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セルパブ!
夏の100冊
2017

ぱぶにゃん

夏100実行委員会



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タイムカプセル発見

現在、2018年5月3日AM8時18分。
ようやくここまで復元に成功した。
10か月前にいつの間にか棚に上がってしまっていた「夏100」。

竹中先生以外は誰も気にしていなかったけれど、やはり対談やあの夏の熱気を世に出さなければというスタッフの熱意により、凍結を解除。いまここにようやく日の目を見ることができました。
編集長の土下座は巻末にて!

まずは2017年夏の100冊と5つの対談をとくとご覧あれ!

今年は〈タイトルいろは順〉です。

CONTENTS

対談X 2017① 西崎憲 × 隙間社

対談X 2017② 鷹野凌 × 矢越幸奈

対談X 2017③ 折羽ル子 × くみた柑 × 淡波亮作

対談X 2017④ 片倉青一 × 波野發作

対談X 2017⑤ 澤俊之 × 米田淳一


いろはさくいん

行き倒れ日乗 〔有田降〕

柑電社216円 ▼BCCKS

飯を食い、酒を呑み、読書してたまに写真を撮る、
それはだいたいいつも路上だった。

目覚めたらば痣だらけでアスファルトに転がっていたこともあった。
きっと自分はいつかは路上で行き倒れるのだろう。

言葉などいらないはずの写真に無理に言葉を押し付け、
写真は文芸であると強弁する。

そんなずたずたな試みをお届けする。

インスタント・リプレイ 〔添嶋譲〕

掌編小説集 言葉の工房250円 ▼Kindleunlimited

今もある、今はもうない、金沢のあの場所で、あのとき僕たちに起きたささやかなできごと。
恋をしたり、フラレたり、好きだったり、好きだと伝えられなかったり、いいことも、つらいことも、楽しいことも、僕たちの住んでいるこの街ではすべてが当たり前のように流れていきます。
携帯電話なんかなかった頃のこと、まだ制服を着ていた僕たちの、金沢のあちこちで起きた(かもしれない)小さな物語をつめこみました。

掌編小説7編とTwitter小説10編と、おまけの掌編2編。
(2014年に無料配布版として刊行した「インスタントリプレイ」の増補改訂版です。電子書籍版刊行にあたり、一部内容の改定をしています。)

ロリコン探偵仁とニック 〔竹中越前守樫家〕

TYPE出版社100円 ▼Kindleunlimited

札幌で霊能探偵事務所を営む仁とニック。9歳女児の美咲とともに数々の怪現象を解決していく。
次第に明かされる美咲の出生の秘密と忌まわしい事件。それを知ってしまった美咲に対し仁がとった決断とは──。
新感覚伝奇小説、満を持して登場!
14枚のイラストはオールカラー!

『春風抄』『夏へのドア』『月に萌える』
『変心』『年末年始の事次第』『冬来る鬼』
『美咲のよろめき』『鬼の子』

PAUSA 〔澤俊之〕

NovelJam2017323円 ▼BCCKS

長い人生の短い終止符。男は一人沖縄へ。出会ったのは一本のギター。
「440Hz」シリーズでギター小説という極めてニッチなジャンルへ深くダイビングする作家・澤俊之が、とある男のショートトリップを彩り豊かに描くワンデイストーリー。
舞台は沖縄。男は仕事と家庭から解放されて一人、束の間の癒やし旅を満喫する。うっかりライセンスを忘れ、予定のディープ・ダイビングを取りやめて繰り出した街角。気まぐれでドアを開いた楽器店には、蛇皮をあしらった珍しいギターが待っていた。衝動買いは男の浪漫。降り立った砂浜でストロークしたとき、地元の若者が声をかけてきた。因縁をつけられるかと身構えたそのとき、彼らの口から出てきたのはこんな言葉だった。「なんか弾いてちょうだいよ」
人生に稀に訪れる一瞬の休止符。旅に浸り、音楽に酔い、舌鼓を打つ。五感を刺激する淡麗な文体が醸し出す、至福のひととき。旅先での一期一会をテンポよく描く「澤ワールド」に触れるとき、あなたの脳裏には美しいBGMが流れ出すだろう。
NovelJam 2017 優秀賞作品

表紙イラスト:亀山鶴子

花呼吸 〔解場繭砥〕

逃羊人200円 ▼Kindleunlimited

桜に侵食される奇病を患った伯母。
桜への恐怖と不思議な交流は超現実の世界へ暴走する。
(以下、本文より)
 ――病んでいます。
 桜の絵葉書の隅にそう小さい文字で書かれていた。本文はそれだけだった。
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中指の先に伯母は針を突き立てたのだった。痛い、と反射的に思った。ためらって覚悟を決めて刺したのではなかった。それは痒いから背中を掻くという程度の日常とひと続きだった。
 そして伯母は左手を私の方に差し出した。血が滲み出すと思ったがそうはならなかった。そのかわり桜の花びらが一枚出現した。
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「多分手首を切り落としたら木が一本あらわれる」伯母は微笑みさえ浮かべていた。

ハムスターに水を 〔高橋文樹〕

破滅派499円 ▼Kindleunlimited

大学卒業後、すべてを失って栃木で塾講師として働く「ぼく」。一緒に暮らしている寛美は中学の同級生で、絶世の美女だったが、少しメンタルが弱かった。
寄り添うように生活する二人だったが、ある日「ぼく」は仕事上のミスから職場での地位が怪しくなる。そんな危機的状況に応じるように、寛美も部屋の中に「謎の生物がいる」と主張し始め……
何も持たない男が捧ぐ、長い長いラブソング――300枚の長編恋愛小説。

ぱるんちょ巡礼記 〔ほろほろ落花生〕

破滅派199円 ▼Kindleunlimited

布団の中の祈りから、精神病院、そして労働へ。引きこもり青年の社会復帰の旅は、現代社会に疲弊しきった詩人の魂の彷徨となる。破滅派きっての詩才を誇るほろほろ落花生による連作詩集。

となりをみて/ひとりの男は思う/こいつ、泣いてるのかな/泣いているのだとしたら、なんとかしたいな/なんとかしたいけれど、なんともできないな

犯罪特区COLD BRAIN 〔奏ちよこ〕

298円 ▼Kindleunlimited

人はいつからヒトになるんだろう。僕たちは間違った設計図を刻まれて生まれてきた――
1998年、殺人の遺伝子と脳構造が特定された。数万人に1人の、異能者(Cold Brain)と呼ばれる人々である。
「異能者の殺人衝動は、正常者の性欲と同じだ」
彼らは生き続ける限り、その内に殺人欲を持つ。

時は流れ2020年。特定異能犯罪対策課――通称を特犯と呼ばれる刑事課は、犯罪多発地域である六科市にあった。鑑斗真(かがみ とうま)は念願の刑事になれた翌年に、自身が異能者であることを知らされた。
「異能者として、異能犯の心理に潜り、犯行を読むんだ」
国内唯一の異能犯罪プロファイラーとなった鑑は、特犯の仲間と共に異能犯罪捜査にあたっていた。
連続惨殺事件が、発生。異能者登録された容疑者を逮捕するが……(続きはストアで!)

二次元最高美少女:二次元の美少女ではなく「エロゲ最高!」と叫ぶ美少女 〔戸松有葉〕

490円 ▼Kindleunlimited

可憐「どうしてあたしの体からは精〇が出ないんだーーーーーーーーーーー!」

エロゲ大好き美少女、花園可憐。
あまりにエロゲを愛しているゆえか、ある時エロゲ干渉能力に目覚めてしまう。
エロゲのキャラを呼び出したり、エロゲ世界に入ったりできるようになった。
エロゲ仲間(美少女)や性的に好意を持たれる後輩(美少女)も巻き込みつつ、
新たなエロゲライフを送る。ダンジョンに出会いだけを求めて潜ることも。
果たして可憐は、エロゲキャラにデレてもらうことができるのか。
あと友達できるのか。
※作者おすすめ度 5/5 

鳳凰はかく語りき ─東華百貨店物語─ 〔杉浦絵里衣〕

FLAPPER LABEL150円 ▼Kindle

そこは、光にあふれていた。
生まれてはじめて見た光より
なお明るく、輝いていた──。

時は二十世紀初頭の大阪。
心斎橋筋に面する東華百貨店に設置された鳳凰像は、時代とともに移り変わる人々の営みを見つめ続けた。
ある者は人生を一変させる出会いを経験し、またある者は失った信念を取り戻す。
やがて時は流れ、鳳凰自身の運命をも変える出来事が起きる──。

百貨店と人々がたどる道を、百年の時をかけて見守る鳳凰が語る連作短編集。

イラスト:宗像久嗣

法律事務所×家事手伝い外伝 夏 完全版 〔川口世文〕

東京コンテブラザーズ100円 ▼Kindleunlimited

弁護士事務所という「家事」を手伝う不動正義(ふどう・まさよし)の奮闘を描いたホーム(法務)&ハートフルコメディ──『法律事務所×家事手伝い』シリーズの外伝的短編集です。
本書はその「夏」編の「完全版」。過去の2分冊(「その1 小学三十六年生」「その2 不動家の三十年」)に、第3話「夏休みの競想曲」を書き加えた完結編です。
〈第1話 小学三十六年生〉転校した親友に会うために都内唯一の路面電車「都電荒川線」に乗り込んだ汐里。しかし、忘れ物を持って正義が追いかけてきたことから、例によって一筋縄ではいかない展開に。果たして彼女は無事親友の元にたどり着けるのか?
〈第2話 不動家の三十年〉ここでは不動家の30年前、29年前、26年前が明らかになります。〈第3話 夏休みの競想曲〉かつての同級生の息子のバイト先を調べてほしいという依頼から、不動正義の「空回り」が全開。一方、〈不動法律事務所〉には“スケ弁”こと鷹岡凛々子(たかおか・りりこ)が初登場。ラストは今後のシリーズの行方を大きく左右する展開に……。

対談X 2017①

西崎憲 × 隙間社

インタビュー「文芸電子書籍への布石」(2017夏)

隙間社 第一回の配本、おめでとうございます。見ている限り非常に好調というか、多くの方に受け入れられているようですよね。
西崎憲 ありがとうございます。不安も大きかったですが、思ったより好評でほっとしています。ただ全然安心はできないですね。今後は刊行ペースも重要だと思っています。
隙間社 惑星と口笛ブックスホームページ( http://planet-and-whistle.com )を見ると既に第2回の配本やそれ以降の刊行予定も掲載されていてそちらも楽しみです。
 まずお聞きしたかったのですが、どうして電子書籍のレーベルを立ち上げようと思ったのでしょうか?
西崎 理由はとてもたくさんあります。まず、第一に絶版の本があまりに多すぎることです。古本や図書館で読めるわけですが、それだと著者にはお金が入りません。電子書籍には、著者に報酬が入り続けることと、読者が読みたい時に読めるという大きな利点があると思います。それは本の流通を根本的に変えることなのかもしれません。
 それから、二つ目の理由は、自分の好きな本をほかの読者にも読んで欲しいと思ったことです。それも独力で簡単にできるようになって、その点ではつくづく良い時代だなと思います。
隙間社 なるほど。電子書籍にすることで著者と読者、双方にとってのメリットが考えられますね。
 二つ目の理由についてですが、これは翻訳作品のことを指しているのでしょうか。それとも『ヒドゥン・オーサーズ』のような他であまり読めないような作家の本という意味でしょうか。
西崎 書籍全般ですね。さまざまな理由があって、紙の形では流通しにくいものってものすごくありますから。電子書籍はあまり経費もかからないし、その分利益がそんなになくても出せるところがとてもいいですね。少数派のための本が出せます。
隙間社 少数派のための本、というのはとてもよく分かります。『ヒドゥン・オーサーズ』を読んでいて、いわゆる文芸誌では掬いきれないような作品が数多く掲載されていました。そしてそれは現在セルフパブリッシングで発表されている一部の作品にもあてはまると思います。
 そもそも、『ヒドゥン・オーサーズ』はどういう意図で刊行されたのでしょか。
西崎 『ヒドゥン・オーサーズ』には意図みたいなものはほとんどなくて、このところ気になる人たち、わたしがいいなと思う書き手の方に、ただ順繰りに声を掛けただけなのです。
 結果として、色々なものにたいして、オルタナティヴな仕上がりになっていると思いますが、ほんとに趣味的なもの、というのが自分の感触です。
隙間社 読んでいて、こんなこともしていいんだ! という新鮮な驚きが多くある本でしたね。現代音楽や現代美術、そして現代の文学にも閉塞感というか行き詰まりのようなことを感じるのですが、この本にはそれがなく伸び伸びと書かれたように思える作品ばかりなのがとても印象的でした。
西崎 そう思ってくださったら嬉しいです。色々なジャンルの閉塞感っていうのは、たぶん商業第一主義や組織意識やジャンル意識からもたらされるものだと思います。同人誌に閉塞感なんてあったためしはないですからね。少なくとも個人の作る同人誌には。
『ヒドゥン・オーサーズ』も個人的な感覚でやったので、たぶん閉塞感みたいなものはないんだと思います。好きなことをやっている人の作品が好きなんですよ。好きなことをやってる、できている、ってだけで、一定の評価をすべきじゃないかって思います。違うことを言う方は多いと思いますが。
隙間社 西崎さんは『ヒドゥン・オーサーズ』に著者としても参加していますが、編集者として意識したことはありますか? また、『たべるのがおそい』を編集するのと区別したことがあれば教えて下さい。
西崎 『たべるのがおそい』はまた全然違うものですね。それぞれ独立しているかなと思います。ほかにたとえば、ちくま文庫で翻訳アンソロジーを出していますが、それもまた別かなと思います。
 編集するということに関しては、編集も創作になっていけば面白いなと思います。つまり、編集も俳句や短歌や小説を書くのと同じになればと。でも、原理的に同じじゃないかなと思うのだけど。
隙間社 面白いですね、その辺りについてもう少し詳しく教えていただけますか。雑誌、アンソロジー等の編者としての役割というのは確かに「本を作る」という性質がかなり大きいように思います。
西崎 「本を作る」ことももろに創作だと思うのですよ。ついでに言えばわたし「二次創作」という言葉もべつにただの「創作」でいいんじゃないかって気がします。編集者もやはり創作者だという気がしてしょうがないです。
隙間社 「二次創作」について話を広げるとかなり脱線してしまいそうなので、編集者についてもう少しお聞かせ下さい。
 編集、という言葉自体がかなり多くの意味を含んでいるため異議のある方も多いでしょうが、私も一部の編集者は限りなく創作者に近い存在であると思っています。ただ、編集者=創作者というのではなく、編集という大きな言葉の中に創作という役割も含まれるという感じではないかと。
西崎 そうですね。編集は一般的には創作とイコールにはならないのですが、文学史を見ると文芸誌の編集者のやったことって結果的には、文学の世界での「創作」そのものなんですよね。つまりその編集者がいなかったらその作者はそうならなかっただろうという例がかなり多いように見えます。
音楽や映画のプロデューサーやディレクターも同じことが言えるような気もしますが。
隙間社 なるほど。ちなみに惑星と口笛ブックスの編集作業はすべて西崎さん一人で行っているのですか?
西崎 惑星と口笛ブックスの編集は最後のファイル作成だけはほかの方に頼んでいますが、いまのところは一人です。ただある程度の点数は出したいので、今後手伝ってもらうかもしれません。
隙間社 西崎さんは惑星と口笛ブックスでは編集者としての立ち位置だと思うのですが、他にももちろん小説家、翻訳家、歌人フラワーしげる、さらにはスイスカメラでの音楽活動とかなり幅広く活動されています。 それらの活動は何か自身の中でのスイッチのようなものを切り替えているかという質問をしたかったのですが、今のお話を聞くと大きな括りでの創作として行っているということなのでしょうか。
西崎 そうですね、広くいえばみんな「創作」ですからね、ただ使う道具が違うというか、プログラムのための言語が違うとか、そういうことじゃないかと最近では思っています。
 ただやっぱりジャンルの違いというのはそう小さなものではなく、小説の仕事を長時間やった時と、音楽を長時間やった時の頭の疲れ方はけっこう違ったりしますね。ジャンルってそれぞれ頭の違うところに作用するんじゃないかと思います。俳句と短歌の差くらいでも、それはけっこう顕著というか。
隙間社 確かに、小説と詩歌の両方を書く人の「どちらかが書けるときはもう片方は書けない」という話を聞いたことがあります。脳の違ったところを使っているんですね。
 ところで、これまでにセルフパブリッシングで出版された作品がその後、手を加える等して商業の出版社から再出版されるということは何度もあったのですが、今回の惑星と口笛ブックスの設立はセルフパブリッシングと商業出版との関係を変えるきっかけになるのではと考えています。 それについて、今後どうなっていくのかという展望はありますか?
西崎 惑星と口笛ブックスの場合は、在り方は「セルフパブリッシング」より、出版社というか「スモールプレス」に近いかと思います。刊行した電子書籍オリジナルの本にオファーをいただいて、アナログ書籍になっていくのは望むところですね。電子書籍もアナログ書籍も栄えてほしいですから。
 でも、自分は「電子書籍」を送りだそうとしているわけではなく、「文芸電子書籍」を送りだそうとしているんだな、といまあらためて思いました。単純なアナログ本/デジタル本という軸では考えていないようです。
 予想というか妄想というか、今後の話をすると、文芸電子書籍の読者はじりじり増えていって欲しいので、そのための努力はしたいと思います。そういう読者の方に魅力のあるものを刊行するだけではなく、文芸電子書籍と読者の関係を提言していくようなことをしていきたいですね。電子書籍のデータのなかにアウラを潜ませるためにアイディアとかいま色々考えていきます。自筆原稿を画像にして電子書籍にするといったことですね。
隙間社 アウラというのは面白い発想ですね。そういった試みは、未だに引きずっている電子書籍へのある種の偏見を緩和させるのではないでしょうか。紙対電子のような構図がなくなると今よりももっと電子書籍が広まりそうですね。
西崎 それから流通に関しても考えていきます。いまインディー的な書店がかなり増えてきていますが、そういう書店で、ePub の形で直接販売できるようなやりかたはできないかなと思っています。その場で現金で買って、自分の携帯なりタブレットなりノートパソコンなりに、入れてもらうわけです。
 電子書籍と書店を結びつけたいという希望はかなり強くあります。アマゾンや楽天ではなく、書店をプラットフォームにするということです。下北沢のB&B、荻窪の Title、赤坂の双子のライオン堂、学芸大学のサニーボーイブックスなど、そういう東京に星のように散らばる素敵な本屋に行って、直接文芸電子書籍を買う、大きなプラットフォームからではなく――それはすごくわくわくすると思いませんか。可能かどうかまだ全然着手していないのだけど。
隙間社 わくわくする話ですね!いま挙げたような個性的な書店もそうですし、いずれは東京だけでなく少しづつ全国に広がっていって欲しいと思います。
 先ほど「文芸電子書籍」という言葉が出てきましたが、これは「電子書籍」とどう区別しているのでしょうか?
西崎 「文芸電子書籍」という語は、分類上の語ですね。いまは規模が小さいので雑誌も実用書もマンガも小説もまとめて電子書籍と呼ばれていますが、これからもう少し正確な呼び名を使ったほうがいいんじゃないかと思っています。実務上でも理念上でも。
 とりあえず、自分がやろうとしていることを手早く伝えるには、電子書籍より文芸電子書籍のほうがいいかな。セルフパブリッシュという語からもちょっとはみでてしまうし。〈文芸を扱うデジタルのスモールプレス〉というのが一番実情に近いかと思います。
 なんで用語にこだわるかっていうと、概念がはっきりしないとなかなか広がっていかないところがあって、電子書籍の世界はまず用語の整備みたいなことを考えたほうがいいんじゃないかなとも考えたりしてます。そういうのはなかなか人為的に作れないものですけどね。
「電子書籍」という語も、どうもフィットしない感じがあるんですよね。じつはそう呼ばれているかぎりは膾炙していかないんじゃないかと思います。かといって替わる言葉もない。
 カメラっていまデジカメのことになって、バンドのあいだでギターというとエレクトリックのほうになるけれど、「本」が電子書籍を指すというふうになるのかどうか。ちょっと難しいかな。そもそも「電子」っていう語はあんまり使いたくないんですけどね。でもそこも替わる言葉はない。
隙間社 なるほど、「電子」というのは決して本質を表す言葉でないですからね。「持ち運べる」とか「コンパクトな」とかそういうニュアンスの言葉がくっついても面白いかもしれません。「電子書籍」という言葉もそれ自体も広まりきっていない分、まだ言葉や仕組みが大きく可能性もありますね。
 最後に、惑星と口笛ブックスでの今後の出版予定、また西崎さん自身の活動予定等あれば公開できる範囲で教えて下さい。
西崎 第2回配本はカリブ海出身のイギリス人女性作家リースの日本初の作品集『ジーン・リース短篇集』、南條竹則さんの再刊『幻想秘湯巡り』、私自身のロックの歴史本『20世紀ロック整理整頓』というラインアップになっています。その後も5冊確定しています。準備中です。
 自分の活動予定ですが、東京創元社で全三巻の怪奇アンソロジー、筑摩書房でアンナ・カヴァンの短篇集のほか、文芸誌で短篇小説、福音館で『第三級物語士』というジュヴナイルの長いシリーズを書きはじめようとしています。第一章は Web福音館でいま読めます( http://www.webfukuinkan.com/magazine/1807 )。
隙間社 お忙しいなかありがとうございました。今後の活動も楽しみにしています。
西崎 はい、がんばります。ありがとうございました。

〈おわり〉

西崎憲
小説家、歌人(フラワーしげる名義)、翻訳家、ミュージシャン。音楽レーベル「dog and me rocords」主宰。文学ムック『たべるのがおそい』(書肆侃侃房)編集長。2017年に電子書籍の出版レーベル「惑星と口笛ブックス」を設立。

隙間社
2015年7月4日設立。任意団体のセルフ出版社。代表はヌネノ川。

伊藤なむあひ
純文学側を担当。ポストモダン、アヴァンギャルド、実験小説、寓話などといった小説を得意とする。
弍杏 
エンターテイメント側を担当。永遠の7歳女児。饒舌で軽快な一人称を得意とする。

この二人を抱え、KDPを中心にこれまでなかったような小説を出版していきます。

星に(なって)願いを〔伊藤なむあひ〕

隙間社350円 ▼Kindleunlimited

ポスト幻想文学の旗手が送る短編集。
願い、をテーマに据えた五つの小説を収録。

▼かわいそうなパピ子はダンスホールの片隅、誰もが音楽に気をとられている間に何者かによってバラバラにされた。(「星に(なって)願いを」より)
▼顔のない姉の表情は読み取れず、僕は姉の親指の動きが止まるのを待った。(「首なし姫は川を下る」より)
▼これで分かったことは、殺人ピエロなんて楽しそうにやっているやつは本当にどうかしてるってこと。(「ものがたりのにおい」より)
▼まどろっこしい話はやめよう。事実だけをひとつ述べる。僕たちのなかにオオカミがいる。(「五人の誰かさん」より)
▼さあ、言ってごらん。『ゴースト』なんていない。(「少年Aと少女Bと死体C」より)

表紙絵:mayu!

Dr.Hack (Lifehack Lightnovel) 〔倉下忠憲〕

540円 ▼Kindleunlimited

ライフハック・ライトノベル第一弾。ワクワクするライフハックと仕事術の考え方がたくさん詰まった物語。高い傘を電車に置き忘れてしまい、その対策に悩む「僕」。ハカセからの問いかけによって始まるリマインダーの講義から、めくるめくライフハック・ワールドへの扉が開かれます。リマインダー、チェックリスト、タスクリスト、レビュー。そんなキーワードが気になる方に楽しんでいただける作品です。
▼登場人物紹介
「僕」……新人の社会人。意気込みと勢いは強いものの、仕事では空回りしがち。ハカセの研究所によく遊びに来ている。
ハカセ……ライフハックを研究する謎の研究者。白髪に白髭の老人。ときどき皮肉が過ぎるきらいがある。
サクラさん……ライフハック研究所の栄えある所員一号。「僕」よりは少し年上のお姉さんだが、実態は不明。クイズやなぞなぞに目がなく、集中すると性格も変わってしまう。

時計の針を止めろ 〔武内一馬〕

一馬書房280円 ▼Kindleunlimited

私の上着のポケットには旧い懐中時計が入っている。時計を伴侶として大学生活を送る主人公・新堂は、愛読するJ・D・サリンジャーの物語の人物と同じように、大学から去ろうとしていた。屋上から姿を消してしまった哲学科三回生の跡を追い、音楽プレーヤーからは英国ロックバンド・オアシス(Oasis)の曲が流れ続ける。揺れる記憶の中で、新堂は自らの影を見つめる。彼は今日も時計を巻き続ける、いつか針が動かなくなるその時まで。

著者・武内一馬のKDP出版、第二作刊行。文藝賞応募作品に改稿を加え、電子書籍化。2017年12月9日、第一刷発行。古書店『一馬書房』製作・協賛。

ともだちの国 〔にゃんしー〕

白昼社340円 ▼Kindleunlimited

その国では、結婚前の異性間の恋愛が許されない。
その代わり、同性間の恋愛相手「ともだち」との行為を通じて愛することを覚えていく。

「何処かへ行きたい」そう思ったことのあるすべての人に、この物語を捧げます。
こんな理想郷に行ってみたいと思いませんか。
「自由恋愛」を放棄する代わり、
それ以外の全てが手に入る「ともだちの国」へ。

イラスト:深森亜未森

ちっさめろん 〔紙上大兄皇子・著/高橋文樹・編〕

破滅派599円 ▼Kindleunlimited

「たしかにSFの90%はクズだが、あらゆるものの90%はクズだ」と、SF作家のセオドア・スタージョンは言っている。ということは、つまり、SFの最大派閥、もっとも正しいSFとは、クズSFだということになる。

クズSFの最高峰——つまり、クズの中のクズ——である本書は、破滅派同人の遺作として、古びたWindows PCのハードディスクから見つかった。

悠久の時を経て完成したこのスラップスティックSF、ついに公開。

巻末には高橋文樹による予言の的中率に関する分析を掲載。

若い夫婦がベッドの中で話すこと:夫婦に関する4つの短編 〔高橋熱〕

399円 ▼Kindleunlimited

夫婦や家族をテーマにした4つの短編小説集。
順風満帆に見える夫婦の、お互い知られざる秘密と苦悩。思い通りにいかない夫や妻の苛立ち。
些細なトラブルから引き起こされる微妙な心のすれ違い。今を生きる若い夫婦や家族の闇を、
様々な角度から静かに見つめてみました。

ご夫婦それぞれでお読みいただくのもいいかと思います。
夫の立場、妻の立場で共感いただけるところ、そうではないところがあるかと思います。
夫婦とは何か。結局、「赤の他人」が同居をしている、ということなのか。それとも……。
夫婦関係に疲れている方、倦怠期を迎えつつある方にとって、ささやかな癒しとなれば幸いです。
(結婚を夢見ている方にとっては、あまりお勧めしません)
※全作品改稿版(平成29年6月20日更新)

我輩は本である 〔波野發作〕

伍佰圓堂540円 ▼BCCKS

本というものが生まれて消えるまでの舞台裏を赤裸々すぎるほど丸出しに、出版業界の恥部を余すところなく無修正全開で晒しあげる捨て身の問題作。

本作は、大人の事情により小説のフリをしていますが、その実態はあなたの手元に「本」が届くまでの一部始終です。大人の事情があるので、登場人物は全て仮名であり、企業名店舗名商品名その他すべての固有名詞は仮名です。中の数字もリアルすぎると物議を醸すので若干デフォルメ気味で書いています。それと、著者の見えない場所での話は、あくまで想像です。盗聴器を仕掛けたり、草の者を雇ったり、関係者を酔わせて内部情報をゲットしたりはしていません。さすがに1冊の本でこんなにいろんなことは起こらないので、見た話聞いた話いろいろ織り交ぜてはいますが、まったくの作り話はほとんどないかも? 誰もが「あ、やべえ俺のことか」と思ってしまうようなエピソードを拾い集めてなるべくたくさんぶっこんでいます。

カドルステイト物語 第一部『盗賊の掟』〔守下尚暉〕

パブフル480円 ▼Kindleunlimited

TRPGのシナリオをベースにした、剣と魔法の本格長編ファンタジー小説

「オレは、こんなところで、死んでたまるか。絶対に!」
毎年冬、山奥の村から大都会に出稼ぎに来ている若者デインとカータだったが、今年は戦争の影響で馴染みの仕事が殆ど無く、代わりに傭兵隊の募集ばかりが目立った。そんな中、戦火に巻き込まれる直前の街を専門に盗みに入るという義賊を名乗る盗賊団の募集が彼等の目に留まる。その盗賊団に入団した二人は、特殊な訓練を受けながら、来たる戦争に備えていた。そして様々な思惑が交錯する中、ついに連合と帝国の戦争が勃発する。主人公デインが、旅を決意するまでを描く、超長編ファンタジー小説第一弾。

神々の読む娯楽書 〔遠藤ヒツジ〕

羊網膜傾式会社198円 ▼Kindleunlimited

美子ちゃんの口が蕾のようにきゅっと閉じてしまったのは、小学四年生の時だ――。

喋ることができなくなった少女・美子。
同じく喋ることができなくなったが、やがて詩と朗読によって耳と声を取り戻した女の子・映子。
存在しない螺旋状に組まれた図書館、そこで日々を過ごす羊頭人身のダークスーツ・犠牲羊。

混じり合うように見えて、交差しない3人の物語は一体、誰に読まれるのだろうか。
遠藤ヒツジなりのダークエンタメで魔法少女もの、予想の枠外に放られる小説世界。

神様とゆく!1112日小説を救うための読書の旅 〔弍杏〕

隙間社380円 ▼Kindleunlimited

『文中の(  )にあてはまる文字を入れなさい』の弍杏せんせーが送る
のんすとっぷはいてんしょんのべる第二弾!

面白い小説だってたくさんあるってことを伝えて神様を説得するためにわたしはわたしの大好きな小説を一日一冊紹介することになったのです!
安倍公房『箱男』/神坂一『スレイヤーズ!』/江戸川乱歩『屋根裏の散歩者』/大槻ケンヂ『くるぐる使い』/小林泰三『酔歩する男』/乙一『夏と花火と私の死体』/佐藤友哉『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』/高橋源一郎『さようなら、ギャングたち』/ドナルド・バーセルミ『雪白姫』
そして……。
はてさて小説の未来はどうなってしまうのでしょうか!?

表紙絵:Rin

彼とは石の疎通ができない 〔稀〕

99円 ▼Kindleunlimited

わたしの交際相手、大石くんは石マニアだ。
二人でデートをすることになったのに、なぜか川原に来て、彼は一人で石を拾っている。
退屈で早く帰りたいわたしだったが、突如、自然の脅威が襲う。
あれは野生のクマですか!?

果たしてわたしと大石くんは生きて川原から帰れるのか――?

痴話喧嘩のような、または恋愛のような、あるいはサイバイバルアクションのような短編。

ダーティースノウ 〔初瀬明生〕

99円 ▼Kindleunlimited

「赤銅色の日記」 皆既月食の日、祖母が手術をするということで故郷に帰った坂口さかぐち信二しんじは、その夜に赤銅色の月を見る。子供時代に見たそれを介し、彼は自身が体験した恐ろしい夜の出来事を思い出す。 祖父が崖から落ちて死んだ夜、祖母はなぜか殺鼠剤の瓶を持って鬼のような形相をしていたのだ。子供時代の追憶。家族の真実。処分して欲しいと頼まれた日記。様々な出来事が、祖父の事故の真相、その背景を明らかにしていく。

「ダーティースノウ」 大学三年の春休み、仁科にしな友之ともゆきは友人からの誘いで長野にスノボーに行くことにした。その旅行中、とあるトラブルで同級生を殺してしまう。偶然場に居合わせた飯田いいだ尚史なおふみに口止めをし、遺体を処理し、痕跡を消していく。しかし数日後、その夜を暗示する脅迫文が仁科に届く。飯田が犯人とも思われたが、彼にはアリバイがあった。その後も脅迫文が届き、ついに犠牲者が出る。クズ野郎の逃避行に巻き起こる不可思議な事件、現象。仁科に脅迫文を送り、襲ったのは誰か。事件発生させたのは誰か。これらを行ったのは同一人物か……。

大四国戦線 〔折羽ル子〕

ケモノノノベルズ399円 ▼Kindleunlimited

《昭和感あふれる総天然色ポスターと図解も巻頭に収録!》
《要所要所に図鑑と侵攻マップもあるので、四国が舞台で全然ピンとこないよって皆さんも大丈夫》
カラーイラストページ全十二枚付、

四国の山奥にひっそりと暮らす男、沼ヌメリ。彼は事故で死んだふぬけの御曹司に成り代わりいずれ成立する四国州の長を目指す。
その前途は血で血を洗う獣の抗争があった。

21世紀初頭、四国の盟主を名乗る香川県と愛媛県、通称うどん県と通称みかん県、四国州の州都を巡る両県の抗争はついに実力行使へと発展した。
恐怖の大量破壊生物兵器「ヴドン」による侵攻である。

魔球投手1
ダイヤモンドの魔術師 〔割鞘義一郎〕

698円 ▼Kindleunlimited

内戦《凍結》から十七年後、将軍が帝都に鎮座し、神霊Gメンが霊的国防に奔走するもうひとつの日本。プロ野球《神聖リーグ》は国民の熱烈な支持を受けていたが、それはフーリガン・シンジケートによる煽動と粛清を含む過酷なものだった。また、内戦時代の影を引きずる《闇リーグ》が秘かに跋扈する混沌の時代でもあった。
万年最下位チームと揶揄される東洋トルーパーズのファームキャンプで、若きスポーツ記者・薮原理紗は、投球練習をしている見慣れぬ投手を目にした途端、強烈な天啓を得る。「この投手が一軍に入れば来期のトルーパーズは必ず優勝する!」と。その男は、月影祐摩という名を理紗に告げて姿を消したのだが、彼女以外の者は誰一人としてその投手の存在を認知も記憶もしてなかった。もちろん、トルーパーズ二軍の選手でもない…。彼女は自らの霊感を信じて、祐摩を探そうとする。そして、闇リーグの伝説を知ることになる。それは、伝説に過ぎないのか、それとも…。

ダブル・フーダニット 〔水瀬ハルキ〕

陽水樹文庫250円 ▼Kindleunlimited

「誰がやったのか?」をテーマに、異なる2つのタイプのミステリー2編を収録した初期作品集。
●「I」-Murder Case- 高校生の綾瀬一弥は双子の妹、優の写生旅行の付き添いでS県彩水湖畔のペンションを訪れる。個性的な客たちが泊まりに来る中、辺りは季節外れの台風が接近。それでも外の嵐の様相と違って穏やかな一時を楽しむペンションの面々だったが、宿泊客の一人が絞殺死体となって発見され、状況は一変する。台風の影響で土砂崩れも発生し、町まで通じる道も塞がれ、一同は台風が過ぎ去るまでペンションに隔絶される事に。そんな中、さらに恐れていた事態が発生し……。
●ラストアクト 大学映画部部長の新海亮は、皆で苦労して撮った映画をコンクール目前で封印した。主演女優の水野麻衣がクランクアップ後に亡くなったからだった。彼女は心臓の疾患がある事を誰にも言わず、撮影の負担のためこの世を去った。部は空中分解状態、亮は夜毎、水野の映像を眺めるばかりの日々が続く。そんな折、部の自分宛てに1枚のDVDが届いた。差出人の名がないそのDVDに収められていたのは、クランクアップ直後の水野が誰かと会っている映像だった――。

そしてくるみは、 〔松浦徹郎〕

200円 ▼Kindleunlimited

クラスでもちょっと浮いた存在だった加古悟と相崎くるみの二人は、小学校の臨海学校でタキオン(超光速粒子)が放つというチェレンコフ放射を目撃する。
その後、加古は上っ面で他人とあわせる処世術を身につけ、平凡な高校生になった。だが、くるみはタキオンの研究に心血を注いで、独立独歩で生きていたから二人は疎遠になったかのように思えた。
しかし三年になったとき、くるみの研究費稼ぎがきっかけで二人の運命は再び交わる。

鶴ヶ島 コンビニ戦記1 〔幻夜軌跡〕

のぎのぎ出版300円 ▼Kindle

元気とるいは、鶴ヶ島駅前のコンビニ「フレンズ」で働く高校生。2人はマイペースな仕事ぶりを発揮し、店長の努は頭を抱える毎日だ。しかし、悩みはこれだけではなかった。4年に一度開かれる、各店の代表が力と力をぶつけあうタッグバトル「コンビニバトルオリンピック」の予選に出場する店の代表がまだ決まってなかったのだ。努は、2人をこの戦いに出すことを決める。「戦い」と聞いて燃え立つるいだが、元気は首を縦に振ろうとしない。
一方、そんな元気を狙う“王子”がいた。王子は「オリンポス」というコンビニで働く大学生で、今度のコンビニバトルオリンピックに出場する選手の一人だ。彼は、元気は自分の伴侶となるべき女性だと言って迫ってきたのだ!もちろん、元気にその気はない。だが、王子は諦めない。ついにその手はるいやその友達にも及び始めた。元気の堪忍袋の緒が切れる。
「コンビニバトルオリンピックに出るんだったわね? 相手してあげるから負けたら二度と私に近づかないで」
コンビニバトルオリンピックが幕を開けようとしていた。

イラスト:芳村拓哉

ねぇ、その出版楽しいの? 〔丸木戸サキ〕

SADOMASOCHISM250円 ▼Kindleunlimited

KDPで小説を出版し続けて三年弱。Kindleダイレクトパブリッシングを通じて得られた「楽しい!」「面白い!」を綴ったエッセイです。ハウツー本ではありませんので、出版の仕方などは掲載されておりません。
この書籍の想定対象読者は以下の方となっております。
 ・自作オリジナル小説を書いている、書きたい方
 ・KDPでの電子書籍出版をやっている、興味のある方
 ・KDPでの電子書籍出版をやってみたけど楽しめなかった方
 ・面白いことが好きな方 ・きれいごと、小手先だらけの出版指南本に食傷気味の方
 ・KDP出版経験者の話が知りたい方
反対に、以下のような方にはオススメできません。
 ・作者の楽しみとかどうでもいいから読者のために小説書けよ派の方
 ・売れるハウツー、オイシイ話をお求めの方

猫のひと 〔戸田鳥〕

300円 ▼Kindle

孤独と引き換えに悲しみを半減された女性(予言)、猫に好かれて困っている青年(猫のひと)、自分の家族を選択する高校生(三連プリン)、などさまざまな主人公から見える日常と非日常を描いた短編集。全九編。
【収録作品】
予言/猫のひと/くちぶえ/声/ひと違い/天道虫/環状線/三連プリン/路地の思い出

なぐるふぁるの鬼娘 〔西紀貫之〕

AGJスタジオ250円 ▼Kindleunlimited

完結請負屋見参
閉じられなかったが故に歪んだ完結に向かおうとする物語。現実を侵食し、少年の命を糧に最期に向かうストーリー。
世に仇為す魔を秘めた未完の作品に、古書店店主の斫颯が立ち向かう。
武器は魂をインクとして物語を紡ぐ魔筆『なぐるふぁる』。補佐をするのは、物語を喰う文車の鬼『沙華』。
二人が目指す話の最後とは!?

夏風ノスタルジア 〔クロサワコウタロウ〕

Arrows yeast300円 ▼Kindleunlimited

――依子は喜んでくれるだろうか。
結婚を決意していた富三郎。指環も用意し、2年付き合ってきた依子へプロポーズの言葉を発しようとした矢先、依子自身によってプロポーズは未遂に終わってしまう。なぜ。どうして。納得の行かないまま帰宅した富三郎は、1枚の写真から15年前の夏を思い出す。

突然現れた少女とのひと夏限りの思い出。
愛車にまたがり15年前へと旅をする富三郎の行き着いた先は――。
忘れられない過去の出来事。現在(いま)になってその意味を理解する。

ナツカシサは今と切り離された過去じゃない。

電子発の書き下ろし小説。

らくがきウルファ! 〔針とら〕

250円 ▼Kindle

タカトは、描いた絵を召喚することができる〈絵士〉の血をひく小学6年生。
そんなタカトによって描きだされた狼獣人ウルファは、古の時代を人間の傭兵として闘った伝説の絵画獣……の、らくがきイラスト。

戦士としてのプライドが高いウルファは、いまの弱っちい自分の姿と、自分を友達としてあつかおうとするタカトにイライラ中。
そんな2人の前に、すべての絵画の頂点に立つという悪魔の画獣、バフォメットがあらわれて……。

描いて闘え!
ふたりがタッグで立ち向かう、友情バトルストーリー!

イラスト:朸ワトウ

らせんのせかい 〔神楽坂らせん〕

RasenWorks280円 ▼Kindleunlimited

日本独立作家同盟発行の『月刊群雛』にちょこちょこと掲載させていただいた作品たちの中から、SF作品だけを集めて短編集を作ってみました。
思わずニヤリとする話から、グッとくるお話まで、各種取り揃えております。
2014年06月号〜2016年08月号まで、2年と2ヶ月の成長を一目で見れる作品集となっています。

収録内容
・スイート・メモリーズ ・あいどる・とーく
・あいぽっど・とーく  ・マトリョシカ
・AIのメモリー     ・StoryWriter(TM)
・ゲームと侮ることなかれ 【書き下ろし】
・ちょっと上まで・・・

無職爆発 〔D坂ノボル〕

D坂書房250円 ▼Kindleunlimited

主人公は……無職!!!!
――街の至るところ、無職、無職、無職、無職。人口爆発ならぬ、無職爆発である。――
不況の果て、実質失業率50%を超えた近未来。失業者たちは公共職業安定所〈ハロージョブ〉の職員たちによる支配と圧政に苦しんでいた。
働かざる者に生きる価値はない!! 無職大量虐殺が公然と行われる未曾有の大不況のなか、主人公(無職)は無事に仕事を紹介してもらうことができるのか――!?
無職が泣く!! 無職が吠える!! そして無職が立ち上がる!!!!
不景気が生んだ究極のサバイバル・パニック・ホラー、表題作「無職爆発」のほか、登場人物全員無職の絶望群像劇、オール讀物新人賞一次選考通過作「負け組食堂」を同時収録。
現代人全員が逃れられぬ人生を懸けたテーマ〈労働〉に、無職という視点から特攻をかけるワーキング・プア世代のシュプレヒコール、21世紀のプロレタリア文学!! 新ジャンル〈無職SF〉が二篇!!

学園コメディ無責任姉妹③ 機械少年の憂鬱〔アヲイ〕

さくらノベルス250円 ▼Kindleunlimited

「アタシは死んだ魚なんか拾い食いしない。生を……そうね、握り鮨にして食べるわ!」(漆田風奈)
琴香と風奈の青春渡世はまだまだ続く。
舞台は、生徒会長選挙バリケード事件から1カ月後の私立C・ランフリー高校。

漆田風奈は関丹・立河を巻き込んで幸運の珍魚を求めて立ち上がる。
日下ひなたは生徒会男子にまたもや無茶な指令を発令。
私立C・ランフリー高校の夏の始まりに、怪しい雲行きが広がってゆく……。

ある者は鮨のため、またある者は博奕のため、生徒が、職員が、様々な部活が入り乱れる、初夏の物語。
だいたいドタバタで、ときどきマニアック、ともするとシニカル。だけど今回は、ちょっと淡くて切ない……?全体的にとっ散らかってる社会派(?)学園コメディです。

VIMANA 特別編 〔海田陽介〕

新想社369円 ▼Kindleunlimited

宮崎県日南市で楔形文字に似た、謎の古代文字が発見された。一説によると、それは失われた超古代文明のものではないかという話であった。大学でオカルト研究会に入っている小百合と健一とさやかの三人は、夏休みを利用して、謎の古代文字が発見されたという日南市を訪れてみる。すると、そこで三人は思いがけない事件に巻き込まれていくことになるのだった……。宮崎県日南市で発見される超古代の宇宙船。更に超古代からのタイムトラベラーと、そのタイムトラベラーを追ってやってきた、超古代火星からの追跡者。果たして彼等は何者なのか!? 過去に存在していた超古代文明の真実とは?『VIMANA』シリーズ特別編。

こちらは、既出の『VIMANA』シリーズ1~3を一冊にまとめた物になり、一冊ずつ購入していくよりも、少しお得になっています。『VIMANA』を少しでもお得に買いたいという方や、一気に読みたいという方はぜひ!!

ウォヴォカの道化師 〔栗山真太朗〕

憧憬文庫104円 ▼Kindleunlimited

フロンティア・スピリットの名のもとに弾圧された1800年代のネイティブ・アメリカン部族。白人たちの支配下に置かれアイデンティティを喪失する間際だった時代、突然に興った「ゴースト・ダンス」の潮流は彼らを熱狂させた。創始者であるパイユート族のウォヴォカ、そして彼の道化師を通じて描かれた歴史悲劇。

対談X 2017②

鷹野凌 × 矢越幸奈

雑談「群雛の回想と電子書籍の販促」(2017夏)

矢越幸奈 ちょっとブレスト。プレスリリースはたとえば、執筆者の公募って形にして広く参加者を募ることにして、それによって同時にその媒体(季刊誌『リテラリー(仮)』)の宣伝をする、というのはどうですかね。しかそ、そこまでするなら原稿料がいるようになるかな……アマギフとか……。内輪ネタをやらないんじゃなくて、世界を内輪にする。外から参加者を引き込むと、参加者は宣伝するから、広まるのだ。クラウドファンディングの方法論を応用できるんじゃないか。って、頭では考えているけど、やれるかどうかは別なのだ……。
鷹野凌 日本独立作家同盟立ち上げ期~月刊群雛創刊時を思い出すなあ。 創刊時はプレスリリース送って記事にもしてもらった。
矢越 おー。記事にしてもらえましたか! はげみになります。そしたら、創刊しましたってときに、やってみようかなあ。
鷹野 これの下のほうに、当時にどれだけ取り上げてもらったか履歴が残ってますよ(https://www.aiajp.org/p/publication.html)。商業メディアに掲載された、日本独立作家同盟についての記事一覧です。ちなみに、これだけ取り上げてもらったおかげで、創刊号は1カ月で120部売れました。2号目からガクッと落ちましたが……。
矢越 うわー。すっごい。スクロールしてもしてもあるじゃないですか!
………まあ、ニュースであって広告媒体じゃないからしかたないのかもしれませんね。連載漫画のコミックスも巻が進むにつれだんだん販売部数が落ちてくるものらしいですし……。
鷹野 それでも商売でやるには、桁が足らない感じですね。だからNPOにしたんです。それでも群雛は続けられなくなっちゃいましたが。
矢越 そういうことだったんですね………。
鷹野 ハナから商売になるとは思っていなかったですけどね。
矢越 あら(笑)。まあ編集作業などなど、割に合わないのは確かですね!
鷹野 いや、もしも商売のことを考えてたら「ジャンル不問」「早い者勝ち」なんてレギュレーションにしませんて。「参加者が宣伝するから広まる」は、見込みが甘かった。参加者は一部しか宣伝しない。そして宣伝してもなかなか広まらない。
矢越 うーん。小説は読むのに時間かかるし、ちょっと宣伝しにくい、広める側に負担がかかりすぎる(読む時間と労力)、レビューや紹介ブログを書くのにある程度、能力がいる、といったところですかね……。広まりにくいのはたしかにそうですね。話題性なのかなあ。「こんなものがあるぞ、こんなこと言ってるやつがいるぞ!」的な………。でも炎上商法はやりたくないですねえ。
鷹野 矢越さんとはePubPubで会ってるのよね。
矢越 そうですね。でんでんビアバッシュのときと、ePubPubの二回、お会いしたことがあります。
鷹野 あ、そうか、ビアバッシュのときもか。
矢越 あまりお話はできませんでしたけど(笑)。私のほうが隅っこで大人しくしていたものですから。
鷹野 これな。#でんビア
矢越 wwwそうそう、ろすさんと鷹野さんの乱闘事件が勃発しましたねwww。はがいじめにしているのが永元ようもと千尋さんで、むこうでスマホいじってるのが幾谷正さんですね。
 群雛では、鷹野さんは編集長をされていましたが、具体的にどのようなことをされていたのでしょうか。それから、そもそもなぜ雑誌をセルフ出版されたのか(べつのところですでにお話されていると思いますが改めて)、きっかけなどありましたらお聞かせ願いたいです。
鷹野 どこまで具体的に言えばいいかな。まず参加要項策定と変更&告知から始まり、毎月の参加者募集、原稿が送られてきた順に進捗管理表へ記入(台割代わり)、原稿整理してGoogleドキュメントにアップ、編集を手伝って頂いていた方々へ共有、編集によるチェック内容の確認後著者へ戻して著者チェック、OK箇所を指示通り修正(これを人数分)。表紙絵のラフを確認、完成版の入稿と参加者確定後、デザイナーに素材を入稿。確定した原稿と表紙をBCCKSへ流し込み仮本ができたら全員へ個別に最終チェック依頼。ランディングページ作成&SNSなどで告知。発売開始したら著者個別のプロモーションページを作成&SNS等で告知。という感じ。以下参考にいくつか出しておきます。

群雛参加要項(最終版)
http://www.gunsu.jp/2016/07/regulation20160508.html
ランディングページ 『月刊群雛』2016年08月号(8月2日発売)
http://www.gunsu.jp/2016/08/GunSu-201608.html
著者個別のプロモーションページに載せるための無料サンプル 『StoryWriter (TM)』
https://bccks.jp/bcck/145895/info

 サンプルを本にする形にしたのは2年目からなんで、2014年発売号のぶんはないですが、それでも計174冊ありますね。

月刊群雛サンプル集
https://bccks.jp/store/gunsu-sample
https://bccks.jp/store/gunsu-sample2

 著者個別のプロモーションページは、インタビュー形式になっています。参加要項に質問が用意してあって、それに答える形の原稿を入稿してもらうというスタイル。
『月刊群雛』2014年02月号(1月28日発売)
http://www.gunsu.jp/2014/01/GunSu-201402-launched.html

 初期の頃はGoogleグループ「月刊群雛 (GunSu) 読者の会」で刊行時にメール配信とかもやってました。
https://groups.google.com/d/forum/gunsu
 でんでんランディングページも途中まで使ってました
http://gunsu201412.tumblr.com/

矢越 試行錯誤の痕跡が……。すごくいろんなことをされていたんですね。ひとりでやる仕事量じゃない(笑)
鷹野 あとはSNSで反響チェックしてRTしたり、ランディングページに「感想」の欄設けてリンク貼ったり。
 ここまでやって、月刊群雛と別冊群雛の通算33点の合計販売数は3000部を超えたくらいなのです。群雛文庫のほうが販売数多いという。
矢越 忙しいわりに報われない仕事でしたね……。本当にお疲れ様でした。
 作家というのは自分が書きたいから、あまり他の人のために時間と労力をさかない(さけない)ものだと思うんですが(そうでない方もいるかもしれませんが)、鷹野さんはなぜそうまでして、インディーズ作家を応援しようとしたのでしょうか? 動機といいますか、これほどのことをやるに至った理由や原体験のようなものがあるのかな、と、そのあたりがとても気になりました。
鷹野 そもそもなぜセルフ出版かという質問は、鷹野個人のことでいいのかな? 1番目は「なんか楽しそう」だから。次に、ブログで広告とかアフィリエイトやるより、販売のほうが可能性ありそうだから。
 群雛をはじめた理由は当時あちこちで話したのですが、コメントとしてはこれがいちばんまとまっているかな。
「ちょっと格好良い言い方をしてしまうと、インディーズ作家のための旗なのかなと思っています。
 無名の創作者でも出版ができるようになった。僕自身もやってきて痛感したのですが、作品を生み出し、配信に適したフォーマットにして、プラットフォームに登録するところまでは可能です。
 でもその後の段階――作品を知ってもらい、それを読んでもらい、感想を寄せてもらうというのはまだまだ高いハードルがあります。
 そこで、群雛という旗のもとに集まってもらうことで、1+1を2に、あるいはそれ以上にしていけるのではないか、という試みなんです」
(セルフパブリッシングは集まって強くなる――群雛・鷹野凌さんの場合)
http://ascii.jp/elem/000/000/898/898885/
矢越 なるほど。原動力として「楽しそう」という動機は大きいですよね。
鷹野 群雛には「インディーズ作家を応援するマガジン」って副題があった(途中で変わった)んですけど、応援するのはマガジンではなく読者ふくめたみんなだ、って言ってたんですよ。
 だから鷹野個人がインディーズ作家を応援するとか支援するのではなく、みんなで盛り上げようぜ、ってスタンスだったのです。
矢越 旗ですか、そういえばこの文言は私も読んだことがあります。
 読んでもらうか、というのは、いまでも課題であるように思います。Amazonでポチッと押してもらっても積まれて終わりではいけないなと私も考えているところです。
鷹野 そうなんですよ。無料キャンペーンって、ただ積まれて終わる可能性が高いと思っていて。だから鷹野自身でも群雛でも、一度もやったことがない。
矢越 読者も応援団員だったわけですね。この考え方は昨今の、クラウドファンディングにも当てはまりそうです。サポーター(あるいはパトロンなど)が応援する。そういう形をとることで、「積まれて終わる」も防げる。………当初、そう考えていたけれども、実際にやってみて、どうもそうはならなかったようですね。なぜだと思いますか? また逆に、効果のあったことや、成果、読者や作家からの反響などはありましたか?
鷹野 いや、応援団の輪はそれなりに広がっていたし、だからこそNPO法人にもできたし、NovelJamのようなイベントが開催できたってことだと思ってますよ。誰にも相談せず始めたので、2013年9月1日の設立宣言時はガチで1人でしたから。
矢越 なるほど。NovelJamは大きなイベントでしたね。応援団の力は企業を動かすまでになっていたんですね。
 以前、『ライター志望者が知っておくべきおカネの話』を読ませていただきました。電子書籍や独立系作家の話などは重なってしまうので、ここではあえて、人間「鷹野凌」さんにスポットをあてていきたいと思うのですが。
鷹野 会社をやめてしばらくぼーっとしてたんですが、友人から「ブログでもやれば?」と言われ、ちゃんと本腰入れてやったらどうなるかな? と思ってガチでやってみたら、半年くらいで寄稿依頼がきて仕事になっちゃった、という感じです。
矢越 有能だったんですね……! ブロガーとしての才能があったということでしょうか。もともと文章を書くことに興味はあったのですか?
鷹野 国語の勉強したことないけど成績はよかった程度で、書くことそのものに抑えきれない欲求的なものはなかったですねぇ。
矢越 そうでしたか。セルフ出版をしている方の中には、小説を含む文芸作品を書いているひとが比較的、多い印象がありますが、鷹野さんから見てどうですか。ぶっちゃけ、プロモーションが下手だなあとか思ったりしませんか? 私も含めてですが(笑)
鷹野 内向的な方が多いのと、売り込みを苦手に感じている方が多いとは思います。ただ、視覚的に訴えやすいイラストや漫画に比べ、文字のフィクションはアピールが難しいですよね。
矢越 そういうことが苦手だから小説の執筆を始めた、というケースもあるのかもしれませんね。文字ものは漫画や画像、映像作品に比べると「読んでもらうまで」のハードルは高いですね。この『夏100』もそのために読者への読書案内として作られたようですね。
鷹野 いしたにまさきさんの本のタイトル「ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である」を思い出しました。
ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である いしたにまさき
矢越 『ライター志望者が知っておくべきおカネのはなし』でもおっしゃっていましたね。やめないこと、「続ける」ことが大事だと。じっさい、いま残っているのは続けてきた人ですものね。私もやめないでやっていきたいと思います。本日はありがとうございました。
鷹野 こちらこそありがとうございました。

〈おわり〉

矢越幸奈
1983年1月26日生まれ、埼玉県出身。中学を卒業後、飲食店にて住み込みで働く。その後、退職。一人暮らしのフリーターをするも体調を崩す。ドロップアウト組。
興味関心:言語学、民俗学、文化人類学、その他
ペンネーム・根木珠でも活動中。

鷹野凌
フリーライター/ブロガー。NPO法人日本独立作家同盟理事長。非常勤講師でデジタル出版論/デジタル出版演習/デジタル編集論を担当。出版学会員/デジタルアーカイブ学会員。小説/漫画/アニメ/電子出版/SNS/著作権などに興味。アイコンは樫津りんごさん作の本好き架空キャラ。

渦-uzu-:根木珠短編集 〔根木珠〕

九十九電本文庫276円 ▼Kindleunlimited

短編や掌編、詩など、いろんな作品を一冊にギュッと詰め込んだお徳用パック。
『牛男』……くる病の〈牛〉は貧民窟で生活をしていたが、ある日、通りがかった紳士に拾われ屋敷で働くことになった。しかし紳士には、実は女性を殺害する、という特殊な性癖があった。それでも〈牛〉は、紳士に尽くす毎日を送る……。ある男の半生を描いた短編小説。
『道成寺』……主人公の清子は、強い恨みを抱いて死に、蛇として生まれ変わった。自分を振った安岡という男を呪い殺すべく、寺にいた小僧に相談を持ちかけるが……。能の道成寺や安珍・清姫伝説に材を取った掌編小説。
『助けた蛇に呪い殺される』……男子中学生の日常を描いたほのぼの青春小説。
『ナッシング・ハプンド』……とくになにも事件が起きない日常系ゆるふわ小説。リテラリー・ノベル。
『シャーマン』……昔、ある部族にいたシャーマンの物語。掌編小説。
『食神』……首狩り族の日常を想像してみたお話。掌編小説。 ほかに8作品を収録

ウソツキムスメ 〔泉由良〕

白昼社360円 ▼Kindleunlimited

嘘を吐いて生きてきた、大人になっていった、
嘘を吐くこの罪に巡る罰の恐怖に耐えられない、
嘘を吐く自分でしかいられない、生きていけない、
やっぱりまた嘘を吐いて、頽れそうそうで、
それでも、「あなたがおおきくなったことが嬉しい」と、云ってくれたひとがいた。
人は失い、私は狂う。夏が翳る。

14歳だった1999年から、2007年までのあいだに8つの短編。
冨田風子のカラー口絵、挿画付き。

イラスト:冨田風子

ウマが逢う話 〔和良拓馬〕

99円 ▼Kindle

好きな競走馬と同じ向きのままで、共に走り続ける。
それが競馬ファンにとって一番幸せなことではないだろうか――

競馬場にて時折起こる、ちょっと不思議な人馬との出逢い。
暖かくてかつ少々切ない、7本の短編競馬エッセイ集です。
【収録作(括弧内は舞台となったレース名)】
・雲のような存在・走る天使
・小さな声の後押し (2014年フェブラリーステークス)
・コスモネモシン (2013年新潟記念)
・風雨が運んだ名勝負 (2014年ジャパンダートダービー)
・追い続ければ、いつかまた逢える (2014年菊花賞)
・わいわい競馬

ウンダラワンダラ:電影幻影恋愛偽譚〔玖田蘭〕

怠惰文庫261円 ▼Kindleunlimited

――どんな世界でもどんな未来でも、君に恋し続けていたい

誰も彼もが恋をしていた。それが果たして恋であるのか愛であるかを一度も理解しないまま、恋をしていた。
作中全ての話が地下世界に落ちていく。巡り巡った結果を見上げていた「彼」は、最愛の「彼女」を抱きしめ愛を嘆いた。

表題作「アンダラーランドワンダーランド」含め6編の恋愛小説を詰め込んだ作品集。

野川隆著作集1 〔持田泰・編〕

變電叢書500円 ▼Kindle

前期詩篇・評論・エッセイ 1922 ー 27

野川隆(のがわ たかし)1901年4月23日 - 1944年1223
1920年代ダダ・アバンギャルド詩運動の中から飛び出し、「藝術左翼から左翼藝術へと轉換」。昭和16(1941)年「満洲」の地で第14回芥川賞候補にもなりながらも満洲で没した詩人・野川隆。その軌跡をまとめた初の著作集、死後71年目にして、電子書籍刊行開始。橋本健吉(北園克衛)、稲垣足穂、村山知義、中原實も参加した大正期の伝説の詩誌『ゲエ・ギムギガム・プルルル・ギムゲム』発表の詩作を中心に前期創作がついに開封。

のけものどもの:大前粟生短篇集 〔大前粟生〕

惑星と口笛ブックス700円 ▼Kindle

大前粟生はマッドな彗星です。2016年に「彼女をバスタブにいれて燃やす」が『GRANTA JAPAN with 早稲田文学』の公募プロジェクトの最優秀作に選ばれ、その後めざましい活躍を見せています。本書は初の作品集。小説の未来を大前粟生がつれてきてくれました。 表紙イラストはオートモアイ。
・死の空間を切れ味鋭く描いた掌篇「ルキとモライ」
・著者自身が登場するスラップスティック「情熱大陸」
・ノーベル文学賞の応募原稿を送った帰りに起こったことは……「不安」
・プロのバスプレイヤー(職業銭湯家)を目指す若者を導く「なんでも逆手に持って強そうな男」
・富士山の頂上からオムスビをいっせいに転がす100人の "トモダチ"、奇妙なハイクを詠むチア・舞子たちが登場する「サンキンコウタイ」
・もっとも長い「生きものアレルギー」は、学校にやってきてつぎつぎに容易な死を繰り返す人工教育実習生「 HINATA-3000」と紙袋を被った少年の驚異的な物語。

イラスト:オートモアイ

オーロラの夜明け 〔婆雨まう〕

バウまう出版150円 ▼Kindle

桜世高校ソフトボール部2年生。ピッチャーでエース。純真爛漫な関根香世の物語。
香世は、ソフトボールで全国大会を目指していた。文化祭で、ミス桜世高校を2連覇する香世だが、友人のレイプ事件、両親の離婚を機にやさぐれてしまう。
たばこをおぼえ、暴走族の集会に顔をだし、シンナーに身を染める。香世に試練が訪れる。
シンナー遊びに夢中になりすぎ、タバコの引火がもとで全身に重度のヤケドを負ってしまう。
美貌で鳴らした顔はヤケドで溶け、ただれ、見るも無惨な、みにくい姿にかわってしまう。
香世を見舞う、かつての級友。まずは彼氏が気味悪がって彼女から離れ、そして友達を失い、わがままから家族とは会話が成り立たなくなる。
何度も自殺未遂を繰り返し、辿り着いた先にあるものは?
はたしてそこは天国が地獄か? 
彼女を待ち受けていたものとは?

オトナーランド1
ザ・グレート・エントランス 〔真野清太〕

オトナゲ書房250円 ▼Kindleunlimited

今までどうしてこんな小説がなかったのだろうと思うくらい、誰もが思いつきそうで決して思いつかなかった、いや、思いついても書けなかった《痛快エロンターイメント小説》がついにその姿を現します!
(内容はソフトなものです。どぎついシーンはありませんので、ご了承下さい)

「究極のオナ小説だ!  ──作家A」
「これ、ハリ○タじゃないすか、エロ界の!  ──読者B」
「私の欲望と妄想の限りを注ぎ込みました!  ──作者」
称賛と戸惑い、喝采が押し寄せる!

イラスト:ARMS

くずかごから酒場まで 〔アサミ・ラムジフスキー〕

破滅派399円 ▼Kindleunlimited

音楽家、マジシャン、国会議員、カルト思想家、けん玉愛好家、そして文筆家――さまざまな顔を見せてはすぐにその仮面を脱ぎ続けていった、好奇心の人こと住石彰。しかし彼の素顔は、奇人でも変人でもなくただの天才だったのではないだろうか。
稀代の道化師の足跡を10の証言とともに辿る、本邦初の住石彰徹底特集。

黒桃短篇集 其の弐 〔黒桃将太郎〕

100円 ▼Kindleunlimited

昭和浪漫のスコシばかり怪異なお話、アナタの脳髄へソット、注入サせて頂きます。心の臓のヨワい御方は、お引き返し下さい。精神に異常をキタしても、責任が取れませぬ故。時空モノガタリ文学賞入賞作品を二作品、加筆して掲載。約二千字程度の掌編、短編を十一ツ、ご用意シております。
チノイロ――ギャアギャアと、アタシは只、ギャアギャアと泣いていた。若い精神の行く先は…… 本のムシ とある日、僕は想いついて仕舞った。ソレはソレは迚も心が踊ること…… 臭い井戸 言われるがままに差し出された水を飲んだあとに、聞かされる惨状とは…… 赤い傘と彼岸花 幽霊の正体見たり枯れ尾花、疑心暗鬼を生ず 飛べない鳥 生きていくには辛すぎて、死んでいくのも辛すぎて…… お母さん大好き ホラ、坊や。あの言葉を云ってご覧。「お母さん大好き」って…… 僕の恋心 何故皆、揃って僕を悪人と云うのか…… 雀の痣 死んで呉れたら、ドレダケ楽か、頭をヨギる事幾度。 好奇心と最後のダンス 海辺で見た踊りの正体とは…… 浮気症 ブウウウウンと、換気扇が休みなく回る。プロペラが、月が映る景色を小間切れに刻んでいく 巻頭歌に踊らされ ドグラ・マグラの巻頭歌を知ってるか? と云う女の話とは……

イラスト:めるみるく

山彦 〔ヤマダマコト〕

新潟文楽工房460円 ▼Kindleunlimited

地元紙記者の須見宏は、地域で発生する連続殺人事件の取材中に、偶然、山の民の存在を知り、彼らに興味を持ち接触を図ろうとする。
一方、地元・三条市の市議会議員、高橋義明は、市の実施する入札調書を通じて、市内の建設業者の不正を知る。そして、不正を追ううちに、彼らが山の民と繋がっていることに気付く。
山の民の秘密、そして連続殺人事件とのかかわりとは?
古代と現代。人と自然。さまざまな矛盾と悲しみを抱えながら、少女は夜空を駆ける。

山の民サンカをテーマに、新潟県三条市、燕市、新潟市などを舞台に描いた伝奇ファンタジー大作3部作の統合版。
400字詰原稿用紙換算枚数で1100枚を超える大長編エンターテイメント。

またあした2 〔松原吉田〕

大名古屋博通堂250円 ▼Kindleunlimited

ユーモア・ミステリー おしゃべり任侠 ケンちゃんシリーズ
大名古屋に一家を構える平和組。ようやく部屋住みを卒業したケンちゃんだが、下っ端暮らしは相も変わらず忙しい。時々マスターに愚痴でもこぼさなきゃ、やってらんない。

第一次三河戦争が終わってから、中立を保っていた山上組が代替わりした。
若頭を飛び越えて襲名したのは、静岡の美国会が後押しする見城だ。
美国会は、怪しげな新興宗教「一神苑」と一心同体で、政治力と資金力を誇る。
新たな抗争の気配。
その頃ケンちゃんは、生臭坊主の倫教さんと知り合い、その仲間の坊主集団「ブッチョーカイ」の面々と親しくなる。
オヤジの運転手に昇格したケンちゃんは、抗争の渦中に……。
馴染みのマスターに、好漢ケンちゃんが喋りつくす「超・一人称小説」第二弾。

窓のもり 〔山田佳江〕

無計画書房150円 ▼Kindle

僕の後方に窓が出現した日のことを、
僕ははっきりと覚えている。

三年前の夏、
中学二年の夏休みだった。

魔法中年っ! 〔皮算積人〕

Grayscale Lovers99円 ▼Kindleunlimited

たとえ悪魔と契約してでも、美少女になりたい——
三十歳の誕生日を迎えた童貞系男子、加藤椎作。彼は失意の中、火のついた蠟燭をケーキに立て、ふと呟く。
「時よ止まれ、僕は醜い……」
それは悪魔を呼び出す呪文であった。悪魔の手ほどきによって美少女となった彼は、そのままの勢いで魔王軍に雇われる。彼に課せられた任務は、ダレイオス女学院に潜入し、聖少女の力を奪うこと。待っているのは、幸福な世界か、それとも……

掌編集・1 月光 〔松本好信〕

290円 ▼Kindleunlimited

大人も子供も楽しめる童話風掌編集。
表題作『月光』の他にも2作品を収録しています。

『だめな悪魔』
 人間界へ遣わされた無能な悪魔と、苦悩する子供たちとの触れ合いを描いた物語。
『シロクマの休日』
 人気者ゆえに、誰にも気付かれることなく自由な休日を満喫したいシロクマの物語。
『月光』
 母と死に別れ、厳格な父に鍛えられて育つキツネの子の成長物語。

あなたの自由な時間に花を添えられますように。

幻翅痛 〔河内和歌〕

バーガンディーパブリッシング150円 ▼Kindle

「ゲンシツウがきたの」

幸せそうにそう微笑む化野香凜に、桐山直弥は妙な違和感を覚える。
彼女の血縁ではないという「お兄さん」は朗らかに話をはぐらかし、日に日に化野は衰弱していく。
20年前に起った事件と「ゲンシツウ」、そして「お兄さん」の正体に迫る直弥は、驚きの真実と出会う――。

ブログにて連載されていた番外編「かみさまに一つ言いたいことがあります」を収録。

ファウスト
現代語翻訳版:第一部 〔ゲーテ/水上基地・訳〕

現代語訳文庫500円 ▼Kindleunlimited

「留まれ! お前は余りに美しい!」
学問の探究者として絶望したファウスト。その前に現れた悪魔メフィストフェレス。契約によりファウストはこの世の快楽を約束される。そしてマーガレットと恋に落ちるが、待っていたのは大悲劇。
ゲーテが生涯をかけて完成させた大作を現代の日本語へ翻訳しました。
忠実さよりも読みやすさを重視した翻訳です。

プロパガンダ・ゲーム 〔根本聡一郎〕

250円 ▼Kindleunlimited

「君たちには、この戦争を正しいと思わせてほしい。そのための手段は問わない」
大手広告代理店「電央堂」の最終選考に残った8名の男女。最終選考は、あるゲームを用いて行われることが明らかになった。ゲームの名は「プロパガンダ・ゲーム」。
学生たちは「政府」「レジスタンス」の2つのチームに分かれ、仮想国家「パレット」が行おうとしている戦争に対して、それぞれの立場で「宣伝」を行う。
政府チームは戦争への賛成票が多ければ、逆にレジスタンスチームは戦争への反対票が多ければ勝利となる。政府チームは「官邸」、レジスタンスチームは「アジト」で会議と作戦を実行していくが、それぞれのチームには1名「スパイ」が紛れている。

スパイは誰か。 政府とレジスタンス、勝利するのはどちらか。
そして、「プロパガンダ・ゲーム」の真の目的とは何なのか。
策謀と虚実、時に道化が入り乱れる情報戦が始まった。

褌我来也 〔上住断靱〕

大坂文庫113円 ▼Kindle

主人公である伝説の忍者、石川五右衛門は師匠である百地三太夫を裏切り、伊賀国を抜け出した。
大坂、京都と盗賊稼業で荒稼ぎするが、最後に大坂城に忍び込み、豊臣秀吉の宝物たる香炉を盗むと宣言する。
百地三太夫より授かった忍術の奥義を使えば容易いと五右衛門は息巻く。果たして盗みは成功するのか? 忍術の奥義とは何か?
伝奇歴史小説、日本史Dに寄稿のコメディタッチの短編。

業火、附近を舐める 〔島田梟〕

100円 ▼Kindleunlimited

黒歴史を燃やすために仲間とともにキャンプに参加した大学生の田伏。
彼の目に映るのは、燃え盛る炎と、過去にやらかした四人の同級生。
いざメインイベントへ、となったとき、その中の一人が帰っていないことに気付く。
唯一騒ぐ沢村などおかまいなく、田伏は記憶の底に沈み、彼らの黒歴史を丁寧におさらいしていく。

甲子園のプロデューサー 〔ききようた〕

0円 ▼Kindleunlimited

『甲子園には魔物が棲んでいる……なんて本気で信じる人など皆無である』

魔王からの令により、甲子園へとやってきた一人の魔物。目的は「甲子園を盛り上げ、国中を巻き込む一つの文化として確立する」こと。青春の熱気溢れるその場所で魔物は何を見て、何を感じ、何をしたのか。
――甲子園の魔物の奮闘劇、いざ開幕!

ゴースト≠ノイズ(リダクション)〔十市社〕

十市社250円 ▼Kindleunlimited

高校入学から七ヶ月。一人の友達もなく、1-Aの幽霊として誰からも認知されない孤独な日々を送っていたぼくは、放課後、一人の女子生徒から声をかけられる。明かりが消え静まりかえった教室。五ヶ月ぶりのクラスメイトとの会話。二学期になって頻繁に欠席するようになっていた彼女は、なんの未練があって毎日学校に来ているのか、とぼくに問いかける。
「幽霊になる前だって、この学校に――この教室に、楽しいことなんかなんにもなかったはずなのに」
彼女は答えにつまるぼくをからかい、自分が休む理由を語ろうとはしなかった。そして、ほかのクラスメイトにばれないように、来月に迫った文化祭の研究発表の準備を手伝ってくれる気はないか、とぼくに持ちかけるのだった。
そうして、ぼくたちはときどき誰もいない放課後の図書室で落ち合うようになった。孤立からくる耳鳴りに苦しむぼくと、ぼくを利用し、理由を語らず欠席を繰り返す彼女。ぼくの孤独な日常は少しずつ変化しはじめる。
そんななか、校内では連続動物虐待死事件の話題が持ちあがって――

コヲロコヲロ 〔永元千尋〕

LIBERTYWORKS324円 ▼Kindle

みなもと沖継おきつぐは、有り余るほどの才能を持つ高校3年生。模試の成績は全国でもトップクラス、スポーツをやればプロからの誘いが引きも切らない。当然ながら大勢の女子生徒に慕われていて、様々な形で何度となく告白を受けているが、何故か沖継は一度たりともOKをしたことがなく、彼女いない歴=年齢という不名誉な記録を更新し続けていた。
その謎は、沖継18歳の誕生日に解き明かされることになる。親類縁者勢揃いで大々的に開催された誕生パーティ――かと思いきや、実は結婚披露宴? 両親が用意したサプライズプレゼントが白無垢姿の花嫁だった?! 結婚式場は意味不明の大爆発、黒ずくめのテロリストが襲いかかってきて大混乱! 対抗意識を燃やしまくる幼馴染の滝乃コノまで割って入って修羅場も修羅場! 事態を全く把握できない沖継が、幼妻・結女ゆめに説明を求めると――。
「もともとこの日本くには、私たち二人で作ったんだぞ?」
時を超えて連綿と続く、とある夫婦の愛と戦いの神話マイソロジーをここに編纂。日本史の陰で繰り広げられてきた、本当の「正史」がここにある……かも?

イラスト:jilnel

小麦粉発酵ベーグル指南書 〔古田靖〕

カナカナ書房100円 ▼Kindle

小麦粉と水、ほんの少しの塩、砂糖だけでつくるシンプルなベーグルの作り方を紹介した電子書籍です。イースト・酵母もいりません。
レシピは、実家がパン屋だった著者(職業ライター)が独自に編み出したものです。ベースとなっているのは、遠い昔に実家で嗅いでいた匂いの記憶、本で得た知識、「おいしい」といってくれる知人たちのお世辞。
レシピ本らしからぬ文体をつかって書かれているのも特徴です。

イラスト:三輪聡美

混血テロル 〔Juan.B〕

破滅派299円 ▼Kindleunlimited

全ての人間は混血である。しかし多くの日本人は自分が単一的であると思い込む。その中で単に国籍や文化の違いで混血・ハーフと呼ばれた者は今日も立ち尽くす。

某有名投稿サイトで削除されネットを流浪した末に破滅派に辿り着き多数読者を恐怖に陥れた「1988年10月」や、日本精神の体現者達との不毛な対決を描く「“誇り”高き人々」等の混血小説に加え、新作短編や資料、エセーを追加した、電子出版的テロル誕生。

対談X 2017③

折羽ル子 × くみた柑 × 淡波亮作

漫才「アワナミーを待ちながら」(2017夏)

折羽ル子 はじめましてくみたさん! KDPの良心・おりはるこです
くみた柑 うわー……そうか、「はじめまして」からかぁ……そうきたかぁ……。
ル子 くみたさんはすてきな小説と女子力高めなツイート(ケーキ食べたい)で有名ですが、女子歴長いんですか?
くみた いきなりなんの話ですか……。
ル子 ほう! 女子歴半世紀以上ですか! すごい!
くみた 答えていないうちから脳内くみたとお話始めないでくださいよ、リアルくみたを目の前にして! そしてそれはくみたに女子でない時期があったとでも言いたいのかねル子くん……。
ル子 YO! くみた女子生まれ除し育ち悪そうな女子はみんな友達! YO! だめだこのATOK……。
くみた だめだこの鼎談……。
ル子 だめと思ったらそこで試合終了ですよ。
くみた **くみたさんが鼎談からログアウトしました**
ル子 シン・くみたさんがログインしました!
くみた **アワナミーはようすをうかがっている**
ル子 くみたさん! 真面目にお話しましょうよ! ぱぶにゃんが半泣きになってますよ!
くみた この顔ぶれでこうなることは予測できるでしょうに! ぱぶにゃんの人選ミスとしか思えませんね!
ル子 私は「くみたさんが是非ル子さんで」とお願いしてきたと聞きましたが。
くみた そんなこたぁ一言もいってないから安心してください。あっ! ちょっと待って。もしかしたら、この鼎談を成立させれば、新刊が出なくても夏100に載れる!?(編注:そもそも新刊なくてもOKです)
ル子 あ! 読者「この対談してるくみたさんって何してる人? この本には著書が紹介されてないよねー」ってなってるよ。
くみた よし! くみた柑新刊『行き先はきくな』は2018年夏まで待て!!
ル子 説明しよう! くみた柑さんは70年代からずっとアイドルを目指してるあすなろさんなんだよ! 今はKDPのアイドルになれたけど、まだまだパイが小さい世界なので満足してないのだよ!
くみた ちょっと待ってパイが小さいってそれ何のパイですかこたえによっては血の雨が降りますよ?
ル子 くみたさんがリン・ミンメイくらい宇宙規模に有名なアイドルになれる日まであとXX日。
くみた すみません、ネタが古すぎてついていけません。鼎談の相手チェンジしてもらっていいですか?
ル子 え、なにか古いこといったっけ? くみたさんのパイが古いってことですかそうですか。
くみた くみたのパイが小さくて古いとかそれ喧嘩売ってんですか買いますよ最安値で!! ところでアワナミーは? 息してる?
ル子 アワナミーさーん。……さて、編集長の絶望的なお顔が見えますので……それでは気を取り直してちゃんとした話をしましょう! くみたさんは所謂ひとつの書く書く詐欺の常習犯なんですけど、ここにきてKDP界隈では「くみたさんは執筆よりアイドル活動に夢中」との噂で持ちきりです。
くみた 誰がそんなこと言ってんですか、ル子さんだけですよ。
ル子 具体的にはどのようなアイドル活動をされているんですか? ほう! 握手会千人斬り! 手が腫れそうですねそりゃ。ペンも持てなくなるわけですわ。
くみた ですから、リアルくみたガン無視で、脳内くみたと対談するのやめていただけますか? 
ル子 ル子は脳内くみたさんとの対話を通して、より深くものを考えられるようになった。例えば明日の天気のこととか。
くみた いっときますけど、今度はきちんと出しますよ? ただちょっと編集の仁さんの許可が降りないだけで、ちゃんと出版へ向け着々と進んでますよ?
ル子 えっと、その「編集の仁さん」というのはくみたさんにとってどのような方ですか?
くみた 一作目から私の作品にダメ出しいっぱいして、人が読めるレベルになるまで付き合ってくれる編集者的存在ですね。でもだいたいが「なんやかんやして」「どないかこないかして」しか言いません。
ル子 そこを汲み取って書き直すと!
くみた なんやかんやどないかこないかの部分をくみたは必死に考えて物語を膨らませます。今その作業中ですね。夏発売予定の(今年の夏とは言っていない)『行き先はきくな』も、つい先日ストーリーのOKが出たのですが、くみたが考えたアホな部分をもっと膨らませてもっとアホにしなはれと言ってきたので、も少しエピソードを足すことになりました。八月発売の雲行きがまたもや怪しくなってまいりました。
ル子 もっとアホに!?
くみた もっとアホに!
ル子 えっと、聞きづらい質問なのですが、仁さんってくみたさんの脳内にすんでる非実在性の人物、とかじゃあないですよね?
くみた 一応実在しますね。くみたは読書量がぜんぜん足りてないのですが、仁さんは恐ろしいほどいろいろ読んでいるので、アドバイスは非常に参考になります。
ル子 一応……。くみたさんが考えるアホってどんなですか? 例えば五桁の掛け算ができない人はアホだと思いますか?
くみた 「掛け算ができない天才」も「掛け算ができないアホ」もいるので、掛け算では答えは出ませんね。
ル子 なるほど、くみた哲学の答えは掛け算にはないと。
くみた あ! ちょっとここ、ボケたわけじゃなくて、ほんとに間違えた!
ル子 言い間違いは大人としてスルーしましたが、言い間違いの方が何か深い意味がありそうでいいのでは?
くみた え。だってなんか、そのまんまですけど(笑)
ル子 新書のタイトルでも「そりゃそうだろう…」ってのあるじゃないですか。
くみた 深い……かな……深い……かも、いや、深い……のか!? くみた柑著「掛け算ができる天才 掛け算ができないアホ」。
ル子 昔の特撮の歌にも、「光が消えたら真っ暗闇だ~」(白獅子仮面の歌)って歌詞があって、そりゃそうだろと思いました。
くみた 当たり前ポエム的な(笑)
ル子 当たり前だのクラッカー。
くみた すみません、ネタが古すぎてついていけないので、チェンジお願いします。
ル子 え!?
くみた はい、次の方~。アワナミーはまだ?
ル子 えっとそういやくみたさんの四冊目がこの夏リリースされて、この夏100でも紹介されてますけど、すっごい面白かったです!
くみた そういうプレッシャーのかけかた、よくないと思います!
ル子 いやここ宣伝だから。出てるものとして話そうよ。行先をきいちゃだめな旅感っていうか~。くみた式ロードムービーというか~。
くみた 新刊は『行き先はきくな』です! 決まっているのです! そういうえばル子さんが編集長を務めた『牛モーテル』は、くみたさん「ミルク」3文字しか執筆していないのに名前を使われて迷惑してるって聞きました! 
ル子 文字数で価値が決まるのならばヘンリー・ダーガーは世界の頂点ですね。 
くみた やっば! なにこれ! 一万五千ページ超え……。
ル子 読破したものはいない(笑)。なのに、たった三文字の「ミルク」でゲームチェンジするくみたさん、ごいすー。
くみた しかも広橋さんのネタを借りて……まるで寄生虫のようですねそのくみたって人。あっ私だ。
ル子 くみたさんが目黒寄生虫館に展示される日は近い。牛のモーテル本が出たら、これがくみたさんの四冊目になるんですね。すばらしい! 今年はくみたサマーじゃないですか!
くみた くみたは友情出演ってことにしてください。誰との友情かは知らない。くみた様……悪くない……(違うそうじゃない)。
ル子 えっとくみたさんの天然キャラは、そーいうセルフマネジメントなんでしょうか?
くみた 天然キャラ? 私って天然キャラなの!? でもまぁ、いい感じで予期せぬボケになることは多々ありますね。
ル子 それが天然なんですよ!
くみた !?
ル子 私たち凡人は、面白いことをやろうと必死に考えたところで、天然くみた柑の適当な思いつきの足下にも及ばないのです。
くみた だって、自分ではどうにもできない部分なのですよ! これは天然というより天啓なのでは! でも必死に考えたボケより、何気ない一言の方がファボもらえたりして悔しい思いをしています。わけがわかりません
ル子 つまり『行先はきくな』は、先行き不安な日本の行く末を示す預言書、といいたいわけですね。わかります。
くみた いえ、行き先は「菊名」と「聞くな」をかけたダジャレが言いたいがためのタイトルです
ル子 …東京急行沿線のお話でしたか…
くみた そうですね。主人公のエリちゃんが、大倉山から菊名になかなか辿りつけないお話です。
ル子 それは例えば大きな困難があるからですか?
くみた でも方向音痴なわけではありません。エリちゃんはいつだって菊名を目指しています。ですがたどり着けないのです。それは、『行き先はきくな』本編を見てのお楽しみ☆
ル子 そんな謎の多い『行き先はきくな』なんでも発売当日からアマゾンのホラーカテゴリで一位をキープと快進撃中ですね。おめでとうございます。なんでもスタジオジブリでの映画化も噂されているとか
くみた ちょっと待って下さい。コメディです!! やめて!
ル子 あ、コメディなんですね!
くみた ちなみに、三谷幸喜さんが映画化してくださる予定です(うわぁ~言っちゃったよこの人)
ル子 わ! すごい!! 初日に見に行きます!
くみた 初日に脳内映画館でお楽しみください!
ル子 キャストも豪華ですね! 主演は吉永小百合さんと石原裕次郎さんですか。へぇ~。
くみた すみません、もう少し年代的に話があう方とチェンジお願いします。
ル子 14歳です
くみた 永遠の40歳です。すみません、やっぱり年代が合わないのでチェンジお願いします。
ル子 じゅう+よん =14。よん+じゅう =40 足してる数は同じなのに結果が違う不思議
くみた !? なんという因果……
ル子 人間の年齢なんて不確かなものかもしれませんね
くみた 深い……ですね……
ル子 くみたさんの目尻のしわほど深くはありませんよ……
くみた 盗撮監視するのやめていただけますか!? ところでアワナミー……
淡波亮作 僕は、ちゃんとしたプロットを書くことはあまりないですね。あらすじと登場人物の特徴をざっと書く程度。どんな話しか決まると勝手に人物が動き出して話を進めてしまうので、作者が詳しいプロットを書いてもあまり意味がなくなります。最後に辿り着くべきところに辿り着くように、僕は方向修正してあげる程度で、けっこう観察者的な書き方だったり。『ルルルとリリリ』を書いたとき、連載ということもあって事前にみっちり章ごとに筋を決めていったのですが、登場人物が勝手な行動を始めてしまうので徐々にコントロールが効かなくなり、結局は彼らがやりたいように任せました。どう考えても最初にみっちり決めたものより面白いものになりましたが、書かずじまいのエピソードもいくつか生まれましたねえ。『さよなら、ロボット』の場合はまったく何もなくて、表紙の絵が先にありました。実際これは小説を書く十年以上も前に描いたもので、この情景を描写する文章から物語が生まれました。何も考えず、筆が進むままに書いていたら、少しずつ物語になっていきました。まさかあんなハードSFになるとは夢にも思いませんでしたが。『孤独の王』も何も考えないで書き始めた代表的な作品。冒頭の《魔法使いらしき賢者風の老人が死にかけた美女の看病をしていて、それを少年が見ている》というシーンのイメージだけがあって、自分自身、それはどうして? と考えながら三人の行動を追いかけていくことでストーリーが生まれました。
ル子 来た。
くみた じゃあ本題に入りましょうか。え? 終わり?
ル子 また来週!

〈永遠に続く〉

折羽ル子 常識と非常識の境目を目隠しで全力ダッシュできる。文章からイラスト、動画作品まで三六〇度死角なしのリーサル・ウェポン。問答無用のマシンガントークで今日も界隈は死屍累々だ。この中では最年長らしい。永遠の14歳。

くみた柑 きれいな恋愛を書かせたら右に出るものはいない、ラブコメマスター。小説だけでなくイラストもハイスペック。BLより百合が好き。自称常識人だが客観的には一部ぶっ飛んでる。この中では最年少らしい。

淡波亮作 児童文学からハードコアSFまで幅広くこなす技巧派作家。小説だけでなく絵も描き、音楽も奏でるマルチな才能の持ち主。愛妻家。満員電車の中で小説が書ける変態。この中では二番めの年齢らしい。

今度君に逢えたら 〔くみた柑〕

新月ブックス250円 ▼Kindleunlimited

自分が産まれる前に死んでしまった父親、倉沢太一に、ひとめ会いたい。
麻由美が父親について知っているのは写真立ての中の笑顔だけ。

ある日、自分にタイムリープの力があることを知った麻由美は過去へ跳ぶ。
そこで麻由美が見たものとは……

何の変哲もない日常。
変わらず過ぎて行く平穏な日々。
この時の麻由美はまだ、何も気付いていなかった。
麻由美にとって、かけがえのない六日間が始まる――

ちょっぴりSF、ほんのり恋愛、たっぷり長編です!

今夜は女子怪 〔奇談屋ファミリー〕

Smart JUKU800円 ▼Kindleunlimited

奇談屋ファミリーがお送りする女性を主人公にした、女性のための短編集。奇妙な短篇を八篇ご用意しております。ご堪能あれ。これで貴女も『呪い女子』……。ラストページに、おまけ付き♡

無題(mirei)私、今から死にます。そう、これは遺書……/時間はある(女子怪バージョン)(竹島八百富&miwa)ロトに当たった! な、七億!? 戸締りしなきゃ!/金曜夜の奇跡は、土曜朝の奇跡を呼ぶ(雷太)金曜日の仕事帰り、上野公園で時間つぶし。キラリと光るものが目に入る。それは!/(八幡美和)音大でのピアノ伴奏のテスト。夢中で弾き終え、先生から出た言葉は「八」いったいどういう意味?/経済学者より女のわがまま(富展具)「指輪買って」「どれ?」「これ」「いくら?」「12万」「!?」……果たして男は指輪を買うのか?/(佐久島コロケ)六年間の一人暮らし培った能力/アニー(竹島八百富)大手メガバンクで、女子社員が自殺した。その真相は?/黒鳥居(mirei&miwa&百田桃)ねえ、黒鳥居の噂知ってる?「なに、それ?」人を呪い殺すんだって……

エレファントトーク 〔藤崎ほつま〕

250円 ▼Kindleunlimited

ある日、「四条ミカツグ」が目を覚ますと、妹「四条マリエ」の所有するスマートフォンに生まれ変わっていた!
一体どういうわけなのか、理由を考えても記憶が消えている。その上、妹の関わる事件に口出しを始めてそれどころじゃなくなった!?
限りなく出オチ気味な、すこし不思議系ミステリチック青春エンタ!

テルミネ・ターミナ ─私が遅いんじゃない、時間が流れるのが速いのよ〔花笠香菜〕

0円 ▼Kindle

「このどうしようもなく退屈でつまらない日常世界から抜け出したい―」
代わり映えのしない毎日、平凡な時間が過ぎていくことを嘆く日々。楽しみと言えば図書館で本を読むことと、自宅のキッチンでお菓子を焼くことぐらい。
そんな主人公・梓紗の身に、ある日「信じられないこと」が起こって……!?

最も非日常的で、退屈する暇もない十日間という時間を駆け抜けていくことになったご一行の物語。

天国のジャスコ 〔吉田棒一〕

チンポシステムズ出版324円 ▼BCCKS

心臓日記の続編みたいなもの。
B6サイズ236ページ。

アーマードール・アライブⅢ
~非情の人形は悪魔の虜~ 〔FunnyCreative〕

電書バト376円 ▼Kindleunlimited

「こんな醜い存在にしかなれなかった私なんて、全て消してしまいたい」

人工知能を操り人間を殺戮する謎の現象【ゲーティア】によって、滅亡の道に立たされた人類。
生き延びた人々は自我を持つ人型兵器【アーマードール】を開発し、心無き機械との戦いに明け暮れていた。

乗った人間を次々と殺してしまう、いわくつきの機甲人形〈アスモデウス〉。
その中に隠されていた人格アリスは、かつて自ら人を殺めた人工知能の少女だった。
自らの存在に絶望し死を望む彼女に、自分の過去を重ね合わせてしまう愛生文楽。
基地が敵の奇襲を受けるという未曾有の非常事態のさなか、文楽はアリスの救出を決意するが……?

青い月夜の特別なこと 〔赤井五郎〕

99円 ▼Kindleunlimited

やがて日も落ちようとする時間に探偵事務所を訪れた男は言った。
「俺と一緒に来てくれないか。『最上級の依頼』だそうだ」
馬車に乗って出かけた探偵を待っていたのは、貴族の屋敷で起こった凄惨な殺人事件の調査だった。
『最上級の依頼』それはかならず依頼人を満足させるという、高額で特別なコース。
「了解しました。あなたのご依頼を正式に引き受けます。夜明けまでにお孫さんを殺した犯人を突き止めます」
双一郎は芝居がかった調子で胸に手を当てて軽く会釈した。

特別で、少し異常な探偵への依頼。
特別で、少し異常な探偵の調査。
そして、無意味な密室の理由。
美しい月夜に発生した連続殺人事件の行く末は?

悪党のリバース 〔雨之森散策〕

100円 ▼Kindleunlimited

『俺は、善人になっちまったのか……?』 

違法薬物の売人、香川。
他人の痛みなど意に介さない彼が殺した悪相の老人、加藤。
二人の運命が交差した時、香川の人生は音を発てて壊れ始める。
殴れない。盗めない。壊せない。そして殺せない。
善なる心に侵蝕されながらも、自分にかけられた『呪い』の真相を求めて香川は街をさまよう。

表紙:山田佳江

或る集落の● 〔矢樹純〕

250円 ▼Kindleunlimited

青森県のとある集落にまつわる、不思議で恐ろしい物語を集めたホラー短編集。
※第10回「このミステリーがすごい!」大賞隠し玉『Sのための覚え書き かごめ荘連続殺人事件』(宝島社)でデビューした著者の初のホラー短編集です。
●田舎の集落に暮らす姉を訪ねた「私」――しかし姉は、姉ではないものに変貌していた(「べらの社」)※第8回『幽』怪談文学賞短編部門に応募し、最終選考に残ったものです。
●病気の治療のために、どんな病も治す猿がいるという集落に閉じ込められた「私」を悪夢が襲う(「うず山の猿」)
●やくざの下っ端の「俺」と、田舎の集落の出身で自分を人間じゃないと言い張る不思議な「兄弟」の物語(「がんべの兄弟」)
●奇妙な因習の残る集落に嫁いだ「私」は大切な一人息子と引き離される。三年後、帰ってきた息子は《何か》が違っていた(「まるの童子」)
以上の四編を収録。

Our Numbered Days 〔王木亡一朗〕

ライトスタッフ!250円 ▼Kindle

ひょんなことから、奥さんの家族と同居することになった元バンドマン。 孤独だった彼の新しい家族との悲喜こもごも! みんなで暮らすのは楽しいけれど、この家族、やっぱりちょっと変!?
第1話 Smells Like Teen Spirit
第2話 Carry That Weight
第3話 She’s Thunderstorms
第4話 Don’t Look Back In Anger
第5話 Further Complications
第6話 Killer Cars
第7話 Spit On A Stranger
第8話 The Queen Is Dead
第9話 Bitter Sweet Symphony
10話 I Am The Resurrection

アンダーグラウンド・エンカウンター〔弥生肇〕

Hybrid Library108円 ▼Kindleunlimited

金髪の天才少女が、公園の空き地でツチノコに遭遇する。それは大いなる未知への幕開けであった。
十歳にしてすべてを究めたつもりだった少女は、まだ知らぬ世界、そしてまだ知らなかった己の感情に戸惑いつつも、新たな一歩を踏み出す。

オリジナルの掌編SF小説。

最期の塔 〔夏居暑〕

Spoonerizm-Novels99円 ▼Kindleunlimited

~塔を登った先に見える真実とは~
目を覚ますと、世界は変わり果てた様相で迎え入れてくれた。
街の中心に突如現れた巨大な塔。
消えた婚約者と、街の人々。
セピア色に染まった空。
塔の石碑に書かれた幾多の言葉。
なぞの黒いマスクの生存者が現れ、タロットカードの寓意を示唆する。
これは世界の終わりなのだろうか?
一人残されたノボルは、雲より高く聳え立つ塔を登る事を決意する。
彼女を救えるのは自分だけだと、自らに言い聞かせて。
ノボルは塔をのぼりきることはできるのか?
そして、その先に待ち受けている驚愕の真実とは?

サヴァイヴァ 〔さくらい桃花〕

九十九電本文庫101円 ▼Kindle

サヴァイヴァ=生き残った者。
この物語はある女性の半生記に基づくフィクションである。
継母からの理不尽な仕打ちに、5歳からの10年間、彼女はどう立ち向かっていったのか? また、大人になった現在、その心の傷はどのように残っているのか。
居場所がない、あるいは、一杯の水を飲むことすら困難な状況で生きている少年少女たちは、必ず、いまもどこかにたくさんいる。
生きづらさを感じている者、それにも関わらず、取り敢えずは生き残っている者。
実際に体験した者でなければ書けなかったであろう、つらい日々を描いた著者の処女作である。

桜七(サクラナナ) 〔小野寺秀樹〕

100円 ▼Kindleunlimited

鮫島は記憶を無くしていた。
2017年末、職場に坪井奈菜が派遣社員としてやってくる。鮫島は奈菜に見覚えがあるような気がしたが何も思い出せずにいた。職場で同じチームの藤森は早々と奈菜に目を付ける。同僚の小原が内輪の歓迎会を開いて以降、鮫島と藤森は奈菜との交流を深めるようになった。奈菜に惹かれ始めた鮫島だが、職場での奈菜は鮫島を避けるような素振りを見せ始める。そして2018年7月20日 午前9時48分、強大な破壊力を持った地震が関東周辺で同時多発し、広範囲の地域が被災する。その揺れはビルが折れ曲がるほどだった。怪我を負ったことで記憶が戻り、全てを思い出した鮫島は、奈菜と藤森そして奈菜の親友・山田を連れて傾いたオフィスから逃げ出す。
鮫島は壊滅状態の東京を捨て、小原が住む長野県佐久市を徒歩で目指した。記憶が戻って以降、時折顔を出す冷酷さと頑なに意志を曲げない鮫島の態度に疑問を抱く者が出始める。
地震は富士山及び箱根山の噴火を誘発し、激しい余震も収まらない。首都圏はカオス状態に陥り、災害支援どころではなかった。(続きはストアを参照)

さよなら、ロボット 〔淡波亮作〕

Newday Newlife出版部378円 ▼Kindle

謎の奇病である不治のグラマン氏病を患い、ジャーナリスト­森池マサルの父ケンイチは、三十五年にわたり冷凍睡眠のポッドで眠り続けていた。ある日、ケンイチは白衣の一団に眠りから呼び覚まされた。それは治療のためではなく、グラマン氏病の謎を研究するために。そんな時、森池家の介護兼ペットロボット、シードが突然失踪、時を同じくして世界中であらゆ­るロボットが姿を消した!
あちこちで異変が続く中、マサルは病の謎を解き、ケンイチを助けるために旅立つ。

東京、バチカン、ロス、シドニー、ボストン。そして、世界に破滅が忍び寄る…。

ロボット達の行方は?
ケンイチは、そしてマサルの運命は?
大いなる陰謀と闘争の果て、人類が選択した結論は?
明日にも起こり得る近未来を描くSF物語。

気象精霊ぷらくてぃか
 Note-6:仁義なき酒蔵やぶり 〔清水文化〕

540円 ▼Kindleunlimited

日々、地球の天気を操る気象精霊。それを目指す若い精霊たちの物語。第6弾。
今回は学園で開発されたセキュリティシステムをテストするために、酒蔵やぶり大会が開かれます。成功者は酒蔵にあるお酒が飲み放題と聞き、大勢の若者たちが酒蔵やぶりに挑戦します。さて、この顛末はどうなるでしょうか。
他にミリィの店長修行やイツミの母が急病になった騒動など、今回も大騒ぎです。
書き下ろしは本編で敵として出てくる筋肉精霊の、若い頃の話。なんかハーレムみたいになってますが……。

喫茶エリザベート 〔青井橘〕

破滅派199円 ▼Kindleunlimited

老人たちが集う路地裏の喫茶店、エリザベート。店の看板をチャリで破壊してしまい、一応侘びを入れようと店に迷い込んだ主人公の前に、奇妙な人間たちが次々と集ってくる。客、店員、オーナーが織りなす怪しげな世界観。主人公は何者なのか。老いた客どもは何やつか。

生と死、美と醜の矛盾に立ち向かうすべはなく、鼻水を垂らすしかないのか、人間。

キミはキメラ 箱庭の鬼 〔星見拾弐〕

StarGazer550円 ▼Kindleunlimited

キメラたちの倒錯的ジュブナイルラブストーリーを描いたビジュアル小説です。
シーンごとに挿画を入れ、「紙書籍ではやらないこと」を目指しました。

遺伝子操作を経て生まれ、白い目で見られながら育った少年――九條芹彦(くじょうせりひこ)。
学業のかたわら研究施設に通い、モルモットとして生きる鬱屈な日々を送っていた。
ある日の帰り道、ナゾの人物に追われていたところを、不思議な少女スズカに救われる。
その出逢いは必然だった。
後日、二人は研究施設で再会し、「実験」の名の下に親交を深めていく。
スズカは、芹彦の「生殖パートナー」の一人として設定されていた。
その出逢いを通じ、芹彦は自分たちに課せられた歪んだ「使命」を理解していく。

やがて芹彦たちは、「箱庭」で起こる事件に巻き込まれ、決断を迫られる。

ギャッツ:The Strange Gats 〔菊池公〕

250円 ▼Kindleunlimited

大学生の春、僕はギャツビーの名を模した男に出会った。
彼の秘密は誰にも分からない。生徒なのかも、関係者でもあるのかわからない。
それでも、そこにある秘密はどうしても僕を惹き付ける。
「無い物は無くならない」そう言って彼は笑った。

一人称二人視点が織り成す青春、恋愛、サスペンス。
信頼とは何かをテーマとした僕の大学三年間の物語である。

イラスト:坂本萌

対談X 2017④

片倉青一 × 波野發作

プロレス「スラップスティックマッチ」(2017夏)

波野發作 片倉さんこんにちは。ちょっとご相談。セルパブ夏の100冊で対談企画があるんですが、ぼくとここのチャットで話すだけでいいので参加してもらえませんか。テーマは「スラップスティック」で。ノーギャラなんで申し訳ないのだけど、宣伝と思って受けていただけるとうれしいです。よろしくお願いします
片倉青一 お受けいたします! むしろ100冊に取り上げて頂き、対談というコンテンツに参加できることが嬉しいです。
ただ、僕はスラップスティックについてとても詳しい、というわけではないのでどこまでお話しできるか怪しいところではありますが…
波野 ぼくもニワカ(笑)なので、調べながら好き放題話せばいいと思います!
じゃあローリングスタートな感じでよろしくお願いします。
片倉 了解しましたー。せっかくなのでカート・ヴォネガットとかを読み返してみます。
波野 対談のコンセプトですが、スラップスティックという狭い土俵リンクでキャラかぶってんじゃねえかゴラァと波野が潰しに(マウンティングに)かかったところが、あっさり返り討ちに会うというプロレス感で
片倉 わー生意気な新人だwwwwwww
波野 オチとしてはスラップスティック自体がもともと場外乱闘だったのでフィールド無限大だったというw
片倉 それいいですね!
波野 ていうかぼくだって先輩風吹かせられるようなキャリアはないわけだしw 1年生に2年生が偉そうにする小物感を全力で演出します!w
片倉 ではちょっと生意気な後輩感出します!
波野 よろしくです!(じゃあローリングスタートで、自己紹介的なあたりからじわっと)
片倉 (あ、もう始まります?)
波野 えーと、片倉セイイチというのはオマエか?
片倉 アオイチです。何ですか藪からスティックに。人に名前を尋ねるときは先に名乗るのが筋じゃないですかね。
波野 青一はそう読むのか(メモ)。最近ちょっとあちこちから名前が聞こえて来たんでな、セルパブ業界のシキタリってヤツを教えてやろうかと思った的なアクションだ。てか、名を名乗れだとおお。しかしそれも一理ある。こういうものです(名刺出す)。波野發作といいます。発作と書いてハッサクです。
片倉 あ、これはご丁寧にどうも。読みにくい名前ですみません。片倉青一です(名刺交換)。んで、シキタリって何ですか。果てない自由を求めて荒野を耕すのがセルパブだと思ってたんですが、そんな面倒なことがあるんですか。
波野 シキタリはあるさ! 人間だ、もの。
えーと
ひとーつ!
書く前に読む!
ふたーつ!
一つ書いたら二つ読む!
みーっつ
三つ目はなんだ
片倉 不埒な悪行三昧?
波野 そうそれ
片倉 先輩、突っ込み不在はボケとして辛さがあります。さておき、とりあえずひとつめ、「書く前に読む」ですが、ぶっちゃけセルパブをよく知らないまま「にごたな」に応募したんですよね。思い返すとそれ以前にセルパブの電書はKindleで幾つか読んだ覚えがあります。というわけで、実はセルパブの本はあまり読めていません。すみません。
波野 そんなキミにこそ、この夏100があるのだ! さあ存分に読みたまえ
片倉 なるほど。ガイド的な何かが無くて困っていたのは確かです。ありがとうございます先輩。レーベルによる特色みたいなものが、個々人で出版しているセルパブでは見当をつけづらいから、好みに合いそうな作品を探すのって結構大変なんですよね。つい億劫になってしまいます。
波野 書いたら読むは大事な掟。書いてばかりで読まない輩は伸びない。
片倉 ぐ……耳が痛い……最近ずっと執筆に追われていて小説を読んでいない……。インプットが重要なのは理解してるんですけど、どうしても資料を優先しちゃうんです。ちなみに、先輩はどれくらい実践されてます?3冊? 4冊?
波野 ぼく雑誌やってるから、一本書くたびに、自動的に4、5本読んでいることになるね。仕事の史料本は多いけど、文芸は商業かセルパブ関係なく週に2点ぐらいか。いや最近は週に1点になっちゃってるかな。
片倉 ワオ。自動的に読むメソッドは割とアリかも。週に一点でも意図的に読むのは正直見習いたいですね。一旦執筆に取りかかると文芸を読めなくなるんですよね。どうしても自分の書いているものと比較して筆が止まっちゃうんですよ。とはいえ、以前「アニメーターがアニメを観なくなったら終わり」と聞いたことがあって、小説家にも同じ事が言えるよな、とセルフ危機感を抱いているところ。読まなきゃなあ……。
波野 まあ飯食ってないと死んじゃうので、栄養は大事。
片倉 なるほど、栄養の考え方かー。なんか普通に先輩っぽいですね?
波野 今年はひょんなことから短期間に異常な量の作品を一気読みする事態に巻き込まれてしまいましてね。おっと(ゲフンゲフン)。いい経験でした
片倉 それは大変でしたねえ。
波野 ぐぬぬ。オマエに言われると理由はわからないがなぜか腹が立つ。なぜだ。記憶が封印されている!
片倉 理不尽!
波野 そういえばやはりSFは猫だよね。
片倉 SFに猫が登場するだけでポイントひとつ上がりますね。夏への扉しかり、敵は海賊しかり、水惑星年代記しかり。アプロは猫にカウントしていいのか? シリアスでもコメディでも猫は万能。
波野 「雑誌なんか」という伝説の雑誌があるんですが、その誌上で、猫が登場すれば自動的にSF認定されることに決定しましたよ。
片倉 大丈夫ですかそれ。下手すると「ねこのきもち」までSFになりますよ。猫の地球儀はSFでしたけど。
波野 ホワッツマイケルもSFということで決着しています。
片倉 ウッソやろ……ちくわ……。それにしても、なんでSF作家には猫好きが多いんでしょうね。猫SFなんていう細分化されたジャンルまである不思議。シュレディンガーも例の有名な思考実験で、よりによって猫を選んでいますし、寺田寅彦も猫馬鹿で有名ですし、物理学者とかSF作家には猫好きが多い。
波野 猫自体が地球外生命体であるという説も有力ですね。テッド・キーの『宇宙からきたネコ』とか。日下部陽一(void)のニャントロ星人とか。枚挙に暇がない。誌面にも限りがあるのでマクラはこのぐらいにして、そろそろ本題。「スラップスティック」について。あ、そうだ。キャラ忘れてた。……キサマ、スラップスティックSFのスーパールーキーらしいが、エースの座は譲らないぞ!
片倉 いいえ、僕が今世紀の和製スラップスティックを牽引していきます。じきに奪いますから椅子の新調、よろしくお願いしますね。
波野 ぐぬぬ。そもそも「スラップスティック」って何のことかわかっているのかね? キミは!
片倉 言葉の意味としては「ドタバタ劇」ですよね。しばしばコメディと混同されますけど、「タイタンの妖女」や「敵は海賊」のように、コメディ要素はありつつも思弁的なテーマを取り扱っているものもあります。お笑いにロールダイス全振りのコメディとは似て非なるもの、ドタバタ劇の中に本当のテーマを隠し持つスタイル、と認識しています。
波野 「スラップスティック」はパシーンって音が出る舞台の小道具のことで、我が国ではハリセンに相当するもののことなのですよ。スラップスティック小説ということは、ボケ&ツッコミ小説ということでもある。
片倉 ありゃ。そうなんですか。ちょっと認識がズレてました。なにせ『銀河ヒッチハイク・ガイド』は表面的にはコメディ要素が強いけど、内容には反権力(だいたい役所を皮肉る)、人類のちっぽけさ(三番目に賢い)、飽くなき探求心の行き着く所(惑星型コンピュータ)、何よりアーサーの「僕は僕の人生とうまく折り合いがつけられてないと思う」の一言に集約される、人生のままならなさが書かれたものだと思ってましたから。まあ基本は馬鹿馬鹿しさでコーティングしてるんですけど。長々とそんなこと書かれたら読んでて退屈しますし。
波野 認識自体はまったくズレてないような。そもそもコメディ自体がアナーキーでシニカルなものだと思いますしね。漫才しかり、チャップリンしかり。そしてSF自体もまた反権力で(笑) SF方面でのスラップスティックの有名どころでは『銀河ヒッチハイクガイド』(ダグラス・アダムス)とか。ボク的には『うる星やつら』(高橋留美子)なんですけどね(笑)
片倉 うる星やつら、世代じゃないので知らないです。
波野 ぐはっ…若さ…! ぼくは1971生まれなので、その頃高校生w
片倉 まあ僕も30歳なんですけどね……。
波野 最近は『ガーディアン・オブ・ギャラクシー(リミックス)』もあるし。いい時代。
片倉 あ、それ知らないです。新刊チェックしないと……。
波野 これは映画ですな。
片倉 それまだ観てないです。観たいな。確かに反権力はお笑い要素の一つですよね。でもSF家はみんなクソ真面目だなあと思ってるところでもあります。真面目で反権力なSFも大好物なんですけど、たまには珍味も食べつつお酒を飲んでガハハと笑いたいんですよ。真面目ばかりじゃ胃もたれしちゃう。
波野 ぼくの場合、25年冬眠して目覚めて創作再開したら、シリアス系SFはもう定員オーバーでねえ。空いてるイスがスラップスティックしかなかったんですよ。そしたらちょっと流行ってきてるし、よかったなーと。
片倉 定員オーバーに由来してシリアス系の本の数も飽和してますねえ。僕を含めて読者も食傷気味になっているんじゃないかな、と思います。面白いんだけどさ、みたいな。例えば最近ハヤカワさんが公募始めてさたので受賞作読みましたけど、面白い、だけどシリアスで難解、読むのが大変、という感想でした。てなわけで、ここは早いとこニッチを自著で占めてしまわねばと思い、昨年半ばくらいから企画書を作って今年の夏に遊星ジャーナルを刊行したんですよ、というのが裏話。公募の結果を待ってらんなかった。
波野 ぼくらは鼻が利く!(笑)そろそろお互いの作品の話でもしましょうか。にごたなで爆誕した『遊星ジャーナル』は、単著で発売されましたが、これはシリーズ化の布石ですか?
片倉 はい、シリーズ化は確定してまして、五月末時点で既に四話まで書いてあります。表紙のデザイナーさんとも継続的にやっていくことで話が付いてます。
波野 もう四話まで! そういえば、お友達がアドバイザーになってくれたとかどこかで見た気がしますが、それは実にうらやましい!
片倉 へへへ。シリーズに惚れ込んでくれまして、僕の五倍は読み込んでますよ彼。嬉しいしありがたいんですけど、ぶっちゃけちょっと頭おかしいんじゃないかなって思ってます。
波野 まああの『ジャーナル』第一話の衝撃を思えば無理もない。詳しい内容については伏せときますが、キャラよし、ネタよし、テンポよしの三位一体ジェットストリームアタックですからね。第二話期待してます!
片倉 夏100が出る頃には二話も出てそうな気もします。ご期待に沿える自信はありますので、しばしお待ちを!
波野 この夏はタイクツしなくて済みそうだ!
片倉 ところで先輩、著作いっぱいありますけど代表作と自認しているものって何でしょう。ちなみに個人的にはオルガニゼイションシリーズのボン・ボヤージが一番好きな奴です。
波野 ボヤージ好きが! 彼は今後出番があるかも知れないキャラなので乞うご期待。
片倉 美味しいキャラですよねー。女の子も自由奔放で魅力的ですけど。
波野 代表作といえば、今のところ増えているのはオルガニゼイションですかね。ちょっとマニアック過ぎるせいか、評判的にはストラタジェム;ニードレスリーフ寄りの読者が多いみたいだけど。今回の夏100には完結作ということで「我輩は本である」を推してみました。
片倉 あ、それは読んでないやつだ……夏100から検索して飛ぼう。ところで、せっかく先輩が色々教えてくれるという話なので質問なんですけど、セルパブの作家さんたちってどんな価値観を持っていて、どんなスタイルで作品を作ってるのか、先輩の見解を教えてくれませんか? 多様すぎるというなら波野さんのスタイルでも。
波野 ある程度の傾向はありますよ。もちろん公募や同人中心の人もいます。確かに多種多様なので主なものだけになりますけど、いずれ出版社に拾ってもらって、メジャー(紙本)デビューを狙うものとか。電書である程度売れていると、稀に出版社から声がかかることがあります。なろう系とかでの人気作と同じですね。
片倉 なるほど、これは僕も期待していることではありますね。ウェブ小説にしていないのは、公式サイトを作ったり表紙を外注していることもあって、多少なり収益がないと困るということで有償頒布してます。
波野 ほかには、元はメジャーだった人が、何らかの理由で続巻が出なくなり、続きをセルパブで出し続けるというもの。
片倉 これは幾つか例を見ているので、そういえばという感じ。好きな作家さんを一人挙げますと、石川博品さんがライトノベルでデビュー後に同様のことをやってらっしゃいますね。
波野 今後増えそうですよね。あとは、そもそも電書で独立して売れることを最大目標としてやっているもの。ぼくは主に3つめです。だって本の値段の7割が取り分なんて最高じゃないですか。中抜きの極み。俺と読者だけの世界。まあシステムの利用料3割ってのはあるけど(笑)究極的には自分でネットストアを作って粗利100%で直売するのが夢です。
片倉 読者も著者も嬉しいのは確かにこれですよね。僕も可能ならこれでやっていきたいくらいです。
波野 この話は藤井太洋さんもどこかでしてたと思う。昔のことだから今は言ってないかもだけど、「作家は自分でストアを持つべき」ってね。
片倉 実際、直売のチャンネルも持ってますもんね、藤井太洋さん。
波野 まじか!いつの間に。
片倉 え、わりと最初から持ってませんでしたっけ。ペイジーか何かで。
波野 KDPでの動きしか見えてなかったですわ。
片倉 ここです。http://genemapper.info/buy-now/
波野 あーこれか。これは見てた。
片倉 決済に外部サービスは経由しますけど、ほぼ直売と言っていいのかなと。
波野 これはたぶん実験的にやったヤツで、藤井さんが本来目指していたものとは少し違うと思われます。
片倉 あー、そうなんですね。
波野 本人にきいたわけじゃないけど。てか、あの人はデビュー作からの流れでそのまままっすぐメジャーに行ってしまったからなあ。
片倉 レアケースで参考にならないやつだ……。
波野 もう少しセルパブ時代が長ければもっといろんなことをやらかしてくれたんじゃないかとは思ってます。惜しい人を持っていかれてしまった。
片倉 言い方が(笑)。
波野 直販してえなあ。
片倉 ただ、個人的に出版社の役割として「読者から見た品質の担保」があるんじゃないかな、などと思っているんですが、そのあたりどうでしょう。例えば僕の場合、SFを探すときにハヤカワレーベルだったら概要だけ読んで、あとは安心して買えちゃうんですけど、それは「ハヤカワが出してるんだから読むに値する」と判断するからなんですよ。セルパブの場合、個々人で「外から見た品質の担保」をどうやっているのか、あるいは気にしていないのか、気になります。
波野 プロの作品だからって間違いがなくて面白いなんて保障はどこにもないし、落丁乱丁以外では交換してくれないし、ダメな作品だからって返品に応じてくれるわけではないので、そもそもメジャーだったら大丈夫っての幻想なんですよね。セルパブそれを担保できてないのは自明だけど、メジャーだからって担保されてるわけじゃない。読むに値するかどうかは、読者が決めることなので、目利きができるかどうか、鼻が利くかどうかは、読者マターですわ。
片倉 僕らにできるのは「いかに作品が魅力的か伝える」「可能な限り多くの潜在読者に届ける」の二点くらいってことでしょうかね……。ちなみに、「著者として作品の品質を上げる」ために行っていることって何かありますか? 僕は「先行して読める権利」をちらつかせて査読者を確保している、くらいなんですが、他に良い感じのテクニックがあればこれを機に…(揉み手)
波野 品質は、とりあえず誤字脱字を最後の一つになるまで減らすこと(ゼロにはならないので)ぐらいかなー。キャラの魅力とかストーリーの面白さとか軽快な読み味とかはあたり前なので、誰でも出来てることでしょうからね。ことさら言うまでもない。
片倉 銀の弾丸はありませんね……。地道にコツコツやるしかないかー。
波野 ぼくの場合は、ぼくが読みたいものを書いているだけなので、特に工夫とかは考えてないんですが、その分ぼくと趣味が近い人にはめっちゃ楽しんでもらえるはずだとは思って書いてます。趣味が合わない人の面倒までは見れないです。それなら、わざわざぼくのじゃなくて、ほかの人の本を読んだ方がいい。青一さんの先行読者特権とかはいいですね。千人村思想にもつながりそう。
片倉 おお…TPIメソッドだ…。TYPE-MOONが作った「スタッフが面白いと言って反応したものを作る」という指標です。
波野 おおそんな用語が。パクろう。
片倉 NPIを重視!(Namino Performance Indicator)
波野 いやー正しいと思えるなあ。雑誌やってるといろんな角度で読み合いができるのでとてもいいよ。言ってみればエース級の読み手にいきなりぶつけられるわけで。だいたいの痂皮はそこでクリアできる。
片倉 あ、それは最近経験しました。今まで雑誌を読む習慣が無かったのでなかなか手を出せずにいたのですが、にごたなで共同編集したときにその良さは感じましたね。
波野 かつて群雛はプロのボランティアで品質を担保してたんだけど、そこまでしなくても及第点は取れるんだよね。完璧は求めないベストエフォートどまりだけど、それは「後で直す」片倉編集長の新雑誌もいずれ期待していいのかな? それともオルタニアで一度やってみる?
片倉 僕が編集やるとほぼ間違いなく「テーマに合わせて集めた上で全員殴ってぶっ殺す(誇張した表現」ことになって頓挫しそうですが、それでもよければ。
波野 皆殺し歓迎!では7号編集長(来年3月ごろ)内定でよろしくお願いします!
片倉 やべえこんな流れで編集長就任が決まってしまった。明日はどっちだ。というかオルタニア、そろそろ編集長の首が足りないから新しい首を探しているのでは
波野 6号までのクビ揃えてあったんだけどねえ
片倉 「クビを揃えてある」のワードパワー強すぎません?
波野 先に5号でぼくが玉砕
片倉 無茶しやがって……(キラキラ……)。ときに最近、独立作家同盟の理事でもある鷹野凌さんが「NetGalley」っていう「発売前の本のゲラを読んで評価できる」サービスを紹介してましたね。今のところ出稿できるのは出版社のみみたいですが、インディーズにも出稿の門戸が開かれると嬉しいですね。
波野 ああ。自分らでやろっか。
片倉 それもそうだ(おしまい)。
波野 あれに使えるシステムは持ってる。
片倉 なんとナントの難破船。
波野 てか別にベータ版無料で公開すると違うのかな。
片倉 動向を掴めていないという片倉の地金が露わになってまいりました。
波野 いやそんなこたない(笑)。
片倉 情報獲得の遅さは致命的ですゆえ……。
波野 じゃあ最後に2017セルパブ新人賞へむけての抱負をお願いします。
片倉 えっそんなんあるんですか。
波野 新設します。
片倉 じゃあえっと…全員ぶん殴って倒します。首は洗わなくていいです。端末で殴るので。
波野 楽しみです。
片倉 というかホント、新参をこうして招いて頂いてありがたい限りです。
波野 ニゴレンジャーとかいうのが早朝にドアバンしてきて、妻子を人質にとるもんだから仕方なく。
片倉 また暗躍してるんですかwwww
波野 警察かと思ってめっちゃビビったわ。
片倉 レンジャー名乗ってるくせに完全にショ●カー的な立ち位置だなあ……。
波野 特にブラックなんとかってやつがタチが悪いなあれは。
片倉 特定するのはやめておこう……僕も命と蔵書が惜しい……。
波野 では7号制作がはじまるころに拉致に行くので頸部を清潔に保っていてください。はーっはっはっは(バサバサー。
片倉 きさまー!(まあ原稿も落ち着いている頃だし多分大丈夫だろ……)。

〈おわり〉

片倉青一 鹿児島生まれ鹿児島育ち。寒さにめっぽう弱い。SFと百合が主食であると公言してはばからないスプーキー文筆家。大学では工学部にて心理学を専攻。最近は読者のための物語を模索している。現在は多くの人の力を借りて借りて借りまくってSF短編小説集『遊星ジャーナル』シリーズを刊行中。ヘール・ボップ彗星にならないよう、生存戦略している真っ最中。果たしてこの借りは返せるのか?

波野發作 東京生まれ、信州育ち。作家を志して上京後、製本所や出版社のアルバイト、編集プロダクション勤務および印刷会社営業を経て、フリーライター&フリー編集者に。本屋横丁およびバンクハウスを設立後、2014年のマガジン航の企画でペンネームを決め、作家活動を25年ぶりに再開する。実用書の執筆などで生計を立てつつ、波野發作としてインディーズ出版(セルパブ)での活動も力を入れている。デビュー作は「ストラタジェム;ニードレスリーフ」。他に「オルガニゼイション」シリーズ、「カブラヤキ」。BCCKS、カクヨムなどを中心に活動中。電書専門の表紙制作者としてもじわじわ活動範囲を広げつつある。

遊星ジャーナル01
『大いに偉大なる重力の遊星』 〔片倉青一〕

青聿書房100円 ▼Kindleunlimited

一万字SF小説バトル企画
「SF雑誌オルタニア増刊号 vol.2.5 [にごたな] edited by Denshochan」
にて最優秀賞を受賞した『遊星ジャーナル』が満を持して単著出版&シリーズ化!

一匹の猫と二人の女子大生は、新たに発見された遊星で重力を崇拝する集団に遭遇する。彼らは、彼らの崇める中性子星がブラックホール化することを熱望していた。逆立ちして「重力崩壊!」と唱えながら。

二〇世紀懐古型スラップスティックSF、始まります。

イラスト:舟橋光

夕凪の部屋 〔竹之内温〕

破滅派299円 ▼Kindleunlimited

同じスニーカー、狂ってしまった母の話、大学、ビートニクス、東京。言えずにいた思いが部屋の中でひっそりと強まってゆく。閉ざされた空間での思いを描いた傑作長編。

幽霊になった私 〔牛野小雪〕

360円 ▼Kindleunlimited

最近友達ともうまくいっていない。勉強も難しくなってきた。
両親はしょっちゅうケンカしているし飼っていた猫はいなくなる。
あんまり色んな事がありすぎて私は近くの公園でちょっとロマンチックな自殺をしたんだけど気付いたら幽霊になっていた。
誰も私が見えないし声も聞こえない。鼻をつまんだって気付かない。
幽霊になっても何もできないからつまんないことばっかり。
いくら待っても天国からのお迎えも来ないし、地獄に落ちそうもない。
あ〜あ、私これからどうなっちゃうんだろう。

牛野小雪が放つ新感覚のゴーストストーリー

メイディン・メイデン 〔犬子蓮木〕

もふもふ出版100円 ▼Kindleunlimited

機械の人形が主役のSF掌編が4つはいった短編集です。人間にそっくりだったり、人間とは違っていたり、そんな機械人形たちが中心となった、わけがわからないお話となっています。普通のものではありませんのでご注意ください。
メイディン・メイデン 広大な砂漠の中央に位置する城に全知の女王と呼ばれる機械人形エウロペアがいた。城には、女王に触れたものは殺されるという一つの規律があった。
メルティン・トゥ・エア バンベルガという名の機械人形たちが踊っている。うつくしさとは何か、その答えを求めるために、人間以上の踊りを繰り返し、観察し、修正し、完全なものを求めて。
リトレッド リュコスという名の女の子は森の中で赤ずきんの機械人形アンフィトリテを待ち構えていた。リュコスは、おばあさんのところへ荷物を運ぼうとしていたアンフィトリテに近づいて遊ぼうよ、と誘う。
スタティック・ログアウト 自殺志願の機械人形アドニスは、花畑で読書中の女の子リリィに出会う。機械だから自殺ができないと悩むアドニスは、なぜ、死にたいと考えるようになったのか。

瞑目トウキョウ 〔斧田小夜〕

破滅派899円 ▼Kindleunlimited

チェリー手提げ暗函からデジタル一眼レフまで、二十世紀はカメラにとっても激動の世紀だった。
写真に取り憑かれ、カメラに魅せられ、運命を狂わせた曽祖父。写真への情熱を忘れられなかった祖父。写真を恐れた父。
そして僕は――写真家になる。
時代を映すその目を前に、瞑目せよ。

三月彩七さんの優しい世界 〔十千しゃなお〕

100円 ▼Kindleunlimited

いつもマイペースな女の子・三月彩七さんの世界にはドラゴンや吸血鬼や神様……などなど、不思議なものがいっぱいいっぱい。それでも動じない彩七さんを中心にしたゆるふわシェアハウスコメディ。

ミニチュアガーデン・イン・ブルー〔キリチヒロ〕

300円 ▼Kindleunlimited

16年前、この海でひとりの少女が死んで、僕ら3人が生まれた。そして高校生になった僕らは10年ぶりに再会する。
海に閉ざされた町で生まれた幼馴染みの少年3人とその両親が作り上げる完璧な箱庭。この町にひとりの少年が帰ってくるとき、彼らの時間は動き出す。拾い上げていく過去は3人と1匹が海に沈めたブラックボックス。僕らは縛られ、繋がれ、絡み合っていく。それはすべて、海とともにある。愛の形をした海が、何があっても守ってくれる。

男子高校生3人の、入学から卒業までを描く青春三部作『blue』 第一部
ボーイズラブにしてジュブナイル、青色の純文学。
第一部「ミニチュアガーデン・イン・ブルー」は高校1年生、彼らの過去を追い現在へと繋げる物語。
まだ、箱庭は壊れない

イラスト:ヒラサキユカ

Gene Mapper -core-〔藤井太洋〕

Taiyo Lab500円 ▼Kindle

“生命すら設計できるその日、何を信じて未来の扉を開けばいいのだろう”
農作物の多くがメーカー製の「蒸留作物」に置き換えられつつある2037年。
作物の遺伝子をマークアップし、外観を設計するスタイルシート・デザイナー、林田のもとへ「ジャパニーズ・サラリーマン」を演じる黒川から調査依頼が入った。
カンボジアへ納品したスーパーライス、SR‐06に描いたロゴが崩れ始めたというのだ。原因はコーディングのミス?アップデートの失敗?それとも……
原因を探るため、林田は「キタムラ」と名乗る人物に誘われ、2014年に封鎖されたインターネットが生きている街、ホーチミンへ飛ぶ。
フルスクラッチで作物を作れるほどの遺伝子工学、現実と見分けられないほどの拡張現実が当然のものとなった2037年。
たゆまなく前進する科学技術は人類の繁栄を約束するのか?
ハイスピード・ノベル「Gene Mapper」が問う。

自衛隊のごはん
  海上自衛隊 呉・佐世保編 〔廣川ヒロト〕

300円 ▼Kindleunlimited

シリーズ3作目は海上自衛隊の食事にスポットを当てました。



海上自衛隊の隊員食堂(陸上施設)でおよそ4日間に渡って食事をしてきました。艦艇については、佐世保では、護衛艦こんごう(2食)、呉では潜水艦いそしお(1食)で喫食しました。本書は、その体験を綴った喫食レポートです。
ほか、呉や佐世保の関係各所から食事画像を多数提供していただきましたので合わせて紹介しています。
巻末には、呉基地業務隊、護衛艦こんごう、潜水艦いそしおから教えていただいたカレーレシピを掲載しています。

SIX 〔業平心〕

銅葉文庫490円 ▼Kindleunlimited

将棋AIに生きる人格メモリの話。近未来SF小説です。

人間対将棋ソフトの将棋で初めてがソフト側が勝利したそのときに、開発者が語った言葉がきっかけでした。
「勝って嬉しいとかはありません。最後まで電源が切れなくてよかった。それだけです」

霧の中で迷う人格メモリに何が起きたか。

巻頭には宵町めめさんの描き下ろしが付いています。

イラスト:宵町めめ

死について 葬送最前線 〔刈草亜美〕

弥栄文庫480円 ▼Kindleunlimited

現役納棺師のあいだで話題の一冊!

主人公刈草亜美は、納棺師になってもう二年目に入っていた。幼少から少し変わった家族と過ごし、自身もCD出版、ラジオ局勤務と転々と職を渡り歩き、ちょっと人とずれていることを感じていた主人公。彼女は自分の人生になんとなく納得がいかなかった。
「人に認めてもらいたい」想いが満たされないまま、また転職先を探していて、目に付いたのは遺体を洗う湯灌、納棺の仕事だった。広告に書いてあった「深い感謝」を求めて主人公はこの仕事に就くことになり、物語が始まる。

主人公刈草亜美と言う人物から、納棺業務までを描き、最後に死と向き合うことにテーマを置き、作者の経験をもとにして書いた小説です。

イラスト:FUMITOSHI

週末夫婦、猫を飼う 〔コユキキミ〕

たらこくらぶ100円 ▼Kindleunlimited

「猫と暮らすということは、そういう不都合を一つ一つつぶしていく作業のような気がする」(本書より)

月刊群雛2016年01月号を、ほっこりさせたあの「週末夫婦、猫を飼う」がもどってくる! さらに、短編3本追加して、猫写真もついてくる!

妄想好きの妻とごくごく普通の夫が猫を飼い始めた。猫を飼うということはそれなりにいろいろとありまして、猫アレルギーやら、脱出対策やら、避妊手術やら、考えたり、悩んだり、ひっかかれたり、本当にいろいろあるんです。
しかもこの猫には、不思議な力が……。

イラスト:sachi

シュトラーパゼムの穏やかな午後 〔佐川恭一〕

破滅派399円 ▼Kindleunlimited

セフレの妊娠に怯える俺。怪しげな教団に属するポジティブ上司・ユー・キャン・ドゥ・イット本部長。美人巨乳市民に襲いかかるホロコースト課職員・池上シェフチェンコ篤史。有名女性作家とねんごろになるためだけに小説を書き続けるザンジヴァル島本……アホどもの織りなす破滅ワールドを目撃せよ。CRUNCHNOVELS新人賞特別表彰作品。

主役じゃなかった彼に捧げるささやかな悪意の日記〔晴海まどか〕

白兎ワークス216円 ▼Kindle

日記形式で綴られていく、サイコホラー恋愛小説。

地味で目立つところなんて一つもない、同じクラスの坂崎くん。
彼のもう一つの顔に気づいた私に芽生えたのは、好奇心とささやかな悪意。
彼を知るためだけにあの手この手を尽くす私だったが、
膨れ上がった悪意はやがて思わぬ事態を招いていく。
ささやかだった悪意の行き着く先は?

写真:高橋里英

対談X 2017⑤

澤俊之 × 米田淳一

感想戦「第一回ノベルジャム」(2017夏)

米田 淳一 でもほんと、ノベルジャム(第一回。2017年2月開催)の実戦やってるときは私の方は自分のことばっかりで、全然周り見えてなかったなー。勝負にこだわりすぎたー! で、書き終わって、EPUBもできてプレゼン始まって、そのままヘトヘトで腑抜けだったんだけど、それでも薄れゆく意識の中で気になった作品があって。それが「助けて!池波正太郎!!」(著・菊池健)なのね。なんで気になったかというと、日光に電車で行く、微妙に遠いっ! ってプレゼンが気になって。ヘトヘトでも鉄ネタには反応してしまう悲しい性。昔は確かに遠かったけど、今、東武鉄道がJRと相互乗り入れしてて、結構便利になったんだよね。JRだけだと宇都宮まで新幹線使ったりしても確かに2時間30分以上かかったのよ。でも今はJR新宿から東武特急がそのまま日光まで行って2時間9分程度なのよ。まあ、それでも確かに微妙に遠いよなあ、まあ話壊れるほどじゃないし、いいかー、と思いながら、表紙のカレーとかニジマスとか美味そうだなー、と思ってたのを覚えてるなー。で、飯テロ作戦はあのとき「輝家魔法的肉包子店」(著・かずはしとも)もやってて。プレゼンで飯テロ作戦勢いるなー、と思ってたのね。で、ほほー、と思ってたら、私の後の澤さんがまさかギターと飯テロで全部持ってって、たまげたなー。群雛で一緒だったからギター作家なのは知ってたけど、夜の作業で波野さんがキョドウフシンになってたのはこれかー! と思って、なるほどなー、って。でも私はフラフラになってたので記憶が途切れ途切れなのね。授賞式なんかほとんど覚えてない。澤さんはそこでどんな感じで周りを見てた? ギターやったりして私より周り見えてそうな気がしたけど。私席真ん前で、後ろ全く見えてなかったのよ。肉包子の表紙もシズル感出てたなー。あのとき疲れて食欲なかったのでチラ見だったけど、今見るとよくできてるなあと。
澤 俊之 わたしは詰まる度にギターを弾いていたので、周りに迷惑にならないか気にしてばかりでした。勝負については初日に波野さんにアジられて意識したのですが、執筆に専念してたら完全に忘れていましたね。
米田 忘れましたか。私も今思えば書くことがとても楽しくて、他の人のことほとんど考えなかったなあ。波野さん、人ノセるのうまいから。ほんと。
 プレゼン拝見してて気になったのは「メテオライト」(著・結城紫雄)です。設定に惹かれました。表紙からも何か寓話的要素が感じられ、イマジネーション刺激されましたね。絵師さん各位と編集さん著者さんで打ち合わせして完成した表紙なので、どう内容とリンクしているのか気になってしょうがなかったです。
米田 「メテオライト」、後で読んでみたらとても素敵でしたね。隕鉄から刀作っちゃう話ですよね。高橋文樹さんのプレゼンもうまかった。あと表紙もよかったなあ。
 発想力が素晴らしいなと思いました
米田 そうそう。ほんと、そういうとこでノベルジャム、表紙、編集がセットになってるのがすごくよかった。
 表紙、タイトル含めていちばん気になったのは「スパアン」(著・米田淳一)でしたね。オノマトペなのか実在する言葉なのか。サブタイトル見て「あー、のっけ方うまい」と思いました。表紙は有田さんだったと思いますが、完成前のものを拝見し、やっべ、こんな立派な表紙がこんな短時間で生まれるのか! とドキドキしました。
米田 あれは私もビビりました。恥ずかしくて私が始め考えたタイトルが口が裂けても言えない……タイトルつけるの苦手ですもん。表紙は有田さん。すごかった。今はああですけど往時はすごく綺麗な建物なんですよ! っていったら、資料ささっと集めてその3倍ぐらい綺麗に描いてくれた。
 せっかくなので米田さん案のタイトルを知りたいところです(笑)
米田 ひいいい、その案はあまりにも恥ずかしいので、武士の情けでご容赦を(泣)
 内容については米田さんと同チームで隣にいたのでだいたい把握できていたのですが、初日に見せてもらった膨大な情報量の資料(時系列表)に超びびらせられました。どんだけ壮大な話描こうとしてるんだ、このひと! って
米田 ああー、確かに私入れ込みすぎてましたもん。ちょっとその前暇ができちゃって、即興だっていうのに準備しちゃったという。
 作品(まだない)の方向性を汲み取って描いてくれているというのが、しみじみセッションを感じました
米田 ですよね。それが本当は趣旨だろうな、というのに当日近くに気づいて、私は「あ、詰んだ」と思いました。でもよく考えたら私の準備、波野さんがヤダって言ってボツにしてくれたら、それはそれで全速力で全く別の書く覚悟してました。「にごたん」ってコンペでそのトレーニングもしてたし。
 さすが、日産5万文字の生産性は伊達じゃないですね
米田 でも最近、ちょっとそれが衰えてきちゃった。歳ですかねえ。老眼も進んできて。
 いや、5万文字は異常なので、もうそこそこにしておいてください(笑)
米田 でも澤さんのシャープに書き込んでくスタイル、あれにも憧れました。うちのはいつもドッタンバッタンだけど、ほんと狙い撃ちですもんね。波野さんにあれからあと、「澤さんは原稿の時点の完成度が高い。それなのにヨネさんは」ってお説教されましたもん。(笑)。まあその通りで。私の初稿は真っ赤っかでしたからね。ほんと。でも波野さんの訂正が素晴らしかったので、すごく信頼感もってやれたのは幸せだった。
 恐るべき情報量を脚注にぶん投げるという強引かつ華麗な技に感心しました。振り返ると、参加者全員、2日間で小説(面白い前提)描き切る自信あったんですかね。
米田 あれはなかなかしんどかったと思います。実際打ち合わせコストが大きく生じて、最後まで行くのもしんどいとこも多いと思う。それでもあの完走率はすごかった。自分一人なら間に合う人がほとんどだと思うけど。それができる人という足切りあったみたいですからね。
 わたしは本格的な編集してもらうの初めてだったので、赤がどれくらい入るものか知りませんでした。が、想定外に少なかったので「ひょっとして、問題にもならないくらいイケてない?」など不安になりました(マジで)。
米田 ああー、それはわかります。いつもドッタンバッタンな私はもっと赤が少ないと不安になる。編集さんとのペアの関係はすごくデリケートですもんねえ。ちゃんと読んでもらえてる? ちゃんと期待されてる? って、それだけでもう、ね。
 そうです。それそれ。文章で意図をちゃんと伝え切れているのだろうか、と
米田 ほんと、文章と作家としての本質にすごく関わっちゃいますもんね。新人さんが編集さんと揉めるとそれだもん。もう、完全に死にそうになります。だから苦し紛れにそれ呟いちゃって炎上騒ぎになります。昔炎上したことあります私。そういう意味で、すごくノベルジャムってゲームとしても本質えぐったものなんですよね……こええええ。
 確かにそうですね。ゲーム。波野さんのストラテジーが勝負を分けた感じがします。おかげで執筆に専念できたのだと思います。
米田 そこらへんで最優秀と賞を両方持ってったもう一つの組も考えたら編集さんと作家さんの構成でしたね。キャリアは向こうが上だけど。波野さんの方針決定は素晴らしかった。バッチリでした。あれが編集の技量そのものですね。
 米田さんと澤というカードを巧く使ってくれました。編集という立場にも興味が湧きました。プレッシャーハンパないとは思いますが(笑)。
米田 あの組が最優秀、うちが澤さんの優秀、そして全員受賞ってのはほんと、編集の力もがっぷり四つ状態だったんでしょうね。向こうは文芸編集のプロだけど、波野さん編集でも文芸編集は専門じゃないそうです。でも実用書はすごくやってるので、そのスキルがすごく生きてた。私には編集はできないなー、と感心しました。実は昼の仕事で編集みたいなことしてるんですが、波野さんにしろ他の人にしろ、すげえなあと。「(編集)みたいな」ことしかまだできてないんだ、ってすごく思い知らされました……。プレッシャーにも負けるし、それ以外の事務的なとこの詰めの良さなんかも私には足りない。そういうところですごく勉強になった。そう思うと女性の書き手と女性の編集のペアもいくつかあって、作品もそうなるのがなるほどなーと思いましたね。あとで読んだらそのとおりに。審査員に女性がいたら、また少し変わってたかもと思うとこはあります。
 事務といえば運営さん各位の気配りが異様にきめ細かくて、むしろ笑ってしまいました。そこまでケアするのかーって。
米田 運営さんもできること全部やってくれてましたね。よくやってるなあと。
 「なんでも相談してください」って、マガジン航の仲俣さんが、よろず相談所を設けていて、え? ってなりました
米田 ああー、あれもよかったなー。確かに。実は編集と書き手で掴み合いの喧嘩になることすら想定してたという噂が(笑)。
 あー、わたしも修羅場を想定していました。イベントのコンセプト自体が無茶だったし。
米田 たしかに空手とか武道有段者もいたそうです。
 有段者? 運営さんの中にも極真の有段者がいたような……。ガードの意味合い含めてのアテンドだったのかも 笑
米田 あと、あれからあと実際かなり修羅場になってキツかった、って人もいたようです。そこをこらえて完走したらしい。それはそれであとに生きる経験だと思うけども。掴み合いにはならなかったけど、意見のすり合わせがきつかった、って。まあそれもゲームのうちだもんなあ。
 やっぱ修羅場はあったんですね。物理よりも意見が合致しないほうがツラいですよね。
米田 メンタルがズタズタですよね……。でも完走したんですその人。えらい!
 自信につながりますよね。
米田 私だったらそうなると泣いて帰っちゃう。リタイヤしそう。
 (笑)。それはそれで、人生の糧になるかと。意志を持って参加したからこそ、完走もあればリタイアもあるわけで、どちらも価値あることだと思います。
米田 すごい財産ですよ。結局その場で辛くても、学べるとこはすごく多いし、だいいち書いてる人はどんなことがあってもネタとして再利用もマネタイズもできますもん。リタイヤですらそうです。すごくいいイベントでしたね。ほんと。
 そうそう、参加できただけで充分です。
米田 参加する以上は何か欲しい、と思っちゃいましたけどね。今年でデビュー20周年でしたから。でも、今思えばもらえなかったとしても楽しくて為になったと思う。
 しかしまあ、二日間で、実質十数時間で、17作品がリッチな表紙付きで産まれるというのはスゴいことですよね
米田 ほんと空前絶後ですよ。作るだけじゃなくて販売までやっちゃうんだもん。電子書籍ならではですよね。
 その提案は藤井太洋(日本独立作家同盟・理事)さん発とのことでしたね。運営側もハードル上げられすぎて引いた、と聞いています。
米田 個人的にはこのイベント、テレ東とかで番組にして欲しいぐらい。でなきゃニコ動とかでも。「小説王決定戦」って。
 あー、それ面白い。
米田 藤井さんのいい無茶振りでしたね。表紙作るってのも、凄くゲーム要素に関わりますもん。その無茶振りで本当に表紙チーム作ったのは運営もすごい。あの表紙チームもすごかった。ノベルジャムはいつか小説書きの甲子園化して欲しい。そのうちノウハウさらに積んでって。こういうの私の知る限りだとなかったから。
 有志にもほどがあると思いました。でも参加したひと全員に志があったからこそ良い形に着地できたのだと思います。藤井さんの作家向け講演もタメになりました。隣でガシガシ議事録タイピングしていた米田さんが印象的でした 笑。ひとつ大きな実績ができたので、どんどん形を変えつつ大きなイベントになることを望みます。
米田 あの講演、聴きながら「やべえ、趣旨違うことしてる」ってビビりながら、同時に準備全部捨てたこと想定して、ついでに手のウォームアップしてました。本当そうですよね。次回開催楽しみですよね。やってけばドンドン成長できる。イベントも参加者も。
 (笑)
米田 私が参加できるかどうかはわからないけど(笑)。今度は予選落ちしないかな(ええっ、そこ?)。
 次回は許されるならば編集者で参加するのもいいかなー。
米田 澤さんはできるかも。私は無理ー(笑)。だって、「オルタニア」ってセルパブSF雑誌で編集やって、凄く難しかったもん……。
 いえいえ、わたしは完全未経験なので、ダイブするのもアリかもくらいです。
米田 あ、そうか。そういうのもアリですよね。チャレンジャー。そうか、その視点はありだなあ。編集だと参加までは行けそうだけど、ついた作家さんに申し訳なくなりそう。私、基礎的な事務苦手だから。致命的。ひいいいい。
 振り返ると執筆も完全独学、というか自己流なので。あ、編集者の仕事を軽んじているわけではなく、高度なものだからこそダイブ、ということです
米田 ですよね。そういうことですよね。というか私も自己流ですから……。序破急とか起承転結とかナニソレ、って感じですもん。とさらりとテーマを否定してしまってないか私。ヒドイッ。
 表紙チームにエントリという選択肢も……? いかがですか
米田 ひいいいい。機材持ち込むのが大変ですよ。でかいタワーPCとディスプレイ4基でようやくやってるんだもん。腕ないから機械とソフトに頼ってるので。
 そこは運営さんに頼るということで……。
米田 ただでさえ大変なのに申し訳なさすぎます!
 余談ですが会社のデザイナ女子がNovelJam知ってました。松野さんと鶴亀さんとも知人らしく、世の中狭いなと。狭いというか目指すところが近似だと行く道で出会ってしまうのだなあと思いました。
米田 澤さんの表紙も良かったですよね。バッチリ南国。あれの経緯はあんまり聞いてなかったなあ。どんな感じでああなったんですか? 色彩設計からして良かった。
 今回のNovelJamで生まれた「PAUSA」(著・澤俊之)の表紙は松野美穂さんと亀山鶴子さんに作成いただきました。シーサーが超かわいいです。わたしのいちばん好きな色はオレンジなのですが、それがメインカラーに使われていて、心を読まれたのかと感じました。この場を借りて、素敵な表紙に感謝申し上げます!
米田 おおー! そうだったんですか。すごいっ。
 なんか「命」を感じました。
米田 表紙チームチームはそういうとこで、ノベルジャムのもう一つの勝者でしたね。ほんと。
 ですです。今回NovelJam2017に参加させていただき、あろうことか受賞までしてしまいました。得がたい貴重な体験に心から感謝しております。
米田 でも本当、作家生活20周年イヤーでほんと素敵な体験できました。セルパブの時代にもたどり着けた。ほんと、感謝しかないです。書いてきてほんとよかったな、って。20年前、セルパブなんかSFで書いても荒唐無稽って言われちゃいますもん。でも現実になった。すごい。できればあと20年書きたいけど、できるかなあ、って。
 次回どんな形で開催されるかわかりませんが、超期待しています。もし参加できるならば、新たな出会いが楽しみです。
米田 ほんとそうですよね。期待せずにはいられないです。私も参加したいなあ……運営さんどう考えるかわからんけど、何かの形で参加したいなあ。今からすでに楽しみです。
 最近はボイトレやら絵画やらダンスやら寄り道してるっぽいですが、すべて執筆にフィードバックしますので、あ、逆もまた然りですがチャレンジを継続して行きます。
米田 おおー。そうですよね。全部が繋がってる。楽しみ。
 では、次回のジャム、よろしくお願いいたします!
米田 よろしくです!

〈おわり〉


澤 俊之 東京都在住。静岡県出身。
NovelJam2017にて優秀賞受賞。作品名『PAUSA(パーウザ)』
代表作はギター小説「440Hz」
■好きなアーティスト:リッチー・コッツェン
■好きな作家:山本周五郎
■好きな映画:俺たちは天使じゃない(ニール・ジョーダン)

米田 淳一  1973年8月生まれ。秋田出身。海上自衛隊P-3Cの戦術航空士(TACCO)(航学21期)の家に生まれる。ゲームと鉄道模型と艦船・飛行機好きでシナリオ・小説を書き始め、東京・新日本文学で脚本家の山田正弘に師事。1997年11月、講談社ノベルズより女性型女性サイズ戦艦のSF小説「プリンセス・プラスティック~母なる無へ~」を発表して商業出版デビュー。その直後に日本推理作家協会会員となり、その後早川書房「エスコート・エンジェル」以降「プリンセスプラスティック」シリーズ以降5作を発表。黎明期の個人電子出版に参入、その後ダイナミックアークで同シリーズ完結14話まで発表。ほかにKDP・パブーなどで著書多数。BCCKSを利用して著書多数を各電子書店ストアに配本中。現在神奈川県厚木市でネコ2人と同居。
 現在某公共機関に勤務しながら自著の挿絵用CGや鉄道趣味・鉄道模型趣味を生かした鉄道小説を無料公開するとともに、Kindle版として主要作品であるプリンセス・プラスティックシリーズなどを再刊開始。
 NovelJam 2017 米光一成賞を「スパアン」で受賞。
 日本作家認定協会非認定作家第1号。

小説書きが苦しいときの特効薬 〔米田淳一〕

米田淳一未来科学研究所540円 ▼BCCKS

この頃世間に流行るもの、というわけで、で小説教室と小説の書き方本が流行ってます。私も実は何冊も買い込んでます。ええ、デビューして、推理作家協会会員になってもまだ買って研究してます。

でもね、結構書かれてることで、うーん、と思うことも結構あって。とくにメンタル的なとこについては全然書いてないなーと言うのがあって。それをケア出来る本が欲しいな、と思いました。私の場合、読みたい本、欲しい本は自分で書くのが基本です。

というわけで、この本はタイトルの通りです。書いてて苦しいときに、用法用量を守り正しく読んでください。守んなかったらどうなっても知らないけど、でも多分きっと効く。私は二十年間これでやってこられたから。効き目は実証済みと思います。このメソッドなかったら私は今日まで小説描きとして生きてこられなかったと思う。

日はまた昇る、君の心に 〔如月恭介〕

250円 ▼Kindleunlimited

沢井祥子は今をときめく人気週刊誌『ジャパン・ウィークリー』の記者である。東京都知事の公金横領の疑惑を追っていた彼女の元に、新たな仕事が舞い込んでくる。
タックスヘイブンの法律事務所から漏洩した顧客リストの調査――
世間を揺るがす一大スキャンダル――しかしこれは、それから起こる数々の大事件の序章にしか過ぎなかった。
脱税、横領、粉飾決算、法令違反――相次ぐ不祥事と、それに続く不可解な企業買収。その舞台裏に、彼女はある男たちの存在を知る。そしてそこには誰も想像しなかった驚くべき秘密が隠されていた――

閃きのフラッシュフィクションズ 〔楠樹暖〕

100円 ▼Kindleunlimited

原稿用紙5枚の作品を中心としたショートショートが11作品入った作品集。
『神罰の予約』公募ガイド「ライトノベルワンシーンコンテスト」第12回佳作作品/『会議は捻じれる』ループもの。/『見たいお芝居』亡くなった母親が現れて、芝居を見に行くという話。/『嫌な出来事、夢にします』仕事でミスをした男が占い師のすすめる「嫌な出来事を夢にする薬」を飲んで、その日一日を夢扱いにする話。/『お掃除ロボの帰還』公募ガイド「阿刀田高のTO-BE小説工房」第7回佳作作品/『凍りついた時間』生後一週間以内の赤ちゃんは冷凍保存をし、数年後に解凍することが可能となった世界の話。/『スマホに潜む疑惑』家にスマホを忘れてきた主人公だが、会社の後輩はLINEが既読になったという。/『立ち読みの少女』立ち読みをする少女を本屋さんが見ている話。/『aiの呟き』1001編の掌編小説を元に人工無能の技術でカットアップして作った小説。/『張子のマルコフ』マルコフ連鎖を利用した人工無能アプリが未来予測を始めた。/『チリ紙交換に出す死体』田丸雅智先生の「ショートショート書き方講座」に参加した時に作ったショートショートをブラッシュアップ。

成功している人はなぜゾンビなのか 〔月狂四郎〕

ルナティック文藝社99円 ▼Kindleunlimited

※バカなお客様は以下の注意書きを熟読し、十分にご注意下さい。
この電子書籍は自己啓発本形式をとったパロディー本です。
本著を遵守しても成功は約束されていませんので、くれぐれもゾンビになろうとしたり、バイオテロを企てないよう心よりお願い申し上げます。

 成功している人にはなぜかゾンビが多い?
 そんな疑問に答えるべく、本著ではゾンビが現代人と比較していかに優れているかを熱く語っていきます。
 さあ、これであなたも楽しくゾンビライフを過ごしていきましょう!

ぜんまい仕掛けのマエストロジカ 〔徒川ニナ〕

ディスカヴァー・トゥエンティワン864円 ▼Kindleunlimited

ノベラボグランプリ第1回最優秀賞受賞作品

半永久機関・機戒(ロギカ)の普及により爆発的成長を遂げたアルデバラン王国。
妻を亡くしスラムでひっそりと暮らす男・リコの心を支えているのは、四年前に自宅の前で拾った子供、ビビの存在だった。
しかしある日の夕刻、リコの元に、王立調律院の精鋭である半機戒人(マエストロジカ)のカデンツァがやってくる。
「その女児は王立調律院の『所有物』だ」
ビビをまるでモノのように扱うその言葉に、激昂したリコがとった行動とは……

イラスト:sunset

さくいん(いろは順) ※2文字目以降は50音順です。


行き倒れ日乗 〔有田降〕
インスタント・リプレイ 〔添嶋譲〕


ロリコン探偵仁とニック〔竹中越前守樫家〕


PAUSA 〔澤俊之〕
花呼吸 〔解場繭砥〕
ハムスターに水を 〔高橋文樹〕
ぱるんちょ巡礼記 〔ほろほろ落花生〕
犯罪特区COLD BRAIN 〔奏ちよこ〕


二次元最高美少女:二次元の美少女ではなく「エロゲ最高!」と叫ぶ美少女 〔戸松有葉〕


鳳凰はかく語りき ─東華百貨店物語─ 〔杉浦絵里衣〕
法律事務所×家事手伝い外伝 夏 完全版 〔川口世文〕
星に(なって)願いを〔伊藤なむあひ〕




Dr.Hack (Lifehack Lightnovel) 〔倉下忠憲〕
時計の針を止めろ〔武内一馬〕
ともだちの国 〔にゃんしー〕


ちっさめろん 〔紙上大兄皇子・著/高橋文樹・編〕

りぬるを


若い夫婦がベッドの中で話すこと:夫婦に関する4つの短編 〔高橋熱〕
我輩は本である 〔波野發作〕


カドルステイト物語 第一部『盗賊の掟』〔守下尚暉〕
神々の読む娯楽書 〔遠藤ヒツジ〕
神様とゆく!1112日小説を救うための読書の旅 〔弍杏〕
彼とは石の疎通ができない 〔稀〕




ダーティースノウ 〔初瀬明生〕
大四国戦線 〔折羽ル子〕
魔球投手1ダイヤモンドの魔術師 〔割鞘義一郎〕
ダブル・フーダニット 〔水瀬ハルキ〕




そしてくるみは、 〔松浦徹郎〕


鶴ヶ島 コンビニ戦記1 〔幻夜軌跡〕


ねぇ、その出版楽しいの? 〔丸木戸サキ〕
猫のひと 〔戸田鳥〕


なぐるふぁるの鬼娘 〔西紀貫之〕
夏風ノスタルジア 〔クロサワコウタロウ〕


らくがきウルファ! 〔針とら〕
らせんのせかい 〔神楽坂らせん〕


無職爆発 〔D坂ノボル〕
学園コメディ無責任姉妹③ 機械少年の憂鬱〔アヲイ〕


VIMANA 特別編 〔海田陽介〕
ウォヴォカの道化師 〔栗山真太朗〕
渦-uzu-:根木珠短編集 〔根木珠〕
ウソツキムスメ 〔泉由良〕
ウマが逢う話 〔和良拓馬〕
ウンダラワンダラ:電影幻影恋愛偽譚〔玖田蘭〕




野川隆著作集1 〔持田泰・編〕
のけものどもの:大前粟生短篇集 〔大前粟生〕


オーロラの夜明け 〔婆雨まう〕
オトナーランド1ザ・グレート・エントランス 〔真野清太〕


くずかごから酒場まで 〔アサミ・ラムジフスキー〕
黒桃短篇集 其の弐 〔黒桃将太郎〕


山彦 〔ヤマダマコト〕


またあした2 〔松原吉田〕
窓のもり 〔山田佳江〕
魔法中年っ! 〔皮算積人〕


掌編集・1 月光 〔松本好信〕
幻翅痛 〔河内和歌〕


ファウスト現代語翻訳版:第一部 〔ゲーテ/水上基地・訳〕
プロパガンダ・ゲーム 〔根本聡一郎〕
褌我来也 〔上住断靱〕


業火、附近を舐める 〔島田梟〕
甲子園のプロデューサー 〔ききようた〕
ゴースト≠ノイズ(リダクション)〔十市社〕
コヲロコヲロ 〔永元千尋〕
小麦粉発酵ベーグル指南書 〔古田靖〕
混血テロル 〔Juan.B〕
今度君に逢えたら 〔くみた柑〕
今夜は女子怪 〔奇談屋ファミリー〕


エレファントトーク 〔藤崎ほつま〕


テルミネ・ターミナ ─私が遅いんじゃない、時間が流れるのが速いのよ〔花笠香菜〕
天国のジャスコ 〔吉田棒一〕


アーマードール・アライブⅢ~非情の人形は悪魔の虜~ 〔FunnyCreative〕
青い月夜の特別なこと 〔赤井五郎〕
悪党のリバース 〔雨之森散策〕
或る集落の● 〔矢樹純〕
Our Numbered Days 〔王木亡一朗〕
アンダーグラウンド・エンカウンター〔弥生肇〕


最期の塔 〔夏居暑〕
サヴァイヴァ 〔さくらい桃花〕
桜七(サクラナナ) 〔小野寺秀樹〕
さよなら、ロボット 〔淡波亮作〕


気象精霊ぷらくてぃか Note-6:仁義なき酒蔵やぶり 〔清水文化〕
喫茶エリザベート 〔青井橘〕
キミはキメラ 箱庭の鬼 〔星見拾弐〕
ギャッツ:The Strange Gats 〔菊池公〕


遊星ジャーナル01『大いに偉大なる重力の遊星』 〔片倉青一〕
夕凪の部屋 〔竹之内温〕
幽霊になった私 〔牛野小雪〕


メイディン・メイデン 〔犬子蓮木〕
瞑目トウキョウ 〔斧田小夜〕


三月彩七さんの優しい世界 〔十千しゃなお〕
ミニチュアガーデン・イン・ブルー〔キリチヒロ〕


Gene Mapper -core-〔藤井太洋〕
自衛隊のごはん 海上自衛隊 呉・佐世保編 〔廣川ヒロト〕
SIX 〔業平心〕
死について 葬送最前線 〔刈草亜美〕
週末夫婦、猫を飼う 〔コユキキミ〕
シュトラーパゼムの穏やかな午後 〔佐川恭一〕
主役じゃなかった彼に捧げるささやかな悪意の日記〔晴海まどか〕
小説書きが苦しいときの特効薬 〔米田淳一〕




日はまた昇る、君の心に 〔如月恭介〕
閃きのフラッシュフィクションズ 〔楠樹暖〕




成功している人はなぜゾンビなのか 〔月狂四郎〕
ぜんまい仕掛けのマエストロジカ 〔徒川ニナ〕



あとがき(お詫び)

2017年7月に出ていたはずのものが、翌年5月。
本当に申し訳ありません。
募集をかけるところまでは大丈夫だったのですが、もうすぐ発刊という時期に本業の方がテンパってしまいまして、挙句夏が過ぎ、瞬く間に秋が過ぎ、為す術もなく年を越え、いつしか年度も変わって、結局翌春ということになってしまいました。
このままお蔵入りという選択肢もあったのですが、改めて見返してみますと、やはり高い熱量は隠しきれません。お時間を割いていただいた対談も時期を逸してしまってはいますが、今読んでも面白い。スタッフメンバーの強力な後押しもあって、ここに日の目を見せることができる、という段階に至ることができました。
ご支援いただいた作家の皆様、対談に応じてくださった皆様、そして叱咤激励しながら手伝ってくれたスタッフ一同、本当にありがとうございました。そして、すみませんでした。

そして2018年、出来るのか、という声もありましたが、やります。
継続こそが、この事業の根幹であり、存在価値だと再確認しました。
今度こそは夏に出す! そう強く決意し、その発刊をもってお詫びと代えさせていただきたいと、思っております。

何卒よろしくお願い申し上げます。

編集長・波野發作 拝

ここからは業務連絡です。

参加してくださった作家のみなさん、ありがとうございました。
本企画は通信、作業、その他を円滑に行うために、極力簡略化して進めさせていただきました。
そのため、「社会通念上無許諾でも許される範囲」で引用、拝借を行っております。
また、紹介文はレイアウトの都合上、適宜以下の改変を行っております。
・1ケタおよび3ケタ以上の数字、英字略称などは全角英数字に変更。
・2ケタ半角数字は縦中横に。
・一部約物で、表示上見栄えが悪い場合、同内容の全角文字に変更。
・改行数の一部省略。
悪しからずご了解賜りますようお願い申し上げます。
記載状態で不都合の生じる方は、個別にご連絡ください。誠意をもって対応させていただきます。

ご連絡窓口は https://twitter.com/fuliefool 波野發作のTwitterです。DMでもメンションでも大丈夫です。2018年版では窓口が波野に統合されるので、この機会に相互フォローをしておいていただけると幸いです。

以下の内容についても可能な限り対応します。ご希望があればお知らせください。
・ストアリンクではなく、ランディングページに誘導したい。
・Kindleではない別のストアに変えたい。
・書影が変わったので差し替えたい。
・別の本に変えたい。
・取り下げたい。
・表紙絵師の名前を書影に添えたい。
・価格表示を変えたい。
などなど、お気軽にご相談ください。

ではみなさんのセルパブライフがよきものでありますよう。

夏100実行委員会

セルパブ!夏の100冊2017

2017年7月1日 発行 初版

著  者:ぱぶにゃん
発  行:夏100実行委員会
表紙写真:katalinks / 123RF 写真素材

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ぱぶにゃん

セルパブ界隈に住む、地域猫。
人語をしゃべるが、語尾が「ぱぶ〜」になる。
ひろいおでこがチャームポイント。

撮影:Yoshie Yamada

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