───────────────────────
───────────────────────
マッチの木の匂いが好きなダミアンは
こっそりマッチ箱の中で暮らしていた。
けれども朝起きるといつも箱の中は真っ暗で
まだ夜なんだと思って昼まで眠ってしまうのだ。
冒険が好きなこぐまのピッコリ三兄弟は
気に入った味のする方へそれぞれとびこみました。
あまい匂いすっぱい匂いしょっぱい匂いのする方へ。
けれどもほかの味が気になって
閉じ込められないように
行ったり来たりするのです。
箱の中には宝物がしまってあるんだ。
そんな噂を聞きつけて夜ふかし泥棒三人組は
朝までいくつもティッシュをあさった。
ちっとも見つからない宝物のことを考えながらウサギのゴーチェは思った。
もしかしてこのティッシュこそが
誰かにとって宝物なのかもしれないと。
ジョセフおじさんは
よくテーブルをよじのぼって景色をみていた。
少し危ないけどここからの景色は特別なんだ。
ここからしか見られない珍しいものがある。
毎日変わる。毎日わくわくする。
あといくつ珍しいものが見られるだろう。
明日もまた来てみよう。怖いけどまた来てみよう。



























ウサギのアドルフとネズミのアルフレッドはいつも仲良し。
ある日ふしぎな袋の中にキラキラする丸いものを見つけた。
何に使うものかは分からなかったけどキラキラきれいだった。
紙も入っていたけど邪魔だった。
つかまえてみようと二人で走ってとびこんでみると
ふわりとふしぎな袋は落っこちてしまった。
ああ怖かった。ワクワクした。でも怖かった。
レオナールさんは迷子のマチルダちゃんの家を探すため
リンゴの山や大根の丘をゆっくり歩いていた。
迷子のマチルダちゃんがあんまりにも楽しそうなので
僕は一体なにをしにきたのだろうとレオナールさんは少し考えていたのだけれど
迷子なのに楽しそうなマチルダちゃんと歩いていると
レオナールさんまで楽しくなってしまって
あともう少しだけ遊んでいたいとつい思ってしまった。
この子を化け物だという人もいるけれど
本当はとても優しい子なんだ。
みんなで背中に乗ってでかけよう。
あったかい声でにゃあと鳴く大きな友達。
ジュテームという名前をつけてあげた。
どこまでも一緒にいこうジュテーム。
バスチアンはお花が好きでした。
いつからかバスチアンより大きくなって
それでもずっとお花が好きでした。
上手くお話しできないけれど、
どこか似ているような気がしました。
もし今よりずっとずっと大きくなって
見上げる顔が遠くて見えなくなったとしても
いつまでも好きでいようと思うバスチアンでした。
ママにおとなしく待っていてねと言われたから
お鍋の中でずっと待っていたら
誰からも見えなくなってしまって
なぜだか沢山怒られたピエールとポール。
言われたとおりにしてたのにな。
むずかしいばかりだよ、なあ。
頭の良いミッシェル博士は考えていた。
難しいことを沢山考えていた。
たとえばどうしてお腹がへるのか考えていた。
この世界には不思議なことが沢山ある。
この世界の外に出ていったならば
この世界のことがもう少しわかるのかもしれないな。
考えてばかりいたらお腹がへってきた。
食べたら眠くなってきた。
ではおやすみ。
Memeというバンドのミュージックビデオに使っていただいた動画用原稿です。
同タイトルMachloopの歌詞にそって展開するストーリーをご覧ください。
http://memelandscape.businesscatalyst.com/
寂しがりの子ねずみフランソワは
コンセントを引っこ抜いてしまった。
どうなるのかはよく知らないけれど
誰かが困ることは知っていた。
遠くの方で光が消えた。
誰かが大騒ぎしていた。
誰かに見つけてほしかった。
フランソワはあわてて逃げた。
誰かに見つけてほしかったのに。
今日はみんなでおでかけの日だ。
ラファエルさんの家族は沢山いて
みんなが集まるのを待ってるうちに、
どこに行くのかみんな忘れてしまった。
野添翔也さん原案の依頼作品です。
http://miikotree.tumblr.com/
幻の大きな熊を探しに、
探検隊のジミーとマルコは高い高いところまで登ってきた。
大きな熊は一体どこにいるのだろうか。
決めた。今度は丘のあの向こうまで行ってみよう。
今日はフィリッポとアニーの結婚式。
優しい大きな友達のジュテームも招待された。
この日ばかりはみんなも怖がらないでいてくれた。
誰もあの子を化け物とは言わなかった。
優しくてあったかい日だった。
レオンとティモテは旅に出ることにした。
誰も行ったことのないところへ行くことにした。
誰も会ったことのない人に会うことにした。
誰も見たことのないものを見つけることにした。
帰ったらみんなに話すことにした。
今から帰るのが楽しみだ。
人々はこのおじいさんをサンタさんと呼んでいた。
猫とおじいさんとで暮らしているけど
なんとなく他にも誰かいるような気がしていて
いつも多めの朝ごはんを作ってみたり
マッチやカップを置きっぱなしにしたり
そんなことをして遊んでいる近頃。
いつか会ってお話できるといいなあと
いつも夢見ているおじいさんのお話。
2017年2月3日 発行 初版
bb_B_00148365
bcck: http://bccks.jp/bcck/00148365/info
user: http://bccks.jp/user/113492
format:#002t
Powered by BCCKS
株式会社BCCKS
〒141-0021
東京都品川区上大崎 1-5-5 201
contact@bccks.jp
http://bccks.jp
自分のいる場所が自分の居場所になれ。 HP http://1st.geocities.jp/maumaukii/index.html