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3. どんな権利がある?(支分権)
■ 著作者人格権
■ 著作権(財産権)
4. 無断で利用できる例外とは?
無料かつ無断で利用できる著作物のある場所
著作権法に基づく権利です。
・ひとことで言えば、自分の作品(著作物)が、どのように利用されるかを決定できる権利
・作品として表現された瞬間、自然に発生する
・うまいヘタは関係なく、人の考えや気持ちが個性的に表現されていればいい
・うまく利用すれば、お金を手に入れることが可能
・権利が侵害されたら、差止請求したり、民法709条の不法行為に基づき損害賠償を請求したり、刑事罰(10年以下の懲役または1000万円以下の罰金)があったりといった形で守られる
・TPP11により今後は非親告罪化(①営利目的または権利者の利益を害する目的がある、②有償著作物を原作のまま、③権利者の利益が不当に害される、の3要件を満たす場合に限る)
・思想または感情を創作的に表現したもの
・言語の著作物(小説、脚本、論文、講演など)
・音楽の著作物(楽曲、歌詞)
・舞踊又は無言劇の著作物(ダンスなどの振付)
・美術の著作物(絵画、イラスト、版画、彫刻など)
・建築の著作物
・図形の著作物(地図、図面、図表、模型など)
・映画の著作物(映画、アニメなど動画全般)
・写真の著作物(写真そのもの)
・プログラムの著作物
・他と著作物とそっくりそのままでは単なるコピーなので、独創性(オリジナリティ)が必要
・どこまでが真似で、どこからが独創的なのかは、単純に線を引くことができない
・創作的に表現されていない、単なるアイデアの段階は著作物ではない
・どこまでがアイデアで、どこからが著作物なのかも、単純に線を引くことができない
・セーフ?:おおまかな設定、文体、絵柄、コンセプト、テーマ、モチーフ(主題)、構図、被写体、ポーズ、タイトル、見出し、短いフレーズ、登場人物の性格、ありふれた表現、配色
・アウト?:そっくりな表現、要約、平面絵の立体化、細部までトレース、コラージュ、パロディ、二次創作、MAD
以下の権利が、作品として表現された瞬間、自然に発生し、どのように利用されるかを自分で決定できるようになります。逆に、自分で創作した作品以外は、無断で利用すると権利侵害になる可能性があります。
著作者(著作物を創作した人)だけが持っている権利で、誰かに売ったり譲ったりできません。
・公表権:著作物を公表するかどうか、いつ、どういう方法で公表するかを決められる権利
・氏名表示権:著作物を公表するときに、著作者の名前を表示するかどうか、どういう名前を表示するかを決められる権利
・同一性保持権:著作物を他人に無断で改変されない権利
お金にまつわる権利で、誰かに売ったり譲ったりできます。
・複製権:印刷、写真、録音、録画、手で書き写すなど、著作物を複製する権利
・上演権:演劇、落語、ダンスなどを公に上演(録画再生も含む)する権利
・演奏権:音楽などを公に演奏する(録音再生も含む)権利
・上映権:映画など作品を上映する権利
・公衆送信権:インターネット、テレビ放送、ラジオ放送、ケーブルテレビのような有線放送で流す権利
・口述権:言語の著作物を公衆に口頭で伝達(録音再生も含む)する権利
・展示権:美術・写真の著作物の現作品を展覧会など公に展示する権利
・頒布権:映画の配給と、複製物を販売、貸与する権利
・譲渡権:著作物やその複製物(映画を除く)を配布、販売する権利
・貸与権:著作物の複製物(映画を除く)を貸与(レンタル)する権利
・翻訳権:著作物を翻訳する権利
・翻案権:著作物を編曲、脚色、映画化などして二次的著作物を作成する権利
「出版」に関しては、これらの権利とは別に「出版権」が認められています。
・著作物を原作のまま複製し発売・頒布(出版)できる権利
・著作権者が設定する(契約に基づく・紙など物理メディアと電子は別々に設定可能)
・設定された出版社(者)は、出版行為を独占できる(つまり、契約がある限りは、他から同じ本は出版できないし、著作権者自身も自由にできない)
・設定された出版社(者)には、継続して出版し続ける義務がある(絶版=契約切れ)
・強力な権利だが、実演家やレコード製作者・放送事業者などに自然発生する著作隣接権に比べると弱い
・パブリック・ドメイン:著作権保護期間が満了した著作物(青空文庫など)
・現在の著作権保護期間は死後50年間だが、TPP11が発効したら死後70年間に延長される
・パブリック・ライセンス:著作物を自由に利用できる範囲について、著作権者があらかじめ意思表示をしている場合(クリエイティブ・コモンズ・ライセンスなど)
https://creativecommons.jp/licenses/
・包括契約:放送や動画投稿サイトなどの事業者と、著作権等管理事業者(JASRACなど)が包括的な利用許諾契約を結んでいる場合
・私的使用のための複製:著作物を、個人または家庭内程度の範囲内で使用するために複製する場合(違法アップロードされた音楽や映像のダウンロードなど、一定の場合を除く)
・引用:公表作品を自作の中で紹介する場合、必然性、明瞭な区別、主従関係、出所明示などに留意すれば無許諾で利用できる
・非営利かつ無償:上演、演奏、上映、口述、貸与は、非営利かつ無償などの条件を満たせば許諾が要らない(図書館など)
・写り込み:写真の撮影や、録音、録画するときに、対象から分離するのが難しい他の著作物が少し入ってしまう程度なら問題ない
・国立国会図書館デジタルコレクション
http://dl.ndl.go.jp/
・flickr
https://www.flickr.com/
・The British Library
https://www.flickr.com/photos/britishlibrary/
・NASA on The Commons
https://www.flickr.com/photos/nasacommons/
・Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/
・ウィキメディア・コモンズ
https://commons.wikimedia.org/
・ぱくたそ
https://www.pakutaso.com/
・写真素材 足成
http://www.ashinari.com/
・いらすとや
https://www.irasutoya.com/
パブリック・ドメインの作品でも、生前であれば著作者人格権の侵害にあたるような行為は禁止されています。また、サービスによってライセンス(利用条件や利用規約)が異なる場合があるため、利用する前に必ず確認しておきましょう。
・商標権:規制されるのは他人の登録商標を自分のブランドネームなどとして使う行為のみ
・意匠権:大量生産可能な工業製品のデザイン形状(写真やイラストなど平面に写しとるのはOK)
・肖像権:誰かの顔写真を無断で利用しちゃダメ(有名人でも一般人でも)
・名誉毀損:誰かの悪口を書いちゃダメ(名誉、信用、プライバシー、差別、神への冒涜表現など)
・わいせつな表現:露骨な表現はダメ(刑法のわいせつ物頒布等の罪)
・性的感情を刺激する行為の直接的表現
・残酷な行為の描写
・誹謗中傷、差別表現
・犯罪を助長する表現
・個人情報の流布
・出会い目的での使用
・誤認を招く表現、他者および団体、著者名の詐称
・著作権、商標などの権利侵害
・勧誘、誘導、宣伝目的での利用
・その他法令に違反するもの
「表現の自由」は憲法で保障されていますが、差別と感じて抗議をするのも自由です。表現する以上、批評はもちろん、抗議される可能性もあることは覚悟しておくべきでしょう。クレームに対応する時間はコストでもあるので、負担をなるべく避けようとすると、予防措置としての自主規制が自然と強くなります。
・デジタルコピーは劣化せず、クリック1つで簡単にできてしまう
・自分の手元を離れて複製されたデータは、もう自分の意志では消すことができない
・無断転載を100%防ぐことは不可能
・イラストや写真なら、直接自分の名前(サイン)やサイトのURLを刻んでおくといいかも
・ネットにはあまり高解像度の画像をアップしないほうがいい
・投稿サイトの利用規約は面倒でも目を通しておこう(とくに著作権に関する条文)
・投稿サイトの公式埋め込み機能(エンベッド)なら権利侵害にならない場合が多い
・無断転載されているのを見つけたら、まずその事業者へ通報。国内事業者であればプロバイダ責任制限法に基づき対処される
・アメリカの場合、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)でプロバイダの責任が制限されている
・Googleに DMCA 侵害申請して、検索インデックスを削除してもらう手も
https://www.google.com/webmasters/tools/dmca-notice
・最近は、広告主・広告ネットワークを攻めて兵糧攻めにする手法も一般的になってきた
・逆に、多くの人に利用してもらいたいならクリエイティブ・コモンズ・ライセンスを宣言するのも手
・陰で「あいつはパクリ常習犯だ」みたいな、あることないことを言われる可能性がある
・第三者から「パクリだ!」「盗作だ!」と騒がれて炎上する可能性がある(過去の発言ログが残っていると発掘され燃料に)
・アイデアを真似られた側は「事前にスジを通せ」みたいなことを言いがち(もちろんそれが社会通念上必要な「マナー」という場合も)
・「いじめ」や「話題を集める」ことを目的として、威圧的・恫喝的なクレームをつけてくるケースも
・言うべきことは言うとしても、必要以上にきつい言葉で追い詰めると、いつかブーメランが返ってくる可能性がある
・参考にしたアイデアがあるなら「××のオマージュです」などと、あらかじめその旨を記載しておいた方がいい
・「クレジット表記不要」なフリー素材やパブリックドメイン作品の使用であっても、第三者からわかるように記しておいた方がいい
鷹野凌作『本を出版したい人が知っておくべき権利や法律』は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際 ライセンスで提供されています。
2018年7月7日 発行 第3版
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フリーライター/ブロガー。NPO法人日本独立作家同盟の理事長で、デジタル・ネットワーク技術による出版の革新活動をしています。実践女子短期大学の非常勤講師として、デジタル出版論とデジタル出版演習を担当。明星大学でデジタル編集論を担当。
小説・漫画・アニメ・ゲームなどの創作物、ボカロ・東方、政治・経済・国際関係などの時事問題、電子出版・SNSなどのIT関連、著作権、表現規制問題、天文・地球物理などの分野に興味があります。プロフィール画像は樫津りんごさんに描いて頂いた架空のキャラクターです。アイコン詐欺ですいません。
ブログ「見て歩く者」
http://www.wildhawkfield.com/