始めたりと、少しずつですが自分のやりたいことに取り組める時間もできてきていましたから、疑問の答えを見つけようと、家にある本を読んだり、旦那に尋ねたり・・・(旦那が占い師なのはこういうとき助かります^^)。それでも、秘伝といわれているようなものに接してみてもなかなか納得のいく答えが見つからずに、もやもやとした気持ちのまま過ごしていました。

そうしているうちに、アルフレッド・ダグラス著の日本語訳の「タロット」という本で、タロットの瞑想というものがあり、どうやら、これをやっていくうちに、タロットの中の人物が動いたり話したりし始めるらしい・・・ということを知りました。それで、「これはもう、このタロットの瞑想をやって、自分で確かめるのが一番だな!」と思い、さっそく本に書かれてる方法を頼りに始めてみることにしたんですね。それで、とにかくはじめは大アルカナの22枚のカードについて、最初の愚者から21番の世界まで繰り返し取り組んでいきました。

すると、最初のうちは、ただ「あ、ここにこんなものがある」などという観察や発見があるというような状態でしたが、それと同時にいろいろと違和感を感じるような気になる部分も出てきて、もっとイメージのしやすいカードがないのかと、いろいろ探し始めました。そうしているうちに、最初のうちはどれも同じように見えてたマルセイユタロットも、よくよく見比べるといろいろ細かいところが違ってるし、絵のタッチもデッキによってずいぶん印象が違うってことがわかってきて、今使ってるカードよりもっと自分のイメージに近いきれいなカードがないのかな~と、大事なシンボルはきちんと描かれていて、なおかつ絵として眺めていても心地よいようなきれいな芸術的なカードがないんだろうか・・・と思うようになっていきました。

それでも、そのマルセイユタロットを使って瞑想をすすめていくうちに、カードを眺めているとそこに違うものが重なって見えてくるような感じになってきて、3巡くらいすると、声が聞こえてくるようになってきました。そしてだんだんと、今までどうも変だなーと思ってたことや疑問に思ってたことの答えが見つかり始めました。

私は、タロットの秘密を探ってやろう!などと意気込んでたわけではなく、「どうしてこうなってるんだろうー?」とか、「これは何のこと?」とか、そういう好奇心からタロットの世界に興味があって、どんどんすすめていったわけだったんですが、それは普通の人との付き合いでの、友達とか好きな人のことをもっと知りたいと思うような気持ちとも共通してるような気持ちだったんじゃないかと思ってるんですね。それに、このころは、家族以外で話す相手といえばタロットの世界の人たちだったっていうのもあるかもしれません。

一番最初に聞こえてきたのは、手品師の「実際には○○○○(ここは聞き取れなかったんですが)なっているが、嘘をつかなくちゃならない」という声でした。私がタロットの瞑想を通じて知ったタロットの世界の話は、今まで読んだ本には全然書かれていないようなことがいっぱいで、そういうことを私に教えてくれるのは、私がタロットの世界のことが大好きで、好きな人のことをもっと知りたいっていうのと同じ気持ちでタロットの世界に接しているから、タロットの世界の人たちも「じゃあ、あなたには特別に教えてあげるね」っていう感じで話してくれたんじゃないのかなーと、そう思いました。

そして、こういうことがきちんと盛り込まれた、しかも色がはみ出したりしてない、きれいなタロットカードというのは今のところ存在していなくて、瞑想すればするほど、もっと私のイメージに近いきれいなカードを使いたい・・・という思いが強くなっていきました。古いカードは色別に多色刷りで彩色されてたので、どうしても色がはみ出してたりしていて、それは味わいでもあるんですけど、瞑想のときに、色のはみ出したところが目につくと、タロットの世界の中にいる気分から、現実の紙に描かれたカードに戻ってしまう感じで、急に現実に意識が引き戻されてしまうんですよね。かといって、現代にCGでリメイクされたカードだと、それはそれで、色がはみ出していなくても、定規で引かれたような直線や、マジックで描いたような均一な線で描かれていて、色もぺったりと平面的に塗られている絵が、逆にロボットのような味気ない感じがしてしまって。表情なんかももっと生き生きしていてほしいし、女王様や女神がきれいじゃないと「うーむ・・・なんかね・・・」って思ってしまうんですね。中世の絵画なんかでは、女王様や女神、それにシスターの人たちなんかもとても美しく描かれてますよね、なのに、なぜタロットカードではそうじゃないのかっていう違和感がすごくありました。それで、もう、ないんなら自分で作るしかないか・・・ということになり、でも作るとなればそうとう大変な作業だということは、これまでも少しは絵を描くことにも関わってきた分、その苦労は重々承知してましたけど(だって78枚もあるんですよ!それを1枚1枚描くだけでも気の遠くなりそうな話です(>_<)それに作るとなれば納得のいくクオリティにしたいですし、はたしてそれが自分の画力でできるのかとか)、それでも、やっぱり思い切って「作ろう!」と決心したというわけですね。それはもう、今になって思えば、もしかしたら、私にそう決心させるためもあって、タロットの人たちがいろいろなことを見せたり教えたりしてくれたのかもしれないなと、そんなふうにも思ったりもします。

そして、さらに本格的に制作に取りかかりはじめたら、ニコラ・コンヴェル版よりもっと古い古典マルセイユタロットのひとつで、とてもきれいなタロット「ピエール・マドニエ版」を見つけ、だめでもともとと探してみたら、なんと最近になってそれが復刻されていたのがわかって、手に取って見ることができたりと、いろんなことが整っていって自分なりに納得のいくまでこだわって制作を終えることができました。

そして、タロットの制作の過程で、私が知ったタロットの世界のことは、カードの絵の中に描き込んでいきました。なので、じっくりカードを見れば、その細かいニュアンスがわかる人にはわかるようになっていると思っています。特に細かな表情のほうは、なんだか描いているうちにタロットの人が乗り移ってきて手が勝手にそれを描き上げていくようなそんな感じもしました。ですから、なんだかカードを描くことで、やっとそれぞれのカードの人物に初めて会えたように思いました。なので、私だけの力で作ったというよりは、タロットの瞑想を通じて、タロットの世界の人たちからも協力してもらって仕上げていった・・・という感触でした。ですが、その詳しい話については、誰にでも話していいものなのかどうか・・・とずっと考えていて、それで当面の間はタロットの会に参加するなど直接会った人にだけお話ししてきました。

そんなわけで、本は当初は全然書くつもりはなかったんですね。タロットは絵でできたカードなんだし、じっくりカードを見てもらえれば細かい部分についても感じ取ってもらえるんじゃないかと思ってましたから。そして興味があってもっと話を聞いてみたいという人には、タロットの会を申し込んで話を聞きにきてもらうということにすれば、それでいいだろうと思ってました。それに世界にはマルセイユタロットの専門家がたくさんいらっしゃって、たくさんの本が出てるわけなので、私が書くまでもないだろうと思ってましたし。でも、タロットを作ったあと、かつての私がそうだったように、仕事や育児、家事などで忙しいという人の中にも、もっとマルセイユタロットのことを知りたいと思ってる人たちがいたり、マルセイユタロットを使ってみたいと思ってるけど日本語の読みやすい本がなくて・・・っていう人が多いということがわかってきました。実際、私も家で本を読んでいろんなことを知りましたし。それで、マルセイユタロットで占いをするために必要な部分だけをぎゅぎゅっと詰め込んだ「mamanmiyukiタロットの世界」という本を、解説書として1冊作ったんですが(ま~なんていうか、「mamanmiyukiタロット」の取り扱い説明書的な位置づけですね)、この本はとにかくいつでも読みやすいようにとページ数をなるべく少なくまとめましたから、瞑想で知ったタロットの世界についての詳しい話についてはほんの少ししか触れませんでしたし、さらに詳しい話を書いた本を作るかどうかというのは保留のままになっていました。

それが今回、こうしてこの本を書くことを決めたというのは、旦那からの提案があったというのもあるんですが、それに加えて、私が占いに関わることになったきっかけにまでさかのぼります。

私が占いに関心を持つようになったのは、小学生のときにサンリオなどのグッズを扱う近所のファンシーショップで星座のペンダントを見つけたことからでした。そのペンダントに各星座の簡単な説明書きがついていて、「へーぇ、12星座占いっていうのがあって、それでその人の性格とかがわかるのかー」と興味を持ち、自分の星座であるみずがめ座のペンダントを買いました。もともと星を見るのが好きで神話や物語は読んでいたということもあり、そこからすんなり入っていったんですね。そして、もうちょっと詳しいことも知りたくなり、少し大きな町の本屋さんで星占いの本を探して読んでいくうちに、中学生のときに、安西輝晃先生の書かれた「愛の星占い」という本に出会い、「自分の生まれた年月日・時間をもとにしてホロスコープというのを書くと、もっと詳しくいろんなことを知ることができるのか!」と感激し、すっかり夢中になりました。

この安西輝晃先生の本は、後に、知る人ぞ知る名著だったらしいと知るのですが、当時はそんなことは知らないまま没頭し、さらに本の巻末に書かれていた著者の住所を頼りに、安西輝晃先生に質問の手紙まで出してしまったという熱の入れようでした。しかも、そんな中学生の女の子が熱中しているのが微笑ましかったからなのか、安西輝晃先生は丁寧なお返事とともに、先生の直筆の手書きのホロスコープまで同封してくださったんですね(これがもう、青いインクの万年筆でしゅるしゅるっと書かれていてすっごくカッコ良かったんですが)。しかも私の人生に対するアドバイスまでしてくださいました。本を書くようなすごい先生に無料で質問に答えていただいたうえに鑑定までしていただいたような形になってしまったわけなんですが、当時の私はそのありがたみもよくわからないまま、びっくりするやらうれしいやらで、とにかく部活のかたわら、独学であれこれ計算しては取り組む毎日でした。

そのころは占いの学校のようなものも身近になく、中学生の女の子が趣味で没頭しているというのも珍しいことだったと思います。まわりにそんな子は全然いませんでしたから^^。安西輝晃先生はその後数年で亡くなられてしまったらしく、著書もその1冊だけで、私もいろいろ疑問に思ったことを他の本で調べたりしたものの独学では行き詰った感じになり、だんだんとトーンダウンしていったところに、高校生になったころにはタロットと出会い、「これは面白い!」となって今度はそちらに夢中になりました。

話はだいぶ飛びましたが、このときの安西輝晃先生の本というのが、女性向けっぽい感じのピンクの表紙で題名も「愛の星占い」となっていて、いかにもよくあるような12星座占いの本のような見た目だったにもかかわらず、中身はものすごく専門的な内容で、これ1冊で西洋占星術のことがひととおりわかるような内容だったんですが、本の値段は1000円ほどだったんですね。だから中学生の私でも親におねだりして、お小遣いの範囲内で買えたわけなんですが、この本がもし専門書として高額な本だったらとうてい手に入れることはできなかったでしょうし、そうなれば今の私はなかったかもしれない・・・と思うんですね。

そして、自分のことを考えてみても、私もこの先どのくらい出版の活動ができるかわからないわけですし、もし私のタロットの世界の話を必要としている人がいたとしても、直接聞きに来られる状況ではないかもしれません。でも、手軽に買える値段の本として出しておけば、遠くに住んでいても、今はまだあのころの私のように子供だったとしても、また今後興味を持つことになったとしても、私に会わなくても本を通じて、この話を知ることができるんではないかと、そう思ったんですね。

私のタロットは古典のマルセイユタロットの「ピエール・マドニエ版」をもとにして、アレンジを加えてあるわけですけど、制作に取り掛かってじっくりカードを観察していくと、かすれてたり欠けてたりする線の部分や境目があいまいなところなどもあって、これを作った人たちはここはどうしてこんなふうに作ったのかな・・・とか、細かい部分で謎が出てきたり、作者の意図が知りたいな~っていう部分がたくさん出てきたわけなんですね。そして「ピエール・マドニエ版」のもとになったかもしれない、さらに古い時代のカードについても、ここはなんでこんなふうに???みたいな謎がいっぱいで、「あ~、タイムマシンがあったら、当時の制作現場に行ってインタビューしたいくらいだわ・・・」というようなこともあって。

そういうことをいろいろ考えていくと、私がカード制作の過程でそこに込めたものについても、今を含め、後世の人が知りたいと思ったら読める形で残しておくことも、作者として必要なのかもな~と漠然と思ったり。せっかくの古くから語り継がれて使われてきたタロットの世界からの知恵が、これから先にカードを作ろうという人や、使う人に、受け継いでいけるように橋渡しをすることも、制作に関わったひとりとして大事なことなのかもしれないなって思ったんですよね。

私の場合、監修者の依頼で描いた挿絵画家としてのタロット作家でなく、タロットの瞑想などを通して私がタロットの人たちから聞いたり見たりしたことをもとにしてタロットを描いたっていうことがあるので、私が書くタロットの制作秘話とか、裏話は、結局、タロットの世界の話をしていくことになってくるわけで、それは私にしかできないことなんじゃないかな~と。

それともうひとつ。タロットの世界というか、あえてこの世とあの世という言い方でいうとあちらの世界にも、グループのようなものが存在していて、同じような好みの人たちが集まって1つの仲間のようなものができてるようなんですね。その仲間の中から何人かがこちらの世界にやってきて活動をしていて、あちらの世界に残ってる人たちはこっちの世界の人たちがうまくやっていけるように知恵を貸してくれてるんじゃないかなーと、そんなふうに思ってるんですが、そうすると、私が私の好みに思いっきりこだわった絵柄でタロットを作ったことによって、この絵柄を好ましいと思う人たちが集まってくるんじゃないかと思うんですね。類は友を呼ぶというか。だとすれば、私の友達ならば、少しお金を払ってこの話を聞きたいと思う人たちには話をしてもいいんじゃないかと、そしてこの話はきっと、その人たちのために役立つだろうと、そう思いました。それと、ちょっと大それた妄想ではあるんですけど、私がタロットの世界が実感できるようにとタロットに描いたことがきっかけになって、マルセイユのタロットの世界の人たちが、他の人たちからも、確かにこういう人たちがいるんだとなんとなく存在を認めてもらえるようになって、それによってマルセイユのタロットの世界が活気付いてきてるんじゃないかって気がしてるんですよね。それで、今まで実現してなかったマルセイユタロットの翻訳本の話が進み始めて実現が近くなったり・・・と、いろんなことが目に見えるようになってきたんじゃないか・・・な~んて(*^m^)。古くから伝えられてきた知恵を埋もれさせてしまうのではなく、後世に伝えていかなきゃならないんじゃないかと。

私が最初にタロットに出会ってからしばらくの間はライダー版やそれに準拠した絵柄のものを使っていたということは冒頭でもお話ししましたが、そのころはただ占いに使うだけでした。ですが、マルセイユタロットを使うようになってから、ぐっとタロットの世界が身近になり、さらにタロットの瞑想を通じてタロットの世界に接することができるようになりました。それはやはり、マルセイユタロットの持つ不思議な力によるものだと感じているんですね。だから、タロットの世界の人たちも、マルセイユタロットの良さをもっと伝えていってほしいと願ってるのかもしれないな~と、そんな気がしています。

でも、他の本や講座でマルセイユタロットの世界について語られている世界観と、私が実感したタロットの世界は微妙に違う感じなんです。タロットの世界の中にも系統があるような感じ。いってみれば、私のタロットの世界は、ピエール・マドニエ家の末裔みたいな^^)。なぜ、世間で著名な先生方でなく私に、タロットの世界の人たちがいろいろなことを教えてくれたのか・・・ということについて考えを巡らすと、私が仲の良い友達だということもひとつだと思うんですが、それだけではなくて、私にはいろんなしがらみもないので、ありのままの真実を私自身の言葉で自由に伝えられるということもあったんではないかな~と、そんなふうに思ったりもしています。そして、こうして知ったことをどこまで公表していいのか・・・と迷ったりもしましたが、私の立場や性格(いいことや面白いことを教えてもらったらみんなにも知らせたくなっちゃう・・・みたいな^^)をひっくるめて考えたうえで私に伝えてくれたととらえると、その時点でそれは私だけとの秘密ということではなく、私から皆さんに伝えて構わないよというOKをもらったと考えてもいいのかな~というふうにも思えてきました。もしほんとうに秘密にしておきたいなら、「これは秘密だから絶対に他の人に言っちゃだめだよ」とか、そんなふうに言われててもおかしくないだろうと思うんですよ。でも、私は、ブログをはじめとして、今では小さいながらも出版社として活動もしているわけで、そんな私を選んでくれたのなら、私だけが知ってる秘密としてしまっておくのではなく、私のできる形で伝えてほしいということなんじゃないかなと、そう思うようになりました。

ただ、瞑想は現在もずっと進行中なので、日々、また新しい発見があったりして、これからも今までわからなかったことの答えが見つかったりすることもあるでしょうし、どの時点で区切って本にするかというのもなかなかタイミングが難しいかな~とも思いましたが、それはもうどこかで割り切るしかないだろうということで、今回、本を書いて発行するということにしたんですね。

この本に書いている内容は、タロットの瞑想や夢の中(ときには、日常の中で急にメッセージが飛び込んでくることもあります)で見聞きしたり、タロットの世界の人たちから教えてもらったりしたことがもとになっています。(*タロットの瞑想のやり方については、この本の巻末でも紹介しますし、アルフレッド・ダグラスの本を読んでいただくのもいいかと思います。本を読むだけではわかりにくいという場合は、すでに販売している「mamanmiyukiタロットの世界 DVD講座 タロットの瞑想編」を購入していただくと映像もあってわかりやすいかなと思います。また、私のタロットの会に参加していただければ、直接ご質問にもお答えしています)。

タロットの瞑想をはじめると、夢の中や日常生活の中でもタロットに関係することを見聞きすることが多くなるといわれていて、私もそれを実感しているんですが、ちょうど定期的にタロットの会を開催し始めて、タロットの制作にも取りかかり始めたころに印象的な夢を見ました。この夢は特に、その後に私がやっていくタロットの会や出版に関することを象徴していたように思ったので、タロットの会の皆さんには折りをみてお話ししているのですが、ここでもちょっと紹介しておくと・・・。

その夢の中で、私はどこか観光スポットというかパワースポットのようなところで案内係をしていました。そこは小高い丘のような山のようなところで、そこを訪れた人たちを1人ずつ呼んで案内して「ハイ、ここに立ってくださーい!」というような感じで、1人ずつ私が指さした場所に立ってもらい、特別な朝日が見えるポイントを教えてるっていう話でした。その時間にその場所から見る朝日には特別な意味があるようでした。そこに来た人はほんの数人で、その時間はほどなく終了して、そのあと日が高く昇っていくと、他の場所からでも誰でも簡単にその太陽が見えるようになった・・・というところで夢は終わりました。
そのときは、どういうことを伝えようとしていた夢なのか、すぐに結論は出なかったんですが、その後いろいろと実際にあったできごとなどを含めて振り返ると、この特別な案内をしている場所に来た数人の人たち・・・というのが、タロットの会で直接私に会って話をした人たちで、そのあと日が高く昇ってから太陽を見た人たちというのは、私のタロットや本を買って、使ったり読んだりした人たちということじゃないかと思いました。タロットや本の中にタロットの世界のことを絵や文章で表現して世に出すことで、私が知らない人でも、また私のことを知らない人でも、誰でもタロットの世界の存在を知り、太陽の光や熱を浴びて恩恵を受けるのと同じように、タロットの世界からの知恵を受け取ることができるようになるというメッセージだったんではないかなーと思っています。

そんなわけで、ようやく保留にしていた私が見聞きしたタロットの世界についての話の本を、ページ数なども制限することなくとにかく書いていこうということに決めました。もちろん私は、タロットを専門に研究している方々のように豊富な知識があるわけではありませんから、ここに書いた内容はいろんな文献に書かれていることと食い違っているようなこともあるかもしれません。また、タロットの瞑想は、夢と同じようにその人それぞれ違ったものになると思いますので、他の方の瞑想での体験とも違うところもあるでしょう。それでも、私の見聞きしたことが、皆さんがタロットの世界をイメージする助けになり、確かにこういう世界があると実感することに役立てばと思い、これからお話をしていくことにしようと思います。

では、お茶でもしながらゆったりと、mamanmiyukiのタロットの会の雰囲気に浸りながら、タロットの世界の旅をお楽しみください。


mamanmiyuki

 目 次


はじめに


*マルセイユタロットとの出会い*
*ブログ開始*
*タロットの瞑想をやってみる*


*もっときれいなカードが使いたい*
*声が聞こえてくる*
*左が未来?*
*空にあるものは*
*愚者は若者?*
*へびが気になる*
*変わったコンタクトレンズ*
*使うカードが決まる*


*車の初夢*


*もうひとりの自分*


*タロットカードを作ろう*
*タロット制作開始*


*ピエール・マドニエ版との出会い*


*ペン入れと彩色開始*


*女帝の鷲と皇帝の鷲*
*教皇と女教皇*
*小アルカナもにぎやか*
*いよいよ印刷所へ*
*タロットが完成*


*また車の夢*
*新しい風*
*アマゾンでも販売開始*


*本を書こう*
*手品師のカード*
*本も手書きで*
*ホームページ作り*
*またまた車の夢*


*初夢の本*
*ISBNコードを取得*
*剣とハンドル?*
*のしもち100?*
*アマゾンに本を出荷*


*スタンダード版を作りたい*
*月の水たまり*
*動画作り*
*ピアノの練習*
*初夢はスタンダード版?*
*タロットは私の子供*


*DVD講座を作る*
*アニメーション作り*
*スタンダード版の先行予約・・・という思いつき*
*いよいよスタンダード版を発注*
*新しい出会い*
*変更できなかった1枚*
*アニメが完成し、DVDに*
*青い車の夢*


*イベントの準備*
*本の増刷*
*シール作り*
*初夢の女の子*
*おじさんと勝負?*
*完璧じゃないから個性が出る?*
*もう一度修正*


*バスの夢*
*ゾンビの夢*
*赤いバスの夢*
*4刷りの本を発注*
*ステージで歌う夢*


*息を吹き込む*
*英語版のミニ解説書を作る*
*また違う車の夢*
*やっと瞑想の話の本を*
*プログラミングに挑戦*
*今度こそ、本作り*


あとがき

<巻末付録>


① タロットの瞑想
*タロットの瞑想について*
*タロットの瞑想のやりかた*
② 瞑想に使用していたタロットカードについて

*書籍・商品のご案内*

mamanmiyuki(ママンミユキ)

*マルセイユタロットとの出会い*

独身時代には、いろいろやりたいことをやってきた日々を過ごしてきた私も、大人になって(ま~、歳だけは…って感じですけど(^^ゞ)、すっかり日常の生活に追われる毎日を過ごしていました。子供が生まれるまでは、占い師の旦那と一緒に占いの仕事などもしていましたが、そのころはすっかり事務や経理だけを家事の合間にこなすだけ・・・という生活で、当時はまだ2人でしたが男の子の子育てに奮闘する毎日でしたから、もうずいぶん長いこと、絵を描いたり、何か自分の趣味に没頭する・・・などということからは遠ざかっていました。でも、子供たちがだんだん成長して手がかからなくなってくると、ちょっとずつまた、あれこれやりたくなってきて、ちょうどそのころ流行っていた囲碁(ヒカルの碁で一時ブームになってましたよね)をやりたいな~なんてことを思いはじめたりと、少しずつまた好奇心がむくむくとわいてきていました。
そんな中、旦那がマルセイユタロットの話をしてきました。それまで、旦那も私もタロットは使っていましたが、ライダー版を主に使っていましたから、マルセイユタロットの話はとても新鮮でした。それで、旦那がいろいろ熱く語ってるのを聞いてるうちに、私も使ってみたいな~と思うようになりました。それで、そのころ、カモワンタロットの本とタロットのセットが発売されて話題になってましたから、「もしかしたら、うちのあたりにも売ってたりして?」と思い立って、試しに見に行ってみたんですね。すると、「ある~!」となりました。それで、ここで見つけたのも縁だなと思って買って帰ると、旦那はまさか私が欲しくなるとは思ってなかったらしく、ちょっと驚いてました。

*ブログ開始*

それでも、まだそんなに多くの時間を使えるわけではなかったので、マルセイユタロットはちょこっとずつ試してみる・・・くらいの使い方でした。その後3人目の子が生まれたりしましたが、家にいてできることをってことで、私の専用のノートパソコンを旦那が用意してくれて、旦那の宣伝にもなれば・・・ということで、ブログ「私の旦那は占い師」を始めました。で、いろいろ自分の占いとの関わりとか日常のことなんかをつらつらとブログで発信するようになったんですね。
それからメール鑑定やヒーリングくらいならできそうだということで、ちょっと占い師としての活動も再開したり・・・ということになっていきました。
そして、マルセイユタロットもだんだんと本格的に使い出すとますます面白くなってきて、本をじっくり読みつつ、いろいろ試したり・・・という毎日になっていきました。すると、だんだん、「これはなんのことだろう?」と疑問に思うことも増えてきました。それで、家にある旦那の大量の蔵書やネットで検索したり・・・といろいろ調べたりするようになるんですが、それでも解消しないことも出てきました。そのころになると旦那もマルセイユタロットの講師の資格もあるほど詳しかったので、いろいろ質問をしたりもしましたが、それでもわからないこともあって・・・。そうしてるうちに、家にあったアルフレッド・ダグラスの本の中で紹介されてる「タロットの瞑想」というのをやると、タロットの人たちが動いたり話をし始めるらしいというので、「じゃあ、もうこれは、タロットの瞑想をやって、自分で確かめるしかないな・・・」と、とにかくやってみることにしたわけですね。

*タロットの瞑想をやってみる*

タロットの瞑想は、「愚者」からスタートしました。机の上に小さなイーゼルを置き、カードが小さいので、ノートの裏表紙に立てかけて・・・といった感じでやってみました。最初は特別なことはありませんでしたが、じっくりカードを観察しました。そのとき印象的だったのは、「愚者」の帽子というか被り物のことでした。それまで、ただの帽子だとしか思ってなかったんですが、よくよくみるとエジプトのツタンカーメンの被ってるものに似てるなと、あらためて気づいた感じでした。それと足元の色が、今いる場所は水色で、今までいたところは黄色くて別のところに足を踏み入れた感じだな~と、さらに向こう側にも黄色いところが見えてるなと、つまり、これは小さい川をまたいでるみたいだな・・・と、そんなことを思い、そのほかにもいくつか気づいたことと一緒にメモして終わりました。
これまでもタロットの絵はよく見てるつもりだったんですが、見てるようであまりちゃんと見ていなかったんだな・・・という印象でした。
そしてこのあとしばらく、それぞれのカードについてじっくりと観察する日々が続きました。1回の瞑想では、カード1枚ずつ、はじめのうちは特に用事がなければ毎日やっていきましたが、日によっては2枚続けてやったりというときもありました。

*もっときれいなカードが使いたい*

大アルカナ22枚をひととおり終えて思ったことは、最初は気に入ってたカモワンタロットが、ぺたっと塗られてる感じがどうも気になって、ところどころ別の色で塗り分けられてる部分があるのが目についてしまうということ、それと、描かれている線がなんだか、CGで描かれてるからなのか、まるで定規で引いたみたいにまっすぐ過ぎて、妙に人工的な感じがして引っかかるということでした。それで、もっと自然な感じで色も濃淡や陰影があって絵画的なもののほうがいいのに・・・と思っていました。「もちろん大事な象徴などはきちんともれなく描かれていて、なおかつ、もっと芸術的な感じのカードにならないものかと・・・」と、そして、「これから私が取り組みたいことかもしれない、もっと写実的な絵のほうが瞑想しやすいと思う。」との走り書きが、そのときにメモしたノートには書かれていて。後から見直してみて、こんなに早い時期からこんなこと考え始めてたんだな~とあらためて思いましたが・・・。で、その後、瞑想は続けながらも、もっと瞑想のしやすいタロットカードがないかと探すようになりました。
「女教皇」では、顔の部分が、ベールをかけたところに描かれてる絵のように見えたのが印象的で、また「皇帝」の顔をじっと見ているうちに、なんだか首を細かく左右に振ってるように見えてきて、口元もぶつぶつと小言を言ってるように見えてきました。それから、「正義」の女神の真ん中あたりに、片方の天秤のお皿をささえてる赤い大きな手が見えてきたり。そして、「世界」のカードのリースの部分が銀色っぽく光って、鏡に見えたりと、このころになると、いろんなカードを眺めていると、断片的にいろいろなものが重なって見えるようになってきました。そうして、その後もとにかく1枚ずつ、「愚者」から「世界」までいったら、また「愚者」から・・・というようにして、順に進めていきました。
3巡目に入って、「愚者」のカードでは、体が緑色で、人間の体のなかに生命力が備わっている感じがしました。

*声が聞こえてくる*

そして、「手品師」のカードを見ていたら、急に声が聞こえてきました。
「実際には○○○○(ここは聞き取れなかったんですが)なっているが、嘘をつかなきゃならない・・・」とのこと。声が聞こえてきたのはこのときが初めてでしたが、なにやら、人を選んで話をしてるといった感じで、「わ~、ほんとに聞こえてくるようになった!」と思いつつも、そのときは、「なにが“うそ”なんだろう・・・ううむ・・・」と思ったりしながら、とりあえずメモをして終わりました。
そして、その後も、「女教皇」の姿がやっぱり顔の部分だけがすごく平面的に見えて、人には若くて穏やかな表情を見せてるけど、実はベールの向こうにもうひとつ本物の顔があって、それは老婆で、ガウンを羽織って後ろ向きに座ってるように見えてきたり。
「教皇」では、笏を持ってる手がやけに立体感がない感じで、それにもう一方の腕ものっぺりしてて、なんだか舞台のセットみたいな張りぼての絵に見えてきたり。それと、「正義」の女神のスカートのすそが、天秤のお皿と同じように上から吊られてるように見えてきて。

*左が未来?*

そして、「隠者」のカードに集中したら、前後に小刻みに揺れてたんですね。これまで隠者は歩いてるのか立ち止まってるのかどっちなんだろうかと思ってたのが、ここではっきりその場で立ってるというのがわかりました。吹きつける風を受けながらその場で立っているんだけど、持っているランタンで照らしてる先へ歩いていこうとしているわけでもなく、この場で真実をじっと見極めようとしている感じ。そして、この「隠者」は、次の「運命の輪」を見つめているように見えたんですが、そうすると、今まで読んだ本で見た並び順と逆になっちゃうんですね。そこで、「でも、ひょっとしたら、ほんとうの並び方は左から右へではなく、右から左なんでは?未来は右ではなく左なんでは?」と思いました。
これまでも、例えば、「戦車」のカードがすごく前向きな感じがするのに過去を表わすとされている左を向いているというのが、どうも変だな・・・と、気になってたんですよね。それと「手品師」も「女教皇」も左向きでそれも過去を見ているというのはなんか違和感があって。だから、実は、未来は左、過去が右というのが真実なんでは?と思いました。それで、数日前に聞いた「手品師」の話にあった「嘘をつかなきゃならない」というメッセージだったのかもと、今まで読んだものはみんな、左を過去、右を未来としてたけど、実はそれは違ってたってことなんじゃないかと。そう思って、他のカードも見直してみると、やっぱりこの向きで考えたほうがしっくりくるんですよね。こちらの世界では左が過去で右が未来だとしても、それを向こう側の世界からまるでテレビや映画のシーンのように見せてくれてると考えればくるっと反転して逆向きになってもおかしくないんじゃないかと。
それで、じゃあってことで、さっそく、試しに3カードのスプレッドを今までと逆の並び順で右から左に並べてみると、やっぱり、すごくわかりやすいんですね。そのときちらっと思ったのは、囲碁でも黒番のときは右から打って左に広げていくしな・・・とか(私、囲碁も好きなんですよね^^)。それに舞台の演出とかも右から左に進行していく感じだし、紙芝居とか絵巻物もみんな右から左に話が進む感じですよね。それに日本の縦書き文字の本も右から左に読み進めるようになってます。そういうことも含めて、これはこっち向きの展開のほうがすごくしっくりくるなと思いました。
だとすると、世間で常識みたいに教えられてることも、全部が正しいとは限らないんじゃないかと。
そうしてたら、女帝のカードを眺めてるときに、ふわっと風が吹いてきて、スカートがふわっとなびいたんですけど、その風も右から左に吹いていて、よく見ると、そこにいる他の生き物も水も、みんな右から左へ動いてるんですよ。



  タチヨミ版はここまでとなります。


タロットの会へようこそ
~タロットの瞑想やタロット制作のお話~

2016年9月23日 発行 初版

著 者 :mamanmiyuki
発行所 :Office隈本
〒289-1212 千葉県山武市木原738-52
      ℡ 0475-89-1962

(POD版  ISBN978-4-9907626-2-9 C2076)

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タロットの会へようこそ
~タロットの瞑想やタロット制作のお話~

著者名 mamanmiyuki

発行所 Office隈本

データ本 ISBN978-4-9907626-1-2 C2076

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