───────────────────────
───────────────────────
この本はタチヨミ版です。
深夜2時を過ぎて、道路には車が通る気配がなく、実際に
車は走ってこなかった。
季節は12月、雪は降っていないものの、気温はかなり低
い。
そんな中、道路の脇に2台のバイクが駐車してをり歩行者の
道に男女が居た。
男の方は寒いのに道に座り込んでおり、女性の方はガード
レールに体を預けていた。
男はホットのカン・コーヒーを飲みながら言う。
「カオル、俺と付き合ってくれ・・・・・・」
カオルと呼ばれる女性は、長い髪をかきあげなからいう。
「サワキ、あんたのことは好きだよ、ずっと、前からね、
でも、それはできない・・・・・・」
カオルは遠い目をしながら悲しい顔で言った。
サワキと呼ばれる男は、カン・コーヒーを一気に飲むと、
おもいっきし地面に投げつけた。
カランっ、という大きな音が鳴り響いた。
サワキはカオルを見て言う。
「何でだよ、いったい俺のどこが気に入らないん
だ・・・・・・」
二人の間に冷たい風が吹き荒れた。
風は、カオルの長くて美しい髪をさわさわと揺らした。
シャンプーの甘い臭いがサワキの鼻孔を刺激して、思わず
ドキンとさせる。
サワキはカオルの美しい顔を見て、自分の顔を左に反らし
た。
カオルは赤いライダースーツの胸のポケットからキャス
ターのタバコを取り出して、一本、口にくわえると、ライ
ターを取り出して、火を着けて吸う。
カオル
「ふーっ、今回の件ははっきしいって、あんたが悪い」
サワキはばつの悪そうにしかめつらをしていう。
「はっ、今回の件、なんのことだよ・・・・・・」
カオルは言う。
「あれじゃあさ、あんまりにもキョウコが可愛そうだ
よ、ね、私が何を言いたいのか、分かるでしょう」
一ヶ月前、サワキの恋人であるキョウコは授業をサボりす
ぎたため、追試を受けることになっていた。
キョウコは困りながらどうしょうかと思案していると、隣
の家に住んでいる、秀才のミズサワという、クラスは違う
が、その男がたまたま、独り言を聞いて言った。
「勉強、見てあげようか・・・・・」
ミズサワは親切心で言っており、キョウコの事をどうにか
しようなどとは、まったく考えてもいなかった。
そして、キョウコはミズサワに勉強を教えてもらってい
た。
サワキはたまたまキョウコに電話すると、彼女はこう言っ
てしまった。
「あー、サワキ、今こっちは大変だよー、クメっていう先
生知ってるでしよー、アイツさー、私が学校をサボってい
たのが気に入らなかったらしくてさー、補習授業するって
いうんだよー、でもね、隣の家に住んでいるさー、ミズサ
ワ君て人がいんだけどー、彼がさ、勉強を教えてくれるっ
てねー、今教えてもらっている最中、いゃーさすが秀才君
は頭のできが違うわ・・・・・・」
キョウコは別にサワキに対して頭のできがちがうという意
味で言ったわけではなかった。
しかし、サワキはその言葉が頭にきたのだった。
キョウコからしたら単なる冗談な話をしたつもりだったの
だが・・・・・・」
それにサワキは自分の彼女が他の男といることにも頭にき
たし、彼女が大変な時になにもできないでいる自分に
も、頭にきていたのだった。
サワキは頭の中がパニックになってしまった。
そして、キョウコに言う。
「ふざけんなよ、キョウコ。俺の頭が悪くて悪かったな、
ソイツはさぞやお利口さんなんだろうよ、俺と違ってな、
で、なんだよ、俺にないしよでそいつと勉強か、お前は
勉強を教えてもらったご褒美に、そいつに一発やらせて気
持ちイイか・・・・・・」
キョウコは唖然として言葉がでなかった。
キョウコ
「ちっ、ちょつと、なにいってんのよ、私は別にあんたが
頭が悪いなんて思ってないよ、それにひどいよ、彼は体が
目的じやないし、わ、私の言い方が悪かったよ、ね、許し
てよ・・・・・・」
サワキは電話を切った。
自分でも、分かつていた。キョウコが そんな女ではないと
いうことに、ただ、無性にに頭にきた。
それからサワキとキョウコはケンカが絶えなかった。
そんな中、カオルは二人の中を戻すために話に入っていた
が、二人の中は修復されないまま、もう、一週間以上も
サワキとキョウコは会っていなかった。
そして、今日、サワキからカオルの所に電話があった。
サワキ「あー、カオル、ワリイ、大切な話があんだよ、今
から会えない」という電話であった。
カオルは着替えてサワキに会いにバイクを飛ばした。
カオルが深夜出掛けようとすると、カオルの父親であるキ
ヨウスケと出くわした。
キヨウスケは言う。
「カオル、こんな時間にどこに行くんだ」
カオルはキヨウスケをキッと睨みながら言う」
「あっ、どこだってイイだろ、あんたにゃ関係ない」
それを聞いたキヨウスケはさすがに激怒した。
「親に向かってなんだ、その言い方は・・・・・・」
カオル
「あー、そうだね、忙しい親だもんね」
キヨウスケはその言葉にショクを受ける。
彼は普段霊能者の仕事をしており、母親がガンでなくなっ
てから男手一つで育てたが、カオルに寂しい思いをさせて
いた。
もちろん、キヨウスケはカオルが魔界女王だと言うことを
知っている。
だが、二人には埋められない大きな溝が出来ていた。
カオルは幼い頃から大切な母親の愛情を知らずに育ってき
た。
そんなことも、彼女がグレる一因だった。
愛情に飢えていた。
幼い頃のカオルはとても明るくて、素直な子だった。
成績もよく、スポーツも万能、おまけに美しいという、
魔界女王にふさはしい容姿をしていた。
近所の子供の世話をよくしていたし、暖かくて、優しい子
タチヨミ版はここまでとなります。
2018年2月14日 発行 初版
bb_B_00153514
bcck: http://bccks.jp/bcck/00153514/info
user: http://bccks.jp/user/142998
format:#002t
Powered by BCCKS
株式会社BCCKS
〒141-0021
東京都品川区上大崎 1-5-5 201
contact@bccks.jp
http://bccks.jp