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この本はタチヨミ版です。
私なりの表現でタロットの世界のことをお話ししようと、「タロットの会へようこそ~タロットの瞑想やタロット制作のお話~」の第1巻を発行したわけですが、第1巻では、それまでに私がタロットの人から聞いた話やタロットの制作のこと、タロットの制作を通じて知ったことなどをできる限り全部まとめてお話ししようと思っていました。ですが、タロットの瞑想は今でもずっと続いていますから、それまでにまだ結論が出ていなくて保留・・・と思ってたことが、ある日急に「そういうことか!」と解決したりすることもあって、その話も含めて本に書こうと思うと、どの時点で本にするかというのも、結論が出るのを待ってからというとなかなか終わりが見えないし、そうかといっていつまでも書かないでいると、いつまでもできあがらないということになってしまいます。それで、この先私も年齢的に、いずれ本を書けなくなるような状況になるかもしれないし・・・ということで、2016年の終わりに「とりあえず今書けることをまとめて本にしよう」ということで発行を終えたんですね。すると、第1巻の制作過程で、これまで自分がマルセイユタロットとの関わりの中で考えてきたことをずっと振り返るような形になり、しかもその校正のために何度も何度も読み返したりしましたから、もう一度タロットの瞑想の内容を思い出しながら順番にたどることにもなって、またあらためていろんな発見や気づいたことがあったんですね。そのことは、出版に間に合ったものは第1巻の最後に付け加えたりもしましたが、完全に発行を終えてからも、私が知った話を皆さんにお話ししたことで、また、新しい話をタロットの人が教えてくれたんじゃないかな・・・と思うようなできごともあったりして、いろいろ書きたいことも出てきました。
しかも、書き終えてほっとひと息ついたあとに、またいろんなことが急展開で動き出し、いろいろと思うこともあったので、もともとは、いずれ続編の形で続きを書けばいいかな~などと漠然と思っていたのに、思いのほかすぐにまた第2巻を出版しようかと思い始めることになりました。というのも、完成してようやくゆっくりできるかな・・・と思ったのもつかのま、その後急に、「やっぱりタロットのミニサイズの2刷りを作ってしまいたい」と思い立ち、にわかにあわただしくなったんですね。
もともと、タロットは最初のミニサイズの初版を作ることしか考えていなかったんですが、その後、修正を加えたい箇所を直すためには再度お金を用意して印刷し直すしかないということで、そのためにはタロットが売れないと、さらにそのためには、もっとタロットのことを知ってもらわないと・・・ということで、いろいろなことをしながらずいぶんと月日が流れました。そのことについては第1巻のほうに書いていますので、ここでは詳しい話は省きますが、とにかく私の中では、修正を終えたものを出すまでは、タロット作りは完了したとは思えなかったんですね。なので、いろいろあってちょっと休憩したい気持ちもあったんですが、タロットの2刷りを作るまではどうしても気になって落ち着けない気分だったというのが大きかったんだと思います。それで、資金面ではかなりぎりぎりだということもあったんですが、なんとか無理やり(^^ゞかき集めた感じで用意して、一気に印刷から発売へと突っ走ったということになりました。また、その後もCBDタロットのヨアヴ博士の訃報が入ったりと、短い間にいろんなことがたて続けにありました。
そして、2刷りのタロットができあがったあと、なんだか急にぽっかりと時間ができた感じになってふと思い返すと、そういえば、タロットを作るのが大変で時間もかかったから、「タロットの瞑想のしやすいタロットが使いたい」と思ってタロットを作ったはずだったのに、いつの間にか「タロットを作ること」がゴール地点のように思っちゃってたな~と、はたと初心に帰った気分になりました。それで、せっかくお気に入りのタロットができあがったんだから、ちょっと心おきなくタロットのことをいろいろ考えよう・・・と、久しぶりにのんびりとタロットと向き合う時間を持つことができました。そして、そういうなかで、これまでの夢のことや瞑想のことを思い返したり、いままで謎のまま保留にしてたことをまたいろいろ考えたり、タロットに尋ねてみたり・・・という時間を過ごしていたら、「あ~、こういうことだったんだな・・・」と気づいたり、タロットの人の言葉が飛び込んできたり・・・ということもあって、「なるほど~!」と思ったら、またいつものように、これはタロットを通じて知り合った皆さんにもお知らせしたいな~とかいう気持ちがむくむくとわいてきて(^。^)。
私はタロットのことがもっと知りたくてタロットの瞑想をするようになり、そうしているうちにもっとタロットの瞑想のしやすいタロットが欲しくなって、自分で作ることにしたわけですが、できあがったタロットを世に出したら、それをきっかけにまた、タロットを通じていろんな方と出会うことになり、そこでまたいろんなことを知ったり感じたり・・・ということになりました。それはタロットの人とだけ会話していたころの私にはできない交流でした。そして、英語が苦手な私は、日本語に翻訳された本からしかタロットのことを知ることができなかったわけですが、新しく縁のできた方々は英語やフランス語・そのほかの言語に通じている方もいらっしゃり、その方たちのお陰で、もっともっと多くのタロットに関する話を聞くことができるようになりました。その話の中には、自分と同じような見方もあれば、ちょっと違うな・・・と思う見方もあったりしましたが、それも人それぞれの感じ方で、なるほど~、そういう見方もあるんだな・・・と、別の視点に気づいたり、感心したりすることもあってとても興味深かったりしました。
タロットは絵のカードなので言葉はいらないんじゃないのかといっても、それを使う私たちは、この人間の社会で言葉を使ってコミュニケーションをとってるわけですから、タロットカードに対して感じたことを人に伝えるには言葉は必要になってくるわけで・・・。そして、人それぞれそれまでの人生で聞いたことや学んだことが違うので、タロットの瞑想や夢でも、伝わってくるメッセージの表現の方法は様々だったりします。私にタロットの人が何かを伝えてくるときには、私の慣れ親しんできたアニメや漫画などを比喩として使ってくることが多いな~と感じていますし(それはもう、どんだけアニメ好きなのっていう感じですけど(^^ゞ)。だからタロットカードの解釈の本などもいろいろな書かれ方があるんだろうな・・・という気がして、そういうことなら、私には私と同じようなとらえ方をする人たちに共感してもらえるような説明ならできるんじゃないかと思えました。ですから、当初は、「タロットは絵でできたカードなんだし、そこに描いたことをじっくり見てもらえばそれでいいだろう・・・」と考えていた私も、こうして本を書こうと思うようになりましたし、それを、言葉の違う国の人たちとも共有できたらとてもうれしいことだな~と、そんなふうに思うようになったんですね。
また、この本のタイトルに「~タロットの瞑想とタロット制作のお話~」とあるとおり、「タロットの瞑想」と「タロット制作」というのは、私の中でどっちもなくてはならないもので、そのタロット制作に関して、今回ようやく2刷りのタロットが完成したことで自分なりの目指す形を作り終えたということになり、いろいろとその過程で知った現状や考えたことなどもお伝えしたいというのがありました。2刷りのタロットができてないうちに第1巻は話が終わってましたから、やっぱり、できあがるところまでの話を書いておきたいということもあって。なんていうか、私にとっては、「タロットの瞑想」と「タロット制作」は車の両輪のようなもので、「にわとりが先か卵が先か」っていうのとも似てるような感じで、タロットの瞑想があったからタロットが生まれたとも言えるし、タロットがあったからタロットの瞑想ができたとも言えるなと思うんですね。だから、互いに影響し合いながらずっと成長しつづけていく・・・みたいなことじゃないかと。
日本では今でも、タロットカードは西洋のもので、どちらかというと海外のものを取り寄せたもののほうが本格的・・・みたいな風潮がまだまだ根強いように思うんですね。なので、最近では日本で独自に作られたタロットカードも、私のカードも含めだいぶ増えてきてはいますが、まだまだオリジナルのタロットカードを制作するという文化は根づいていないということじゃないかと思っています。それは、例えばタロットカードを印刷するということをとっても、私は東京の印刷会社でお願いしましたが、印刷は海外の老舗の印刷所でするというメーカーもあるらしいですし。日本でもタロットカードを作ってる印刷所はありますが、どちらかというとトランプが専門で、タロットカード「も」作ってる・・・という位置づけのところが多く、定番の型などもあまり充実していないという現状です。なので、自分のこだわりのサイズで作ろうとすると、タロットカードとしてはオーソドックスなサイズのものでも、型は新たに特注で作らなければならないということになり、それだけコストが高くなって、印刷にかかる費用も割高になってきます。実際、私のタロットも、ミニサイズもスタンダードサイズも型は特注でしたから。また、日常使いするカードとしては、まずは使いやすさや手頃な価格が優先されたクオリティで、カードやパッケージ用の箱などの仕上がりは、多少の傷や汚れなどは黙認するみたいなことだったりして、通常は1個1個検品するようなメーカーはないということも、私としては驚きでした。ですが、そこをあまり追及していくと、カード製作自体にかかる費用が割高になり、普段使い用として気軽に買える値段のカードではなくなってしまいます。
それで、そのような現状の中で模索していった結果、私なりになるべく良い品質のものを、気兼ねなく普段使いできる値段でお届けしたい・・・という願いから、あまり製作費のかからない国内の印刷所を選んだうえで、1つ1つのデッキを自分で組み、全部検品して、なるべく傷や汚れのないものをパック詰めするという方法で仕上げることにしたんですね。で、今のところ私以外にそれを任せられる人もいないということで、ずっと自分ひとりでやってますので、なかなかまだこのパック詰めは完了していないということなんですが・・・(^^ゞ。
それから、カード作りのための原稿作りについてもいろいろと初めてのことでしたから、知らなかったことも多く、現状に対して疑問に思うこともありました。現在の印刷物の製作現場では、デジタルでの入稿が主流になっていて、それに作家のほうが合わせているような感じがしました。作品の味わいよりも生産性の効率のほうが優先されているんじゃないかと。もちろんCGを使った絵でも、作家の人がそれを通常の画材のように使いこなして納得のいくクオリティで仕上げているのならそれはそれできちんとした絵画と言えると思うんですが、いまどきはCGを使えば、絵心のない人やCGを使いこなせていない人でもいちおうそれなりの仕上がりで絵が描けてしまい、それが完成品として使われるというのはどうなんだろうかと。そこにちゃんと魂が込められた絵になってるのかっていう気持ちがずっとありました。そういうわけで、私は手描きの絵をデジタルのデータにしてもらうという方法で作りましたが、それについてもきちんとしたデータを完成させるのにはいろいろと注意しなければならない点もあり、また費用もかかりました。
そのようなわけで、実際に自分でタロットカードを作るということをやってみた経験を通して、きちんと完成度の高いカードを作る難しさを実感しましたし、タロットカードというのは誰かがひとりで作るものではなく、チームとして完成させる芸術品であり、かつ道具なんではないかなぁということをとても強く感じました。しかもタロットカードはその絵の中にもいろいろなものが込められていて、ただ鑑賞するだけのものでもないわけですから、そのデザインを決める過程も含めると、ほんとうに納得のできるタロットカードを作ろうと思うと、あらゆる過程でそれぞれのプロの知恵や技術が必要なものなのではないかと思ったんですね。まぁ私の場合、そのチームの中の役割のいくつもを自分でこなさなきゃならなかったわけですが。
また、私としては、当初はタロットカードしか作るつもりはなかったんですが、発売後に、付属のミニ解説書も手作りしてつけることにしました。これは、ご要望が多かったのでまずは日本語のものを作ることにして、さらにやはり海外の方にも購入いただいたりするので英語版のものも作って両方同梱することにしたんですが、そういうものもタロットカードを販売するとなれば必要になってくることでした。また、ミニ解説書だけでなく本のご要望も多くて、結局は本も作ることにしたり、それと、タロットカードを使うときに必要なクロスやポーチなどのグッズも、自分用に作って使っていたらそれをご覧になった方からご要望が多くてそれも商品化したり・・・と、結局、タロットに関する様々なものをトータルで作ることになっていきました。また、作ったものを販売していく方法ということも考えていかなければなりませんでしたし。なので、やっぱりひとつのものが浸透していくには、いろんなことがトータルとして文化となっていかなきゃならないんだな・・・ということもしみじみと感じました。ということで、こうしてタロットに関わったひとりとして、その中でわかったことや考えたことも、皆さんにもお伝えしたいと思ったんですね。もしかしたら、これから先、私と同じようにタロットカードを作ろうという方も出てくるかもしれませんし。
そんなわけで、今回のこの本もまた第1巻と同じように、タロットの会でお話しするときと同じような感じで、タロットの瞑想でタロットの人に教えてもらったことや夢のこと、タロット制作の話などを、あれこれ交えながらお話ししていこうと思いますので、タロットの会で私の話を聞いてるような雰囲気を味わいながら、タロットの世界を感じていただけたらいいな~と思っています。
では、今回の本でもまた、お茶でもしながらゆったりと、タロットの世界の旅をお楽しみください。
mamanmiyuki
*2刷りのタロットを作りたい*
*駐車場に車を停める夢*
*紙の本も完成*
*いよいよタロットの2刷りを発注*
*由緒正しい布おむつ?*
*2刷りのタロットが完成*
*2刷りのタロットを使ってみる*
*ヨアヴ博士のオープンリーディング*
*「パーフェクトなタロットデッキ」とは?*
『タロットカードというと、占いに使うものというイメージが強いですが、タロットカードの神秘的な美しさは、占いによるメッセージだけでなく、私たちの直感的な能力を目覚めさせるような刺激を与えてくれます。そのため、タロットカードと接することによって、人の世界と心の世界を結びつけて、これまで閉じられていた心の中の扉を開くことができるでしょう。夢の世界の扉を開くといったほうがわかりやすいでしょうか。また、芸術的な活動で創造力を刺激したり、隠れた能力を活性化させるともいわれています。タロットカードを占いだけでなく私たちの心の世界の入り口として使うためのひとつの方法が、タロットの瞑想といわれるものです。瞑想・・・というと、なんだか難かしそうな感じがするかもしれませんが、タロットの瞑想は、何か特別な修行のようなことをするというよりも、「自分の感覚を研(と)ぎ澄ますもの」といったほうがいいかもしれません。私がタロットカードを作ったのもタロットの瞑想がきっかけでしたし、タロットカードと親しくなるためにもとてもよい方法です。タロットカードのデッキと静かな場所があれば誰にでもできますので、ぜひ一度取り組んでみることをおすすめします。使うタロットカードの種類は、手持ちのデッキのどれでもかまいませんが、なるべく自分の一番のお気に入りのものにしたほうがいいでしょう。』
ー「タロットの会へようこそ~タロットの瞑想とタロット制作のお話~」よりー
この本に書いている内容は、タロットの瞑想や夢の中(ときには、日常の中で急にメッセージが飛び込んでくることもあります)で見聞きしたり、タロットの世界の人たちから教えてもらったりしたことがもとになっています。いきなり「タロットの瞑想」と言われても、なんのことやら・・・という方もいらっしゃるかもしれませんので、タロットの瞑想をやってみようという方の参考になればということで、第1巻の巻末に、付録として、タロットの瞑想についての説明とその手順を掲載しています。まだお読みになっていない方はそちらをご覧いただいたり、アルフレッド・ダグラス著の「タロット」という本をお読みいただくのもいいかと思います。また「mamanmiyukiタロットの世界DVD講座 タロットの瞑想編」では映像も交えて解説をしています。この本に書いたことやタロットの瞑想について、もう少し詳しく話を聞いてみたいという場合は、タロットの会をお申込みいただければ、直接お会いしたり、スカイプなどを使ってお話しすることもできます。
詳しくは、HP「mamanmiyukiの小部屋」をご覧ください。
ホームページ「mamanmiyukiの小部屋」
http://yff03170.wix.com/mamanmiyuki
1巻のお話では、やっと瞑想の話の本作りをやり始めたというところまでお話ししていました。本は文章を書くことだけではなく、その後に発行までたどり着くにはいろいろとまだ細かい作業がありますから、そのあたりからお話を始めようかな~と思います。
私自身が作る本としては、最初に発行した「mamanmiyukiタロットの世界」というタロットの解説書に続いて2冊目だったわけですが、1冊めの解説書は原稿は手書きで、普通の本より絵本に近いような感じでしたから、本格的な本作りということでいえば、初めての経験ということだったかなと思っています。本を作るといっても、家の中はもう、タロットの在庫もぎゅうぎゅうと置いてあって、これ以上大量の本の在庫を置いておく場所もないし、だったら電子書籍で作ってみようかということで取りかかっていました。また、そこのシステムでは、電子書籍を発行したあとに、希望する人は「プリントオンデマンド」(略してPODというらしいです)の紙の本を注文することもできるということでしたので、それなら電子書籍のリーダーを持ってないという人や、やっぱり紙の本のほうが好きという人は、紙の本の形で購入することもできるうえに、私は紙の本の在庫を抱えなくていいし、これはいいなということで、使い方の説明を読みつつ作業を開始しました。
私が使うことに決めた電子書籍作りのできるサイトでは、自分で編集して作るなら、どんなにページ数が多くてもカラーの挿し絵が多くても、本を作るの自体にかかる費用は無料で、できあがった本が売れたときにその売り上げの一部を支払うというシステムでした。なので、作成にかかる費用を気にせず好きなだけ文章が書けるというのも、いつもブログとかでもついつい長文になってしまう私としてはうれしいシステムでした。自分で編集といっても、そのサイトでは本格的なHTML文書が作れなくても、ブログなどを書くのと同じような要領で専用のエディタで文章を流し込んでいけば本の形にレイアウトしてくれる方法も選べるようになっていて、それなら私でも自分でできそうだということだったんですね。その簡単な方法で作る場合、レイアウトについてはどんな形でもOKということではなかったですが、いくらかバリエーションもあり、その中で工夫していけば、かなり自分の好きな感じに仕上げることもできそうでした。ただ、紙の本のほうは、物理的にページ数に応じて紙代がかかりますから、ページ数が増えれば本の値段も高くなりますし、普通の本の形式だと本文中の挿し絵は紙の本にするとモノクロになってしまうらしく、それだと紙の本にしたときのことを考えると挿し絵をあんまりたくさん入れるのもどうかな・・・ということに。自分がまだキンドルなどを愛用してなくて、紙の本のほうが馴染みがあって好きだし、タロットの会に参加してる方もそういう方が多かったということもあり、紙の本を買う人の場合にどういう仕上がりや値段になるかっていうことが気になってましたから。
それで、まずは文章がどのくらいの量になるかは書いてみないとってことで、実際に自分のパソコンでテキストを作りながら文章を書いていきました。すると、おおよそ書き終わった時点で、文字だけでもA4で140ページくらいになってしまい(^^ゞ。これにそれぞれ話に応じて画像を入れていったらどんだけ分厚い本になっちゃうんだ?って感じでしたし、しかもそれは紙の本ではモノクロになっちゃうわけでしょ?と思ったら、これは挿し絵は入れずに、皆さんにはタロットカードを手元に置いといて必要なら見てもらうとか、タロットを持ってないという人なら、私のHPの画像紹介ページを見てもらうってことにしたほうがいいんじゃないかと思ったんですね。本といってもタロットカードにまつわるお話の本なわけですから、タロットカードを持ってる人のほうが多いでしょうし。しかも、文字も、あんまり多いとすごく分厚い本になってしまって、読むのがおっくうになっちゃうだろうなということで、文字サイズをかなり小さめの文字でぎゅうぎゅう詰めにレイアウトしていこうということにしました。老眼が進んできてる私にはちょ~っと読みにくい文字サイズかな~とも思いましたが、やっぱりコンパクトな仕上がり優先ってことで。それで、文字を小さくして専用のエディタで文章を流し込んでみたら、少しはページ数を少なく抑えることができて、120ページほどまで圧縮できたということになりました。紙の本の形式は印刷の都合でキリのいい単位で作るシステムになってるらしく「48ページ、96ページ、128ページ、160ページ・・・」という単位にぴったり収めないと、余白が白いページになってしまうという形式になっていましたが、こうして文字を小さくしたことで、なんとか160ページじゃなく128ページに収められるんじゃないかな・・・というメドが立ってきました。見やすさという点ではもう少し文字が大きいほうが見やすいかなとも思いましたが、手に取ったときの感触が手頃な厚みと軽さで、持ち歩きしやすくどこででも読みやすいくらいの本にしたいっていうのがどうしてもあったので、私としてはこのくらいがちょうどいいな~と思ったんですね。
それで、そのあと、扉のページや著者の紹介ページ、まえがきとか、あとがき、付録のページなんかのレイアウトを調整しつつ、なんとか128ページぴったりにレイアウトして、ようやく発行!ということになったんですが、ここで、毎度のことながら、完成間際にいろいろとあって、そう簡単にはいかなかったんですね。ちょうどそのころ、ネットの接続状況が悪く、ログインできない状況になったり、書籍を作るサイトでシステムトラブルがあったり・・・と(ネットを使いながらの作業だとそういうことも時にはありますよね)、それに私自身もまだ作成の手順に慣れていなかったということもあって、その過程で、うまく文章が保存できてなくて一部の文章が消えてしまったり、それを復旧しようとしたりいろいろしてるうちに文章がダブっていたり・・・。なので、できあがったあとに紙の本を注文して、じっくり読んでいってからやっと気づくような誤字脱字や文章のダブりなどもあって、最初のうちはかなりばたばたと頻繁に修正や再発行を繰り返しました。それでも、電子書籍のほうは、発行後もいくらでも修正が可能でしたから、この電子書籍というのはとても便利で有難いシステムだな~というのが実感でした。
それから、この本作りでは、表紙のほうも、そのシステムのできる範囲内で自分好みなものに仕上げるのにもいろいろ工夫が必要でした。この電子書籍作成システムでは、表紙はカラーで作れるんですが、決まったレイアウトの範囲内だと文字が自分好みな感じに入れられなくて、そこでかなりあれこれ格闘しました。表紙は、タロットの瞑想のDVDを作ったときに手描きで作った、タイトルの扉ページの枠を使いたいと思ってたんですね。このDVDのオープニングやエンディングなどは、自分としては「赤毛のアン」のアニメのエンディングみたいな感じにしたいな~とイメージして作ってました。(またまた、アニメどんだけ好きなのって感じですけど(^^ゞ)。枠はこげ茶色のレース模様なんですが、レースの中にうさぎさんが組み込まれてる感じに仕上げていて、とっても気に入ってました。よくよく見ないとただのレースなんですが、実はうさぎさんがずら~っっと並んでるんですよ。うさぎの模様は、タロットカードの裏の模様にも入れていますが、月のうさぎ・・・というイメージで、自分なりのこだわりがあって。ですが、パソコンの画面サイズに合わせて描いてたものを本のサイズにぴったり合わせようとすると、そのままでは縦横の比が合わないので、結局また描き直してたんですね。それで、そこにタロットカードの箱の節制の絵を貼り込んで、上のほうにはタイトル文字が入る余白を作って仕上げてました。ところが、決められたフォーマットだとそこにちょうどいい感じに文字が入らなくて。まぁ、本の題名が長かったっていうのもあるんですが。それで、どうしようかといろいろ考えたあげく、結局は、文字も活字っぽく見えるようにしながら手書きで書き込むことにしたんですね。つまり、うちのパソコンでちょうど良さそうなフォントでプリントした文字を、表紙の絵の中にトレースしてペンで書き込んだというわけです。これは仕上がった本を見た方でも、こっちから言わないとまさか文字も手書きしてたとはわからなかったみたいですが・・・(*^。^*)。とにかく、そんなこんなで、いろいろと試行錯誤しながらなんとか本が完成!ということになり、できあがった紙の本も、手に取ったら、すごくしっくりくるいい仕上がりになったな~と思ってます。
そして、できあがったあとは、またツイッターやブログ、HPなどでも告知をして、電子書籍も紙の本のほうも、ぼちぼちと購入していただく方も出てきたようでした。その後、キンドルや楽天のほうにもストア配本ということで出しましたから(そちらはどのくらいの方が購入されたのかというのは私のほうではすぐにはわからなかったりしますが)、そんなに高額な本ではなくタロットの瞑想のことを書いた本が出せたかな~と、ほっとひと息つけた感じでした。ただ、その後なかなかその読んだ方の感想などが伝わってこなくて、どうだったのかな~と気になったりしてました。私が読んでほしいと思っている、マルセイユタロットを愛用している方たちは、この本を読んでどう思ったかな・・・というのは、気になる・・・というか、興味があるところでした。ちゃんと役に立つ本として作り上げられただろうか・・・という点でですね。普段、タロットの会で直接お話をしてる方たちは、その場で反応があるので、どうとらえたかというのはダイレクトにわかるわけですけど、本を読むだけという方にうまく話が伝わったかな~というのは、読んだ方の感想を聞いてみないとわからないというのがありましたから。でも、手元に届いてもじっくり読まないと感想もなにもないわけですし、本もそれなりのボリュームがありますから、じきにいろいろわかってくるだろうと思って、私のほうは誤字脱字を見つけて修正したりつつ、本の内容も自分でもまたじっくり読み返したりしていました。
すると、本の中では、私のタロットの瞑想のことを順番に振り返ることになっていますから、そうはいってもこれはそのままそっくりお話することはできないな~というものもあったので、いろいろ言葉を選んだり、内容も選びながら書いてたっていうのはあるんですけど、それでもやっぱりあらためてまた、「あ~そういうことだったのか!」とか、いろいろ気づくこともあったんですね。本の中では、まだ謎ということにしてた、ピエール・マドニエ版がうちに届いてすぐに、コインの従者の「調子に乗ってる(?または図に乗ってる?・・・みたいな表現でしたがはっきりした言葉は、すぐメモしなかったのでちょっとうろ覚えです)から、こらしめなきゃならなかった」という声がした話、これと、女帝の「もうちょっとちゃんとさせようと思って作ったのがこれだったんですよ」という声がしたっていう話がつながってきて。これは現代のタロットカード作りに対する、タロットの人からの苦言のような気がしたんですね。
マルセイユタロットは、それ自体がずっと使われて残ってきたっていうところに、何かやっぱりマルセイユタロット独特の世界観や力のようなものがあると、私は思ってるわけですが、現代ではきちんとマルセイユタロットを作ろうとするメーカーがなくなってしまっていて、古いものをそのまま複製したのを発行し続けていたり、新しいものを作ったといってもきちんとした画家が描くんではなく、CGでそれなりに仕上げたカードだったりと、もともとタロットカードに備わっていた道具としての性能や芸術作品としての美しさのようなものが失われてしまってるってことを言いたかったんじゃないかと思ったんですね。古い時代のタロットは現代ではカードとしてのクオリティはいまいちに思えるかもしれなくても、その時代としてはきちんと職人が手作業で作り上げた作品だったんじゃないかと思うんですね。もちろん1点もののお金持ちの人専用のカードほどの完成度はなくても、大量生産されるものとしては、その時代の技術の範囲内でなるべく良いものを作ろうという姿勢があったんではないかと思うんです。でも、そこからすると現代のタロットカード作りはどうなの?ということだったんじゃないかと。確かに描かれている象徴などはきちんと描き写してあるとしても、それは絵として見た場合にちゃんと芸術作品としても良いものを作ろうと努力されたものになってるの?っていうことだったんじゃないかと。現代でライダー版のほうが使われるようになっていったというのは、それがちゃんと画家が描いたものだったからで、マルセイユタロットもきちんと、現代は現代の職人が道具として時代にあったものを作らなければ良いものはできないんだってことを言おうとしてたんじゃないかな~と思ったんですね。他のタロットの悪口を言いたいわけではないんですが、絵としてもちゃんとしたクオリティのものでなければ、ほんとに良い道具にはなれないってことだったんじゃないかなと。だから、これで良しとしてる風潮をこらしめなきゃならなくて、それで、そういう部分に違和感を持ってた私に、タロットの人が「もっときれいに描いてよねっ!」と注文してきたってことだったんじゃないかな~って思ったんですね。
タチヨミ版はここまでとなります。
2017年1月11日 発行 初版
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